財務の4つのキャリアパスを解説!キャリアアップには資格・転職が必要!?
経理担当者が財務へキャリアアップを目指す場合、どのようなキャリアパスがあり、どういったスキルや資格が必要なのかを知ることは大切です。
この記事では、財務の主なキャリアパスに焦点を当て、求められるスキルやキャリアアップに役立つ資格などを取り上げていきます。
転職のポイントも含めて、具体的な情報から自身のキャリアプランを明確にし、次のステップを踏み出すための計画づくりにお役立てください。
財務とは
財務部門は、企業の予算管理や資金調達を担当し、健全な事業運営に不可欠です。
主な業務には、予算の策定、資金繰りの管理、財務分析、余剰資金の運用などがあります。
企業の経営ビジョンにもとづいて将来的な資金ニーズを予測し、それに向けた財務戦略を計画することも財務の主要な役割です。
また、資金の効率的な運用や投資先の選定、資金のリスク管理なども財務が担当します。
資金不足が起こらないように予算を適切に管理し、実績との比較やリスクを評価することで、経営判断に役立てます。
金融機関や投資家といったステークホルダーに対する信用は、財務のかかわりが大きく影響します。
企業が必要な資金を円滑に調達できるように信頼関係を築き、適切なタイミングで資金提供を受けるための交渉を行います。
企業によっては、その成長戦略や投資計画を実践するためのサポートも財務が担います。
例えば、新規事業の立ち上げや設備投資、M&Aなど、大規模な資金が必要となるプロジェクトでは、財務部門が中心となって資金計画を立て、適切な資金調達手段を選定します。
このように、財務は企業経営の根幹を支える部門として重要な役割を担っているのです。
財務を目指すキャリアプラン
財務を目指すキャリアプランを考える際、まず経理と財務の役割の違いを理解する必要があります。
経理は主に日々の取引やお金の流れを記録し、帳簿の作成を通じて会計状況を管理する仕事です。
一方、財務は将来を見通す財務計画の立案や資金調達を行い、企業に必要となるお金を確保します。経理が過去のデータを扱うのに対し、財務は未来に向けた戦略に注力することが大きな違いです。
財務へのキャリアプランでは、経理から財務へ異動または転職する方法が一般的です。なぜなら、経理の経験があることで、財務の仕事に必要な基礎知識や実務スキルを身につけることができるためです。
例えば、ファイナンシャル・プランニングや資金調達、リスク管理など、財務に関連する知識を学ぶことで、財務部門への異動や転職がスムーズに進むでしょう。
特に、大企業や上場企業では経理部と財務部が分かれていることが多く、経理部で経験を積んだ後に財務部へのキャリアパスを選択するケースが珍しくありません。この場合、同じ会社でのキャリアを続けるため、企業文化や業務プロセスに精通している点がメリットと言えます。
一方、転職の場合は、これまでの経理経験に加えて財務に関する資格を取得し、自身の専門性をアピールすることで、キャリアアップのチャンスが広がります。
財務を目指すためには、まずは経理での実務経験を通じて、財務諸表の読み方や企業の財務状況を把握するスキルを身につけることが重要です。
その上で、財務に関する専門知識を学び、財務に役立つ資格を取得することで、キャリアプランが実現しやすくなるでしょう。
財務で目指せる主なキャリアパス
財務分野でのキャリアパスにはいくつかの選択肢があり、それぞれに求められる役割やスキルも異なります。
ここでは、財務で目指せる主なキャリアパスとして、以下の4つを紹介します。
財務部の責任者
財務部の責任者は、企業の財務部門全体を統括するポジションです。経営ビジョンや財務戦略にもとづき、部署としての方針を定め、それを実行に移す責任があります。
予算の管理や資金繰りの調整など、健全な事業運営を支えるために、的確に指揮を執ることが求められます。
社内外の関係者との情報共有を含め、事業を円滑に進めていくためのコミュニケーションスキルは、責任者に欠かせない資質です。
チームのマネジメントも重要な役割であり、メンバーの業務分担や進捗管理を行い、ミスなく業務を遂行しなければなりません。
そのためには、広範な財務知識や実務経験に裏付けられた、力強いリーダーシップが問われます。
財務という正確性が求められる業務だからこそ、ミスやエラーが発生した場合の対応力も重要です。
