2023年10月12日

【決算月別】経理の年間スケジュール(3月・6月・9月・12月)

管理部門・士業の転職 管理部門・士業の転職

どんな業種・職種でも、転職を成功させるには「できるだけ求人が多い時期」を狙うことが、転職の成功率を高める基本戦略です。
経理職に関して言えば、繁忙期よりも落ち着いた時期の方が、多くの求人情報をチェックすることができるでしょう。
決算期は企業によって異なりますが、スケジュール感はほとんどの経理職が同じと考えて差し支えありません。

この記事では、経理の業務・年間スケジュールに触れながら、転職活動を進めるのにおすすめの時期についてお伝えします。

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経理の日次業務

経理の仕事は、日々・月々・年々でタイムリミットが存在します。
また、それぞれのタイムリミットが重なり合う業務もあるため、締めを意識した業務の進め方が求められます。
まずは、経理の日次業務について主な内容を再確認した上で、転職時期を検討する際に重視すべき業務が日次業務の中にあるかどうかについてお伝えします。

現金預金の入出金管理・残高管理

ほとんどの業種で、経理職としては基本・イロハになる業務です。
毎日の入出金を管理・記録して残高が合えば、会計システムに仕訳を入力します。
この業務は担当者が営業日に必ず行う業務ですから、繁忙期だからといって、極端に忙しくなることは考えにくいものです。
欠員募集の場合を除いて、転職時期に大きな影響を及ぼすことはないでしょう。

立替経費の精算

経費精算は、現金による清算となるか、振込対応となるかによって、忙しさが変わってきます
現金の場合、少数精鋭の事務所であれば処理が楽な反面、大人数の職場で現金精算をするのは骨が折れます。
ただ、毎日誰かが担当するレベルの業務ですから、そこが繁忙期を分けることにはならないはずです。
振込対応の場合、特定の日にちに合わせて振込を行うため、その前準備に時間がかかります。
とはいえ、こちらも基本的な処理自体は本支店でデータ入力が行われ、月に1~2度データ集計を行えば事足りますから、転職時期の検討に直接関係することはないでしょう。

伝票の整理記帳

日々の伝票整理や記帳は日次業務に含まれますが、決算が一通り終了した段階で、年度ごとに伝票類の整理が行われます
企業によって大きさは変わってくるかもしれませんが、資料や伝票のすべてをデータ化して保存していない限り、収納庫・収納スペースに古い伝票類を収納していきます。
この時、所定の年数を経過したものは処分に回すため、中小企業クラスだと経理部全員が資料整理に追われることもあります。
そのため、人員補充の意味で、決算が近い段階から求人を出すことは考えられます


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経理の月次業務

続いては、経理の主な月次業務の観点から、採用時期に関係する業務があるかどうかについてお伝えします。
日次業務同様に、業務単体として見る限りは大きな影響を及ぼしていないことが多いのですが、年次業務とスケジュールが重なると一気に忙しくなります

請求書の発行・入金確認

月次業務としては、売掛金・買掛金にかかる業務が行われるため、請求書発行や入金確認は重要な月次業務の一つになります。
紙ベースで請求書を発行する場合、事業規模によってはアシスタント・他部署と協力して対応するほど忙しい時期になります。
よって、パート・アルバイトでの採用を検討している企業にとっては、その時期を見越して採用活動を行うことも十分考えられます。
正社員としての転職に影響するとしたら、欠員補充の観点から人員が極端に少なくなっているケースが該当するかもしれません。

取引先への代金支払い

取引先に代金を一括で支払う場合、経理部のメンバーにそれぞれ担当の取引先が割り振られ、請求書の金額や内訳のチェックを行う形になるでしょう。
その後、最終的に出来上がったデータを上長が確認し、一括で振込を行うケースが多いはずです。
それなりに事業規模が大きな会社であれば、振込作業の流れがシステマチックなので、求人を出す時期に影響を及ぼすことは少ないでしょう。
しかし、少数精鋭で行っているところは、専門の担当者がいることも珍しくありませんから、繁忙期含め求人が掲載されている可能性があります

給与支払い

給与支払いは、経理ではなく労務担当者が処理する場合もあるのですが、最終的に支払う判断を行うのは経理側の企業が多いでしょう。
また、起業して間もないなど事業規模が小さいところでは、経営者が直に行うこともあります。
専属者を雇うか、他の仕事も包括的に任せるかによって、求人を出す時期が変わってくるものと推察されます。
これは、求人が出ている時期というよりも、求人内容を細かくチェックした方が分かりやすいでしょう。

