2019年05月29日

司法修習生の就職対策 修習地を選ぶポイント

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司法試験に合格したら、実務修習を行うことになります。
弁護士としての就職活動は実務修習の期間中に行うことになりますので、修習地の選択は就職活動をするうえで大きな比重を占めることとなります。
ここでは、司法修習生の就職対策として、修習地を選ぶポイントについてご紹介します。

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修習地選択とは

司法試験に合格したら、実務修習を行うために、修習地をどこにするかを選択することになります。
修習地は、本人の希望を提出したうえで、司法研修所事務局長により決められます。
弁護士としての就職活動は実務修習の期間中に行うことになりますので、実務修習の場所がどこに決まるかは就職活動をするうえで大きな比重を占めることとなります。
自分が希望する場所に修習地が決まるよう、よく考えて希望を出すことが重要です。

修習地は、平成30年度採用の時点においては、次のように3つの群に分かれています。

 群  修習地
 1群 東京、立川、横浜、さいたま、千葉、宇都宮、静岡、甲府、大阪、京都、神戸、大津、名古屋、福岡、仙台、札幌
 2群 水戸、前橋、長野、新潟、奈良、和歌山、津、岐阜、金沢、広島、岡山、熊本、那覇、福島、高松
 3群 福井、富山、山口、鳥取、松江、佐賀、長崎、大分、鹿児島、宮崎、山形、盛岡、秋田、青森、函館、旭川、釧路、徳島、高知、松山

希望する修習地は、第6希望までを選択します。希望を選択する際には次の規則が定められています。
1. 第1希望~第4希望までについては1群~3群のなかから選ぶ
2. ただし、1群から選択できるのは2ヶ所まで
3. 第5希望・第6希望については3群から選ぶ

修習地の希望は首都圏および大都市に集中する傾向があります。
この選択規則は、修習地を少しでも分散させるためのものだといえます。

特定の修習地に強い希望がある場合には、希望を叶えるためには次のようにするのが良いといわれています。
1. 第1希望に希望する修習地を書く。
2. その修習地を希望する具体的な事情を書く。理由は、「配偶者・子との同居」「通院・病気」「親族の介護」「経済的事情」の4つが認められています。
3. 第2希望以下についても第1希望の近くの修習地を選ぶ。

逆に、次のような場合には、希望順位が低い修習地、あるいは希望外の修習地に決定される可能性が高くなるといわれていますので気をつけましょう。
・1群の修習地を3つ以上記載するなどのルール違反があった場合
・第1希望~第6希望までの選択に脈絡が感じられない場合

修習地の希望が6ヶ所以下である場合、あるいは全くない場合には、「以下一任」「一任」などのようにすることもできます。
弁護士としての活動をスタートする初任地は、その後の弁護士生活に大きな影響を与えることになります。
就職活動をするうえで大きな比重を占める修習地は、できる限り希望が叶うよう慎重に記載しましょう。


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就職が決まっている人

実務修習地の選択は、就職活動をするうえで大きな意味を持つものです。
したがって、すでに就職が決まっている人は、自分が好きな場所を希望することで問題はないでしょう。
就職する予定の場所を希望すれば、その土地の弁護士と就職前から人脈を築くこともできるかもしれません。
また、就職前に一息つくため、住んでみたい地方都市などに希望を出すのも良いでしょう。


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就職が決まっていない人

就職が決まっていない人は、修習の期間中に就職活動することになります。
したがって、自分が就職したい場所をまずよく考え、そこにできる限り近い場所に決まるよう希望を出すことが重要です。
首都圏で就職したい人、および地方で働きたい人のそれぞれで、どのようにしたら良いかを見てみましょう。

首都圏で就職したい人

東京、あるいは首都圏で就職したい人は、関東を修習地にすることで就職活動が有利になります。その理由は、次の通りです。
・就職先は修習先の弁護士から紹介されて決まるパターンが多い
・面接は平日に行われることが多いため、交通の便が悪いところを修習地に選んでしまうと面接へ行くことが難しくなる

東京で就職したい人が希望を記載する例は次のようになります。
1. 第1希望は「東京」にする
2. 第2希望は「立川」「横浜」「さいたま」「千葉」などの東京近郊の都市にする
3. 第3希望は「水戸」「前橋」など、在来線でもギリギリ行ける場所にする
4. 第4希望は「長野」や「新潟」「福島」など、新幹線で行ける場所にする

地方で働きたい人

地方で働きたい人は、希望する地方都市を希望順位が高いところに書きましょう。
ただし、近年では地方で就職したいと思う人も増えています。
地方での就職は、その地域が出身の人が有利になります。
他の地域が出身の人の場合は、「この地域で就職したい」という思いを前面に出しながら就職活動を行うことが必要となるでしょう。


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修習地の決まり方

修習地はどのように決定されるのでしょうか?
平成29年3月22日の衆議院法務委員会において、最高裁判所人事局長は、
「実務修習地の決定は司法研修所の方でしておりますが、司法研修所において、修習生の希望を基本として、各人の健康状態、家族状況の切実度など、諸般の事情を考慮して決定しているものと承知しております」 と答弁しています。
しかし、実際のところどのように決まっているのか、具体的にはわからないのが現状です。


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まとめ

司法修習生の就職対策 修習地を選ぶポイント まとめ

就職活動を行ううえで大きな比重を占めることとなる実務修習の修習地は、よく考えたうえで希望を提出することが重要です。
特に、東京や大阪などの希望が集中しやすいところでの就職を希望している場合には、新幹線の便などまでを考慮に入れて希望を考えることが必要になるでしょう。

<参考>
衆議院「第193回国会 法務委員会 第5号(平成29年3月22日(水曜日))」
弁護士山中理司のHP「実務修習地の選び方」

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