財務部の責任者としてのキャリアを目指すには、組織を取りまとめ、個々のパフォーマンス向上につながるマネジメント能力を備える必要があるのです。
CFO(最高財務責任者)
CFOは、企業の財務を最高レベルで運営・管理する役職です。経営陣とともに企業の成長戦略にかかわり、財務パフォーマンスを最適化することが主な役割です。
具体的には、財務戦略の立案、資金調達、財務分析、リスク管理、内部統制などの業務を担います。
企業の財務状況を総合的に分析し、将来的な資金ニーズを見通した上で、適切な資金調達方法を提案することもCFOの任務です。
CFOを目指すためには、財務の実務経験はもちろん、高度な財務分析力や戦略的思考が必要です。
経営陣と緊密に連携し、経営戦略への理解と企業全体のビジョンを共有する姿勢も求められます。
さらに、金融機関や投資家と強いネットワークを築き、自社の利益につながる交渉力を持つことも重要です。
経営企画
経営企画は、企業の中長期的な経営戦略を立案し、実行する役割を担います。財務の経験を活かして、企業全体の成長戦略に携わることができる点が魅力です。
市場や競合の動向を調査・分析し、経営陣と協力しながら戦略的な事業計画を策定していきます。
企業の競争力を高め、成長につなげるためには、財務知識だけでなくマーケティングや経営学の知識も必要です。
計画を実効性のあるものとするために、各部門と密に連携を図ることや、行動に移したあとの進捗管理も経営企画の役割です。
組織全体を俯瞰し、問題点を見極め、個々の課題に対応していく柔軟性も経営企画に求められるスキルです。
経営企画のキャリアを目指すには、財務の実務経験を積みながら、戦略的思考や問題解決能力を磨くことが重要です。
財務コンサル
財務コンサルタントは、企業に対して財務戦略のアドバイスを行う専門職です。
クライアント企業の財務状況を分析し、最適な資金調達方法や投資戦略を提案します。
具体的な業務には、財務分析、資金調達支援、リスク管理、M&Aアドバイザリーなどがあります。
多くの企業と接する機会が多いため、業界のトレンドや財務手法の知識を随時更新することが求められます。
財務コンサルタントになるためには、財務に関する高度な専門知識と実務経験が必要です。
クライアント企業のニーズを理解する洞察力と、適切なアドバイスを提供するための論理的思考力も重要です。
財務コンサルタントを目指す場合、自社内のキャリアパスではなく、転職もしくは独立というかたちになるでしょう。
財務でのキャリアアップに役立つ資格
財務のキャリアを目指す際、専門的な知識とスキルを証明する資格は非常に有用です。
資格を取得することで、財務人材としての専門性が高まり、キャリアアップのチャンスも広がります。
財務分野でのキャリアに役立つ4つの資格について見ていきましょう。
公認会計士
公認会計士は、会計・監査の専門家です。この資格を持つことで、財務分析や戦略的な意思決定において信頼性の高い情報提供能力があることを示せます。
言い換えれば、財務諸表の作成や監査にかかわる高度な知識とスキルの証明が、公認会計士資格と言えます。
財務部門でのキャリアアップはもちろん、大手企業の内部監査やコンサルティング会社でのキャリアを追求することも可能です。
公認会計士は医師・弁護士と並ぶ三大国家資格の一つであるため、社会的な信用度が非常に高く、企業からの信頼も得やすくなります。
特に、CFOや財務コンサルタントなどの高度な財務職を目指す際には、公認会計士の資格が大いに役立ちます。
税理士
税理士の試験科目には、簿記論や財務諸表論、法人税法、所得税法など、財務に関連する知識が含まれています。
そもそも税理士は税務申告や税務相談を行う専門家ですが、そのスキルの高さから財務分野で仕事を行うことも十分可能です。
税理士もまた国家資格であるため、社会的信用度が高く、転職市場でも有利に働きます。
税理士資格を取得することで、企業の税務問題を解決する能力の証明となり、財務へのキャリアアップも目指しやすくなります。
特に、税務戦略の立案や税務リスクの管理など、専門的な税務知識が求められる企業へのキャリアに役立つでしょう。
日商簿記2級以上
日商簿記検定は、会計の知識を身につける資格として、ビジネスの世界では広く認知されています。
試験内容には、仕訳や帳簿の作成、決算書の作成などが含まれます。
簿記は企業の資金管理に直結するため、この資格を取得することは財務や経理の職種において非常に実用的です。特に2級以上の資格を持つことで、財務データの正確な記録や分析に対する能力が証明されます。
