2023年05月10日

2023年の不動産鑑定士試験は5月21日!合格率や難易度は?宅建との比較や勉強時間など

管理部門・士業の転職

今年の不動産鑑定士短答式試験が間もなく開催されます。
この記事では、不動産鑑定士試験当日の流れや概要、他資格と比較した難易度などを解説します。

短答式試験は5月21日!

今年の不動産鑑定士短答式試験は5月21日です。直前に慌てないよう、改めて当日の流れや持ち物ついて解説します。

試験日時

5月21日(日)

試験時間 試験科目
午前の試験 10:00~12:00
(9:45までに着席)
不動産に関する行政法規
午後の試験 13:30~15:30
(13:15までに着席)
不動産鑑定評価に関する理論

試験開始時間は、午前が10:00、午後が13:30ですが、開始前に受験における注意点などの説明があるため、各時間の15分前にはかならず着席しましょう。

持ち物

【必ず持参するもの】

・受験票
・筆記用具(BまたはHBの黒鉛筆、プラスチック製の消しゴム)
・マスク

※受験票が5月16日までに郵送で届きます。到着しない場合は、土地鑑定委員会事務局に問い合わせましょう。
※シャープペンシルなど上記以外の筆記具でマークした場合は無効となります。

【持ち込み可能なもの】

・蓋つきペットボトル(500ml程度のもの)
・蛍光ペン、色鉛筆(問題検討のため、問題用紙に使用する場合のみ)
・時計、ストップウォッチ(アラーム等の音が出るものや、スマートウォッチは不可)
・ハンカチ、ティッシュ(試験中は机上に置く)


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短答式試験の合格発表は6月28日

5月21日に受けた短答式試験の合否は、翌月の6月28日に発表されます。
10:00頃から、国土交通省ホームページの地価・不動産鑑定ページにて、合格者の受験番号が掲載されるので、必ず確認しましょう。

国土交通省ホームページの地価・不動産鑑定ページ

合格者には、7月6日までに合格通知書が届きます。
今年の論文式試験が不合格となってしまった場合、翌年の短答式試験免除申請に「受験票」か「合格通史所」の原本またはコピーが必要となります。


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論文式試験は8月5・6・7日

担当試験合格者は、次に論文式試験を受けます。論文式試験の概要について解説します。

試験日時

試験時間 試験科目
8月5日(土) 10:00~12:00
(9:45までに着席)
民法
13:30~15:30
(13:15までに着席)
経済学
8月6日(日) 10:00~12:00
(9:45までに着席)
会計学
13:30~15:30
(13:15までに着席)
不動産鑑定評価に関する理論
8月7日(月) 10:00~12:00
(9:45までに着席)
不動産鑑定評価に関する理論
13:30~15:30
(13:15までに着席)
不動産鑑定評価に関する理論(演習)

持ち物

【必ず持参するもの】

・受験票
・マスク
・筆記用具
・黒か青インクのボールペンまたは万年筆(消しゴムで消えるボールペンは不可)
・定規(分度器、三角定規含む)
・鉛筆、シャープペンシル、プラスチック製の消しゴム(答案の下書きとして使用する場合のみ)
・下敷き
・電子式卓上計算機、算盤または計算尺(会計学、不動産鑑定評価に関する理論(演習)のみ使用可)
・ホチキス(不動産鑑定評価に関する理論(演習)のみ使用可)

※受験票が7月21日までに郵送で届きます。到着しない場合は、土地鑑定委員会事務局に問い合わせましょう。
※電子式卓上計算機は、電源内蔵式で、アラーム音、プログラム記録機能、関数電卓機能などが搭載されていないものに限定されます。
※2018年より、修正液の使用が持ち物から外れました。間違えてしまった個所は、二重線を引くなどして訂正しましょう。

【持ち込み可能なもの】

短答式試験と同様


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論文式試験の合格発表は10月20日

8月に受験した論文式試験の合否は、10月20日に発表されます。
短答式試験と同様に、国土交通省のホームページにて10時頃から掲載されます。
合格者には10月30日までに合格証書が届きます。


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そもそも不動産鑑定士とは

不動産鑑定士は3大国家資格の内の1つ

不動産鑑定士は、公認会計士・司法試験と並ぶ文系の3大国家資格と言われています。
「不動産価値を評価する専門家」としての資格であり、土地と建物の利用価値判定や、周辺環境や諸条件を踏まえて「土地の有効な使い方」をコンサルティングするための知識を身に着けることができます。

不動産鑑定試験合格者は、国土交通大臣に決めた実務修習機関で「実務修習」を受けた後、国土交通大臣の修了確認を受けて初めて、不動産鑑定士として登録することができます。

受験資格

不動産鑑定士短答式試験は、年齢・学歴・国籍・実務経験の要件がなく、誰でも受験することができます。
論文式試験は、過去2年間の内に短答式試験に合格した人のみが受験可能です。