月次決算

月次決算に関する業務は、経営方針や企業の意向によって業務のウエイトが変わってきます
速報として概算でよいと判断するか、経営に関する正確な報告を伝える意味合いを重視するかで、割く人員や情報の精度が変わるからです。
そのため、精度の高い月次決算を実務経験に必須としている企業であれば、繁忙期にかかわらず求人を出している可能性はあります。


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【決算月別】経理の年間スケジュールと業務内容

この章では、決算月別に、経理業務の年間スケジュールを確認していきます。
尚、日次業務が中心となり、その月特有の業務内容がない月に関しては割愛しております。

3月決算企業の経理年間スケジュール

業務内容
4月 ・決算整理
・財務諸表の作成
・固定資産税(第1期分)納付
5月 ・株主総会の準備 ※(時期は前後する)
・法人税、法人地方税、法人事業税、消費税の確定申告と納付
6月 ・株主総会の開催 ※(時期は前後する)
・個人住民税の納付 ※(納期の特例の適用を受けている場合)
7月 ・固定資産税(第2期分)納付
・源泉所得税納付
・健康保険・厚生年金保険の定時決定
8月 ・比較的ゆとりのある時期だが、夏休みやお盆休みがあって営業日が少ない分、タイトなスケジュールになるところもある
11月 ・法人税、法人地方税、法人事業税の中間申告
・消費税等の中間申告
・法人税、法人地方税、法人事業税の税金納付
・消費税等の税金納付
12月 ・年末調整
・固定資産税(第3期分)納付
・住民税の納付
1月 ・償却資産の申告
・源泉所得税の納付
・法定調書、支払調書の提出
2月 ・固定資産税(第4期分)納付
3月 ・実地棚卸

6月決算企業の経理年間スケジュール

業務内容
7月 ・決算整理
・財務諸表の作成
・固定資産税(第2期分)納付
・源泉所得税納付
・健康保険・厚生年金保険の定時決定
8月 ・株主総会の準備 ※(時期は前後する)
・法人税、法人地方税、法人事業税、消費税の確定申告と納付
9月 ・株主総会の開催 ※(時期は前後する)
12月 ・年末調整
・固定資産税(第3期分)納付
・住民税の納付
1月 ・法人税、法人地方税、法人事業税の中間申告
・消費税等の中間申告
・法人税、法人地方税、法人事業税の税金納付
・消費税等の税金納付
・償却資産の申告
・源泉所得税の納付
・法定調書、支払調書の提出
2月 ・固定資産税(第4期分)納付
4月 ・固定資産税(第1期分)納付
6月 ・実地棚卸
・個人住民税の納付 ※(納期の特例の適用を受けている場合)

9月決算企業の経理年間スケジュール

業務内容
10月 ・決算整理
・財務諸表の作成
11月 ・株主総会の準備 ※(時期は前後する)
・法人税、法人地方税、法人事業税、消費税の確定申告と納付
12月 ・株主総会の開催 ※(時期は前後する)
・年末調整
・固定資産税(第3期分)納付
・住民税の納付
1月 ・償却資産の申告
・源泉所得税の納付
・法定調書、支払調書の提出
2月 ・固定資産税(第4期分)納付
4月 ・固定資産税(第1期分)納付
5月 ・法人税、法人地方税、法人事業税の中間申告
・消費税等の中間申告
・法人税、法人地方税、法人事業税の税金納付
・消費税等の税金納付
6月 ・個人住民税の納付 ※(納期の特例の適用を受けている場合)
7月 ・固定資産税(第2期分)納付
・源泉所得税納付
・健康保険・厚生年金保険の定時決定
8月 ・比較的ゆとりのある時期だが、交代で長期休暇を取る場合は人員が少なくなるため、業務量は変わらない場合もあり
9月 ・実地棚卸

