2024年07月30日

監査法人の福利厚生は充実してる?Big4で働きやすいのはどこ?

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福利厚生は働きやすさに直結する重要な要素です。
特に監査法人の場合、Big4と呼ばれる世界的に有名な四大監査法人(PwC、EY、Deloitte、KPMG)の福利厚生は気になるところでしょう。
本記事では監査法人の福利厚生の概要について触れるとともに、Big4各社の福利厚生制度、例えば健康保険や年金制度、育児支援やリモートワークの柔軟性など、具体的な内容を掘り下げてご紹介します。
Big4でのキャリアを検討する上で、本記事が皆様の参考になれば幸いです。

比較すべきは法定外福利厚生

監査法人の福利厚生は大きく「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の二つに分かれます。
まず、法定福利厚生とは法律で企業に導入が義務付けられているものであり、病気やケガ、出産、失業、介護、老後など、万が一の事態に備えるための制度です。
具体的には、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、介護保険、労災保険、子ども・子育て拠出金などが含まれます。

一方、法定外福利厚生は、企業が独自に提供するものであり、従業員の生活をより豊かにし、働きやすい環境を整えるためのものです。
例えば、住宅手当や社員寮の提供、通勤費の補助、食事代の補助、健康診断や人間ドックの補助、育児や介護に関するサポート、特別休暇制度、自己啓発支援などが含まれます。
これらの福利厚生は法律で義務付けられていないため、各監査法人によって内容や充実度に大きな差があります

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Big4監査法人の福利厚生は悪い?

監査法人の福利厚生は充実していると評価されることもありますが、日系大手企業と比較すると満足度が低いとされることもしばしばあります
その一因として挙げられるのが、住宅手当(家賃補助)の不足です。
多くの日系大手企業では、従業員が一人暮らしをする場合や転勤する場合に対して、手厚い家賃補助が提供されます。
例えば、一人暮らしを希望すれば3~4万円の補助が出ることが一般的ですし、会社都合の転勤であれば家賃総額の8割、初期費用や引っ越しにかかる費用は会社負担という場合もあります。
また、事業会社の一部では「借上社宅」という制度も導入されており、住宅補助分は会社が直接支払うため、従業員の給与に反映されません。
これにより、所得が増えないという配慮がなされ、税負担が軽減されるというメリットもあります。

上記に対して、監査法人では基本的に家賃補助がありません
例外として、海外駐在や非常に高い役職に昇進して転勤が命じられる場合には補助が出ることもありますが、入社後数年程度の場合はそのような制度を利用することは難しいでしょう。
この違いが、監査法人の福利厚生が整っていないとされる理由の一つです。

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Big4監査法人の福利厚生でいいところは?

Big4監査法人の 福利厚生でいいところは?

Big4監査法人の福利厚生の魅力としては、以下の3つが挙げられます。

会計士・試験合格者に優しい

Big4監査法人の福利厚生は、会計士や試験合格者にとって手厚い内容となっています。
まず、実務補修を受けられるようにスケジュールの配慮がなされており、補修所への通学と仕事の両立がしやすい環境が整っています。
さらに、会計士登録に必要な費用は監査法人が負担してくれます。
具体的には、公認会計士協会への入会金として準会員の場合には12万円、会員の場合には15万円がかかるほか、その後の資格維持のための年会費11.4万円がかかりますが、これらの費用がカバーされます。
これにより、個人負担の出費がなくなるのは大きなメリットといえます。

公認会計士企業年金基金

Big4監査法人の福利厚生には、公認会計士企業年金基金があります。
これは公認会計士の老後を見据えた福利厚生で、日本公認会計士協会によって設立された確定給付企業年金です。
この基金は、国民年金と厚生年金の2階建て保証の上にさらに3階建ての保障として位置づけられています

特徴的なのは、掛金の全額を事業者が負担する点です。
加入者の標準給与に決められた掛金率を基に算出された「標準掛金」と「事務費掛金」は全て事業者負担であり、加入者の負担はありません。
加入期間が3年以上であれば、その期間に応じて積み立てたお金を受領または移管することができます。
また、監査法人や会計事務所に転職する際も加入事業所であれば引き継ぎ可能なので、監査法人に所属している限り、厚生年金にプラスして年金基金をかけてもらうことができます

