2024年04月09日

40代税理士は転職できる?実務経験者・未経験者別で解説!

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税理士試験には、一度合格点をクリアした科目について、その翌年以降、受験を免除される「科目別合格制度」があるため、働きながらでも受験勉強を続けやすく、社会人になってから資格取得を目指す人も多い資格です。
しかし、その分合格年齢が上がり、年配の新人税理士も増えています。国税庁が発表している「令和4年度(第72回)税理士試験結果」によると、税理士試験受験者28,853名のうち、41歳以上の人数は10,805名と、実に全体の約37%を占めています。

今回は、40代の税理士の転職市場や勤務先、転職のポイントなどを税理士としての実務経験者と未経験者別で解説しています。
弊社サービスを活用して転職を成功させた方の事例も紹介しているため、税理士の転職をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

40代の税理士は実務経験者・未経験者どちらも転職できる!

転職活動は30歳を超えると次第に難しくなると一般的にいわれます。それでは、税理士の場合はどうでしょうか。

40代税理士:実務経験者の場合

税理士転職決定者の年代

上のグラフは2023年4月から2024年3月にMS Agentを利用して転職に成功した税理士の年代の割合を表しています。
全体の41%を40代が占め、全年代で最も割合が多いことが分かります。

平均年齢が60歳を超えていると言われる税理士の転職市場において、実務経験のある40代の税理士は一定のキャリアを積んだ即戦力になる若手~中堅人材と評価されます。
高齢化する税理士業界では希少性が高く、実務経験のある40代の税理士はニーズが高く、転職活動では複数の転職先候補から選ぶことができます。
ただし、これまでの経験と転職先で求める経験・スキルがマッチしていない場合は、必ずしも希望条件で転職ができるとは限らないため、注意してください。

40代税理士:実務未経験者の場合

もし、会計や税務の実務経験がなく、他の分野で働きながら税理士試験に合格した方ならどうでしょうか。結論から言うと、転職は可能です。

実務未経験の場合は、大手事務所などを目指そうとすると難しい場合がありますが、中小事務所であれば十分に可能性はあります。
税理士は社会人になって他業種を経験してから目指す人も多く、事務所を経営している所長税理士にも、そういったバックグラウンドの方は多いため、キャリアチェンジに対して他業界よりも理解が得やすい傾向があります。
また、営業出身者などで、クライアントとの折衝力に優れている方であれば、むしろ社会人経験を評価していただけるケースも多いです。

実務経験者よりも未経験者を優先して採用するケースもごく稀にあります。
例えば、ご高齢のクライアントを持つ資産税を中心に行っている会計事務所の場合は、実務経験よりも税理士資格の有無を重視するケースがあります。
「税理士」という肩書はクライアントに対して信頼感を与えることができるため、クライアント目線で採用活動を行っている場合は、税理士資格者を優先して採用するからです。

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税理士の勤務先は?

会計事務所・税理士法人

税理士の勤務先として最も一般的なのが、会計事務所や税理士法人です。
会計事務所は税理士が個人事業主として運営している形態、税理士法人は2人以上の税理士が法人として運営している形態という違いがあります。

会計事務所は、小規模で運営していることが多いため、クライアントも中小企業や個人であり、スピード感を持って仕事を進めることができる特徴があります。
一方、税理士法人は大企業をクライアントとしていることが多いため、チームで役割を細分化し業務に取り組むという特徴があります。
年収や福利厚生などは税理士法人の方が充実していることが多いですが、将来独立を目指している税理士は幅広い業務経験が積める会計事務所でのキャリアがおすすめです。

一般企業

一昔前までは、税理士の勤務先は会計事務所や税理士法人が王道でしたが、最近では一般企業の経理財務などに勤務する企業内税理士というキャリアを選ぶ方が増えています。
税に関する専門知識を持つ税理士は、企業内での税務業務を担当することが多く、その高い専門性が評価され、経理部長やCFOなどの役職を目指すこともできます。
また、会計事務所や中小税理士法人と比較すると福利厚生などが充実してしているため、ワークライフバランスを整えたいという転職理由で一般企業を希望する税理士も増えています。

