CFOになるには?どんなキャリアが必要?
CFO(最高財務責任者)は経理部門を担う役員という立場だけでなく、資金調達や運用といった財務戦略の立案と執行も担う重要なポジションです。
また、企業財務の健全性・透明性が叫ばれている昨今、CFOに求められる能力は多岐にわたっています。
この記事では、CFOはどのような業務に携わっており、どういったスキルや経験が必要になるのか、CFOになるためにはどうしたらいいのか、などを取り上げていきますので、今後のキャリアプランの参考にしてください。
CFOの役割
CFOは単純に経理・財務の最高管理者という立場であるだけでなく、CEO(最高経営責任者)同様に経営判断を行うポジションであり、企業成長のカギを握っている存在です。
事業の将来的な予測を立てつつ財務戦略を経営戦略へと反映させていくのがCFOの仕事であり、「企業活動に欠かすことのできない資金をどうやって調達するのか」「調達した資金をどのように配分し、その後の管理を行っていくのか」をCEOへ財務的な観点より提言するなど、業務内容は多岐にわたります。
これらの流れについて株主をはじめとするステークスホルダーへ説明責任を果たすのもCFOの仕事です。
会社の資金は株主や投資家から預かったものであり、それらをどのように運用しているのか、納得してもらえるようにエビデンスの伴った説明を行うことはとても大切です。
財務について透明性と健全性を強く求められるようになった今日、CFOはより重要な存在となっています。
CFOの仕事内容
CFOの代表的な業務内容は以下の5つです。
財務管理と内部統制
CFOに最も期待される業務といえるのが、企業の「財務管理」です。
市場の動向や企業の財務状況を踏まえたうえで、経営陣や取締役会などと協力しながら財務戦略を立案し、財務部門との連携によって遂行します。
また、上場を目指す企業においては、企業の財務報告や経理処理に関する「内部統制」もCFOにとって重要な役割です。
内部監査部門等と連携し、上場を達成するために必要となる内部監査・内部統制監査を進めて環境整備を行います。
資本政策
資本政策とは、資金調達の戦略策定や具体的な交渉など、企業が資金を調達するための施策・戦略のことを指します。
株式資本を増やすのか、それとも借り入れを行うのかといった方針はCFOが決断し、必要に応じて交渉業務も行いながら資本政策の最適化を図ります。
ちなみに株式によって資金調達を行う場合は、株主構成や発行済株式数などを慎重に検討することが重要となります。
もし失敗すると目標となる金額を調達できないだけでなく、悪意のある第三者によって会社の経営権が奪われてしまう可能性もあるため注意が必要です。
そのため、株式による資金調達のタイミングや手法、集める金額とともに「理想とする株主構成」についてもしっかりと検討し、慎重に計画を進めていくことが求められます。
IR
上場企業の場合は、経営状況や財務状況を投資家に開示する「IR」と呼ばれる業務もCFOが担当します。
まずは決算内容に関する報告書を作成し、社内や監査法人による監査を受けたうえで株主総会にて説明を行います。
IRを積極的に行っている企業は投資家からの信頼を得やすく、それによって株価も高くなる傾向があることから、CFOとしてぜひ積極的に行いたい業務のひとつです。
M&A等におけるDD
事業拡大の目的でM&A(企業買収や合併)を行う場合は、「DD(デューデリジェンス)」も重要なCFO業務です。
DD とは、買収価格の決定にあたって買収対象企業の情報を入手し、その情報に虚偽がないか、不正な取引や会計が行われていないかについて確認することをいいます。
基本的には財務情報を調査する財務DDをメインに担当しますが、企業によっては法務的な情報も含めた総合的なDDを行う場合もあります。
管理部門の統括
CFOは管理部門の統括的なポジションでもあることから、人事・経理・総務・労務・法務といった管理系部署の責任者として各部門の業務効率化やコスト管理、コンプライアンスの強化などをマネジメントします。
CFOになるための資格はある?
