2024年08月19日

【税理士のキャリア】キャリアアップを目指す3つの方法とは

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税理士がキャリアアップする方法として考えられるのは、「転職」または「独立開業」です。
転職の場合は、会計事務所の「勤務税理士」と事業会社の「インハウス税理士」の2つの働き方があり、「独立開業税理士」と合わせれば、計3つの選択肢があります。

本記事では、「勤務税理士」「インハウス税理士」「独立開業税理士」の概要や違い、キャリアアップを図る具体的な方法について解説します。

税理士の3つのキャリア

税理士としてキャリアを考える場合、一般的には会計事務所・税理士法人の「勤務税理士」、事業会社の「インハウス税理士」、「独立開業税理士」の3つの選択肢があります。

会計事務所・税理士法人の勤務税理士

税理士として働くには、税理士試験に合格し、通算2年以上の実務経験を積んだうえで、税理士登録をする必要があります。そのため、多くの税理士試験合格者が、会計事務所や税理士法人に就職します。

総務省・経済産業省が2023年3月に公表した「令和3年経済センサス - 活動調査 産業別集計」によると、国内には30,479もの公認会計士事務所および税理士事務所が存在しています。
事務所の規模や形態は様々で、小規模で地元密着型の事務所から、数多くの大企業をクライアントにもつBig4(KPMG 税理士法人、PwC 税理士法人、EY 税理士法人、デロイト トーマツ税理士法人)のような大手税理士法人もあります。
そのため、勤務税理士といっても、勤務先の事務所によって期待できる収入は異なります。規模の大きな事務所に所属し、かつ専門性の高い業務を担当した場合には、年収が1,000万円を超えることも珍しくないでしょう。
規模の小さい個人事務所の場合は、大手事務所程の年収は期待できませんが、裁量権を持って幅広い業務に携わることができます。

事業会社のインハウス税理士

事業会社の経理部などに所属して働く税理士を、インハウス税理士(企業内税理士)と呼びます。事業会社では、会計・税務業務を税理士法人や会計事務所に委託する場合もありますが、税理士資格をもつ人材をインハウス税理士として雇用し、社内で行うこともあります。

インハウス税理士も勤務税理士と同様、勤務先の企業規模や業界によって収入が大きく異なります。上場企業や外資系企業の場合は高収入を期待できるでしょう。
税務に関する知識は投資銀行、証券会社といった金融機関でも重宝されるため、これらの企業のインハウス税理士を目指す人も多くいます。

独立開業税理士

自らの事務所を設立した税理士を独立開業税理士と呼びます。独立開業の方法は、個人で開業する方法と複数の税理士が集まってグループとして開業する方法の2種類です。
税理士登録後すぐに独立開業することもありますが、一般的には会計事務所や税理士法人の勤務税理士として実績と人脈を築いたのちに、独立開業を目指す方が多いです。

収入面では、一般的に勤務税理士やインハウス税理士に比べると不安定な傾向です。税理士事務所の経営が軌道に乗るまでは、不安定な収入が続くことを覚悟して開業することが重要です。顧客が増えて経営が安定すれば、年収が2,000万円や3,000万円を超えることもあるでしょう。

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「専門性」を極めてキャリアアップする方法

次に、税理士としてのキャリアアップを目指す方法についてご紹介します。
まず、税理士として税務の「専門性」を高めることが挙げられます。ただし、税務の知識や知見は幅広く、全方位の専門性を高めることは現実的ではありません。

勤務税理士であれば、まず勤務している事務所の特化分野の専門性が求められます。
法人税や資産税、事業承継、国際税務、M&Aなど、求められる分野は勤務先によって様々です。

独立開業税理士の場合も、クライアントが個人か企業かによって、求められる知識が異なります
個人であれば、国際税務やM&Aの知識は求められませんが、企業であれば、国際税務などの知識は必要です。
また、インハウス税理士は、所属企業の事業や業界についての知識も求められます。ベンチャー企業であればIPOやM&Aの知識が評価されるでしょう。

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「税務以外のスキル」を身に着けてキャリアアップする方法

税理士がキャリアアップする方法として、「税務以外のスキル」を身に着けることも挙げられます。

たとえば、語学スキルです。近年は事業をグローバル展開する企業が増加し、会計基準にIFRS(国際財務報告基準)を導入する企業も増えています。
海外といっても、どの国を中心とするかによって、求められる言語は異なりますが、高い英語力があれば、キャリアアップにつながる可能性があるでしょう。

また、最近、注目を集めるChatGPTなどのAIやDXに関連するIT知識やスキルも、税理士としてのキャリアアップにつながります。プログラミングやExcel、ITツールのスキルがあれば、業務における生産性を向上させることが可能です。業務のDX化を推進している会計事務所や企業では、ITに精通した人材を積極的に採用しています。

さらに、マネジメントも税理士のキャリアアップに役立つスキルです。会計事務所でも企業でも、業務を進めるためにはチームワークが重要です。特に規模の大きな案件では、関係者の数も多くなり、様々な立場の人と円滑にやり取りをするコミュニケーションスキルも求められます。
独立開業の場合でも、規模が大きくなり、自身が経営者となって事業を行っていく場合は、マネジメントスキルが必要です。