コンサルティングファーム

税理士は、財務や会計、経営に関するコンサルティングファームでの仕事も選べます。
特に、株式公開支援事業承継支援企業再生支援などの税務面でのアドバイスが求められることが多いです。
また、国際的な業務に携わることも可能で、グローバルな経験を積むことができます。

金融機関

金融機関でも、税理士の資格は高く評価されます。特に、事業継承中小企業の再生コンサルタント資産管理などの業務でその知識が活かされます。
税理士が金融機関で働く場合、社内の業務を担当する「バックオフィス」や、顧客対応を主とする「フロントオフィス」のいずれかを選ぶことができます。

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40代の税理士が転職する際に抑えるべきポイント

情報収集を怠らない

40代の税理士資格者はニーズが高いため、内定獲得はしやすいです。
しかし、転職後にギャップを感じるケースや転職活動に想像以上の期間がかかってしまうケースも多いため、転職活動を始めるのであれば、最新の税理士転職市場や求人に関する情報収集は欠かせません。
情報収集を積極的に行うことによって、自身が市場からどれほど必要とされるか、またどのようなスキルを身につけるべきかを知ることができます。
転職サイトで定期的に求人情報を確認したり、税理士特化の転職エージェントに登録をして、最新の税理士転職市場について情報収集をしましょう。

転職理由や転職後に取り組みたい業務を明確に

転職を考える際、自分のキャリアや将来のビジョンを明確にすることは非常に重要です。
特に40代の税理士は、将来的には独立を視野に入れる方も多いため、具体的な目標や取り組みたい業務を明確にしておくことで、適切な転職先を見つけやすくなります。

業務経験は数字を用いて具体的に伝える

40代の税理士は、多くの業務経験を持っています。税理士として実務経験が未経験の場合も、経理業務やマネジメントなど関連する経験を具体的に伝えることで、応募先の企業や事務所に自分の価値を理解してもらいやすくなります。
経験者の場合、特定の領域に特化したスキルを持つ税理士は、高い採用需要があります。

40代だからこそ、面接対策はしっかりと

40代は社会人経験が豊富であると想定されることが多く、20代~30代前半の若手よりも的確な受け答えをすることを求められます。
税理士の経験が優れていても、コミュニケーション能力がネックで内定を獲得できないケースもあり得ます。
そのため、面接時には自分の強みや経験をしっかりとアピールすることが非常に重要です。

少しでも面接対策に不安があるようでしたら、転職エージェントなどの専門家に相談し、客観的な意見を取り入れることをおすすめします。

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【実務経験者・未経験者別】税理士の求人例

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仕事内容
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仕事内容
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必要な経験・能力
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・税理士科目または簿記2級をお持ちで、税理士を目指している方
・経理経験者で税理士を目指している方
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想定年収
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【実務経験者・未経験者別】40代税理士の転職成功事例

3週間で内定2社!40代税理士に学ぶ、短期決戦で転職を成功に導く秘訣!

Tさん

Tさん(40代・女性)資格:税理士(簿記論 財務諸表論 所得税 固定資産税 酒税)

個人会計事務所
年収:700万円

矢印 矢印

個人会計事務所
年収:700万円


Tさんは地域密着型の個人事務所で6年間働いていましたが、所長が変わり環境が大きく変わったため転職を考えました。
希望としてはワークライフバランスを維持しつつ、資産税や事業承継などの新しい分野に挑戦できる環境を最優先で転職活動を実施しました。
その中で2つの事務所から内定を獲得しましたが、それぞれの詳細情報を見た上で最終的には少人数ではあるものの優良クライアントが多い事務所を選びました。

現在、会計業界では人材不足が問題になっており、内定も獲得しやすい状況です。だからこそ、転職先を選ぶ際は実態をしっかり確認し、冷静に判断するべきです。
Tさんは自身のキャリアプランや希望を照らし合わせた上で情報収集を行っていたため、より短期間で希望通りの転職が叶いました。

一般事業会社から会計事務所にキャリアチェンジ!会計事務所未経験の税理士が転職できた理由

Aさん

Aさん(40代・男性)資格:税理士(簿記論 財務諸表論 法人税 相続税 消費税)

