IT企業の法務として働く!主な仕事内容や年収は?
今回は、IT企業にとっての法務の重要性などをご紹介します。
IT企業にとって、法務職はとても深い関わりがあり、必要不可欠なポジションなのです。
IT企業の法務と他業種の法務はどう違うのか
IT企業の法務業務の中で多くの割合を占めるのは、契約チェックや事業に関する相談に対応することです。
ある程度規模の大きい企業であれば、契約類型毎に契約書フォーマットがあるので、あまり大きく修正する必要は無いでしょう。しかし、修正量が少ないから楽ということはありません。特にソフトウェアなどの知的財産権などで紛争が起こった時には、「契約条項」に焦点が当たるので、ポイントを見逃さないようにする必要があります。
そのポイントとは、大きく分けて「法務一般の契約条項」と、「IT業界ならではの契約条項」に分類できるかと思います。
・法務一般の契約条項
法務一般といえば、免責条項が挙げられるでしょう。基本的には、IT企業側が責任を負うことが多いので、できるだけ責任の上限を設け、損害の内容も、直接・通常損害に限定し、間接的、派生的、付随的損害を外すよう交渉することになると思われます。上限をいくらにするのかは交渉力にもよりますが、「契約金額の範囲」というのがよくあるパターンで、故意・重過失のある場合に免責が否定されるというのもよくあるパターンです。
・IT業界ならではの契約条項
ITならではの契約条項といえば、仕様確定プロセスや、検収プロセス等の条項が挙げられるでしょう。特に、一括で請け負う場合には、契約段階では具体的に何をすれば「仕事の完成」かが不明確で、要件定義等の作業を進める中で徐々に明確になるという場合もあります。例えば、ある時点で「これが作るべきシステムの内容です、これ以降お客様の希望による修正があれば有償ですよ」という約束をしたとします。これが仕様凍結であり、これをしないといつまでもお客様の様々な要望に対応しなければならないことになってしまいます。契約書等でこのような仕様確定プロセスの規定を設けることが多いと言えます。
また、検収については、ユーザーの業務運用未習熟等の理由で検収を拒絶されることも想定し、「みなし検収」規定を入れ、モノを渡してから◯日以内に何もアクションがなければ検収とみなすという規定を入れることが多いといえます。
プロジェクトにまつわる相談としては、
- 検収してもらえない
- 大量に人を投入しなくてはいけないことになり、大赤字だが、追加費用を払ってもらえないか
- システムが納期に間に合わず(or間に合いそうもなく)解除&損害賠償と脅されている
- 客先からこんな「謝罪文」を書けと言われているが大丈夫か
- 予想外の支出が出たが、これはうちが持つべきか、相手に請求できるのか
- 下請がひどい仕事をしていて作業を肩代わりしているが、なんとかならないか
- 訴えられた
等々、さまざまなことが考えられます。
日頃の相談と、上記の契約法務の「ITならではの問題」の双方に共通の問題がありますが、このような点に的確に答えるには「システム構築の法務」を学んでおかないと、太刀打ちできないといえます。全部「顧問弁護士に丸投げ」では、法務の意味はありませんし、顧問の先生に相談するにせよ、問題のポイントを切り分けて整理しておく必要があるでしょう。
高年収を狙うならば、外資系のIT企業法務?
IT企業の法務職の収入については、企業の規模や経営状態に応じて決まりますが、中小企業の場合は年収400万円ほど、大手企業の場合は年収600万円ほどになることがあります。
そして多くの日本の企業では役職や年齢に応じて年収の額が上がっていくので、課長や部長などの役職に就いたりマネージャーとして全体を指揮する立場になったりすると、収入はさらに高くなります。
ただし、企業によっては「弁護士」「司法書士」などの国家資格を取得している人や「ビジネス実務法務検定」などの検定に合格している社員に手当を出すこともあり、この場合は他の職種よりも少し給料が上がります。
外資系は他業種より平均年収が高い傾向にあるため、IT関連の外資系法務職も、一般的に高年収での採用が期待できます。
また、消費者とのトラブルや訴訟が多い国で商品を販売する企業にとっては、優秀な法務スタッフを雇うことで経営のリスクを減らすこともできるため、能力の高い法務スタッフを高収入で雇用することに積極的なケースも多いと言われています。
「自分の能力を試してみたい」「高い収入を目指して挑戦してみたい」という人にとっては、外資系の企業で法務の仕事を担当するというのもひとつの選択肢でしょう。
まとめ
以上今回は「IT企業にとっての法務とは?」という内容についてお送りしました。
IT業界は、サービスの提供だけでなく、納期に間に合わせる、納品後の動作確認、トラブル対応など、案件の規模によっては長いフローやスパンで取引をする場合もあります。そのため、優秀な法務人材を採用し、法務の組織体制を整えておくことは、企業の利益やブランドを守るために必要不可欠なのです。
さらに、IT業界は今後も成長し続ける業界であるため、法務人材としてキャリアアップや、業務幅を広げていきたい方は、IT業界への転職をご検討されてみてはいかがでしょうか。
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