2024年04月03日

公認会計士がCFOになるには?CFOのキャリアや必要なスキルを解説!

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近年、公認会計士が企業の財務最高責任者(CFO)を目指すことは、人気のキャリアパスになっています。
そこで今回はCFOの基礎情報から、会計士がCFOになるためのキャリアパス、必要なスキル・経験について解説していきます。

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CFOは「経理担当役員」ではなく「経営者」

欧米では、CFOは最高経営責任者(CEO)に次ぐ存在といわれています。日本はCFOの歴史がまだ浅いせいか、CFOは経理部長の延長と考えている人も少なくありません。
戦後、特に企業が恒常的な資金不足状態にあった高度成長期に発達した日本独自のメインバンク制度を受け、CFOという役職は長らく必要とされていませんでした。
たとえば、銀行から融資を受けて投資する際、投資判断に至ったしっかりとした根拠がなくても、「成長しているからやってみよう」といった、経営者の勘や度胸で投資を決定しても、当時はそれほど批判されることはありませんでした。また、企業が経営危機に瀕した際には、メインバンクが支援し、一方のメインバンクは融資した企業の株式の保有や、役員の派遣など、お互い持ちつ持たれつの関係を築いていきました。

しかし、企業の銀行離れが進んだいま、従来のやり方では企業は生き残っていけません。ステークホルダーに説明責任を果たすためにも、財務管理力を強化する必要があります。また、企業が相手先をいくらで買収するか、事業の将来を予測しつつ、利益をどこに配分するか、投資家からどういった方法でいくら資金調達するかといった判断ができる人材が必要になってきています。

CFOは経理等の会計周りだけを担うのではなく、経営戦略・事業戦略・財務戦略の立案から実行までをCEOの右腕として幅広く担う、経営者なのです。


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CFOの年収はどれぐらい?

CFOの年収は、固定報酬と業績連動報酬の合計額で決まります。
固定報酬はCFOの能力や人材価値に応じて決定され、毎月の給与もしくは年俸で支給される年収のことです。
業績連動報酬は、業績や成果に応じて支払われるインセンティブ形式の報酬です。ストックオプションなどがこれにあたり、特にベンチャー・スタートアップ企業で導入されていることが多いです。
ストックオプションは、企業への貢献度を反映しやすく、IPO前の企業にCFOとして参画する場合、その企業が上場を果たせば、時価総額次第で莫大な資産を築くことができます。
また、業績連動報酬はCFOのモチベーションアップに直結するほか、報酬のばらつきを軽減するための効果も期待できます。

具体的な金額を確認するために、弊社MS-Japanが提供する管理部門・士業特化型転職エージェント「MS Agent」のデータを元に、CFOの年収相場についてみてみましょう。
2022年4月~2023年3月に「MS Agent」経由で、CFOまたはCFO候補として転職された方の平均決定年収は約1,052万円でした。
同年の全職種平均が525万円であることを踏まえると、CFOの年収はかなり高い水準であると言えるでしょう。

しかし、CFOの年収は企業規模によって大きくバラつきがあります。
ベンチャー・スタートアップ企業は1,000万円〜2,000万円、中小企業は1,800万円〜2,500万円が相場とされています。
また、上場企業の場合には2,000万円半ば〜3,000万円、大企業・外資系企業になると2,500万円〜5,000万円が年収相場です。

このようにCFOの年収は企業規模が大きくなるほど高くなり、外資系企業はさらに高額を期待できますが、ストックオプションも含めて考えてみれば、一概にベンチャー企業の年収が低いと言いきれません
ベンチャー企業は、今後の企業成長も期待できるため、将来的には年収に換算できない価値も報酬として得られる可能性もあるでしょう。


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CFOになるために評価されるスキル・経験は

それでは、CFOになるためには、実際にどのような知識やスキルが役立つのでしょうか。

ファイナンスの専門知識

まず知識面で絶対に必要なのは、ファイナンスです。CFOには経理、財務、税務に関する広範な知識が求められます。
これらの知識は企業の財務戦略を立てる、資金管理を行うといった、CFOのメイン業務に欠かせないためです。

ファイナンス関連で評価される経験としては、資金調達が挙げられます。資金調達方法は多岐にわたるため、あらゆる方法を経験している必要はありませんが、銀行などからの融資で資金調達した経験よりも、株式発行などによる資金調達、エクイティファイナンスに強みがあると、高い評価を得られます。
公認会計士として監査法人で勤務している場合は、資金調達を経験する機会はほとんどないと思いますので、エクイティファイナンスに関する知識を勉強しておくと、転職の際に有利でしょう。

また、企業価値の評価方法について知識があると有利です。
近年M&Aは増加傾向にあり、企業も成長戦略の一環として積極的に取り入れています。そういった際に、バリュエーションができる公認会計士は非常に重宝されます。