12月決算企業の経理年間スケジュール

業務内容
1月 ・償却資産の申告
・源泉所得税の納付
・法定調書、支払調書の提出
・決算整理
・財務諸表の作成
2月 ・固定資産税(第4期)納付
・株主総会の準備 ※(時期は前後する)
・法人税、法人地方税、法人事業税、消費税の確定申告と納付
3月 ・株主総会の開催 ※(時期は前後する)
4月 ・固定資産税(第1期分)納付
6月 ・個人住民税の納付 ※(納期の特例の適用を受けている場合)
7月 ・固定資産税(第2期分)納付
・源泉所得税納付
・健康保険・厚生年金保険の定時決定
8月 ・法人税、法人地方税、法人事業税の中間申告
・消費税等の中間申告
・法人税、法人地方税、法人事業税の税金納付
・消費税等の税金納付
9月 ・比較的ゆとりのある時期だが、交代で長期休暇を取る場合は人員が少なくなるため、業務量は変わらない場合もあり
12月 ・年末調整
・固定資産税(第3期分)納付
・住民税の納付
・実地棚卸

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経理業務のスケジュール管理方法

経理業務は今まで見てきたように、日次のもの・月次のものとある程度ルーティンで発生します。
そのため、効率よく業務を進めるためにも、自分なりに管理をすることがポイントです。
以下、参考にしてみてください。

エクセルで管理する

業務用のWidows OSのPCであれば、多くの場合、エクセル(Excel)がプリインストールされています。このエクセルを使い、日次や月次のタスクを表で管理をして、抜け漏れのないようにする方法があります。期日までに精算を済ませてもらうために、リマインドメールを社員に向けて送るようにすれば、自分自身のスケジュールにも余裕が生まれます。自分の仕事のタスク管理を行うのには、エクセルが適しています

タスク管理ツールで管理する

経理業務においても、部署内外のメンバーと会議・ミーティングをしたり、共同で作業をしたりといったことがあります。参加する従業員が増えれば、作業内容を共有したり、予定を変更したりといったことにも対応する必要があります。エクセルでは、複数の従業員で同時に編集することはできず、タスク管理が難しくなってきます。その場合にはスケジュール共有の専門のツールや、グループウェアなどのツールを利用することをおすすめします。


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転職するなら応募先企業の閑散期を狙おう

経理職として転職することを考えているのであれば、なるべく応募先企業の繁忙期を避ける形でスケジュールを考えることをおすすめします。
繁忙期の転職では従業員が新入社員の教育に時間を割くことは難しいため、雇う側・雇われる側それぞれにとって望ましいことではありません。
経理の求人情報をチェックするのであれば、決算月のおよそ1~2か月前や、閑散期が近づく決算月の3~4か月後の求人が狙い目です。

※上記の通り応募する企業の決算月によって繁忙期・閑散期は異なります。その点を確認の上で、転職活動を行いましょう。

いくら即戦力として入社するにせよ、教育に比較的余裕がある時期を選んだ方が、スムーズに社内に溶け込めます。

企業の選択肢を増やす意味でも、繁忙期を避けることには意味があります。新人の教育期間を設けることを前提に採用スケジュールを組もうとすると、多くの会社のスケジュールがかぶるため、応募できる案件が増える可能性が高いからです。
一度決算を経験して新たなメンバーとして認知されれば、信頼関係が醸成されるにともなって仲間として認められやすくなります。
自分と企業、互いのメリットを考慮するなら、繁忙期を避けて転職するのが賢い選択肢です。


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まとめ

経理の求人情報が集まる時期や、繁忙期・ゆとりのある時期をあらかじめ理解しておけば、転職に向けたスケジュールをスムーズに立てられます。
経理というセクションはどうしても時間に追われるため、できるだけ雇う側の都合を頭に入れて転職活動を進めることが大切です。
また、より良い条件の求人を見つけるには、できるだけ多くの求人が集まる時期から転職活動を始めた方が効率的です。

あえて繁忙期を狙い、ネコの手も借りたい企業から素早く内定をもらうという戦略もないわけではありませんが、その後のスタートアップでつまずいてしまうリスクも高くなります。
現職で担当する業務との兼ね合いや、引継ぎのスケジュールなどもありますから、今日決めて明日動くというわけにはいきません。

退職から転職までの流れを明確にイメージした上で、ゆとりのあるタイミングを選びましょう。

管理部門・士業の転職

この記事を監修したキャリアアドバイザー

森澤 初美

カナダ州立大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。求人企業側の営業職を経験した後、2014年にキャリアアドバイザーへ異動。
2016年からは横浜支社にて神奈川県内の士業、管理部門全職種を担当し、現在は関東全域の士業、管理部門全職種を担当。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 外資・グローバル企業 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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