2025年03月27日

30代経理の転職で求められるスキルは?転職のポイントを解説!

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一般的に中堅社員と位置付けられる30代は、これまで培ってきた知識や経験をもって、次なるステップに向けて自身のキャリアプランを見つめ直す人も多いでしょう。

この記事では、経理の転職における30代にフォーカスし、求められるスキルを解説します。
30代前半・後半で求められるスキルの差や転職成功事例もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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30代経理の転職は即戦力スキルが求められる

経理の転職における30代は、「即戦力」としてのスキルが求められます。
20代であれば、第二新卒としてポテンシャル採用されるケースもありますが、30代になると、経験値や実務スキルが評価ポイントとなります。

そのため、主な経理経験やスキルを棚卸しし、応募先企業でどのように貢献できるか具体的に伝えることが重要です。
また、入社後の目的・目標をきちんと強調することで良い評価につながるでしょう。

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30代経理への転職で求められるスキル

それでは、30代経理の転職で求められるスキルを見てみましょう。

コミュニケーションスキル

企業が30代の経理人材に求めるスキルには、まずコミュニケーションスキルが挙げられます。
経理業務がシステム化されている近年は、単純作業がシステムに置き換えられ、上流工程の経理スキルをもつ人材のニーズが高まっている傾向です。
たとえば、現場から届く取引の記録を見て、「今どんな取引を行っているのか」「経理上どんなことが問題となり得るのか」を推測し、現場にアドバイスできる人材が評価されるでしょう。

現場から相談を受けた場合に「〇〇だからダメ」と単に答えるのではなく、「〇〇だからダメですが、△△ならできるかもしれません。クライアントとは□□と交渉してみてはどうでしょう?」などのアドバイスができるコミュニケーションスキルが求められます。

基本的な経理スキル

30代経理の転職では、基本的な経理スキルももちろん求められます。
経理スキルは大きく以下のように分類されます。

  • ・主計…単体の決算や連結決算
  • ・税務…法人税などの申告
  • ・管理会計…予算や費用・収益などについての分析
  • ・財務…資金繰りやデットファイナンス、エクイティファイナンス

自分の得意分野をアピールできれば、評価はより高まるでしょう。

マネジメントスキル

30代後半に近づいてくると経理職においてもマネジメントスキルが求められるケースが多くなります。
管理職経験があれば、多くの企業において重要ポイントになります。

しかし、管理職経験はなくても、たとえばプロジェクトチームのリーダーとして部下や後輩の指導・評価を行った経験などは大きな評価の対象になります。
また、管理システムの新規導入を担当するなど業務改善を行った経験も、マネジメントスキルの1つとして評価されます。

海外取引に関するスキル

近年では、大企業はもちろんのこと、中堅・中小企業にあってもグローバルに事業展開をされるケースは増えています。
したがって、海外取引に関する実務経験は、30代経理にとって大きな評価ポイントになり得ます。

実際に海外取引の経験があれば、応募先によっては十分な訴求ポイントになり得ます。
また、基本的な英語力を評価する企業も多いため、TOEICでハイスコアを取得するなど、英語力をアピールできると有利です。
なお、TOEICの場合は700以上のスコアが高評価を得られる一つの目安になります。

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30代経理の転職に役立つ資格

経理の転職において実務経験が重視されるケースが多いですが、資格をもっていることで転職活動が有利に進む場合もあります。

とくに重宝される資格として、以下のようなものがあります。

日商簿記2級

日商簿記2級は、経理の基礎知識を体系的に習得した証であり、実務未経験者が経理職に応募する際に要件として記載されることが多い資格です。
また、実務経験が浅い方にとっても「基本的な知識が身についている」という信頼感につながり、即戦力を求める求人でもプラスに評価されることがあります。

ただし、30代の転職では、日商簿記2級だけで未経験から経理職へ転職するのは難しいケースもあります。
そのため、資格に加えてマネジメント経験や経理関連の実務経験があると、より転職成功につながりやすくなります。

FASS検定

FASS検定は、経済産業省が策定した「経理・財務サービス・スキルスタンダード」に基づいて設計された実務スキル検定です。
単なる知識の有無ではなく、資産・決算・税務・資金といった4つの業務領域ごとの実務スキルを定量的に評価できるのが特徴です。
合否ではなくスコアによる評価形式のため、自身の得意・不得意分野を把握する自己分析にも活用できます。

税理士

税理士は、税務に関する国家資格で、一般企業においても企業内税理士として活躍することができます。
これまで税務顧問として外部支援をしていた立場から、企業の内側に入り、自社の会計や税務に深く関わる経験は、経営視点を養う機会にもなります。

特に30代であれば、専門性を発揮しながらも、マネジメント経営企画などへのステップアップを見据えた転職も可能です。
さらに、税理士資格を持っていることで、採用側からの期待値も高まり、裁量のあるポジションを任される可能性も高くなります。

