2023年06月02日

【簿記のネット試験】申込方法や注意点、従来の筆記試験との違いは?

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簿記の試験と聞くと、右手に鉛筆・左手に電卓を用意して、スピーディーに計算しながら解答用紙に答えを書いていくイメージが強いかもしれません。
しかし、新型コロナウイルスの影響などから、簿記のネット試験が行われるようになりました。

これまで手書きで勉強してきた受験生にとっては、どのように申込をすればよいのか、試験はどのように進めていくのか、分からないことも多いのではないでしょうか。
この記事では、簿記ネット試験(CBT試験)について、これまで実施されてきた試験との違いに触れつつ解説します。


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簿記ネット試験(CBT試験)とは

簿記ネット試験とは、これまで日商簿記で行われてきた統一試験(筆記試験)と違い、パソコンに解答を打ち込んでいくタイプの試験です。
コンピュータを利用して実施するタイプの試験方式は「CBT(Computer Based Testing)」と呼ばれ、受験者はコンピュータに表示された試験問題に対して、マウス・キーボードを使い解答します。

パソコンで受験といっても、自宅のパソコンを使っていつでも・どこでも受験できるわけではなく、商工会議所指定の試験センターにあるパソコンを使って受験するイメージです。
簿記のネット試験がスタートした背景には、新型コロナウイルスの感染拡大があります。

簿記試験に限った話ではありませんが、新型コロナウイルスが猛威をふるった2020年は、日商簿記検定試験も6月・11月の試験中止を余儀なくされました。
簿記試験の受験会場には、たくさんの人が集まって試験を受けるため、感染リスクを考慮して大人数での受験を実施するのが難しかったものと推察されます。

しかし、ネット試験の多くは1年を通して好きな日時で受験できるよう配慮されており、ペーパー試験に比べて受験の機会が増えます。
株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズが実施するCBT形式に関しては、試験会場となるネットセンターも47都道府県に存在していて、会場は300ヶ所以上となっています。

将来的には、大都市圏を中心に、ネット試験を主体とする動きが強まる可能性があります。
例えば東京商工会議所では、2023年以降、2・3級についてはネット試験のみの実施となっています。
なお、日商簿記1級に関しては、これまで通り紙での統一試験が行われます。


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申込方法や日程、受験料は?

簿記ネット試験を受験する場合、申込方法は大きく以下の2種類に分かれます。

・インターネット申込方式
・会場問い合わせ方式

いずれの方式においても、申し込むにあたり共通している内容は、試験日時・受験料・当日に持参するものです。

年齢 各試験会場が定めている日時で、会場の種類は以下の2種類
○毎週・毎月のタイミングで、定期的に試験を実施しているネット試験会場
○受験生の希望に応じて、随時試験を実施しているネット試験会場
受験料 ○2級:4,720円(消費税込)
○3級:2,850円(消費税込)
当日に持参するもの ○身分証明書(氏名・生年月日・顔写真のいずれも証明できるもの)
○電卓(計算機能のみのもの)
※筆記具は会場にてボールペン貸与

また、インターネット申込方式・会場問い合わせ方式で異なる内容は、以下の通りです。

内容/方式 インターネット申込方式 会場問い合わせ方式
受験会場の数 全国140超 全国120超
受験の流れ ① 受験者登録
② 受験予約
③ 受験料支払い
④ 受験当日テスト会場へ
⑤ 会場で受付→試験会場へ
⑥ ID・パスワード入力後受験開始
⑦ 合否確認・スコアレポート受取
⑧ 試験終了
① 商工会議所ページからネット試験会場を確認
② 試験日・受験申込方法を会場に確認
③ 試験申込
④ 会場で受付→受験
※(身分証明書の提示)
⑤ 合否発表・合格証の配布
⑥ 試験終了
受験申込方法 受験者専用サイトにて、マイページを作成し申し込む ネット試験会場所定の方法で申込※(窓口・電話・インターネットなど)
受験料の支払い方法 ○クレジットカード・デビットカード決済
○コンビニエンスストア決済
○Pay-easy決済
各ネット試験会場に確認
事務手数料 550円(消費税込) 受験するネット会場により異なる

申込方式によって、手続きの流れが違うため、居住地域や受験を予定しているタイミングに応じて申込方式を選ぶのがよいでしょう。


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従来の統一試験(筆記試験)との違いは?

従来の統一試験(筆記試験)との違いは?

これまで行われた統一試験(筆記試験)とネット試験では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
下記の表では、主な相違点にフォーカスして違いをまとめています。

内容/試験の種類 ネット試験 統一試験
試験会場 全国にあるネットセンターで受験 所定の会場
※(大学などの教育施設がメイン)
試験 基本的に毎日だが、統一試験の前後に施行休止期間が設けられる 毎年2月・6月・11月
受験票 発行されない
予約完了時に確認メールが届く
事前に郵送で届く
持ち物 身分証・電卓・マスク・時計 受験票・身分証・電卓・マスク・時計
解答方法 パソコンを使う
画面上に直接入力
解答用紙に答えを記入
合否連絡 試験終了後、即時に合否が発表 概ね2~3週間後
合格証 二次元コードからデジタル合格証を発行 合格発表の3週間後に発送

