2024年09月26日

経理から財務になるには?必要なスキルや転職する場合のポイントなど

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経理で一定の経験を積むと、次のステップとして財務のキャリアを考える方は多いのではないでしょうか。
財務は企業の重要な意思決定に関わる部門であり、経理とは異なるスキルが求められます。

本文では、経理から財務に転職するためのポイント必要なスキルキャリアの方向について解説します。
財務の役割経理との違いについても触れていますので、ぜひご参考ください。

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財務の業務内容とは

財務の業務を理解することは、経理から財務へのキャリア移行を考える上で重要です。
まずは、財務の業務内容経理との違いについて整理します。

財務の業務内容

財務は、企業の予算管理や資金調達など、健全な事業運営に欠かせない財務管理を行う部門です。
具体的には、以下のような業務が含まれます。

財務戦略の策定と実行

企業の経営目標にもとづいて財務戦略を計画することは、財務の主要な役割です。
収益性や安全性の分析を行い、資金の調達・運用の計画を立て、経営陣の承認を得て実行に移します。
財務戦略は企業の売上や利益に大きな影響を与えるため、非常に重要な業務です。

予算・資金の管理

各部署の予算が適切に使用されているかを確認し、資金不足が起こらないようにお金の流れを管理します。
年度初めに立てられた予算計画を、四半期や半期ごとに見直すことも予算管理の一環です。

資金調達

資金不足が予測される場合は、金融機関からの融資や社債、株式の発行を通じて資金を調達します。
金融機関や投資家との交渉も含まれ、資金を円滑に調達できるように信頼関係を築くことも財務の役目です。

余剰資金の運用

運転資金として使用されない資産の運用計画を立てます。
M&Aによる投資や有価証券の購入などを通じて、企業に利益をもたらすように余剰資金を効果的に運用します。

経理との業務内容の違い

財務へのキャリアアップを目指す場合、まず経理と財務の業務内容の違いを理解する必要があります。
経理は主に日々の取引やお金の流れを記録し、帳簿の作成を通じて会計状況を管理する仕事です。
一方、財務将来を見据えた財務計画の立案や資金調達を行い、企業に必要となるお金を確保します。
経理が過去のデータを扱うのに対し、財務は未来に向けた戦略に注力することが顕著な違いです。

財務会計と管理会計の違い

財務と経理は共に会計に関わる部門ですが、企業の会計は目的によって「財務会計」「管理会計」に二分されます。

財務会計

外部の利害関係者に対して、企業の財務状況を報告するための会計です。
法律上すべての企業が行う義務があり、決算書類の作成や公開が求められます。
財務会計は、過去の実績提示を通じて、金融機関や投資家に対する信頼性を保つ役割を果たします。

管理会計

内部の経営管理を目的に、企業が任意で行う会計です。
この会計情報には原価計算や収益分析などが含まれ、経営陣が事業の方向性を決定するために用いられます。
管理会計は、経営判断の基礎となるデータをまとめ、自社の将来性を管理・支援します。
財務会計は会計期間ごとに行われ、管理会計は期間の定めがないことが特徴です。

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経理から財務のキャリアに移行する方法

経理から財務へのキャリア移行には一定のハードルが存在しますが、適切な方法を選べば実現可能です。以下に、その主な方法を紹介します。

今の会社で財務の業務を経験する

現在の職場で財務の業務を経験することは、効率的で無理のない方法です。
大手企業では、ジョブローテーションを通じて経理から財務への移行が推奨されることがあります。

例えば、経理部門内で財務関連の案件に参加したり、財務部門との連携業務を担当したりすることで、徐々に財務の知識とスキルが身についていきます。
経理としての経験が長ければ、予算管理やキャッシュフローの分析など、財務に関連する業務を任されることもあるでしょう。
このような業務を積極的に引き受け、財務スキルを磨いていくことがキャリア移行の得策です。

