弁護士の志望動機はどう書く?面接での伝え方や履歴書の書き方も解説!
弁護士の資格、実績を活かして就職・転職活動をする場合、事前の対策が欠かせません。
どれだけ実績、能力がある人でも、それを伝えるための準備が不足していれば、正しい評価を得られないまま不採用に至る恐れがあります。
また、これから法曹界で活躍しようとする新人の弁護士にとっても、実績以外の人柄やコミュニケーション力をアピールできるように、前もって対策しておくことが望ましいです。
以下では、弁護士の就職・転職活動時の志望動機の書き方、面接への臨み方、履歴書・職務経歴書の書き方について詳しく解説します。
弁護士になりたいと思ったきっかけは?
弁護士になるには超難関試験の司法試験に合格する必要があり、中途半端なモチベーションでは、難易度の高い勉強を乗り越えて弁護士になることはできません。
弁護士を目指す人には明確な目標が必要で、それを志望動機として採用する側に伝えることが求められます。
では、実際に弁護士になった方々は、主にどのようなきっかけで弁護士を目指すことになったのでしょうか。その事例をいくつか挙げてみましょう。
弁護士という仕事に憧れがあった
弁護士は「正義」という言葉と結びつき、困っている人々を守り、社会的悪に立ち向かうというイメージがあります。
その姿に憧れを抱き、弁護士を目指すようになる人は多く、子どもたちの将来の夢の1つに数えられるほどです。
人を助ける仕事がしたかった
自分や身内が医師の世話になり、その結果医師を目指すという話はよく耳にします。同じように弁護士も、実生活の中で人を助けられる仕事です。
責任感や正義感が強い人にとって、弁護士は理想的で実現可能な職業なのです。
法律の勉強が好きだった
大学に進学して法律の勉強の面白さを知り、やがて熱中するようになり、いつの間にか弁護士を目指している人も多いようです。
法律を学ぶ者として、最難関である司法試験を受けてみたいと思うことも、弁護士になる1つのきっかけです。
社会的地位や収入の高い仕事がしたかったから
士業の最高峰の1つであり、極めて専門的な職業である弁護士は、社会的な地位が高く、高収入も見込めます。
ほかの人たちとは異なる特別な仕事で、プロフェッショナルとして活躍したいという思いから弁護士を目指す人も多いようです。
【就活編】弁護士の志望動機例文
就職活動において弁護士が志望動機文を作成する場合の例文およびそのポイントは、以下の通りです。
学生時代に参加したボランティアで、法律の力がいかに社会正義を実現できるかを目の当たりにし、弁護士への道を志しました。貴事務所が地域社会への深い貢献とクライアント一人ひとりに寄り添う姿勢を持つ点に強く惹かれました。
私は誰にでも公正に接することができる人間性を強みとしており、この能力を活かして貴事務所での仕事に真摯に取り組み、社会に貢献したいと考えています。
弁護士になりたいと思ったきっかけを伝える
過去に自分もしくは家族の中で法律トラブルが発生し、その解決に向けて弁護士にお世話になった経験が、弁護士を目指すきっかけとなった方も少なくないようです。
もしこのような経験があれば、志望動機として説得力があり、面接官も納得しやすいといえます。
弁護士と接した経験がなくても、学生時代に取り組んだボランティアの中で世の中の不条理に直面し、弁護士が社会正義を実現することの大切さを実感した経験があるなら、その点もアピールできます。
いずれにせよ、ここで重要なのは、自分の体験をもとに記述することです。「弁護士ならば、法律で人を救えると思ったから」といった漠然とした理由では、説得力がありません。
自分が過去に経験したこと、「きっかけ」を必ず取り入れましょう。
その事務所(企業)を選んだ理由を伝える
志望動機は就職を志望する事務所に対して提出するものなので、「なぜその事務所で働きたいのか」について説得力をもって記述する必要があります。
本音としては、あちこちの法律事務所に応募書類を送付し、その中でなんとか受かった事務所に就職したいと思っているかもしれません。
しかし、個々の事務所に提出する書類には、その事務所に特別な思い入れがあることをアピールする必要があります。
1つの方法としては、その事務所の研究を十分に行って強みや特徴を把握し、自分もその分野でのスキル・実績を積みたいと強調することです。
たとえば、法律事務所ごとに、クライアントは個人依頼の刑事訴訟や民事訴訟が多いのか、それとも買収や提携などの案件が多い企業なのか、得意とする領域は何か、海外でも活動しているのか、といった点で違いがあります。
自分が目指すキャリアと志望先の法律事務所の活動領域が、合致することを強調するわけです。
自分の強みを伝える
司法試験合格に向けての勉強の中で、自分が得意とする法律分野が見えてきたなら、その点を伝えましょう。
また語学力がある人であれば、その点も強みになります。
これから弁護士として就職活動をする場合、法曹としての実績はないのでその点は強みにはしにくいです。
しかし、学生時代の経験でコミュニケーションスキルや法律家としての資質をアピールできるのであれば、その点を志望動機に盛り込みましょう。
社会人経験を経て弁護士になった場合は、過去の勤務経験で培った経験も強みになるかもしれません。
なお、自分の強みを伝える際も、一般的に言われていることではなく、自身のエピソードをもとにアピールしましょう。
面接で評価が上がる志望動機の伝え方
前述した弁護士を目指すきっかけや、弁護士の仕事自体への志望動機は、実際には採用担当者があまり重視していない可能性があります。
それよりも面接時に採用担当者が聞きたいのは、「なぜこの事務所を選んだのか」という事務所への志望動機です。
