2024年10月30日

FP&Aとは?仕事内容や将来性、資格の難易度などについて解説

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近年、企業の会計・財務、経営のあり方を語るうえで、「FP&A」という言葉をよく耳にするようになりました。
グローバル化・多様化が進み、競争が激しくなるなか、企業はさまざまな問題を乗り越え、勝ち抜き、将来に向けた方策を立てていかなくてはなりません。

その際に頼りとされるのがFP&Aという職種であり、その手腕が経営に大きな影響を及ぼすことから、FP&Aの設置や優秀な人材の獲得は、企業にとって重要な戦略となりました。
この記事では、いま注目されるFP&Aの仕事内容やFP&Aに必要なスキル、FP&Aを目指す方法などについて解説します。

FP&Aとは

FP&Aは、Financial Planning & Analysis(ファイナンシャルプランニング&アナリシス)の略した言葉です。
主な役割は、制度会計や管理会計の知識を駆使して企業の財務状況を分析し、業務管理や財務計画を提案しながら経営管理を支えることです。また、事業戦略などの企業の意思決定について情報を分析し、有効手段を助言する役割にも担います。
FP&Aは、財務の中枢で、経営陣と共に企業の問題を解決し、将来を構築していく重職といえるでしょう。

欧米ではCFO(最高財務責任者)のもとに置かれるポジションとして広く認知されているFP&Aですが、日本においては多くの企業がその役割を経営企画部門や社長室が担っており、これまで一般的ではありませんでした。
しかし、近年、大手企業が中心となってFP&Aの設置を進めており、人材の獲得に力を入れるなど、重要性が認知され始めています。

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FP&Aの将来性とは

日本でFP&Aが注目されるようになったのは、2015年6月にコーポレートガバナンス・コード(東証上場企業の企業統治原則)が適用されたことによります。
不正や不祥事を防ぎ、企業の健全な経営を徹底するための取り決めですが、違反すると東証で公表され、株価の下落をはじめ、多大な損害を免れないでしょう。

こうしたリスクを避けるためにも、企業はコーポレートガバナンス・コードを遵守しなくてはなりません。
コーポレートガバナンス・コードでは、ステークホルダー(株主や債権者といった利害関係者)の権利を守るために、企業経営者はステークホルダーに対して財務状況や事業戦略、経営方針などについて、わかりやすく説明しなければならないと明確化しています。

そこで必要とされるのが、会計や財務の専門家であり、ステークホルダーの立場になって情報をわかりやすく説明でき、企業の意思決定にも影響を及ぼすことのできる人材、すなわちFP&Aです。
企業間の競争がいっそう熾烈となる今後は、さらにFP&Aの重要性が高まり、将来的にも有望な職種といえます。

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FP&Aの仕事内容

FP&Aの主な業務は下記の3つに分類できます。

財務状況分析・予測

FP&Aの仕事をする上で基本となるのがデータ分析です。
企業全体、事業単位の財務状況はもちろんのこと、経営や事業戦略に伴うさまざまなデータを分析し、将来的な財務状況を予測します。

経営者層へのデータ提供・アドバイス

データ分析で得られた情報を経営陣に提供し、アドバイスするのも、FP&Aの重要な役割です。
経営や事業戦略に支障をきたすことなく、メリットを追求するために、会計・財務の専門家として企業の意思決定をサポートします。

収益モデルと価格設定モデルの構築

FP&Aが実際の事業展開に深く関わることもあります。 収益を上げる方法や適切な価格設定など、FP&Aの持つノウハウは、収益モデルや価格設定モデルの構築に活かすことができます。
事業の収益アップや、ステークホルダーへの利益還元の最大化のために、会計・財務の適切な情報は必須であり、FP&Aが手腕を発揮する場は、今後いっそう広がる見込みです。

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FP&Aに求められるスキルとは

FP&Aに求められるスキルとは

FP&Aとして活躍するためには、次の3つが必要とされます。

管理会計の知識

経営状況の分析、プランの策定はFP&Aの必然の職務です。
問題を的確に捉え、最善の策を見出すためには、財務諸表のすべてを理解できる知識と理解力が不可欠であり、市場や競合、企業の有する人材や技術など、総合的な情報を踏まえた判断力が求められます。
また、分析作業では管理会計ツールを扱うため、相応のITスキルも必要です。

コミュニケーションスキル

データ分析の結果報告や、プラン提案をする際に必要なのがプレゼンテーション力です。
経営陣と議論する必要もあることから、相手の抱いている問題点・疑問点に適切に回答し、相手がその気にさせるための高いコミュニケーションスキルが求められます。

英語スキル

現在、FP&Aを採用するのは主に外資系企業です。
英語力は必須ですが、財務報告書等の読み・書き、社内外のコミュニケーションなど、より丁寧な表現のビジネス英語が求められます。
さらに、IFRSやUS-GAAPといった海外の会計基準についての知識を身に付ければ、ビジネスチャンスがさらに広がることでしょう。

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FP&A業務担当の求人・転職情報

FP&A/東証プライム/グローバルメーカー

仕事内容
・管理会計
・中期経営企画、事業企画策定
・予実管理・分析
必要な経験・能力
・FP&Aのご経験がある方
・英語でのコミュニケーションが可能な方
想定年収
800万円 ~ 1500万円

会計・税務・IR・FP&A担当/金融業界

仕事内容
・主計業務
・税務業務
・財務
必要な経験・能力
・監査法人/税理士法人での業務経験のある方
・事業会社で財務経理実務の経験がある方
想定年収
600万円 ~ 1100万円

FP&A/大手グローバルメーカー

仕事内容
・グループ会社財務計数計画の収集
・連結財務係数の予実管理
・財務係数の他社比較
必要な経験・能力
・財務会計/管理会計知識(簿記検定2級以上)
・経理業務経験(3年以上)
想定年収
500万円 ~ 1000万円

FP&Aの難易度

日本国内でFP&Aを目指すには、FP&A(経営企画スキル検定)を受験するのが一般的です。

FP&A(経営企画スキル検定)とは

FP&A(経営企画スキル検定)は、米国のAFPが認定するFP&Aのグローバル資格「FPAC」取得に向けての入門版であり、日本企業の特性に即したプログラミングです。
経営状況の分析や予測、プランの測定、業務報告など、経営企画・経営管理についての実務スキルを世界標準で評価、可視化します。

FP&Aの難易度

FP&A(経営企画スキル検定)は合否判定ではなく、スコア(800満点)に応じた5段階評価です。分野ごとの達成度合いも表示されます。
最も重要な指標はスコアであり、転職などで評価されるのは5段階の中央値であるCレベル以上です。難易度はそれほど高くなく、学習次第で高得点を狙うことができるでしょう。

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まとめ

経営や事業展開の様々な問題に対処し、企業の意思決定をサポートする会計・財務の専門家である「FP&A」は、近年、益々注目を浴びています。
その重要な役割から深い見識と高いスキルが求められますが、経営陣と共に企業の将来を形づくっていく仕事はとてもやりがいのあるものです。

もともとは欧米で広がった職種であるためにグローバル性が高く、FP&Aの主な活躍の場は外資系企業や大手日系企業ですが、今後は日本への普及も予測されることから、会計職や経理職でスキルアップ、キャリアアップを目指す方にとってもFP&Aの存在は見逃せません。
資格についても日本国内で入門版から取得できるので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

佐藤 颯馬

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。

会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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