30代未経験で税理士に転職できるのか?転職成功のポイントなど
30代になって初めて税理士業界に入る方は少なくありません。働きながら税理士試験に合格するには時間がかかってしまうことが多く、税理士の資格を取得するには最低でも2年間の実務経験が必要となるためです。
この記事では30代になって税理士になり、これからのキャリアについてお考えの方に向けて税理士の転職事情について解説いたします。
転職時に年齢はネックになるのか、どれほどの年収が期待できるのか、どのようなキャリアを歩んでいくのか、などを取り上げていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
30代税理士は未経験でも転職できる?
「30代になると転職は難しい」「未経験者となれば余計にハードルが高くなる」というイメージを抱きがちですが、税理士の転職の場合には年齢はさほどネックになりません。
その理由を2つ紹介します。
税理士が不足している
第一の理由は税理士が不足しているからです。少子高齢化の影響もあり、税理士試験の受験者数は減少傾向にあります。
2013年度の受験者数は4万5,337人であったのに対し、2023年度の受験者数は3万2,893人と10年で1万2,444人も減少しています。2023年度に受験資格が緩和されたことで2022年度よりも増加しているものの、受験者数が10年前程度まで回復するには時間がかかりそうです。
一方で、税理士法人や会計事務所の数は増えているので、どうしても税理士の数が足りなくなります。
税理士業界の高齢化
第二の理由として、税理士の高齢化が挙げられます。
税理士の平均年齢は60歳前後であり、過半数が60歳を超えているなど、大きな年齢的な偏りがあります。
これに続いて50代、40代の順に税理士の数が多くなっていることから、30代を含む若手税理士の数はとても少なく、業界全体として次の世代を担う税理士の育成が急務となっています。
このような背景より税理士の転職は売り手市場となっているため、30代未経験の税理士も転職に成功しやすく、年齢はネックになりにくいと言えます。
しかし、未経験でも成功しやすいのは30代前半までであり、30代後半になれば実務経験を求められる傾向が強くなります。
未経験の税理士を歓迎する税理士事務所とは?
未経験の税理士が転職しやすいのは、個人で経営している会計事務所や小規模の税理士法人です。
ネームバリューのある大手と比較すると応募者数が少ないため、選考に通過しやすいという背景があります。
更に大手や中堅の税理士法人が設けているようなハイレベルなスキルや実務実績を問われることも少ないので、税理士として専門的な知識を持っていること、 入所への熱意を強く持っていることなどが大きく評価ポイントに繋がります。
そして未経験歓迎とされる税理士の条件として、より重要視されるのはコミュニケーション能力の高さです。
個人で経営している会計事務所や小規模の税理士法人はクライアント企業との距離感が近く、経営者と直接やり取りする機会も多いため、 その時々に応じた柔軟なコミュニケーションが顧客対応の一環として必要となってきます。
また事務所の規模が小さいほど、同僚との距離感も縮まってくるため、コミュニケーション能力はとても大切なスキルのひとつと言えます。
30代税理士の年収
2023年1月~2023年12月に「MS Agent」に登録のあった税理士の現在年収を年代別で見てみましょう。
年代 | 平均現在年収 |
---|---|
20代 | 520万円 |
30代 | 699万円 |
40代 | 808万円 |
50代以上 | 816万円 |
全体 | 771万円 |
税理士全体の平均年収は771万円となっており、うち30代税理士の場合は699万円でした。
ただし、この中にはBig4で働く人や、独立して会計事務所を経営する人など比較的高年収の税理士も含まれるため、30代未経験の税理士が必ずしもこの金額が期待できるとは言えません。
税理士の年収は業務経験年数や、科目合格数に伴って上がっていく傾向があり、30代税理士の平均的な年収が699万円であるというのは、税理士資格を持っており実務経験も備わっている税理士が多くを占める数字と考えられるためです。
そこで、ワンランク下の業務年数の浅い20代の平均年収を見てみると520万円となっていますので、未経験という点を加味して考えると、 30代未経験の税理士の年収目安は500万円前後と予測できるでしょう。
30代後半からの税理士のキャリアはどうなる?