財務戦略を経営戦略へと反映させるCFOは多岐にわたる知識を要求されるため、ある資格を取得したことでCFOになれるわけではありません。
日本ではCFOは経理・財務部門の最高責任者であるという認識が強いため、公認会計士からCFOになるパターンがやや多く見られますが、必ずしも公認会計士である必要はありません。
MBA資格取得者がCFOとなっているケースも同様に、MBA資格者だからCFOになれたわけではないので、これといってCFOに直結する資格はありません。
しかし、これからCFOを目指すのであれば、日本CFO協会が実施しているFASS検定を受けてみるのがおすすめです。
FASS検定は経理や財務の実践的な能力を問われる試験なので、受験に向けた学習に取り組むことでCFOとして必須の知識を効率よく学ぶことができます。また、日本CFO協会では4つのジャンルに分けたCFO資格認定も行っています。
CFOのキャリアやタイプは様々
一口に「CFO」といっても、企業の状況によって求められる役割は異なり、キャリアのバックグラウンドも多種多様です。
ここでは、CFOの代表的なタイプである「ファイナンス型」と「ガバナンス型」の特徴を見ていきましょう。
ファイナンス型
- ・会社が資金調達を必要とするシーンで活躍
- ・証券会社や投資銀行出身者などの金融系のバックグラウンドの人が多い
ガバナンス型
- ・会社の売り上げが軌道に乗っているときに活躍
- ・資金調達よりも内部統制などが主な業務になるため、監査法人出身者が多い
ひとつの会社で勤めあげてCFOにたどり着く方や、官僚から投資銀行を経てベンチャー企業のCFOに就任する方など、監査法人の勤務経験がなくてもCFOになる方は多くいます。
CFOインタビュー | Manegy[マネジー]ではさまざまなCFOにインタビューしているため、ぜひCFOになるためのキャリア構築の参考にしてみてください。
CFOになるために必要なスキルや経験
CFOになるには、経理や財務についての専門的な知識はもちろん、全体を見ながら経営判断を行っていくために多彩なスキルや経験が求められます。
特に、下記のようなスキルや経験を有しているとCFOの業務をより円滑に進められるでしょう。
財務会計スキル
CFOは企業の財務面を支えるポジションであることから、CFOになるには財務会計スキルも必要不可欠です。
財務諸表をしっかりと読み解いて企業の財務状況を正確に把握し、さらなる成長に向けた改善点を見つけることが求められます。
そのため、単に財務会計関連の資格を有するだけでなく、少なくとも5年以上は財務会計のポジション経験、もしくは金融機関やコンサルティングファームで財務関連資料を扱っていた経験が必要となるでしょう。
内部・外部監査の経験
内部統制もCFOにおける重要な業務であることから、監査法人などで会計士として勤務した経験があると大いに役立ちます。
また、DDの経験もあわせ持っていると、M&Aの際にスムーズかつ的確に対応できるでしょう。
大型の資金調達経験
過去に資金調達に関わった経験があると、CFOの採用時に大変有利です。
特に数億円規模の大規模な資金調達経験を有する場合は、採用担当者から「交渉力が高い魅力的な人材」といったポジティブな印象を持たれる可能性が高い傾向があります。
M&Aの経験
M&Aに携わった経験も、CFOへの転職時において大きなアドバンテージとなります。
M&Aは近年においてスタンダードな成長戦略になりつつあるため、買収や合併のノウハウを持っている人材は大変重宝されます。
管理部門の責任者ポジションの経験
CFOは管理部門を統括する役割も担っているため、管理部門の責任者として勤務した経歴があると採用時に有利となる傾向があります。
人事・経理・総務・労務・法務におけるマネジメント経験をお持ちの方は、ぜひ積極的にアピールするとよいでしょう。
CFOへの転職は転職エージェントがおすすめ!
CFO(CFO候補)のポジションは求人媒体などで募集されていることもありますが、経営に直結する重要なポジションであり、またCFO求人を公にすることで企業の戦略が競合などにばれてしまうこともあるため、求人媒体に公開されないケースも多いです。
そのため、CFOを目指して転職するのであれば、転職エージェントがおすすめです!
管理部門・士業に特化した転職エージェントのMS Agentでは、CFO候補を募集しているコンフィデンシャル求人(非公開求人)を多数取り扱っているため、登録することで非公開求人の紹介を受けることが可能です。
まとめ
CFOは経理・財務の最高責任者として、CEOのパートナーとして、会社の経営を支える重要なポジションです。
経理や財務についての専門的な知識はもちろん、監査や資金調達、M&Aのスキルや、管理部門の責任者として勤務した経験があると転職時に有利になるでしょう。
なお、CFO になるために必要な資格は特にありませんが、「CFOの転職に役立つ資格を取得したい」とお考えの方は、経理や財務の実践的な能力を問われるFASS検定にチャレンジすることをおすすめします。
もしCFOの転職に不安がある場合や、よりスムーズに成功させたい方は、ぜひ管理部門や士業の求人を多く取り扱う転職エージェントの「MS Agent」にご相談ください。
専任のキャリアアドバイザーがひとりひとりの経歴やスキルに合ったCFO求人を探し出し、満足の転職を叶えるサポートをさせていただきます。
まずはぜひ無料の会員登録を行い、どのようなCFO求人があるのかをチェックしてみてはいかがでしょうか。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、食品メーカー営業を経て2005年MS-Japan入社。企業側営業担当を1年半経験し、以降はカウンセラー業務を担当。若手中堅スタッフの方から、40~50代のマネージャー・シニア層の方まで、年齢層問わず年間500名以上をカウンセリングさせていただいています。
企業管理部門全般~会計事務所など士業界、会計士・税理士・弁護士資格者まで弊社の特化領域全般を担当しています。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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