企業内法務で歓迎される資格は?
法務は極めて専門性の高い分野のため、企業内でも特に優秀な人材が求められる傾向があります。
法律の知識は勿論のこと、実務能力が求められることが多いことも特徴です。
そのため、関連する資格も数多く存在します。
そこで、本記事では企業内の法務で評価されやすい資格をまとめました。
法務としてさらにスキルアップしたい方や、企業法務へのキャリアチェンジを考えている方は、ご参考ください。
企業内で求められる法務の役割は?
下記で企業法務の主な仕事を見ていきましょう。
契約業務
法務の仕事の中でも主要な業務は、各種契約に関する業務です。
自社主導で契約する場合は、法務が契約書の作成を行います。
相手方の会社が主導で契約を行う場合は、契約書のリーガルチェックが必要です。
なお、近年では法務業務のIT化が進み、リーガルテックが成長しています。
そのため、AIによる契約書レビューと組み合わせて契約業務を行なっている会社もあり、契約も電子契約や過去のデータを活用した契約書の作成及び管理などが行われており、IT化に対応することも大切な業務の一つです。
知的財産の管理業務
自社の事業に関わる知的財産権を適切に管理する業務も法務の担当です。
商標登録・意匠・特許などを正しく取得することで、自社の利益を守り、類似商品が販売されることを防ぐことなど、自社に損害が生じる事態を避けることができます。
紛争対応業務
消費者や取引先からの紛争(トラブル)に対応する業務も法務の仕事です。
代表的なものとして、クレーム処理や訴訟の対応が挙げられます。
ただし、実際に法的な対応をするのは弁護士の仕事であり、法務は主に顧問弁護士とやりとりをして、紛争の早期解決等に尽力をすることなどが仕事です。
コンプライアンス強化業務
インターネットやSNSなどのの浸透により、企業の不祥事が瞬時に全世界に知れ渡るようになりました。
そのため、企業ではコンプライアンス強化の必要性が増しています。
経営者や社員一人一人がコンプライアンスに努めることで法的リスクを回避し、社会からの信用を得ながら企業活動を継続させることが可能となるのです。
社内規定の明文化や管理、周知徹底などは法務に期待されている役割の一つと言えます。
【参考URL】
・法務部の仕事とは|企業法務・法務職の仕事内容と関連資格
企業が法務人材に求める資格とスキル
法務の仕事は企業内の法律に関する業務を担当するため、関連資格も多岐にわたります。
今回は、企業法務において、オススメの資格をまとめました。
契約業務
「ビジネス実務法務検定」
ビジネス実務法務検定とは、その名の通り法務部門に限らずあらゆる職種で必要な法務知識が学べる資格です。
3級、2級、1級とありますが、法務人材には1級の取得がオススメと言えます。
1級を取得すれば、業務上必要な法務知識全般を持っている上に、高度な判断や対応ができると期待されやすいです。
ただし、1級はそれなりに難しいのでまとまった勉強時間が必要となり、独学で取得を目指せる場合もありますが、より確実に合格をしたい場合は資格学校などの活用が効果的です。
「行政書士」
行政書士は八士業のうちの一つであり、国家資格です。
取得することで、官公署に提出する書類など公式書類の作成を行うことができるようになります。
独占業務が認められており、個人開業もできる資格ですが、国家資格の中では比較的取得しやすいものとされています。
また、他資格と活用することで仕事の幅が広がりやすいです。
ただし、会社員が行政書士として働くことはできません。
企業の活動では行政書士の作成が必要な書類が多数発生しますが、行政書士として働くためには行政書士会に登録が必要です。
しかし会社員の立場では登録ができないため、会社員をしながら行政書士の業務を行うことはできないとされています。
キャリアアップに有効ではないと思われがちですが、取得をすることで弁理士の試験科目が一部免除されるなど、弁理士へのステップアップ等に有効です。
知的財産の管理業務
「弁理士」
弁理士は知的財産全般のスペシャリストです。
国家資格の一つであり、司法試験に次ぐ難関資格と言われています。
会社にとって重要な知的財産を守るためにも、社内に弁理士がいることが望ましいため、法務担当が弁理士資格取得を促されることもあるのです。