人材不足と高齢化の問題を抱えている税理士業界では、30代の税理士はまだまだ若手であるため、30代からキャリアをスタートしている税理士も少なくありません。
しかし、30代は前半と後半でキャリアが変わってくる点には注意が必要です。
30代前半のうちは税理士の資格を取得していない科目合格者でも採用される可能性がありますが、30代後半になると年齢と経験がマッチしているかどうかを見られるようになります。
30代後半の税理士の転職先としては、会計事務所や税理士法人だけでなく、一般企業やコンサルティングファームなどが挙げられます。
これらの転職先の中から、クライアントの規模を大きくしたい、専門性を高めたい、独立開業を目指したい、など税理士の皆さまそれぞれの希望に合わせてキャリアを選んでいくことになります。
自分にピッタリのキャリアを見つけるには、まず方向性を決めなくてはなりません。
そのために実務経験が必要となってきますので、できるだけ早期に希望する分野の実務経験を積むことができる環境へと転職するのもひとつの選択です。
未経験の30代税理士が転職を成功させるコツ
税理士の転職に特化したエージェントを利用する
転職エージェントを利用する際は、税理士の転職に特化したエージェントに登録することをおすすめします。総合型のエージェントよりも税理士の求人のバリエーションが豊富なため、未経験歓迎の求人の中でもより叶えたい条件を実現できる転職先を見つけやすいでしょう。
また、業界事情に精通しているキャリアアドバイザーがサポートするため、キャリア相談も的確で実用的なアドバイスを受けることが出来ます。
税理士としてどのようなキャリアを目指すか明確にする
転職活動は勤務先を決定することがゴールではなく、転職で自分が目指すキャリアを叶えることが重要です。
中長期なキャリアを考えずに転職活動をしてしまうと、転職活動の軸がブレてしまい選考通過しにくくなるケースが増え、仮に内定を獲得したとしても転職後に「思っていたキャリアと違う」ということが起こりかねません。
もしキャリアにお悩みの場合は、一人で考えるのではなく、その時点でキャリアアドバイザーに相談すると良いでしょう。
応募する企業の情報は念入りに調べる
ご自身の目指すキャリアを叶えるためには、希望に合う勤務先を見つけ出す必要があります。そのためには、「勤務先の強みは何か」「どのような社風・体制なのか」「どのような働き方か」は必ず確認しましょう。
特に未経験での転職となるため、社風・体制に関する情報を調べておくと、入社後のギャップも少ないです。
未経験歓迎の税理士求人例
「MS Agent」で取り扱っている未経験歓迎の税理士求人を一部ご紹介します。
これら以外にも非公開求人を含め、多数の税理士向け求人を取り扱っていますので、気になる方はぜひ利用登録されてみてはいかがでしょうか。
未経験可/リモート/フレックス/インセンティブ比率高め会計事務所!
仕事内容 |
・記帳代行~申告書作成、顧問先巡回 ・給与計算、社会保険関連業務 ・各種コンサルティング業務 |
必要な経験・能力 |
以下3点のいずれかを満たせる方 ・税理士有資格者 ・公認会計士、弁護士、国税局出身等で税理士登録ができる方(未経験可) ・税理士科目3科目以上で大学院に入学済みの1~2年で税理士になれる方 +転勤の検討ができる方 |
想定年収 |
245万円~600万円 |
税務コンサルスタッフ※7時間勤務/リモートワーク可/残業少なめ
仕事内容 |
・税務顧問業務(担当社数5~10社):月次監査業務、レビュー業務、入力業務 ・税務申告業務 ・各種コンサルティング業務 |
必要な経験・能力 |
<必須> 税理士会計事務所で税務顧問業務に従事されていた方 ※会計士資格をお持ちで監査経験のある方であれば未経験でも歓迎します。 <歓迎> 税理士有資格者・科目合格者 |
想定年収 |
450万円~800万円 |
安定した経営基盤を持つ会計事務所にて、税務スタッフを募集
仕事内容 |
・月次巡回監査 ・記帳代行 ・税務調査立ち合い ・決算業務 ・申請書作成補助 など |
必要な経験・能力 |
・税理士、公認会計士、または税理士科目合格者(3科目以上) ・事務所未経験可(経験のある方歓迎) ・国税出身の税理士も歓迎 |
想定年収 |
500万円~1,000万円 |
まとめ
税理士試験は難易度が高く、4~5年かけて税理士になり、30代から税理士としてキャリアをスタートさせる方も少なくありません。
以降のキャリアでは実務経験がポイントとなってくるため、転職先選びの際には税理士としてどのような実務経験を積むことができる環境であるかも含めて考えなくてはなりません。
しかし、税理士という特殊な業界なだけに、転職先としてどこが自分に合っているのかの判断に困る方も多数いらっしゃいます。
そのようなときにおすすめなのが転職エージェントの活用です。
税理士の転職サポート実績を豊富に持つ「MS Agent」は士業に特化した転職エージェントであり、専任のキャリアアドバイザーが税理士の皆さまそれぞれの希望に沿いながら、 これからのキャリア形成をサポートしてくれます。
入社した後のビジョンを鮮明に持てるので後々のミスマッチを避けやすくなる他、水面下で動いている非公開求人を紹介してもらえたり、 応募書類の添削や面接対策にも協力してもらえたりするなど、手厚い転職サポートを完全無料で受けられますので、 ぜひこの機会に「MS Agent」に利用登録してみてはいかがでしょうか。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、外資系小売り業に就職、セールスマネジメントや採用、教育研修を経験。
人がいかに業績を左右するかについて認識し、現職のMS-Japanに転職する事を決断。
入社以来、東海エリアのキャリアアドバイザーとして、キャリアチェンジやスキルアップを目的とした若年層の支援を中心に担当しております。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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