一般事業会社の経理
年収:600万円

矢印 矢印

個人会計事務所
年収:550万円


Aさんは大手メーカーで経理・財務業務に勤務しながら、税理士試験に合格され、試験合格を機に企業の経営支援を目指して会計事務所への転職を考え、当社に相談しました。

Aさんは税理士事務所での業務は未経験だったため、事務所規模を絞らず幅広く応募することにしました。
結果、事業会社での経理・財務経験と働きながら税理士試験に合格した点が評価され、複数の事務所から内定を得られ、最終的に中小企業の経営相談や事業承継問題に対応する地域密着型の会計事務所を選びました。

未経験での転職をする際は、Aさんのように自身の市場価値を客観的に判断した上で、応募する求人を絞り過ぎず、積極的に活動することで良い転職に繋がります。

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【実務経験者・未経験者別】税理士への転職でよくある質問

実務経験者向け:よくある質問

Q.マネジメント経験がなくても転職は可能ですか?

A.一般的には、40代であればマネジメント経験など、部下を持って働いたことがあるか否かという点を求められるケースが多いですが、税理士の場合は専門職のため、必ずしもマネジメント経験が必要というわけではありません。
しっかりと税務に関する知識を持っており、税務申告書作成等の基本的な業務対応ができる方であれば、現在の転職市況であれば高く評価いただけます。

Q.現在の所属事務所よりも大手に転職することは可能ですか?

A.可能です。ただし、40代税理士の場合は、基本的には即戦力であることを期待して採用されますので、これまでの経験業務と、任せたい業務内容との親和性は、面接時に深く確認されます。
これまで行ってきた業務内容やご自身の得意分野を面接時にしっかりと伝えられるように準備しておきましょう。

Q.転職で年収を上げることは可能ですか?

A.可能です。会計事務所業界は、いまだに旧態依然とした経営をしている事務所もあり、こういったお悩みで転職を考えられる方は多いです。
弊社では、事務所担当者がしっかりと事務所の給与形態等をヒアリングしておりますので、入社時に年収アップが期待できるか、入社した後にどのように給料が上がっていくのかといった点もお伝え出来ます。
また、希望年収等をお伝えいただければ、担当エージェントが代わりに年収交渉をさせていただきます。

未経験者向け:よくある質問

Q.税理士資格は何歳までに取得すると転職に有利ですか?

A.専門資格は若くして合格したほうが希少価値も高まります。
現在の転職市場では40歳位までに税理士試験に合格をされていると、比較的転職活動もスムーズに進まれている方が多いですが、40代~50代で税理士資格を取得し未経験で会計事務所業界へ転職される方も見受けられます。
なお、税理士試験の場合、全科目合格(=資格者)でなくとも、科目合格していれば業務未経験でも転職市場で評価されます。

Q.転職に有利な科目はありますか?

A.国税三法(法人税、相続税、所得税)の資格合格があれば、総体的に転職に優位になります。しかし、あなたがどのような分野に転職したいかで、取るべき税理士試験の科目は異なります。
例えば、大規模法人の税務会計を志向される場合は、法人税法は必須ですが、資産税分野に興味をお持ちであれば、相続税法の知識は大変有効です。
これから税理士試験勉強を始めるのであれば、まずはご自身のキャリアパスや目標を設定してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

40代の転職と言うと、一般的には長くキャリアを積んだハイクラス人材しか内定をもらえないのではないかと考える方が多いと思いますが、税理士の場合は40代でも若手~中堅人材として高く評価されます。
特に会計事務所や税理士法人で一定の経験を積んだ税理士であれば、転職先の選択肢も多く、余裕を持った転職活動ができれば、キャリアアップ、年収アップも叶えられます。
しかし、転職活動を始めるにあたり、自分がどのようなキャリアを歩みたいのかが決まっていなかったり、転職市場や応募企業の情報収集を怠っていると、思わぬ落とし穴に足を取られてしまう可能性がありますので、税理士専門の転職エージェントに相談するなどして、余裕をもった転職活動を心掛けましょう。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

篠原 義樹

大学卒業後、不動産会社にて個人向けの営業を経験。その後MS-Japanへ入社。会計事務所・コンサルティングファーム・監査法人・法律事務所・社会保険労務士事務所等の法人側担当として採用支援に従事。現在はキャリアアドバイザーも兼務し一気通貫で担当しております。

会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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