面接で志望動機を問われた場合には、以下に挙げるような点に注意してアピールするとよいでしょう。
応募先を選んだ明確な理由を伝える
採用する側にとって重要なのは、多くの法律事務所がある中から、その事務所を選んだ理由です。
ほかの事務所とは異なる特徴があることや、業界で高い評価を得ている点などを絡めて、そこで自分がやりたいことをアピールすると効果的です。
そのためには、事前に相手側事務所の詳細な情報を入手する必要があるでしょう。
一貫した内容で自己PRする
自身の強み、志望動機、転職理由など、自己PRの内容に論理性と一貫性があることも重要です。
整合性がとれていない自己PRなど、法律事務所が相手では通用しません。
内容に矛盾がなく、信頼性の高い自己PRを準備しておく必要があります。
採用する側が求める人材を意識する
過度に自分をアピールすることにも注意が必要です。
アピールした内容が、相手側のニーズとマッチしていなければ、まず採用に至ることはないでしょう。
事前にその事務所が求めている人材について情報を入手し、それを分析して面接にも活用することが重要です。
事務所が得意としている分野や所属している弁護士、評判などは前もって十分に調査する必要があります。
転職エージェントに相談して、豊富な情報を提供してもらうことも効率的な方法です。
その情報と自身の特性をマッチングさせながら、面接でアピールする内容を準備するとよいでしょう。
管理部門・士業特化の転職エージェント「MS Agent」では、業界に精通したキャリアアドバイザーがあなたらしい転職をお手伝いします。
「MS Agentではどのようなサポートをしてくれるの?」と疑問に思われた方は、
「MS Agent」の転職サービス紹介をご確認ください。
選考通過には「面接対策」が重要!
就職・転職を成功させるには、面接対策は不可欠です。その理由として、以下の点を挙げられます。
緊張せずに堂々と受け答えができるようになる
面接対策をする大きなメリットは、対策の中で学んだテクニカルな内容もさることながら、そこから生まれる「しっかりと準備をした」との心理から生まれる自信です。
対策が不十分だと「どのような質問をされるのか」と緊張と不安な気持ちでいっぱいになり、その感情が表情やしぐさを通して、面接の場でどうしても相手に伝わります。
緊張・不安のために質問にきちんと答えられなかったり、「はい」や「いいえ」といった話が続かないような返事ばかりしたりすると、コミュニケーション力不足と判断される恐れもあります。
最近の面接では人柄や対応力を判断するため、雑談の形で行われることも多いですが、準備不足で緊張・不安をしていると、会話の中で自分らしさを発揮しにくいです。
堂々と面接の場に臨むためにも、事前の対策が重要になります。
一貫性のある回答ができるようになる
面接の準備不足だと、質問に対する回答に一貫性がなくなる恐れがあります。
弁護士には法律知識のみならず、高度な論理性が不可欠です。
対策が不十分だと面接官からの質問に場当たり的に回答し、「先ほどの回答内容と、矛盾していませんか」などと指摘されるリスクが生じやすいです。
回答に一貫性がないと、弁護士としての素質、論理能力が疑われ、低評価に直結します。
志望する事務所・企業の内容、もしくは自分が目指すキャリアのあり方に一貫性がなければ、「なぜうちを選んだのかよくわからない」という印象も面接官に与えてしまいます。
回答に矛盾点・不審点を生まないためにも、事前対策は必須といえるでしょう。
事務所(企業)によって質問される内容が違う
求人中の事業所・企業が求める人材ニーズはそれぞれ異なります。
面接の場では、求める人材に合致しているかどうかを確認するための質問も多いです。
そのため質問に対してスムーズに回答するには、事前に「この事務所・企業ではどのような質問をされるのか」を想定して準備しておくことが重要になります。
事務所・企業によっては、独自に取り組んでいるサービス、商品について尋ねてくることもあります。
個別に準備をしないで面接に臨むと、単純な知識不足でまったく回答できない事態も起こり得ます。
自力での面接対策に不安を感じる場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。
MS Agentは弁護士の転職実績も多く、面接対策についても十分なアドバイスを受けられます。
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弁護士の職務経歴書・履歴書の書き方
志望動機とあわせて対策しておきたいのが、「職務経歴書」の書き方です。
採用担当者は求人を出した後、多数の応募書類に目を通し、その中で「会いたい」と思った書類に対して面接の連絡をします。
そのため、職務経歴書は一読して好印象をもたれるような内容にすることが大切です。
職務経歴書には学歴、職務経歴、保有する弁護士以外の資格、語学力、希望条件などを記載しますが、採用担当者がまずチェックするのは、具体的な業務経験と実績です。
人材ニーズに合っているかを確かめるので、実際に書類を作成する際は企業側の求人内容を吟味し、自分がニーズにマッチしていることが伝わる内容に仕上げましょう。
なお、自分が勤務した事務所・企業を説明する際は、データを盛り込みながら明確に記載することも大事です。
業務内容などは箇条書きに記載し、経験した業務は詳細に網羅して書きましょう。
職務経歴書の内容からプレゼン能力を測る採用担当者もいるので、必要な情報を的確・わかりやすく記載する必要があります。
法律事務所への転職成功事例
ここではMS-Japanを利用して、転職を成功させた弁護士の方の事例を3つご紹介します。
証券会社での経験を活かし、インハウスから大手外資系法律事務所への転職に成功!