独立・開業をする人も多いですが、企業に雇われて働く社内弁理士の需要も増しており、法務人材のキャリアアップに適した資格と言えます。
ただし、合格率が低い難関資格であり、一般的に3000時間以上の勉強時間が必要とされているので、合格は簡単とは言えません。
長期間勉強を続けるために、資格学校や通信教育などを活用して合格を目指す人が多いです。
「知的財産管理技能士」
知的財産管理技能士は、知財マネジメントスキルを測る国家試験です。
IT技術の急速な発展などに伴って、知的財産をマネジメントするスキルの需要は増しています。
法務人材だけではなく、全てのビジネスパーソンに取得がオススメの資格です。
2008年からスタートした比較的新しい国家資格ですが、累計受験者数は40万人を突破しており、注目度が増しています。
多くの企業で取得が推奨されている資格なので、キャリアアップに有効です。
なお、受験資格として、3級以上には知的財産管理職種での実務経験が必要とされています。
紛争対応業務
「司法書士」
司法に関する書類の作成などを行う司法書士は、国家資格の一つです。
独占業務があり八士業の一つにあたります。
行政書士と仕事内容が似ていますが、行政書士は官公署に提出する書類を作成するのに対して、司法書士は法務局、裁判所などに提出する書類の作成を担っています。
一定以上の実務経験がある場合は、口述式の試験のみで司法書士が取得できる場合もあります。
なぜ司法書士が紛争対応業務に役立つかというと、少額であれば弁護士と同じように訴訟対応ができるからです。
企業内法務でも、歓迎される資格の一つと言えます。
会社によっては取得が推奨されているケースもありますので、確認してみると良いでしょう。
コンプライアンス強化業務
「個人情報保護士」
個人情報保護士は民間資格です。取得することで個人情報に関する常識を学ぶことができます。
コンプライアンス強化業務に役立つ資格の一つです。
「ビジネスコンプライアンス検定」
社会人として知っておくべきコンプライアンスの知識を学べる資格です。
実務でも役立つので、幅広いビジネスパーソンに取得がオススメと言えます。
【参考URL】
・法務部の仕事とは|企業法務・法務職の仕事内容と関連資格
まとめ
法務の仕事は高いスキルが求められます。
その中で、資格の有無はキャリアアップや転職の際に重要なポイントです。
特に転職の際は、スキルのアピールが大切と言えます。
関連する資格を取得することで、実務に役立つだけではなく転職時にもより有利になります。
しかし、転職活動には不安がつきものです。
転職エージェントを通した転職なら、あなたの適性と資格やスキルにあった職場を見つけ、適切なアピールをできるようサポートしてくれます。
転職を考えた場合は、法務への転職に強い転職エージェントの活用がオススメです。
なお資格取得は大切ですが、転職の際には実務経験の有無も重要なポイントとなります。
資格取得の勉強と合わせて、様々な実務経験を積んでおくことも効果的です。
法務としての経験がある場合は、定期的にこれまで携わってきた業務の振り返りをしておくと、面接時などにアピールしやすくなります。
志望動機や職務経歴書の書き方などについても、転職エージェントを利用すればより効果的な書き方や修正点等をアドバイスして貰えることが多いので、積極的な利用がオススメです。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。企業側を支援するリクルーティングアドバイザーとして約6年間IPO準備企業~大手企業まで計1,000社以上をご支援。
女性リクルーティングアドバイザーとして最年少ユニットリーダーを経験の後、2019年には【転職する際相談したいRAランキング】で全社2位獲得。
2021年~キャリアアドバイザーへ異動し、現在はチーフキャリアアドバイザーとして約400名以上ご支援実績がございます。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 法律・特許事務所 ・ 役員・その他 ・ 社会保険労務士事務所 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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