以下、それぞれの違いについて詳しくお伝えします。

  • ○試験会場

    試験会場に関しては、筆記試験に比べると、ネット試験の方が選択の自由はあります。
    ただ、集団の中で生まれる緊張感が良い刺激になると考えている人は、所定の会場で筆記試験を受けるのもよいでしょう。


  • ○試験日

    ネット試験の試験日は、統一試験前後の施行休止期間以外であれば、基本的にいつでも問題ありません。
    ただし、受験する試験によって、日時・会場が異なる点には注意が必要です。

    筆記試験を受ける場合、年に3回しかチャンスがないため、日商簿記2・3級を受験する場合はネット試験の方が受験しやすいでしょう。
    なお、日商簿記1級に関しては、筆記試験のみとなっています。


  • ○受験票

    ネット試験では、受験票が発行されず、予約完了時に確認メールが届きます。
    よって、受付時に受験票の提出は必要ありませんが、何かあったときのために予約完了メール・払込確認メールを見せられるようにしておくと安心です。

    筆記試験の場合は、受験票が事前に郵送で届くため、会場まで持参する必要があります。
    万一自宅に忘れてしまった場合に備えて、受験番号など重要な情報を手帳等に控えておくとよいでしょう。


  • ○持ち物

    ネット受験と筆記試験の持ち物は、基本的に同じですが、筆記試験では受験票の持参が必要です。
    マスク持参につき、会場によっては「不織布マスク」を指定している場合がありますから注意しましょう。

    万一、移動中に落としてしまう・ゴムがとれてしまうなどの理由で手持ちのマスクがなくなってしまった場合、会場によっては予備のマスクがもらえる可能性もあります。
    しかし、基本的には持参するものですから、予備のマスクも持参しておいた方が無難です。


  • ○解答方法

    ネット試験で問題に解答を入力する場合、パソコン上で入力・プルダウンなどを行うため、パソコンの操作が求められます。
    ただし、計算用紙は配られますから、必要に応じて筆算は可能です。

    ネット試験での操作を試してみて、思うような結果が出ない場合は、筆記試験に移行するのも一手です。
    とはいえ、複雑な操作は求められませんから、まずはネット試験に慣れることが大切です。


  • ○合否連絡

    ネット試験は、試験が終わった段階で自動採点が行われるので、パソコン上で結果を確認できます。
    スコアレポートを見て、判定結果を確認できるのもメリットです。

    筆記試験は、合否判定まで2~3週間を要します。
    すぐに合否を確認したい人は、ネット試験を選んだ方がよいでしょう。


  • ○合格証

    ネット試験は、二次元コードを使ってデジタル合格証が発行されますから、郵送を待つ必要がないのは嬉しいところです。
    紙の合格証書が欲しい場合は、筆記試験を受けることになりますが、発送は合格発表の3週間後となります。


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簿記ネット試験の注意点

実際に簿記ネット試験を受験する際は、筆記試験と異なる点を理解した上で受験しましょう。
以下、ネット試験における注意点について解説します。

○パソコン操作を要求される
普段からパソコンを操作している人以外は、本番でパソコンを操作することに手間取ってしまい、思ったような結果が出ない可能性があります。
また、問題用紙の中にメモすることができないため、問題によっては計算用紙に問題文を書き写しながら計算しなければなりません。

簿記のネット試験を受ける際は、Web上で模擬試験を受けられるサービスなどを利用して、パソコンの操作に慣れておくとよいでしょう。
可能であれば、デスクトップ・ノートパソコンのいずれにも対応できるよう、漫画喫茶など普段とは違う環境でパソコンを操作してみましょう。

○合格証の取り扱いが紙と異なる
ネット試験の合格証は、試験後の合否発表画面で表示されるQRコードから受け取ります。
せっかくデジタル合格証を受け取っても、保存状況が悪いと、例えばスマホの買い替えなどを理由に紛失してしまう可能性があります。

実は、QRコードには有効期限がないため、保存したデジタル合格証を紛失した場合でも再表示できます。
PDFデータとして保存しておけば、転職先から紙媒体での提出を求められても安心です。

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まとめ:資格を早く取得したい場合はネット試験がおすすめ

日商簿記2級・3級の資格を早期に取得したい場合は、ネット試験を受けることで、取得時間の短縮につながります。
受験後すぐに試験の結果が分かり、合格証もQRコードから受け取れるため、極端な話、合格した次の日に経理職への応募を考えることもできます。

ただし、筆記試験とは勝手が違う部分も多く見られるため、自分に合った試験形式を選ぶことが大切です。
まずは一度ネット試験を受験してみて、その上で自分に向いているかどうか判断しましょう。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

圓鍔 忍

大学卒業後、旅行代理店にて法人営業を約3年。20代でMS‐Japanへ入社。
企業の採用支援(リクルーティングアドバイザー)を約8年、求職者の転職支援(キャリアアドバイザー)を約5年経験。
両ポジションでチームマネジメントを経験し、キャリアアドバイザーとしては複数回にわたり支援実績数NO1を獲得。リクルーティングアドバイザーにおいても入社1年半後にチームマネジメントを経験させていただきました。現在は子育てと両立しながら、常に社内でトップ10以内の採用支援実績を維持。

経理・財務 ・ 法務 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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