2024年08月14日

簿財合格が転職の武器に!税理士科目合格でも需要は高い?

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税理士試験は、国家資格の中でも難易度の高い試験のため、複数回に分けて受験することができます。
合格が必要な5科目のうち、一部の科目だけでも合格していれば、それだけで転職に有利に働きます。

特に、簿記論および財務諸表論(以下簿財)合格者の評価は高く、転職市場でも一定の需要があります。
税理士事務所に転職する場合、科目合格者は優遇される傾向にあり、何らかのアドバンテージが見込めるでしょう。

この記事では、税理士試験科目合格者の転職事情について、簿財合格者の有利性と合わせて解説します。

税理士試験の科目合格者は転職に有利

税理士試験の科目合格者は、会計・税務業務における必要知識をすでに備えているものと評価されます。
そのため、就職や転職の場面では、科目合格者でない応募者に比べて有利に働きます。

税理士試験に合格するためには「5科目合格」が必要だが……

最終的に税理士試験の合格者となるためには、全11科目の中から、必須科目と選択科目を合わせて5科目合格しなければなりません。
科目合格制というルールがあるため、税理士試験は数年かけて合格を目指すことができます。

仮に、何らかの理由があって税理士試験の受験を中断せざるを得なくなった場合でも、科目合格の実績は生涯にわたり有効です。
それだけ各科目の合格率も低いので、たとえ合格している科目が1~2科目であっても、転職市場では十分評価されるのです。

特に科目合格者を求めているのは税理士事務所

会計業界は、少子高齢化の影響もあって、地方を中心に税理士・会計業務従事者が不足しています。
税理士試験の受験者数も年々減少しており、平成28年度の受験申込者数は47,145人であるのに対して、令和3年度の受験申込者数は35,774人となっています。

そのような事情から、若手税理士の数は減少しており、多くの税理士事務所が危機感を抱いています。
過去には3科目合格以上を応募要件としていた事務所が多かったのですが、近年では1~2科目合格者未経験者を募集する事務所も増えてきています。

若手の人材を教育する必要性を感じている税理士事務所では、研修制度・福利厚生を充実させることに力を入れています。
働きながら税理士試験に合格しようと考えている求職者にとっては、追い風の状況と言えるかもしれません。

一般企業やコンサルティングファームでのニーズはどうか

税理士科目合格者は、応募者に会計知識を期待する一般企業にとっても欲しい人材です。 ただし、税務を自社で行っているかどうかによって、ニーズにも差が生じるでしょう。

税務のほとんどを顧問税理士が担当している企業では、自社で税務担当者を新たに配置したい場合を除いて、基本的に税務に詳しい人材を必要としません。 しかし、自社で決算を組んで税務も行う場合は、税務知識を重視して人材を採用する必要性が生じます。

コンサルティングファームの場合は、逆に一般的な税務知識だけでは太刀打ちできない案件が多数存在するため、国際税務やM&Aなど専門分野に精通している必要があります。 例えば、事業承継や相続に関する分野でコンサルタントに相談するクライアントは少なくないので、顧客のニーズに合致する科目合格者は優遇されるかもしれません。

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簿財とは?税理士試験の科目合格数で評価は変わるのか

簿財は、税理士試験において必須科目であり、税理士になるためには避けて通れない科目です。
以下、簿財の概要や、税理士試験の科目合格数と評価の関係性について解説します。

簿財とは?

簿財とは、簿記論と財務諸表論を略した表現で、税理士になるためには、大学院修了による科目免除等の一部例外を除き、「原則として必ず合格しなければならない」科目です。
それぞれの科目に合格した場合、以下のようなルール・考え方が受験者に身についているものと判断されます。

簿記論…企業活動における取引の記録・集計・計算方法などのルールに関する科目
財務諸表論…会社の利害関係者(株主・銀行)に対して、経営成績や財産状況を開示する目的で作成される、財務諸表の作成方法・考え方・ルールに関する科目

簿記論と財務諸表論は互いに関連性があり、簿記論では具体的な処理方法を、財務諸表論では理論面を学ぶことになります。
簿財の理論に関しては、株式会社の仕組みをベースにまとめられていることから、株式会社の制度・用語を理解することも求められます。

簿財の科目合格者であるメリット

簿財は税務・会計業務の基盤となるものであり、税理士事務所のみならず、様々な職場で自分の能力をアピールすることにつながります。
一般企業の経理部門に応募する際も、簿財の資格があれば有利に働くはずです。

簿財は税務・会計業務の基礎を熟知しているかどうかを判断する科目のため、税理士試験の中でも難度が高い部類に入ります。
科目合格に加えて実務経験も十分なら、鬼に金棒となるでしょう。

何科目合格すると転職に有利なのか

面接官に好印象を与える、といったレベルであれば、1科目の合格であっても十分かもしれません。
しかし、例えば実務未経験者が税理士事務所を目指す場合などは、最低でも簿財に受かっておいた方が採用の確率は高まります。

大手税理士事務所の場合、3科目以上の合格者を採用するスタンスのところも珍しくありません。
年齢が上がるにつれて、合格した科目数や実務経験のハードルが上がっていく点にも注意が必要です。

また、評価につながる科目も、税理士事務所や企業等で違いがあります。
簿財は必須科目であるため、こちらにプラスして所得税法や法人税法に合格していると、高評価につながりやすいでしょう。

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簿財を取った科目合格者は税理士事務所に転職できる?

