経理の転職でアピールできる強み
経理の仕事は汎用性が高いため、どちらかというと転職しやすい職種です。
とはいえ、しっかりと強みを伝えることができなければ、転職活動において苦戦を強いられるでしょう。
現場が評価する経理の能力を大きく分けると、“どんな会社でも必要とされる能力”と、“会社が直面している課題から求められる能力”の2つに分かれます。
この記事では、経理職への転職時にアピールポイントとなる強みについて、いくつか例をあげてご紹介します。
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経理の転職でアピールできる強み
経理職への転職でアピールできるのは、実務経験に基づいた実績です。
これらのいずれか1つを備えていれば事足りる場合もありますし、複数の要素を備えていなければならない場合もあります。
応募先の求人情報から、その企業が何を必要としているかを読み解き、強みをアピールしていきましょう。
使えるソフトやシステム
多くの会社では、使用する会計ソフト・会計システムが決まっていて、書類選考・面接ではそれらの習熟度が問われる場面があります。自社で使用しているソフト・システムを使った経験があるなら、職場へ馴染むのも早いと判断されやすく、具体的にどのような機能を利用していたのか、詳細を確認されることも珍しくありません。
複数のソフト・システムに触れていて、AI搭載のクラウド型など比較的新しい性能を持つものに触れた経験があるなら、社内への将来の導入を見据えて採用される可能性もあります。
マニュアル化
退職時、前任者のために業務マニュアルを残すケースは珍しくありませんが、在職中から自分の仕事をマニュアル化できる人材は重宝されます。経理の現場では、一部の仕事は担当者しかできないというケースも珍しくなく、そういった仕事を他の人に振って休みを取りやすくすることができれば、経理スタッフの勤務環境改善につながります。
また、昇進や異動によって新しいスタッフが配属される場合も、マニュアルが有効に働きます。
業務フローの整備
経理職において、日次業務・月次業務・年次業務といった一連の業務は、最低限こなさなければならないミッションです。
会社の数字を正しく記録・管理し続けることが目的で存在している部署のため、できるだけ効率よく・ミスなく業務を進められるよう、業務フローは随時整備されなければなりません。
この点において、一つひとつの業務に目を通し、改善案を提出・実践した経験があると、主任クラス以上の役職志望者は評価されやすくなるでしょう。
IPO準備
取引所の上場審査に伴い、IPO準備に携わった経験のある人材は、これからIPOの実現を目指す企業からオファーを受けやすくなります。
経理担当者が関わる分野としては、財務諸表作成及び開示業務に加え、会計監査及び内部統制監査、監査法人・証券会社とのやり取りなどが考えられます。
求められる内容は基本的にどの企業でもほとんど同じですから、これらを一通り経験していることを明確にアピールできれば、IPO準備を必要とする企業から求められるはずです。
IFRS(国際会計基準)
外資系企業・一部上場企業では、IFRSの知識を持つ人材に積極的です。
IFRSの導入はグローバル基準での経営メリットを享受できるものの、経理処理の負担増大に加え、前例を参考にできるほどのノウハウが集まっていません。
このため、IFRSに対応できる人材は転職市場で重宝されるため、大きな強みとなります。
マネジメント経験
上司として部下を率いた実績がある・他部署や銀行との折衝を行うなど、経理職として役職に就きマネジメントした経験は採用時に評価されます。
実績が豊富なら、完全実力主義の会社など、年齢にかかわらず役職を与えられることも珍しくありません。
強みにならないアピール
企業が人材を評価するポイントは様々ですが、アピールすることでどんな企業も不採用と判断せざるを得ない、いわゆる「強みにならないアピール」もいくつか存在しています。
以下に、主なものをご紹介します。
数字に強い
経理職未経験者が陥りやすいアピールの一つに、自分は数字に強いから経理が務まる、というのは良く聞かれます。
ただ、「数字に強い」という言葉が抽象的で、計算力が高いのか、コスト感覚が強いのか、何を強みとして伝えたいのか分かりづらいです。
強みをアピールするには、具体的なエピソードを元に、それを表現する言葉選びましょう。
真面目
こちらも、どちらかというと経理職やバックオフィス未経験者に多いアピールですが、真面目さはどのような業種・職種にも必要なものであり、わざわざ経理職向きであることをアピールするために用いる長所ではありません。
採用担当者は、書類の文字や対面した際の雰囲気から、十分その人間が真面目かどうかを判断できるため、アピールそのものが不毛な結果を生んでしまうことでしょう。
経理経験者の強みを活かした自己PR例
経理経験者として、自らの強みを活かして自己アピールを試みるのであれば、以下の3要素を自己PRに盛り込むことが理想です。
・経理職として長年業務に取り組んできた一貫性
・経理職として積み上げてきた実績などの具体性
・自分がもう一度経理職として採用される必然性
例えば、以下のような書き方ができれば、採用担当者にもアピールポイントが伝わりやすいでしょう。
昨年の決算期に、長年勤めていた社員が退職したことをきっかけとして、業務効率化・コスト削減を目的としたアウトソーシングの導入に携わった経験がございます。
経理職の大幅増員を予定している旨を求人広告にて拝見し、この経験が御社のお役に立つものと思い、今回応募させていただきました。
自分が経理職として経験してきたことが、採用する側にどんなメリットを与えられるのか、一貫性・具体性・必然性の三本柱を築くことを意識して、自己PRを構成しましょう。
まとめ
経験者が重宝されがちな経理職の現場では、どれだけ具体的な実績をアピールできたかが、採用の成否につながってきます。
また、自分が経験してきたことをすべて伝えるのではなく、応募先の企業が望む能力を持っているかどうかを正しく伝えることも、採用を勝ち取るには重要です。
アピールする際に、奇抜なワードセンスは必要なく、自分が今まで何をやって来たのか正しく説明できれば、あとは企業側とのマッチング次第です。
未経験者は、どうしても経理職のイメージから「真面目さ」・「数字に対する強さ」をアピールしがちですが、これほど抽象的なアピールポイントはありません。
真面目さ・数字への強さをアピールしたいなら、それを裏付けるエピソードだけでなく、具体的な業績にも触れておく必要があるでしょう。
いずれにせよ、極力主観的な要素は避け、客観的に自分が取り組んできたことを説明できるよう、文章や言葉を選ぶことが大切です。
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