交渉力・コミュニケーション能力

交渉力・コミュニケーション能力も、投資家との関係性を築くために必須の能力といえます。
特にアーリーフェーズにある企業のCFOの場合、投資家に資金調達を促すために、競争優位性といった価値を生み出す力があることを、数字を用いて論理的かつ熱意を持って伝える力が必要です。また、別の資金調達手段として、金融機関からの借入も当然考えられます。投資家が企業の将来性を重視するのに対し、金融機関は融資の回収を重視するので、確実に返済できることを論理的に説明しなければなりません。

また、事業が安定してきて、追加の資金調達の必要性がなくなった場合でも、既存の出資者に対して適切な業績報告や財務状況の説明を行い、長期的に良好な関係を築いていく必要があるため、CFOはどのフェーズの企業においても、外部との交渉・コミュニケーションの能力が求められます。

さらに、CFOはCEOのパートナーでもあるため、社内においても、CEOやCOOなどの経営陣、自らのマネジメント配下のメンバーと良好な関係性を築く必要があります。

マネジメント能力

上述した通り、CFOは単なる経理の最高責任者ではなく、経営陣の1人です。経営企画を起点とした部門すべての統括責任者であるケースも多いため、そのマネジメント範囲は非常に広いです。経理や財務部だけでなく、法務、人事などの管理部門全体、経営企画部やそのほかの部署とも協力していく必要があるため、マネジメントスキルも必須といえます。


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公認会計士がCFOになるためのキャリアは?

公認会計士にとって、企業のCFOを目指すことは人気のキャリアの一つといえるでしょう。
ただし、CFOは経営層の一角をなす役職であるため、財務関連の知識や経験だけでなく、経営全般を管理、運営する能力も求められます。それでは、CFOにはどのようなキャリアが求められるのでしょうか。

監査法人からCFOになる場合

公認会計士の多くが、ファーストキャリアとして監査法人を選択します。監査法人で経験を積むことで、CFO(CFO候補)として事業会社に転職することは可能です。

監査法人から直接CFOを目指す場合は、マネージャー経験を積むことがおすすめです。
シニアスタッフなどの中堅職位では、CFOとして迎え入れるには経験不足かもしれないとみなされることが多いため、マネージャーとして、CFOに必要なスキルのマネジメント経験や、クライアントとの交渉経験などを積むことで、CFOとしての市場価値が高まります。
配属部署や組織によって難しい場合もありますが、IPO支援業務の経験も、監査法人で経験していると尚良いでしょう。

また、監査法人から直接CFOを目指す場合は、転職先の企業フェーズも重要です。
CFOへの王道のキャリアパスとしては、監査法人出身の公認会計士以外に、「金融機関出身者」「コンサルティングファーム出身者」などが挙げられますが、そういった方々と比較して、監査法人出身の公認会計士の強みとしては「内部統制」が挙げられます
N-3前後のIPO準備中企業では、上場に向けて内部統制を行う必要があるため、CFOとして公認会計士を迎え入れたいというニーズが高くなるので、公認会計士がCFOを目指す場合は上場前の企業を選択肢に入れると、企業のニーズとマッチングしやすくなります。

監査法人から別の転職先を挟んで、CFOになる場合

監査法人からいきなりCFOになるのではなく、一度監査法人以外で経験を積み、CFOを目指す人もいます
そういった公認会計士の方に人気の転職先としては、「FAS」「コンサルティングファーム」が挙げられます。

FAS

公認会計士はFASで経験を積むことで、CFOとしての転職可能性も高まりますし、単純に公認会計士としてのスキルアップにもつながるため、人気の選択肢の一つです。

CFOを目指すのであれば、ディールアドバイザリーがおすすめです。
上場を果たして資金調達方法が増えた企業などでは、成長戦略の一環としてM&Aなども有力な選択肢になってきます。M&Aに伴うDDやバリュエーションの経験を積むことができれば、IPO前の企業のみでなく、新興上場企業などにCFOポジションで転職できる可能性も高まるでしょう。

また、ファームによりますが、FASではVCの支援に注力しているチームが存在している場合もあるため、こういったチームで経験を積むことができれば、VCやVCの投資先企業とコネクションを作ることができるので、場合によっては直接お声がけいただき、CFOとして参画するといったケースもあり得ます。

コンサルティングファーム

CFOを目指して、コンサルティングファームに転職する方もいます。一口にコンサルティングファームといっても幅広いですが、IPO支援に注力しているファームや、戦略系のコンサルティングファームが有力な選択肢でしょう。

監査法人内でIPO支援業務に関与することが難しい場合は、コンサルティングファームに転職することでそういった経験を積み、IPOを目指す企業にCFOとして転職できる可能性が高まりますし、戦略系のコンサルティングファームでは、業界ごとにセクターを設けている場合も多いため、特定の業界に強みを持つことで、公認会計士としての強みに+αの希少価値をつけることができます。
また、コンサルティングファームに転職するメリットとしては、経営に関する知識を身に着けられることも挙げられます。
財務・会計への強みを監査法人で蓄積し、そこにコンサルティングファームで経営知識を上乗せすることができれば、CFOとして転職した場合も即戦力で活躍できるでしょう。