子会社に出向する

規模の大きい会社で経理を担当している場合、子会社や関連会社への出向は、財務の業務を経験する絶好の機会です。
特に、子会社は親会社に対して規模が小さいことから、経理と財務の業務が統合されているケースが多く、幅広い業務経験に期待できます。

キャリア移行に役立つのは、資金繰りや予算策定、資金調達など、財務の基本的なスキルを実践的に学べる環境です。
担当する領域が広がることによって、キャリアの幅も広がっていきます。
親会社での経理経験を活かしながら、子会社で新しい会計スキルを身につけることで、将来的な財務キャリアが見通せるようになるでしょう。

財務を任されるポジションに転職する

財務キャリアへの移行に最も直接的な方法は、財務に携われるポジションに転職することです。
なによりも「財務部門で財務担当者になる」ことが理想的な移行手段と言えます。
転職当初は補佐的な役割であったとしても、ゆくゆくはそのポジションを任される存在として活躍することも可能です。

ただし、財務職は求人が少なく、難易度が高いことが注意点です。
財務ポジションの求人を見つけるためには、常に情報収集を怠らず、タイミングを見計らって応募する必要があります。
加えて、転職エージェントを利用することも有効な手段です。
財務に強い転職エージェントなら、財務の非公開求人や企業の内部情報を持っていることが多いため、自身に適したポジションを見つけやすくなります。
自身のスキルや経験を再評価し、足りない部分を補うための対策などもサポートしてもらえます。

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経理から財務に転職する際のポイント

転職活動を成功に導くためには、押さえておくべきポイントがあります。
ここでは、経理から財務に転職する際のポイントに着目します。

財務で活かせる経験を洗い出す

転職活動の第一歩として、自分の経理経験の中で財務に活かせるスキルや実績を洗い出すことが重要です。
例えば、予算管理やキャッシュフローの分析、金融機関の融資担当者との関係構築をした経験などは、財務に直結するスキルです。
これらの経験があれば無駄なく整理し、応募書類や面接でアピールできるように準備しましょう。

自身の強みを明確にするために、注力した案件や成果を振り返り、具体的な数字を挙げて説明できるようにしておくこともポイントです。
面接担当者に対する説得力が増すことで、採用選考での評価を高めることになります。

応募先の情報収集は周到に

応募先企業の情報収集は、転職活動の成功に欠かせません。
財務部門の業務内容や組織構成、企業の経営方針などを周到に調査し、自分がその企業でどのように貢献できるかを明確にすることがポイントです。
企業の公式ウェブサイトやSNS、IR資料、業界ニュースなどを活用して企業理解を深めましょう。

面接での質問に備えて、企業の現状や将来の展望について自分の意見を持っておくことも大切です。
具体的な情報にもとづいた質問や提案を行うことで、企業側に対する理解の深さをアピールすることができます。
情報収集を怠らず、常に最新の企業情報を把握しておくことが肝要です。

繁忙期を避けて転職活動を行う

転職活動を行う場合、適切なタイミングを見計らうことも重要です。
特に、経理や財務部門は決算期や年度末などに忙しくなるため、この時期を避けることが賢明です。
繁忙期に転職活動を行うと、応募先企業も採用活動に十分なリソースを割けない可能性があり、転職成功の確率が下がります。

一方、年末年始の業務が一段落する1〜2月は、新年度を迎える前の比較的穏やかな時期にあたり、企業も新たな人材を迎え入れる余裕が生まれます。
ただし、財務職の求人は限られているため、情報収集を常に行い、希望の求人を見逃さないようにすることが重要です。
そのためにも転職エージェントを活用し、業界内の動向や非公開求人の情報を得るなどして、効率的に転職活動を進めましょう。

プロの転職支援を受ける

経理から財務にチャレンジ可能な求人例

MS-Japanは、管理部門・士業特化型転職エージェント「MS Agent」を展開しています。
以下に、「MS Agent」で取り扱っている財務業務が含まれる求人例をご紹介します。