カフェテリアプラン

Big4監査法人では、従業員の健康を促進するために「カフェテリアプラン」という福利厚生制度を導入しています。
これは、各監査法人の健康保険組合によって提供されるもので、毎年または半年に一回、一定額のポイント(補助金)が支給されます。
従業員はそのポイントを使って、健康食品や健康器具など、自分に必要な福利厚生メニューを選択・注文できます。
この制度の特徴は、従業員が自分のニーズに合った福利厚生を選べる点にあります。
例えば、飲料水、健康食品、寝具、自転車など、多岐にわたる選択肢から自分に合ったものを選ぶことができます。
Big4監査法人では、毎年およそ5万ポイントが付与されるため、計画的に利用すれば非常に有益な制度です。

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有限責任あずさ監査法人の福利厚生

あずさ監査法人の福利厚生一覧

項目 詳細
手当 時間外勤務手当、休日勤務手当、深夜勤務手当、通勤交通費全額支給(上限:所得税非課税額)
休暇 年次有給休暇、リフレッシュ休暇、慶弔休暇、ボランティア活動休暇、裁判員等休暇、試験休暇、子の看護休暇、配偶者出産休暇
休業 産前産後休業、育児休業、介護休業、フレキシブル・ワーク・プログラム(妊娠・出産・育児・介護を理由とする休業や時短勤務)あり
社会保険
退職金
健康保険、介護保険、厚生年金保険、企業年金基金、雇用保険、労災保険、退職金制度
福利厚生 各種クラブ活動補助、宿泊補助、財形貯蓄、生命保険、住宅補助融資制度、コーポレートカード、カフェテリアプラン、リラクゼーションルーム(社内マッサージ室)、ベビーシッター育児支援
その他 実務補習所費用、公認会計士協会会登録費・年会費を全額法人で負担

注目の福利厚生「フレキシブル・ワーク・プログラム」

フレキシブル・ワーク・プログラムは、妊娠中、出産、育児、介護などを行う職員の仕事と家庭の両立を支援する制度です。
多くの企業が短時間勤務制度を導入していますが、あずさ監査法人は特に手厚いサポート体制を整えています。
具体的には、妊娠中の産前休業開始前、育児中は子が3歳に達するまでの休業や、小学校卒業前までの短時間勤務が可能です。
また、介護が必要な家族がいる場合には、介護休業が通算93日を超えた日から最大1年間の短時間勤務が認められます。
短時間勤務の条件としては、1週2日を限度として労働免除、1日2時間の労働時間短縮、時間外勤務の免除、2時間を限度に就業時間の繰上げまたは繰下げ、深夜勤務の免除などがあり、併用はできません。
一般的には、1日2時間の労働時間の短縮を選択する人が多いです。

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PwC Japan有限責任監査法人の福利厚生

PwC Japan有限責任監査法人の福利厚生一覧

項目 詳細
手当 時間外勤務手当、通勤手当(実費精算)、フレキシブルワーキング手当(月額6,000円)、出張手当など
休暇 年次有給休暇(年20日)、リフレッシュ・ヘルスケア休暇(年5日)、メディカル休暇、慶弔休暇、試験休暇、出産特別休暇(有給)、育児特別休暇(有給)、介護特別休暇(有給)、子の看護休暇、災傷休暇など
教育研修
キャリアパス
専門研修、ソフトスキル研修、語学研修、リーダーシップ研修など、多岐にわたる研修プログラムを実施
社会保険 各種社会保険加入(健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険、労災保険など)、退職金制度(確定拠出年金、公認会計士企業年金基金)
福利厚生 慶弔見舞金、団体生命保険、長期所得補償保険、資格取得支援制度、契約施設・ホテル・スポーツクラブなど割引利用、各種クラブ活動(PwC Funs)、ベビーシッター補助、保活支援サービス、カウンセリング制度など

注目の福利厚生「独自の子育て支援制度」

PwC Japan有限責任監査法人では独自の子育て支援制度が設けられています。
出産特別休暇では、妊娠から産後1年まで5日間の有給休暇(半日単位)が取得でき、配偶者も出産立ち会いのために、出産予定日以降6カ月以内に連続3日以内の休暇が取得できます。
また、育児特別休暇として、子が2歳に達するまで、父母ともに連続15営業日までの有給休暇が取得可能です。
さらに、FWA(Flexible Work Arrangement)制度では、希望に応じて短時間勤務・短日勤務(週3~4日)・3カ月間の休職が可能です。
その他、ベビーシッター費用補助、コアなしフレックスタイム制や在宅勤務(リモートワーク)も導入されています。