上記でご紹介したケースはあくまでキャリアパターンの例であり、実際には監査法人から上場企業の経理・経営企画に転職して、その後CFOになった方や、金融機関に転職したのちにCFOになった方など、様々な公認会計士のキャリアがあります。
自分にはどんな可能性があるのか気になっている方は、公認会計士の転職支援実績が豊富なMS-Japanの転職エージェントサービス「MS Agentにご登録いただくと、公認会計士の転職に精通したキャリアアドバイザーに具体的なキャリアパスをご相談いただけます。

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公認会計士のCFO転職成功事例

Aさんは、公認会計士に登録後、監査法人に就職してIPO企業に対するアドバイザリー業務を担当していました。 ところが、長年にわたってIPO企業を支援する業務を続けているうちに、自らも企業の一員として上場達成の喜びを味わってみたいと思うようになり、転職を決意します。 Aさんが望んだのは、IPO準備企業のCFOです。すでにIPO準備企業へのアドバイザーとして経験が豊富だったので、転職活動での面接試験では、これまでの経歴を最大限にアピールしました。 加えて、これまでは監査法人の一員としてIPOに携わってきたが、これからは企業人として力を尽くしたいこともきちんと伝えたそうです。また、転職先をIT業界の企業にあらかじめ絞り、業界研究をきちんと行った上で、ITに携わる仕事をしたいことも丁寧に説明しました。

Aさんは、CFOへの転職活動を行う際、面接官に対して経営層の一員となることへの意思、企業人として働くことの自覚を丁寧に伝えていたことが分かります。採用面接の場では、これまで得た経験・経歴を強調するだけでなく、企業全体のかじ取り役となる覚悟を持っていることを明確に伝えることが重要といえます。この点は、公認会計士がCFO転職を目指す上でのポイントといえるでしょう。


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公認会計士歓迎のCFO求人

この章では、MS Agentが取り扱うCFO(CFO候補)求人の中から、公認会計士を歓迎している求人の一部をご紹介します。

IPO準備企業でCFO候補の募集です

仕事内容
事業戦略やIPO進捗などに応じて下記のような業務をお任せします。
・IPOに向けた管理体制の構築・整備
・グループ全体の財務・会計・決算業務
・経理等、業務の内製化や決算早期化
・IPO準備に向けた監査法人・証券会社対応
・資金繰り、社内規程整備、各種内部統制の構築・付随するシステムの導入
・各社の事業計画・予算の策定
・予実統制
・全社経営戦略立案のサポート
必要な経験・能力
・公認会計士で監査法人でIPO支援を行ってきた方もしくは事業会社でIPO経験のある方
・上記経験がなくとも、ご自身でIPO支援業務にコミットできる方
想定年収
800万円 ~ 1200万円

ベンチャー企業よりCFO候補の募集です

仕事内容
今回、ご入社いただく方にはIPO準備業務をメインに経理業務/管理部門メンバーのマネジメントをお任せ致します。
【IPO準備業務】
・監査法人対応
・決算短信/有価証券報告書などの開示資料作成
・上場準備業務関連全般
・社内規定類整備
【以下経理業務の管理監督】
・日次経理業務
・月次〜年次決算
・資金管理業務
・会計事務所・税理士対応
その他、経営企画業務など
必要な経験・能力
【必須条件】
・公認会計士資格をお持ちの方
・IPO準備中企業での実務経験
【歓迎条件】
・ベンチャー企業での勤務経験
・経理の実務経験
想定年収
500万円 ~ 1000万円

社会貢献度の高い、優良ベンチャー企業よりCFO候補求人です

仕事内容
◆ご経験に応じて下記業務をお任せしていきます。
【具体的な業務内容】
・事業計画・予算策定
・予実管理・KPI管理
・資金管理
・資金調達
・IPO(準備)
・株主や証券会社等とのコミュニケーション
・チームビルディング(採用含む)・チームマネジメント
・コーポレート・バックオフィス業務のレビュー
必要な経験・能力
<必須条件>※下記いづれかに当てはまる方
・IPO達成
・資金調達(エクイティ・デット)
・IRの経験
<歓迎条件>
・他社でのCFO経験
想定年収
800万円 ~ 1600万円


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役員・その他の求人情報

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サイト上で公開されている求人はごく一部です。そのほかの求人情報は会員登録することでご確認いただけます。


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まとめ

公認会計士のキャリアの選択肢の一つとして、CFOは当たり前のものとなりつつあります

また、上記でご紹介した求人は弊社で取り扱う求人のほんの一例です。特にCFOは企業にとって非常に重要なポジションであり、外部にCFOを募集していることを知られたくない企業も多く存在しています。MS Agentでは、そういった企業から非公開で求人をお預かりしているケースも多いため、サービスにご利用いただければ非公開求人の紹介も受けることができます。

弊社MS-Japanでは、公認会計士がCFOへの転職を成功させたケースも多いです。希望に沿った求人のご紹介や面接対策など、全面的にサポートさせていただきますので、転職を検討されている方はお気軽にご相談下さい。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

佐藤 颯馬

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。

会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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