東証プライム上場の商社から財務の求人

仕事内容
・資金運用・調達、資金繰り管理、国内外グループ会社の資金繰り支援
・金融機関対応(資金計画、調達手段の確保)
・保有する有価証券の管理および有価証券に関する財務処理
・債権、債務、出納など、財経課内の各業務のチェック
・決算処理、会計監査対応など
必要な経験・能力
・金融機関(銀行など)でのご経験、または事業会社での経理実務2年以上
想定年収
400万円 ~ 600万円

財務経理(マネージャー・マネージャー候補)/日本を代表する公益財団法人

仕事内容
・一般的な経理業務(入出金管理、請求書消込管理、決算資料作成等)
・経理体制の構築(現行業務の自動化やデジタル化)
・財務会計、管理会計の差異要因などの分析および報告
・各種レポートの作成、報告等
※記帳業務は会計事務所に委託
必要な経験・能力
・経理としての実務経験(目安:3年以上)
・財務や経営企画などへの興味関心や意欲があること
想定年収
600万円 ~ 1,000万円

財務に必要なスキル

財務の職務を円滑に進め、財務状況を適切に管理するためには、特定のスキルが求められます。 以下に、財務に必要な3つのスキルを挙げてみます。

会計・経営に関する知識

財務職には、会計や経営に関する深い知識が必要です。
財務諸表の読み方や解釈、財務状況の分析、予算策定などの基本的な会計知識は必須です。
併せて、経営戦略や市場分析、企業価値の評価といった経営者目線の知識も欠かせません。
これらの知識を持つことで、経営陣に対して財務的な助言や、企業の戦略的意思決定をサポートすることが可能となります。
経理業務で培った会計知識をベースに、さらに高度な経営知識を身につけることで、財務職としての価値を高められます。

分析力

財務職では、膨大なデータを正確に分析し、経営に役立つ情報を導き出す能力が求められます。
財務データの分析や予測、リスク評価など、さまざまな場面で分析力が必要です。
専用のソフトを使いこなすことはもちろん、統計学やデータサイエンスによるアプローチも有用です。

分析結果をもとに問題点を発見し、解決策を提案する能力も財務戦略に紐づいてきます。
分析力を磨くためには、日常業務での経験を積むとともに、専門的な研修や資格取得を検討すると良いでしょう。

コミュニケーション能力

財務部門は、企業内外のステークホルダーと連携する役割を担っています。
そのため、意図を正しく伝達し、共通の認識を図り、信頼関係を築くためのコミュニケーション能力が不可欠です。
財務データを通じた報告や提案を行う際には、専門的な内容をわかりやすく伝えるスキルが求められます。
特に、経営陣や他部門との協力が必要な場合、円滑なコミュニケーションが企業全体のパフォーマンス向上につながります。
金融機関や投資家との交渉も重要任務の一環であり、培ってきた信頼関係を損ねない対話力が必要です。

プロの転職支援を受ける

財務で活かせる資格

財務で活かせる資格

財務へのキャリアアップを目指すためには、専門知識やスキルを証明する資格が役立ちます。
ここでは、財務で活かせる3つの資格について、その概要や合格率を紹介します。

公認会計士

公認会計士は、会計、税務、コンサルティングを担当し、企業内では財務状況の検証や監査を行います。
試験は、短答式試験と論文式試験の2つで構成されています。
短答式試験は年に2回実施され、基礎的な専門知識を問われます。
2回のどちらかに合格すると、8月に実施される論文式試験を受験することができます。

論文式試験では、財務会計論、管理会計論、監査論、企業法、租税法が必須科目となっており、その他1科目を選択する方式です。
論文式試験の合格者は、実務経験を経て登録申請し、公認会計士を名乗れるようになります。
取得までの道のりは長いですが、その分キャリアの選択肢が広がり、高い信頼性を持つ資格です。
試験の難易度は非常に高く、令和6年第Ⅰ回短答式試験の合格率は10.8%になっています。

