30代で法科大学院に進学後のキャリアは?司法試験に受からなかったら…
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30代になり、弁護士を目指すために法科大学院に進学する…そのような人生設計を考えている方も多いことと思います。
実際、司法試験を30代で受験する人は多くいます。
この記事では、30代で法科大学院に進学した場合、その後のキャリアはどうなるのか、またもし司法試験に受からなかったらどうしたらいいのかを見ていきましょう。
・社会人経験のある30代で法科大学院に進学する方もいる
・弁護士の就職は年齢が問われないことが多い
・また、企業によっては、社会人経験があることが有利になることもある
司法試験の受験者は30代も多い
司法試験の受験者は、30代も多いです。
下の表は、予備試験からの受験者に限定されたものではありますが、令4元年の司法試験合格者の年齢分布です。
年齢別 | 出願者 | 受験者 | 短答合格者 | 最終合格者 |
---|---|---|---|---|
19歳以下 | 2 | 2 | 2 | 2 |
20~24歳 | 231 | 230 | 230 | 228 |
25~29歳 | 66 | 65 | 65 | 63 |
30~34歳 | 31 | 31 | 30 | 29 |
35~39歳 | 23 | 23 | 23 | 21 |
40~44歳 | 23 | 22 | 22 | 21 |
45~49歳 | 11 | 11 | 11 | 10 |
50~54歳 | 14 | 13 | 13 | 13 |
55~59歳 | 5 | 4 | 4 | 4 |
60~64歳 | 2 | 2 | 2 | 2 |
65~69歳 | 2 | 2 | 2 | 2 |
合計 | 410 | 405 | 404 | 395 |
出典:法務省『令和4年司法試験法科大学院等別合格者数等』
この年齢分布を見ると、30代や40代の司法試験受験者も多くいることが分かります。 また、20代から60代まで合格者がでています。
また、下の表は、同様に予備試験からの受験者に限定されたものですが、司法試験合格者の職業です。
職種別 | 出願者 | 受験者 | 短答合格者 | 最終合格者 |
---|---|---|---|---|
公務員 | 24 | 22 | 22 | 21 |
教職員 | 0 | 0 | 0 | 0 |
会社員 | 39 | 39 | 39 | 38 |
法律事務所事務員 | 5 | 5 | 5 | 5 |
塾教師 | 3 | 3 | 3 | 2 |
自営業 | 5 | 4 | 4 | 4 |
法科大学院生 | 114 | 114 | 114 | 112 |
大学生 | 151 | 150 | 149 | 149 |
無職 | 59 | 59 | 59 | 57 |
大学院生 | 1 | 1 | 1 | 1 |
その他 | 9 | 8 | 8 | 6 |
合計 | 410 | 405 | 404 | 395 |
出典:法務省『令和4年司法試験法科大学院等別合格者数等』
会社員や公務員を始めとし、さまざまな職業の人が司法試験を受験し、合格していることがわかります。
30代で法科大学院に進学する人はいるのか?
社会人経験のある30代で法科大学院に進学する人はいます。
働きながら通う社会人のために夜間コースを設けている法科大学院もあります。
法科大学院には、2年間の既修者コースと3年間の未修者コースとがあります。
働きながら通うことを考えた場合には、期間が短くてすむ既修者コースに進学できるとよいでしょう。
ただし、既修者コースに進学するためには、法科大学院が行う法律科目の試験に合格しなければなりません。
(法学部出身であることは、既修者コース進学の要件にはされません)
また、働きながら通うためには、法科大学院が職場から通学できる範囲にあることも重要となるでしょう。
\些細なことでも遠慮なくご相談ください/
弁護士の就職活動は30代でも問題ない
法科大学院を修了し、司法試験に合格できたとして、弁護士としての就職が30代で可能なものなのでしょうか?
就職については、基本的に問題がありません。
弁護士の就職は、年齢は問われないことが多いです。
また、裁判官の採用も、20代~40代までがされています。
ただし、四大法律事務所をはじめとする大規模な法律事務所は、年齢を考慮するところが例外的に多いといわれています。
大手法律事務所は、若手を求めることが多いからです。
また、司法試験の受験に長年にわたって専念してきたために、年齢が高くて社会人経験がないというケースについても、敬遠される傾向はあるといわれます。
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弁護士の就職活動で30代が有利な点
上で見たように、弁護士としての就職は、30代でも大きな問題はありません。
むしろ、企業などに勤務する組織内弁護士(インハウスローヤー)などでは、社会人としての基礎的な素養がある方を求める企業も多く、社会人経験がある方が有利になることもあります。
基本的なマナーや、組織の中で働くことについての理解、営業経験、管理職経験、前職で得た人脈や知識などは、企業や法律事務所で働く際大きく役に立つことでしょう。
たとえ、専門的な業務経験がなくても、社会人経験があれば「即戦力」とみなされ、高く評価する採用担当者もいます。
もし司法試験に受からなかったら・・・
「法科大学院を修了しても、もし司法試験に合格することができなかったら…?」
そのような不安もあることと思います。
司法試験は、法科大学院を修了しても合格率は2割強。
不合格になる可能性も決して低くありません。
しかし、仮に司法試験に合格できなかったとしても、社会人経験があるならば再就職はまったく問題なくできます。
むしろ、司法試験の受験経験を評価してくれる企業もあるでしょう。
「もう30代だから…」と後ろ向きになる必要はありません。
まとめ
30代から法科大学院に進学し司法試験を受験しようと悩んでいる方は、合格できればもちろんのこと、仮に合格できなくても、就職の心配はそれほどしなくて大丈夫です。
人生は、自分の手で作っていくもの。
司法試験合格への道は険しいですが、切り拓いていくのは自分自身です。
もし決心したのなら、抱いた夢へむけ全力でチャレンジしていきましょう。
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