多くの企業が日商簿記2級を評価していることから、転職市場で有利となり、キャリアアップにも活かせるでしょう。
FASS検定
FASS検定は、経理や財務に必要なスキルを実務的な観点から評価する試験です。資金、資産、決算、税務の4つのカテゴリーに分かれており、実務に即した知識が求められます。
この試験は合否を問わず、受験者のスキルレベルを5段階で評価するため、自身の成長を客観的に確認する手立てになります。
キャリアアップの際に財務部門での実務経験が少ない場合でも、この検定を通じて自身のスキルをアピールすることが可能です。
財務に通じるFASS検定の価値を理解している人事担当者なら、採用選考で評価されやすいでしょう。
財務への転職成功のポイント
企業の重責を担う財務分野への転職は、スキルと経験が重視されるため決して容易ではありません。
以下では、財務への転職を成功させるためのポイントに着目します。
経理や会計事務所、金融などでの業務経験を活かす
財務への転職を目指す場合、関連した業務経験は大きな強みとなります。
例えば、経理や会計事務所、金融機関などで業務経験がある場合、その経験を活かして財務への転職を目指すことが有利です。
これらの経験を通じて得た知識やスキルは、財務の実務に直結するものもあり、応募先企業に対して即戦力としてアピールすることが可能です。
特に、経理業務の経験があれば、財務部門での資金管理や予算編成などの業務にも対応しやすくなります。
未経験の場合は経理と財務兼任の求人に応募する
未経験から財務分野への転職を目指す場合、経理と財務を兼任するポジションに応募することが得策です。
このような兼任ポジションの求人は、中小企業やベンチャー企業で多く見られます。
経理の業務をこなすことで財務の基礎知識が身につき、同時に財務業務にも携わることで、財務を専門職とする道筋が見通せます。
会計に関する兼任ポジションは、多様なスキルを身につける良い機会となるでしょう。
志望動機では財務で働きたい理由を明確にする
財務分野への転職を成功させるためには、志望動機を明確に伝えることが重要です。
キャリアアップや給与面での動機だけでなく、財務部門で働きたい具体的な理由を伝える必要があります。
例えば、これまでの職務経験で得たスキルや知識が、どのように財務の業務に役立つかを具体的に示すことが大事です。
また、財務に対する興味や熱意を伝えることも、企業側の評価を高めるポイントとなります。
財務のキャリア相談はMS Agentへ
MS-Japanが運営する管理部門・士業特化型転職エージェント「MS Agent」では、財務を目指した転職をお考えの方、財務からのキャリアアップを目指す方のキャリア相談を行っています。
財務は管理部門の中でも専門性が高い職種なため、転職市場や業界・企業情報を把握している転職エージェントの利用が、転職成功の鍵になります。
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まとめ
経理から財務へキャリアアップを目指すためには、明確なキャリアプランとともに関連する資格を持つことが望まれます。財務分野への道のりには、魅力的なキャリアパスのほかに、転職という選択肢も開かれています。
その際、財務を含めた管理部門に強い転職エージェントへの相談がおすすめです。
経験豊富なキャリアアドバイザーから具体的なサポートを受けることで、財務へのキャリアアップが実現しやすくなるでしょう。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
カナダ州立大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。求人企業側の営業職を経験した後、2014年にキャリアアドバイザーへ異動。
2016年からは横浜支社にて神奈川県内の士業、管理部門全職種を担当し、現在は関東全域の士業、管理部門全職種を担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 外資・グローバル企業 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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