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「知名度や専門性が高い事務所」でキャリアアップする方法

中小事務所の勤務税理士として働いている場合、大手会計事務所や税理士法人への転職はキャリアアップにつながります。

大企業をクライアントにもつBig4税理士法人では、国際ネットワークを活かした事業展開を行っており、大手税理士法人でしか得られない経験を積めるだけでなく、給与水準が高いことも魅力です。

また、Big4ほど知名度は高くないですが、特定分野に特化した事務所での勤務経験があれば、専門分野に対して高い知見をもつ税理士として市場価値を高めることができます。

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転職でキャリアアップ!税理士の転職成功事例

転職でキャリアアップ!税理士の転職成功事例ここでは、弊社MS‐Japanが提供する士業・管理部門特化型転職エージェント「MS Agent」を利用して、キャリアアップの転職を実現した税理士の事例をご紹介します。

情報不足で難航するUターン転職をエージェント活用で解決!30代・税理士の事例

Fさん

Fさん(39歳・男性)資格:税理士(簿記論 財務諸表論 法人税 科目免除)

中堅税理士法人
年収:750万円

矢印 矢印

個人会計事務所
年収:700万円

家庭の都合により、実家近くの職場を求めて転職活動を始めたFさんですが、多忙で求人を調べる時間もなく、今後の転職活動の進め方に悩んでいました。
弊社からは、紹介した求人について、それぞれの事務所の特徴を説明し、その中でもFさんの地元で著名な会計事務所をお勧めしました。
後継者候補を探している事務所と地元で長く働きたいFさんは、最初の面接から意気投合し、即日内定となりました。
地方都市では会計事務所求人が多数出ていますが、希望が叶う求人を見つけることは簡単ではありません。特にUターン希望の方が、後継者候補求人やのれん分け求人を見つけ出すのはなお更困難です。事務所と求職者、双方のニーズをしっかりと把握している第三者として、転職エージェントを活用いただくことをお勧めします。

Fさんの事例を詳しく読む

税理士資格を活かして「国際税務」という更なる高みを目指した転職に成功!

Aさん

Aさん(46歳・男性)資格:税理士

飲料メーカー
年収:1,000万円

矢印 矢印

自動車部品メーカー
年収:1,000万円

外資系大手企業から大手飲料メーカーへ転職したAさんは、企業買収検討時から合併後の組織再編など、形を変えていく会社の中で、中心人物として経験を積み重ねてきました。一方で、合格した税理士資格を活かすために、「税務の専門性を追求したい」と考えるようになりました。
そこで、税理士資格と外資系企業・企業再編・グループ再編などの経験を活かし、国際税務を経験できる一般企業を目指して転職活動を開始しました。
「国内外両方の税務経験が積めるグローバルな会社」という視点で企業選びをした結果、国際展開する大手メーカーが理想というイメージが徐々に固まりました。最終的には、イメージ通りの大手メーカーの税務ポジション(管理職候補)で内定を獲得し、キャリアプランや年収面でも納得いく内容だったため、入社を決意しました。

Aさんの事例を詳しく読む

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面接でキャリアプランを質問されたら?

税理士の転職活動では、面接でキャリアプランについて質問されることがあります。
この質問に対する回答のポイントは2つです。

まずは、応募先の事務所・企業の特徴や強みと合致したキャリアプランを伝えることです。
採用担当者は、入社後のミスマッチを防ぎ、長く活躍できる人材を見極めるために、キャリアプランについての質問をします。自社の人事制度やキャリアパスと応募者の希望とが合わなければ、採用したとしてもお互いに良くない結果を招くでしょう。極端な例ですが、地域密着型の会計事務所に国際税務の分野のエキスパートになりたい人が採用されたとしても、すぐに退職してしまうリスクは高いです。

もうひとつのポイントは、キャリアプランと転職理由・志望動機の一貫性です。両者の間に矛盾がある場合、中長期的な視点の成長意欲があるか疑問を持たれてしまうでしょう。
特に将来的な独立願望の有無は、採用担当者が重視するポイントです。独立願望が転職に有利に働くかどうかは事務所によって異なりますが、採用されたいからと嘘を述べても意味がありません。自分の正直な考えをポジティブな言葉で伝えるようにしましょう。

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まとめ

税理士のキャリアは、会計事務所などの勤務税理士、事業会社のインハウス税理士、独立開業税理士の3つの選択肢があります。
キャリアアップを図るためには、専門分野を極めること、税務以外の知識を身につけること、規模の大きい事務所や専門分野に特化した事務所に転職することの3つが重要です。
面接でキャリアプランについて質問された場合には、応募先の事務所の特徴や強みに一致したキャリアプランを伝え、自分の描いているキャリアプランと転職理由・志望動機とに一貫性がある回答をしましょう。

税理士のキャリアについて不安や悩みがある場合は、士業・管理部門特化型転職エージェントとして30年以上の実績がある弊社「MS Agent」にご相談ください。
税理士の転職市場に詳しいキャリアアドバイザーが、求人紹介から応募書類添削、面接対策、内定後の条件交渉まで、転職活動を徹底サポート致します。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

森澤 初美

カナダ州立大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。求人企業側の営業職を経験した後、2014年にキャリアアドバイザーへ異動。
2016年からは横浜支社にて神奈川県内の士業、管理部門全職種を担当し、現在は関東全域の士業、管理部門全職種を担当。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 外資・グローバル企業 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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