経理のテレワークはなぜ少ない!テレワーク推進企業に転職するには!?
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新型コロナウイルスの感染対策として導入が加速したテレワーク。テレワークは業務の効率化、ワークライフバランス、人材確保、コスト削減といった観点からメリットの多い一方で、どの企業も必ずしも順調に進められているとはいえない実情があり、中でも経理部門はテレワークを進めるのが難しい職種とされています。
今回の記事では、経理のテレワーク化の課題と解決策や、経理のテレワークを進める企業への転職について解説します。
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コロナ禍でも約7割の経理が出社
株式会社ロボットペイメントが行ったアンケートによると(調査期間:2020年6月13日(土)~2020年06月15日(月) 回答数:1000人)、「外出自粛期間中に、テレワークを実施できたか」という質問に対し、「実施できなかった」と答えたのは69.1%でした。
新型コロナ感染拡大防止策として政府はテレワークの推奨をしてきましたが、経理担当者がなかなかテレワークに移行できない実態が浮き彫りになったかたちです。
<参考>
・「経理1000人に聞いた緊急事態宣言下における働き方と電子化推進に関するアンケート調査」
経理がテレワークしづらい理由
経理担当者がテレワークを阻害した要因として最も多かったのが紙の請求書業務でした。
経理業務のテレワーク化を阻んでいる最も大きな障壁が「紙」ベースの業務プロセスが根強く存在していることです。「紙」という実物を即時的に受け渡しするためには勤務場所に出社しなければなりません。
電子帳簿保存法の見直しなど電子データによる証憑の利用が進められている昨今ですが、領収書や請求書などは紙ベースで管理する習慣は多くの会社で続けられています。
請求書や契約書の作成、上長の承認、発送作業まで、一連の流れがオフィス内でなければ進められないという認識をなかなか変えられない職場は珍しくありません。
社内の問題だけではなく、取引先からの請求書など、証憑が郵送やFAXで会社に届くため出社しなければならない事情もあります。自社だけが電子データ化に積極的でも、取引先が対応してくれなければテレワークへの移行は容易ではありません。
支払いや出入金確認のために直接銀行に行かなければならないことも出社を余儀なくさせる主要因の一つでしょう。
また特に中小企業などの小規模な事業所に多いケースとして、経理業務を少数の担当者に任せっきりにしてしまって、汎用性のない属人的な業務フローになっていることがよくあります。ベテランの経理担当者が「できない」「難しい」とテレワークを突っぱねて進められなかったり、理解があっても「導入の検討段階」がいつまでも続いたりすることになります。
経理業務をテレワーク化するには
経理業務をテレワーク化するには、やはり「紙」をデジタル化することが最重要課題です。書類のデジタル化をしてネット上で作業できるシステムとセキュリティを整備することでテレワーク化は可能になります。
具体的には次のような取り組みが考えられます。
証憑のデジタル化と電子保管
最も大きな課題の解決策であり、得られる効果も大きいのが証憑のデジタル化です。デジタル化された伝票や契約書などのデータは自宅のパソコンからでも送受信が可能になるので、わざわざ出社しなくても業務を進められます。
証憑をデジタル化するためには、紙の証憑をスキャナーなどで読み取るか、証憑の作成から送付、決算業務までを一貫してデジタル化で進めるかのどちらかでしょう。
現在紙の証憑でやりとりしている会社とも、いずれはすべてをデジタル化していくことが望ましいといえます。
紙の証憑を経由すると、封入・発送作業やスキャニングなどの手間が増えます。またデジタル化によってペーパーレスにつながりますし、伝票ファイルの保管場所も必要なくなります。業務効率化により人員や労力のカット、物理的なコスト削減にもなります。「テレワーク関連のシステムにかけられる予算がない」として導入に踏み切れない企業も多いようですが、中長期的には見ればペイできるコストだといえるでしょう。
証憑のデジタル化には取引先の協力も必要になりますが、新型コロナウイルスの感染対策が求められている今ほど理解を得やすい時期はありません。今を好機として一気にテレワークを進めるチャンスだといえます。
FAXの積極的な利用
デジタルデータによる請求書には対応できなくても、FAXで送受信できる企業はたくさんあります。
FAXを使用することにはテレワーク化において2つの点でメリットがあります。1つは郵送よりも早いこと。もう1つはスキャニングせずにデータ化できることです。
経理の仕事は伝票の上で成り立っているため、「請求書が遅れている」「内容に誤りがあった」などとして到着が遅れると業務が滞ってしまいます。週末を挟むとさらに遅れが出るため、タイムラグの小さいFAXは非常に便利です。
また最近ではFAXの受信データをそのままPDF化して保存できる機器やサービスが充実しています。パソコンのPDFファイルを取引先のFAXに送信することも可能です。紙の証憑でやりとりしている取引先にはむしろFAXを積極的に利用してもらうことでテレワーク化を進めることができます。
クラウド会計システムの導入
クラウド会計システムを利用することでオンラインでの仕事が可能となり、作業効率も格段に上がります。
請求書や領収書など、自社発行の証憑はもちろん、取引先や社員の経費精算でも自動読み込み機能で手打ち作業を省くことができます。生産性が上がる上に入力ミスも軽減できるため導入すると便利なツールです。
仕訳作業から決算までの業務はもちろん、給与計算、顧客管理、販売管理といった機能もあるため、自社の事業にマッチしたシステムを選ぶことでほかの部署との連絡調整や情報共有もスムーズになります。
グループウェアの導入
グループウェアとはスケジュール管理、設備使用予約、掲示板、ワークフロー、メール、チャット、文書管理など、組織全体の業務を一元的に共有・管理できるシステムです。社員数が数百人規模の企業であればすでに導入しているところは多いでしょう。
上長の決裁もグループウェアでできるので、まさに仮想空間上のオフィスともいえます。必要な電子データさえ用意できればテレワークはグループウェアで進められるでしょう。
セキュリティ対策
技術的にはいくらでもテレワークが可能といっても、心配なのはセキュリティ対策です。セキュリティソフトで外部からの攻撃を守ることは当然ですが、グループウェアのログイン用パスワード漏洩、見知らぬメールの開封、証憑データの持ち出しといった人為的な事故防止のためのルールづくりと運用管理を整備する必要があります。
テレワークを推進している企業に転職するには?
テレワークはICT技術を活用して空間の制約を越えて業務を行う新しい働き方です。テレワークを推進している企業は、標準レベル以上のITリテラシーや時代の変化への対応力などが備わっていることが考えられます。また、従業員数の多い企業ほどテレワークに取り組んでいる傾向にもあります。
ただし全体的にはテレワークを導入している企業はさほど多くないので、事前の情報収集が必要です。
テレワークを推進している企業かどうかを知るためには、転職エージェントを利用するとよいでしょう。採用募集をしている会社の情報が得やすくなります。管理部門の転職に特化した弊社MS-Japanでも、テレワークを積極的に推進している求人のご紹介をしていますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
新型コロナウイルスの騒動によりテレワークは一気に注目を集めましたが、労働人口の減少対策として、業務の効率化やアウトソーシング、ワークライフバランス、副業の奨励などのため、すでに数年前から進められてきた取り組みです。
テレワークに対する姿勢は時代の変化にどれだけ対応できるかの指標にもなります。労働条件の良し悪しの判断にとどまらず、会社の将来性という観点からもよく考えて転職先選びの材料としてください。
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