税理士試験の官報合格者とは?キャリアや待遇について

更新日:2023/11/02
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税理士試験の官報合格者とは?キャリアや待遇について

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税理士試験の官報合格者とは?キャリアや待遇について

税理士資格の所得方法に「官報合格」と「認定合格」の2種類があります。
一般的に、就職・転職にあたっては官報合格の方が高く評価され、キャリアや年収においても一定の差が出るのが通例です。
今回は、税理士の官報合格に注目し、官報合格とは何か、認定合格とどのような違いがあるのかについて解説します

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税理士になるには?官報合格とは?

税理士になるためには、次のようなルートがあります。

①税理士試験に合格・2年以上の実務経験を積む
②税理士試験を免除(もしくは一部免除)された者
③弁護士
④公認会計士

①については、簿記論と財務諸表論の2科目の合格が必修で、そのほか、法人税法、所得税法、相続税法、国税徴収法、住民税または事業税、消費税または酒税法、固定資産税のうち、受験者が選択した3科目の試験に合格することで資格を取得できます。
※所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択する選択必修科目です。

官報合格とは、②~④の条件によらずに、5科目の試験を受けて税理士試験に合格することです。
5科目合格者は官報に氏名が掲載されるのでこのように呼ばれています。
税理士試験は難関として知られ、免除を受けずに5科目に合格するには、相当な時間がかかるのが一般的です。

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官報合格と認定合格の違い

税理士試験の免除制度(先の②による合格)に関しては、大きく分けて「国税従事者における免除」と「学位による免除」との2種類があります。
国税従事者における免除とは、10年または15年以上にわたって税務署に勤務している人は税法科目が、税務署に23年または28年以上勤務して、指定研修を修了している人は会計学の科目が免除されるという制度です。

学位による免除は、修士号または博士号の学位を持つ人が試験の一部を免除されるという制度で、受験科目数が減る分、資格取得に必要な勉強は少なくなります。
つまり認定合格を目指すには、税務署で所定の勤務経験を持っている、もしくは大学院で所定の学位を取得しているというキャリア・学歴が必要となるわけです。

一方、官報合格を目指す場合も一定の受験資格を満たす必要があります。
大きく「学識による受験資格」、「資格による受験資格」、「職歴による受験資格」に分けられ、各受験資格の内容は以下の通りです。

①学識による受験資格
・大学または短大の卒業者で、1科目以上の法律学または経済学を履修した者。
・大学3年次以上で、社会科学に属する科目を1科目以上含む62単位以上を取得した者。
・一定の専修学校の専門課程を修了した者で、社会科学に属する科目を1科目以上履修した者。
・司法試験、もしくは公認会計士試験の短答式試験(平成18年以降)の合格者。
②資格による受験資格
・日商簿記検定1級合格者。
・全経簿記検定上級合格者(昭和58年以降)。
③職歴による受験資格
・法人または事業を行う個人の会計に関わる事務に2年以上従事している者。
・銀行や信託会社、保険会社等で、資金の貸付や運用に関わる事務に2年以上従事している者。
・弁護士、公認会計士、税理士の補助業務に2年以上従事している者。

官報合格を目指す場合、職歴による受験資格は2年の税務・会計関連の実務経験さえあれば条件を満たせます。
学歴による受験資格も大学院まで修了する必要はありません。
官報合格は、認定合格と比べ、キャリアや学歴といった点で挑戦はしやすいといえます。
ただその分、厳しい科目試験をより多く突破する必要があります

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官報合格と科目合格 待遇に違いはあるのか?

税理士試験の特徴の1つが、「科目合格制」です。
先ほど、税理士資格を取得するには5科目の試験に合格することが必要と述べましたが、この5科目は1度の試験ですべて合格する必要はありません。
年をまたいで合格科目数を積み上げていくことができるのです。
例えば受験初年度で5科目中2科目に合格すれば、翌年の受験では残る科目のうち1~3つのいずれかの合格を目指して集中して勉強できます。
この点、働きながら挑戦しやすい受験制度であるといえるでしょう。

そのため税理士事務所や企業の経理・財務部門で働いている人の中には、「現在のところ、税理士試験3科目合格」など、5科目までいかなくとも、いくつかの科目で合格している従業員がいます。
ただ、5科目に達していない人は税理士資格が無いので全く評価されないかというと、そんなことはありません
税理士の科目試験はどれも難関であり、例えば法人税法の科目に合格していれば、その分野のエキスパートであることを示す指標となり得ます。
そこで税理士事務所・企業等では、合格している科目数が多いほど、待遇を上げるのが通例です。

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官報合格者の転職成功事例

Aさん

Aさんは38歳の男性で、税理士試験に官報合格して、地方にある小さな税理士事務所に勤務しました。
ただ、Aさん自身は企業の財務部門での勤務経験はあるものの、税理士事務所で勤務した経験がありません。
そのため、税理事務所に勤務してから1年以上経過したのに、事務所自体が取り扱っている仕事量が少ないこともあってAさんの担当件数は数件しかなく、大きな仕事を任されずにフラストレーションが溜まっていたそうです。
Aさんは官報合格の税理士有資格者としてそれなりの給料をもらっていましたが、「こんな仕事で給料をもらってよいのか」という気持ちになっていたといいます。
その後、地方から都市部にある税理士事務所に転職したところ、入所後に担当件数を30件近く任され、年収も上がりました。
都市部は会計事務所の数も多く、自分に合った就職先を見つけやすかったといいます。

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まとめ

税理士資格試験の官報合格は、5科目合格する必要があるので合格難度は非常に高いです。
合格後の待遇・評価も科目試験を通った官報合格者の方が、科目合格者よりも高い傾向も一部あります。
しかし官報合格を目指すには、10年以上かかることも一般的であるため、税理士試験にどのようにアプローチするかは慎重に考えていきましょう。

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