税理士

税理士は、企業内で税務書類の作成や申告手続きなど、税務全般を扱うために必要な資格です。
試験は、必修科目、選択必修科目、選択科目の全11科目から5科目を選びます。
合格した科目は生涯有効で、多くの受験者が毎年1~2科目ずつ受験しながら数年をかけて5科目合格を目指しています。

合格後は、税理士会に入会し、日本税理士会連合会の名簿に登録されることで税理士としての業務を始められます。
令和4年度の11科目平均合格率は16.5%で、試験の難易度は高いものの、税務の専門知識を証明する代表的な資格です。

ファイナンシャル・プランニング技能士(FP技能検定)

FP技能検定は、ファイナンシャルプランナーとして働くための資格です。
資産管理全般を扱い、金融・税務・保険などに関わる知識を身につけられます。
国家資格のFP技能士には1級、2級、3級があり、各級で試験内容が異なります。

1級は最上級資格で、独立を視野に入れたFPとしてのキャリアアップに有用です。
2級は、3級合格者か2年以上の実務経験がある人が受検でき、就職や転職で有利な資格です。
3級は、初学者向けの入門資格ですが、お金に関する広範な知識を学べます。
試験の合格率は、1級が12%前後、2級が40%前後、3級が70~80%と、段階に応じて難易度が異なります。

キャリアチェンジの支援を受ける

財務経験を活かせる3つのキャリア

財務担当者として実績を積んでからは、さらなるキャリアアップを目指すことになるでしょう。
もちろん企業内で、より重要なポストを目指すことも可能であり、財務専門のコースを進むこともできます。
ここでは、大きく3つに分けて財務のキャリアを紹介しましょう。

管理職からCFOを目指す

企業内でポジションアップを狙うなら、まずは地道に財務の経験と実績を重ね、徐々に責任ある業務にステップアップしながら、財務の管理職を目指すことになるでしょう。
その先にあるのは財務部門のトップにあたるCFO(最高財務責任者)です。
現代のビジネス界では、CEO(最高経営責任者)とともに、このCFOが企業の顔として注目されるケースが増ており、需要も高まっています。

財務会計コンサルタントを目指す

財務で培ったスキルをもとに、財務を専門に扱うコンサルタント会社に転職するという選択肢もあります。
一つの企業内という枠にとらわれることがないため、さまざまな企業の経営者と向き合いながら、幅広い分野で活躍できるでしょう。
場合によっては独立して、自分でコンサルティング会社を設立することも可能です。

独立開業を目指す

税理士や公認会計士の資格を持っていれば、ひとまず税理士事務所や会計事務所に転職して、そこで事務所経営のノウハウを身につけてから、最終的には独立開業を目指すという選択肢もあります。
起業には苦労がつきものですが、自身が経営者になるというやりがいと充実感を得られるでしょう。

キャリアチェンジの支援を受ける

まとめ

経理から財務へのキャリアアップは、新たな挑戦と成長の機会です。
財務で活かせる経験を洗い出し、キャリアの方向を見定めた上で必要なスキルを身につける準備を整えましょう。
転職を成功させるためには、応募先の情報を周到に集め、適切なタイミングで転職活動に取り組むことが肝要です。
その際は、財務の転職サポートで実績豊富なMS Agentにご相談ください。
不安なく転職活動に臨めるよう、求人紹介と併せて、専任のキャリアアドバイザーが手厚くサポートいたします。

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管理部門・士業の転職

この記事を監修したキャリアアドバイザー

椿 大樹

大学卒業後、外資系小売り業に就職、セールスマネジメントや採用、教育研修を経験。
人がいかに業績を左右するかについて認識し、現職のMS-Japanに転職する事を決断。
入社以来、東海エリアのキャリアアドバイザーとして、キャリアチェンジやスキルアップを目的とした若年層の支援を中心に担当しております。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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