公認会計士

公認会計士は、監査・会計・財務の分野において高い専門性を持つ国家資格であり、一定の監査経験を積んでいる30代の公認会計士は、経理の転職市場でも高い評価を受けることができます。
また、企業の会計・税務のみならず、内部統制や開示対応、IFRSなどの高度な領域にも対応できるスキルを持つため、大手企業の経理部門では管理職やマネジメント候補として採用されるケースも多くあります。

資格の取得自体が難関であるため、転職市場では希少性が高く、今後のキャリア展望においても大きな強みとなります。

USCPA(米国公認会計士)

USCPAは、国際的に認知された米国の会計士資格であり、グローバル展開を進める企業や外資系企業への転職において非常に有利です。
英語での試験かつ国際会計基準への対応力が問われることから、会計知識と語学力の両方を証明できます。

経理職がUSCPAを取得していれば、海外拠点の管理や国際税務IFRS対応などの業務に携わるチャンスが広がり、キャリアの幅を一気に広げることが可能です。

資格取得は、知識やスキルについての証明だけでなく、「目標に向かって努力し、結果を出せる」ということをアピールすることもできます。

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30代前半と後半で求められる経理スキルのレベルは異なる?

経理部門への転職をする場合、30代前半と後半とでは求められる経理スキルの水準が変わってきます。

30代前半の経験者

経理の求人では、年齢だけでなく、募集ポジションによって要求される実務経験やスキルの内容が異なります。
たとえば、経理スタッフポジションは、日常的な業務や決算補助、経理リーダーポジションであれば、月次決算や年次決算、開示書類の作成(上場企業勤務時)に関わった経験などが求められるでしょう。

30代前半は、経理責任者ポジションへの募集でもない限り、一人で経理部門のすべての業務を完結できるレベルまで要求されることは少ないと考えられますが、月次決算を締められる、年次決算を3年以上経験していると非常に高い評価を得られます。
面接の場では、自分がこれまで取り組んできた経理部門での担当業務と、担当業務の中で業務効率化に取り組んだ経験などについて話せるようにしておくことが大事です。

30代前半の未経験者

30代前半は20代と同様に、簿記2級程度の資格を取得していれば「未経験歓迎」枠での応募が可能な場合もあります。

ただし、未経験者の場合はより若い人材が求められる傾向が強いです。
そのため、簿記の資格に加えて、これまでの社会人経験の中で経理に活かせるスキル・知識を具体的に話せるようにしておきましょう。

30代前半は実務経験が重視される一方、まだ「若さ(年齢面)」で勝負できる年代でもあります。
面接の場では素直さや順応性をアピールし、今後の伸びしろを感じてもらえるような話をしましょう。

30代後半の経験者

30代後半になると、基本的には即戦力であることを前提に採用されるため、経験が重視されます。

経理リーダーポジションであれば、月次決算や年次決算だけでなく、企業規模によっては連結決算や税務など難易度の高い実務経験が必要です。
IPO準備中企業への転職を希望するなら、上場基準会社(上場企業、上場子会社等)での実務経験が高く評価されるでしょう。

また、30代後半ではマネジメントポジションへ応募できるケースもあります。
その場合は、部下に対する人事考課や指導・育成の経験、チーム視点で物事を捉えていける能力等も要求されます。
経理実務を担いながら、部門全体のマネジメントまでできるプレイングマネージャーは、どの企業でも高評価を得られるでしょう。

30代後半の未経験者

30代後半になると、未経験からの転職の難易度が高くなります。
「30代後半の経験者」で解説したとおり、30代後半の転職は即戦力を前提としているため、未経験者には狭き門だといえるでしょう。

しかし、30代後半の未経験者が経理へ転職することは、不可能ではありません。
簿記2級の取得は最低条件とし、応募先企業の業界に関連する経理資格を取得しましょう。
また、前職と同業界や同規模など関連のある企業を選ぶことがおすすめです。

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30代経理の転職で注意するポイント

30代経理の転職で注意するポイント

30代の経理が転職する際には次のような注意点があります。

  • ・転職活動の負担を考慮する必要がある
  • ・収入が減る場合もある
  • ・繁忙期の業務負荷が大きい
  • ・人間関係の再構築が必要

転職活動の負担

転職活動は自分のペースだけで進むものではありません。
たとえば、転職を決意してもなかなか良い求人が見つからず、思うようなスタートを切れないことがあります。
ほかにも、平日の日中に面接が入り、現職の業務を調整しなければならないこともあるでしょう。
また、書類作成や面接対策にはそれなりの時間もかかります。

このように、転職活動は負担が大きいものです。
焦るあまり、納得できないまま転職先を決めてしまうなどの失敗例もあるため、注意してください。

収入が減る場合もある

営業職やエンジニアなどと違い、経理の仕事は会社への貢献度が数値化しにくい側面があります。
そのため、転職1年目2年目など最初のうちは、どうしても給与が上がりにくいのが現実です。

転職をすることで評価がリセットされるということもあり、転職によって年収が下がる可能性があることを念頭においておきましょう。
なお、転職活動の際には1年目の給与だけでなく、昇給制度やキャリアアップにともなう年収の推移などもチェックしてください。