Mさん(28歳/男性)
大手証券会社
年収:800万円
外資系法律事務所
年収:1,100万円
弁護士資格取得後に大手証券会社に就職し、企業内弁護士として2年間勤務。法律の専門家として経験を積みたいということで、転職を決意されました。
英語が得意でビジネスレベルだったため、MS-Japanではファイナンスに強い外資系法律事務所を紹介し、インハウスでの実績が認められ採用に至りました。
転職の軸はシンプル・イズ・ベスト!35歳でキャリアチェンジに成功した弁護士の事例
Wさん(35歳/男性)
行政機関
年収:500万円
個人弁護士事務所
年収:500万円
約10年行政機関で勤務する中、弁護士資格を活かして幅広い分野で実務経験を積むため転職を決意。ただし即戦力を求める案件は難しいので、あえて希望条件を細かく設定せず、面接の機会を増やす方針で転職活動を進めました。結果的には行政機関での経歴が評価され、弁護士事務所への転職に成功されました。
企業から法律事務所への転職。上場企業での法務経験は評価されるのか……?
Dさん(30歳/男性)
上場メーカー法務部
年収:500万円
ブティック系法律事務所
年収:500万円
安定的に働ける上場企業に就職したものの、弁護士として働きたい気持ちが強くなり転職を決意。しかし実務は未経験という扱いになったため、「訴訟に携われる法律事務所」という条件で規模を問わずに転職先を探し、ブティック系事務所での採用に至りました。
企業での経験が長くなると、転職には不利になる場合があるので、先を見据えたキャリア設計をすることが重要です。
管理部門・士業特化の転職エージェント「MS Agent」では、業界に精通したキャリアアドバイザーがあなたの転職活動をお手伝いします。
「MS Agentって他のエージェントと何が違うの?」と疑問に思われた方は、
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一般企業への転職成功事例
弁護士資格を活かした働き方は、法律事務所の弁護士だけでなく、企業の法務部門や金融機関のインハウスローヤーなど、さまざまな選択肢があります。ここでは、法律事務所からキャリアチェンジした事例を紹介します。
法律事務所から上場メーカーへキャリアチェンジ!30代・弁護士の事例
Dさん(36歳/男性)
法律事務所
年収:1,500万円
上場メーカー
年収:1,000万円
大手法律事務所勤務で月に100時間の残業など、日々激務に追われる中、結婚を機にワークライフバランスを保てる職場への転職を決意されました。
ところが希望に合う転職先が見つからなかったため、MS-Japanで企業求人をすすめたところ、経験が高く評価されて転職が決まりました。
安定した環境を目指して上場企業の子会社に転職!20代・弁護士の成功事例
Nさん(26歳/男性)
中堅法律事務所
年収:650万円
上場子会社
年収:470万円
企業法務中心の事務所に1年半勤務する中、ワークライフバランスが確保でき、定年まで勤務できる企業への転職を決意。まだ経験が浅かったため、大きな組織よりも職場環境を重視し、上場企業の子会社への転職に至りました。
残業過多を改善したい!インハウスへの転職と年収アップを実現させた成功事例
Hさん(36歳/女性)
個人法律事務所
年収:450万円
新興上場企業
年収:600万円
司法試験合格時からインハウスローヤーに興味があったものの、一般民事事件を扱う法律事務所に就職。しかし残業が慢性化して深夜に及ぶこともあったため、転職を決意されました。 上場企業にターゲットを絞って転職活動に臨んだところ、新興市場に上場するベンチャーに係長クラスでの採用が決まり、年収アップにもつながりました。
ストラクチャードファイナンス経験を活かし、金融機関に転職した弁護士の成功事例!
Eさん(34歳/男性)
大手法律事務所
年収:1,500万円
金融機関
年収:1,200万円
ストラクチャードファイナンスやM&A業務などで経験を積み、当事者として案件に関わることに興味を覚えて転職を決意されました。
経験を活かすため転職先を金融機関に絞り、最終的には即戦力として評価され、プロジェクトファイナンスを扱う部門で採用に至りました。
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まとめ
弁護士の就職・転職活動において、避けるべきなのは準備不足です。十分な対策をしないままだと、本来もっている自分の能力・実績をアピールできずに不採用に至る可能性が高まります。
労働市場で正当に評価してもらうためにも、志望動機文の書き方や面接への臨み方、職務経歴書の書き方を押さえ、自分が人材ニーズに合致していることを伝えましょう。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。
会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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