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EY新日本有限責任監査法人の福利厚生

EY新日本有限責任監査法人の福利厚生一覧

項目 詳細
休暇 年末年始、創立記念に係る休日、その他法人が認めた臨時休日、有給休暇(法定以上)、慶弔休暇、配偶者出産休暇、妊活休暇(無給)、看護・介護休暇、ボランティア休暇、試験休暇(実務補習所修了考査など)
育児・介護 育児・介護(半分休業制度およびフレキシブルワークプログラム(勤務時間の短縮等)あり)
福利厚生 各種保険制度、選択制企業型確定拠出年金、各種クラブ活動、ベビーシッター利用料等補助制度、法人契約スポーツクラブ、メンバー制の別荘
実務補習 実務補習所への通学を優先しており、出張などは控えなければならないよう配慮し、任意の日帰り、宿泊補習への参加費用を負担し、論文提出の際も最寄の便宜を図る。
その他 公認会計士協会登録費用、年会費等を法人で全額負担、ノート型パソコンを全員に貸与、在宅勤務制度あり

注目の福利厚生「会員制リゾート宿泊施設」

EY新日本有限責任監査法人は日本オーナーズクラブ、星野リゾート・トマムなどと法人契約をしています。
全国(北海道、上越、軽井沢、箱根、浜名湖など)にある契約宿泊施設の利用が可能なため、夏などの監査業務が落ち着いていてまとまった休みを取得できるシーズンにはリゾート施設に行ってリフレッシュすることができます。

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有限責任監査法人トーマツの福利厚生

有限責任監査法人トーマツの福利厚生一覧

項目 詳細
各種手当 時間外勤務手当、休日出勤手当、深夜勤務手当、通勤手当、出張手当など
休暇 年末年始休暇、年次有給休暇、受験有給休暇、慶弔休暇、産前産後休暇、通院休暇(母性健康管理)、配偶者出産休暇、育児休暇、育児参加奨励休暇、介護休暇、看護休暇、通院等特別休暇、トーマツ休暇、夏季不調による休暇、生理休暇、ボランティア休暇、DFV(Domestic & Family Violence)休暇、犯罪被害休暇、転勤支度休暇、公民権行使のための休暇など
賞与 年3回(6月、9月および12月)
各種制度 生命保険(総合福祉団体定期保険)、iDeCo(個人型確定拠出年金)、各種クラブ活動補助、生殖医療サポート(不妊治療・卵子凍結等)、産前講座、産後ケア教室、婦人科診療休職制度、配偶者帯同休職制度、育児シェアレンジサービス、ベビーシッター利用補助制度、トーマツ健康保険組合のカフェテリア方式による育児・介護補助クーポンやカウンセリング、各種宿泊施設利用など
実務補習 実務補習所費用、公認会計士協会会費費用・年会費を全額法人負担
その他 業務遂行期間中の交通費および宿泊費を全額法人負担、修了考査試験会場受験料の法人負担

注目の福利厚生「充実した出産・育児サポート」

有限責任監査法人トーマツでは、育児コンシェルジュサービスやベビーシッター利用補助制度といった、働きながら子育てをするうえで非常に助かる福利厚生制度が導入されていることに加え、生殖医療サポート(不妊治療・卵子凍結等)、産前講座、産後ケア教室、不妊治療休職制度といった、子供を望む職員へのサポートが手厚いです。
他のBig4監査法人や日系の大手企業でもなかなかここまで手厚く出産に関するサポートを提供しているケースは少なく、安心して仕事と出産・育児を両立できる点はとても魅力的です。

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まとめ

Big4監査法人は、それぞれの強みを持ちながらも、共通して従業員の健康や生活の質を向上させるための多様な制度を提供しています。
例えば、カフェテリアプランやフレキシブル・ワーク・プログラム、独自の子育て支援制度などがあり、これらの制度が充実していることで、従業員は安心して働くことができます。
特に、短時間勤務制度や育児休業、ベビーシッター費用補助などの子育て支援制度は、仕事と家庭の両立を図る上で非常に有益です。
また、在宅勤務やコアなしフレックスタイム制といった柔軟な働き方が認められている点も、大きな魅力といえるでしょう。
最終的に、どの監査法人が自分に最適かは、個々のニーズやライフスタイルによって異なります。
各法人の福利厚生や働きやすさを比較検討し、自分にとって最も魅力的な環境を選ぶことが大切です。

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  • #監査法人への転職

この記事を監修したキャリアアドバイザー

篠原 義樹

大学卒業後、不動産会社にて個人向けの営業を経験。その後MS-Japanへ入社。会計事務所・コンサルティングファーム・監査法人・法律事務所・社会保険労務士事務所等の法人側担当として採用支援に従事。現在はキャリアアドバイザーも兼務し一気通貫で担当しております。

会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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