繁忙期の業務負荷が大きい

経理は繁忙期とそうでない時期の業務量の差が大きい職種です。
決算期や年末、年度末は、忙しくなる傾向にあり、残業も珍しくありません。

また、ミスが許されない仕事でもあるため、大量の業務を正確にこなさなければなりません。
人によっては大きなプレッシャーを感じてしまうことでしょう。
転職活動の際には、通常期と繁忙期、それぞれの業務量業務時間についてあらかじめ確認しましょう。

人間関係の再構築が必要

30代であれば、多くの人が社内でそれなりの経験を積み、ポジションや人脈、人間関係などを築いていることでしょう。

しかし、転職すれば評価と同様に、人間関係もリセットされてしまいます。
場合によっては、転職先で自分よりも若い人が上司になることも、決して珍しい話ではありません。

転職によって、人間関係の再構築が求められるということも知っておきましょう。

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30代経理の転職を成功させるポイント

30代の経理が転職を成功させるポイントは次の4つです。

  • ・キャリアプランを明確にしておく
  • ・志望動機や自己PRを用意する
  • ・経験を整理しておく
  • ・具体的なエピソードを話す

キャリアプランを明確にしておく

自分が将来どうなりたいのか」そして、そのために「転職先でどんな働きをしたいと考えているのか」を明確にすることでミスマッチが起こる可能性が低くなります。

・経営に携わりたい
・大企業で経理として働きたい
・税理士や公認会計士などの資格を取り、独立したい
・外資系企業で国際的に活躍したい
・ベンチャー企業で1から会社を発展させる経験がしたい
など、理想とするキャリアプランがあると思います。

それを実現するために、今どうするべきなのかを考えると、転職活動が失敗しにくいです。

志望動機や自己PRを用意

企業は求職者の本気度を見ています。
「うちは本命ではないのかな」「入ってもすぐに辞めそうだな」と思われてしまうと、なかなか内定が得られないでしょう。
企業に好印象を与えるためには「その企業だからこそのポイントを押さえた志望動機」と「その企業で活躍している姿がイメージできるような自己PR」が大切です。

就職試験を受ける際には、この2つをポイントに志望動機、自己PRを作成しましょう。

経理の志望動機のポイントは、経理の志望動機【例文付】未経験者・経験者向けNG例・OK例を徹底解説をご確認ください。

経験を整理しておく

転職活動においては、経験の整理、いわゆる「キャリアの棚卸し」が重要です。
「これまでどんな経験をして、どんなスキルを身に付けてきたのか」をアピールすることで、企業側も求職者の強みを正しく把握できます。

また、自分の経験の整理は魅力的な応募書類の作成や、自分に向いている求人の検討にも非常に役に立ちます。

具体的なエピソードを踏まえて話す

抽象的な説明や、誰にでも言えそうなアピールポイントなどは、なかなか企業の目に留まりません。

自分の強みを魅力的に伝えるためには、具体的なエピソードを交えた話が重要です。
たとえば単に「工数が削減できました」と言うより、「◯◯の業務において、平均工数が1時間短くなりました」など、具体的に言える方が説得力があります。

転職活動を始める前には、上記で説明したキャリアの棚卸しと合わせて、自分の経験を具体的に話せるよう準備も行いましょう。

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30代経理の転職成功事例

30代前半と後半それぞれで経理部門への転職に成功した事例をご紹介しましょう。

30代前半男性「異業界で経理としてのキャリア&年収アップ」

転職前:非上場アパレル会社 経理
転職後:IPO準備中金融系企業 経理

会計事務所やグロース上場企業、IPO企業での経理経験をもつ30代前半男性のケースです。
以前所属した企業が新型コロナウイルスの影響により業績が悪化したため、転職活動を開始。管理部長とともに経理やIPO関連業務を担う、より専門性の高いポジションへの転職に成功し、年収もアップしています。

30代後半男性「経理マネージャーへ役職・年収アップ!」

転職前:上場企業マスコミ・広告会社
転職後:上場企業ITコンサルティング会社

上場企業などでの主計業務を中心に幅広い経理の業務経験をもつ30代後半男性のケースです。
経理職としてキャリアアップを図るべく転職活動を開始されました。
過去の経験からベンチャー風土の強い企業は自分と相性が合いにくいと考え、長期的にコツコツ働ける環境を希望していました。

結果として上場企業ITコンサルティング会社のマネージャー職のポジションで転職に成功し、年収額もアップしました。

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まとめ

30代経理の転職は実務経験やスキルが重視される傾向にあるのは事実です。
しかし、もっている資格や、これまでの経験、熱意などによっては、未経験からの転職は不可能ではなく、実際に転職が成功した事例もあります。

転職活動の際には、これまでの経験やキャリアプラン、志望動機、自身の強みなどを明確にしましょう。
そうすることで、自分に合った企業を探しやすくなるうえに、内定が出る確率も上がります。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

窪塚 勝則

大学卒業後、大手出版系企業を経て現職へ入社。
主に大手・新興上場企業を対象とする法人営業職を4年、キャリアアドバイザーとして10年以上に及ぶ。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ コンサルティング ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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