出題範囲と合格ライン

不動産に関する法令や規定は度々変更になるため、出題範囲は毎年変更になります。
今年の試験では、2023年9月1日時点で施行されているものから出題されます。

短答式試験は、「不動産に関する行政法規」と「不動産の鑑定評価に関する理論」を各40問ずつ、マークシート方式で出題されます。各100点の合計200点となり、合格ラインは140点程度です。

「不動産に関する行政法規」は、不動産鑑定士業務で使用する土地基本法、都市計画法、建築基準法、不動産登記法など、37法令の幅広い知識が問われます。
「不動産の鑑定評価に関する理論」では、不動産鑑定評価業務で評価基準となる理論について出題されます。国土交通省によって定めされた「不動産鑑定評価基準」と「運用上の留意事項」に基づいて、理論と手順について知識を問われます。

論文式試験は、「民法」「経済学」「会計学」「不動産の鑑定評価に関する理論(鑑定理論)」が論文方式で出題されます。各100点の合計600点となり、合格ラインは370点程度です。

「民法」では、民法第1編~第3編までを中心に、第4編・第5編、借地借家法、建物の区分所有などに関する法律などについて出題されます。
「経済学」は、ミクロ・マクロの経済理論と経済政策論、「会計学」では、財務会計論(財務諸表の作成・理解に必要な会計理論、関係法令・会計諸規則など)についての知識を問われます。
「鑑定理論」は、鑑定理論の知識を記述式で解答する論文科目と、実際に不動産鑑定を行う演習科目に分かれています。


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不動産鑑定士の合格率

下記は、過去5年間の不動産鑑定士試験の合格率です。短答式試験、論文式試験ともに、2020年は新型コロナウイルスの流行により、受験者数が落ち込みましたが、翌年には回復しました。

過去5年間における平均合格率は、短答式試験は34.3%、論文式試験は16.1%となり、上昇傾向にあります。
また、短答式試験と論文式試験を共に合格した割合は5%程度と言われています。かつては3%程度と言われていたので、こちらも上昇傾向にあると言えるでしょう。

短答式試験の合格率

試験年度 受験者数 合格者数 合格率
2018年 1,751名 584名 33.4%
2019年 1,767名 573名 32.4%
2020年 1,415名 468名 33.1%
2021年 1,709名 621名 36.3%
2022年 1,726名 626名 36.3%

論文式試験の合格率

試験年度 受験者数 合格者数 合格率
2018年 790名 117名 14.8%
2019年 810名 121名 14.9%
2020年 764名 135名 17.7%
2021年 809名 135名 16.7%
2022年 871名 143名 16.4%


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他資格から見る不動産鑑定士の難易度

宅地建物取引士との比較

不動産鑑定士と同じく、不動産に関する資格として、宅地建物取引士があります。毎年20万人前後が受験する最大規模の国家資格です。
宅地建物取引士(宅建)は、不動産売買や賃貸取引の仲介業務で、登記や不動産の広さなど重要事項の説明に必要な資格です。主に不動産会社の従業員が取得する資格です。

宅地建物取引士の合格率は15%程度です。簿記2級などと比較すると難しい資格ではありますが、不動産鑑定士と比較すると難易度は低いと言えるでしょう。
宅地建物取引士と不動産鑑定士は、一部の出題範囲が重複しているため、宅地建物取引士を取得してから不動産鑑定士に取り組み、ダブルライセンスを目指す人も多いです。

公認会計士との比較

文系の3大国家資格の1つである公認会計士は、不動産鑑定士と同じく短答式試験と論文式試験に分かれます。
それぞれの合格率は、短答式試験が7~15%程度、論文式試験が35%前後です。論文式試験の合格率が高いですが、短答式試験の合格者のみが論文式試験を受験できることを踏まえると、論文式試験は合格率から難易度を測るのは難しいでしょう。

公認会計士で短答式試験と論文式試験を共に合格する割合は、10%程度と言われていますが、直近2年間が10%を切っています。
不動産鑑定士の合格率と比較すると、少し高いですが、どちらも非常に難易度の高い資格です。

【関連記事】
不動産鑑定士の試験内容・勉強時間・難易度は?《公認会計士のダブルライセンス》

弁護士との比較

同じく文系の3大国家資格である司法試験の弁護士資格と比較してみましょう。
司法試験の合格率は平均37%程度ですが、近年は40%以上まで上昇しています。

前述の資格と比較すると2倍以上高い合格率ですが、司法試験は司法試験予備試験の合格や、法科大学院修了などの厳しい受験資格が設けられています。そのため、受験時点で一定の法律知識を持っていると言えます。
不動産鑑定士と比較すると高い合格率となっていますが、受験資格の差を踏まえると、合格率だけでは適正な比較にならないでしょう。