簿財を取得した科目合格者は、数多くの職場で重宝されます。
以下、簿財の評価が高い転職先について解説します。

税理士事務所(会計事務所)

税理士事務所では、簿財の知識が実務に直結するため、応募者の能力を図る上で重視されます。
年齢にもよりますが、仮に会計・税務分野の仕事が未経験であったとしても、採用される可能性は十分あります。

ただし、転職後は忙しくなるので、プライベートの時間を割いて勉強を続けるのは大変です。
将来的に独立を検討しているなど、実務経験よりも資格取得を優先する理由があるなら、定時で帰れる職場を選んで5科目合格を目指すのも一手です。

20代で合格しているなら、いわゆるBig4のような超大手税理士法人も視野に入れることができます。
日本を代表する大企業に対してのダイナミックな税務経験が積める上に、若くして高年収を狙える職場でもあることから、科目合格の際は是非チャレンジください。

一般企業

一般企業の経理業務と、簿財は密接に関係しています。
よって、簿財合格者は一般企業でも一定の評価を受けることでしょう。

仮に、簿記論・財務諸表論の片方しか合格できていなかったとしても、面接官の評価にはプラスに働きます。
企業側も、科目合格者でない人材に比べて「より多くの仕事を任せられる」と判断するはずですから、将来のキャリア構築にも有利です。

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簿財がある場合、科目合格者の年収は上がるのか

税理士試験の科目合格者は、そうでない人に比べて、年収が上がる傾向にあります。
求人情報の中で、科目合格者の年収につき、別途記載している事務所や企業も珍しくありません。

税理士事務所に未経験で採用された人の年収は、例えば日商簿記3級の合格者で300万円程度が想定されます。
そこから、1~3科目合格者は360~390万円ほど、4科目合格者は450万円ほどに年収がアップするイメージです。

最終的に、5科目すべてに合格すれば、その後は税理士登録を済ませるかどうかで年収が変わってきます。
登録しなかった場合であっても、500万円前後にはなるものと考えてよいでしょう。

こういった相場観を踏まえて、簿財のみ合格したケースを考えてみると、2科目合格者なので360~390万円の年収となるのが一般的です。
ただし、実務経験が加味されれば、当然ながら年収も増えるはずです。

一般企業など、税理士事務所以外の転職先を選べば、より良い条件で雇ってくれる可能性もあります。
転職エージェントなど、求人情報が豊富なサービスを活用しつつ、自分が納得できる条件の職場を探しましょう。

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税理士試験科目合格者歓迎の求人例

税理士試験の科目合格者は、様々な職場で歓迎されています。
以下、MS-Japanで取り扱いのある求人の中で、おすすめの案件をいくつかご紹介します。

【大手税理士法人の求人】Big4税理士法人の求人!

仕事内容
・税務業務全般(決算、税務申告〈法人税・所得税〉など)
・組織再編に関する税務提案
・事業再生に関する税務提案
・不動産の買収・流動化、J-REITなどの投資立案
必要な経験・能力
・税務・会計・ファイナンスに関する知識、財務経験 ・税理士(科目合格者含む) ・証券アナリスト、CFA、簿記などの資格保持者 など
想定年収
500万円 ~ 1,000万円

【ブティック系事務所の求人】少数精鋭事務所の求人!!

仕事内容
・会計及び税務全般に関わる広い業務(会計税務顧問・各種申告書作成など)
実務経験が少ない方には半年~2年程度事務経験を積んでもらい、その後お客様の担当についていただきます。
必要な経験・能力
公認会計士または税理士(税理士試験2科目以上合格者検討可)
想定年収
550万円 ~ 1,000万円

まとめ

税理士試験の科目合格者は、会計業界や一般企業で重宝されます。
税理士を目指す人が少なくなってきている中で、科目合格者は一定の能力があるものと期待されており、将来の戦力として迎え入れたいと考えている税理士事務所や企業は数多く存在します。

簿財をはじめ、複数の科目に合格するほど、年収にも反映されていきます。
簿記論・財務諸表論のいずれかに合格できただけでも、十分評価の対象となりますから、経理や会計に携わっている人なら、簿財はチャレンジする価値のある資格と言えるでしょう。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

篠原 義樹

大学卒業後、不動産会社にて個人向けの営業を経験。その後MS-Japanへ入社。会計事務所・コンサルティングファーム・監査法人・法律事務所・社会保険労務士事務所等の法人側担当として採用支援に従事。現在はキャリアアドバイザーも兼務し一気通貫で担当しております。

会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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