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合格者の出身大学から見る不動産鑑定士の難易度

平成14年までは、不動産鑑定士の合格者属性として出身大学が公表されていました。
当時は試験が1次~3次と3つに分かれていましたが、平成18年に1次試験と3次試験が廃止されました。

現在の短答式試験と論文式試験は当時の2次試験の範囲に該当します。
平成12年から平成14年の不動産鑑定士2次試験合格者の出身大学は下記の通りです。

出身大学 平成14年 平成13年 平成12年
早稲田大学 35名 31名 28名
慶應義塾大学 29名 33名 29名
中央大学 17名 26名 13名
同志社大学 15名 12名 18名
立命館大学 15名 9名 7名
明治大学 13名 23名 24名
日本大学 13名 17名 記録なし
東京大学 12名 8名 9名
法政大学 11名 8名 9名
専修大学 11名 6名 記録なし

不動産鑑定士の試験範囲は、公認会計士・税理士と重なる部分があります。そのため、不動産鑑定士合格者の出身大学も公認会計士・税理士と同様に、早稲田大学や慶応大学、中央大学などが多い傾向です。


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不動産鑑定士は独学で取れる?勉強時間は?

不動産鑑定士試験合格までの平均勉強時間は、一般的に2,000~4,000時間程度と言われています。
合格率が30%台である短答式試験は、独学でも合格できる可能性はあります。しかし論文式試験は、実際に鑑定を行う演習問題があるため、深い知識と理解が必要です。通信講座などのスクールに通う方が、効率的な勉強ができるでしょう。

なぜ、不動産鑑定士の平均勉強時間は、2,000~4,000時間程度と幅があるのでしょうか。
その理由は、大学で学んだ科目や他資格の取得状況で、論文式試験の一部を免除されるからです。
具体的には下記の条件で、科目が免除されます。

民法を免除

・学校教育法による大学もしくは高等専門学校、旧大学令における予科を含む大学、旧高等学校令による高等学校高等科、または旧専門学校令による専門学校(大学等)で通算3年以上法律学に属する科目の教授または准教授、助教授の職にあった人
・法律学に関する研究で博士学位を授与された人
・司法試験、もしくは、法試験第二次試験に合格した方人

経済学を免除

・大学等で通算3年以上経済学に属する科目の教授または准教授、助教授の職にあった人
・経済学に属する科目に関する研究で、博士学位を授与された人

会計学を免除

・大学等で通算3年以上商学に属する科目の教授または准教授、助教授の職にあった人
・商学に属する科目に関する研究で、博士学位を授与された人

さらに、高等試験本試験に合格した人 は試験の合格科目を免除となり、公認会計士試験に合格、または旧公認会計士試験二次試験に合格した人は、会計学と試験の合格科目が免除となります。

不動産鑑定士は受験資格がないですが、このように様々な免除があるため、平均学習時間に差が生じます。


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不動産鑑定士資格を活かした求人一覧

当社MS-Japanの転職エージェントサービスでは、不動産鑑定士資格を活かした求人をご紹介できます。
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下記は、MS-Japanで紹介できる「不動産鑑定士資格を活かした求人」の一例です。

不動産に関する知識経験に加え財務の知識を得ることが可能!キャリアアップに◎

ポジション:不動産コンサルタント(正社員)
年収:500万円 ~ 1000万円
仕事内容:
ミドルオフィス業務のサポートやSPC関連業務などの幅広いサービスを提供
不動産鑑定士の資格を活かし、不動産コンサルティンググループでバリュエーション業務を担当いただきます。ご経験に応じて下記業務をお任せします。
■不動産評価:不動産証券化に係る鑑定評価、ノンリコースローンに係る鑑定評価、担保評価、資産評価などに係る鑑定評価、簡易査定
■不動産デューディリジェンス:不良債権売買に係る担保不動産の評価、権利関係調査、適正取分算定など。オフィスビル、住居施設、娯楽・遊戯施設、宿泊施設を対象に、対象物件の確認や不動産評価業務となる。その他クライアントへのレポートも担当
必要な経験・能力:
【必須資格】
・不動産鑑定士
・金融機関、不動産関連企業いずれかのご経験をお持ちの方

まとめ

短答式試験を目前に控えた不動産鑑定士について、試験当日の流れや概要、難易度などについて解説しました。
持ち物や試験時間は、直前ではなく余裕を持って確認しましょう。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

久村 知誉

大学卒業後、アパレル企業へ就職。横浜ルミネや渋谷の路面店にて販売職を経験。その後、MS-Japanへ入社。主にベンチャー企業をメインクライアントとし、リクルーティングアドバイザーを経て、現在は会計事務所・監査法人など士業領域にて求職者のカウンセリングから事務所側の採用支援まで広く携わっています。

会計事務所・監査法人 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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