2024年05月28日

農業簿記検定とは?試験内容や合格率など

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簿記というと多くの方が日商簿記を連想すると思いますが、他にも農業に特化した農業簿記検定というものがあります。
農業経営を成功に導くための知識・スキルを得ることのできる農業簿記検定は、農業経営の基本から応用までを学べるため、正確な経営分析を可能にします。特に、農業に特化した簿記知識は、収支管理や効率的な資源配分に不可欠です。

本記事では、農業簿記検定の概要、試験内容、合格率などを紹介します。
農業経営に携わるための実践的なスキルを身につけたい方は、是非ご一読ください。

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農業簿記検定とは

農業簿記検定の概要

今日の農業経営を取り巻く環境は、法人化の進行や異業種からの参入など、様々な変化が生じています。
これらの変化に対応するため、農業に従事する人々やその関係者は、現代的な農業経営についての知識・スキルを身につける必要があります。
この目的を叶えるための一環として設けられたのが農業簿記検定です。

農業簿記検定は、農業の経営に特化した簿記の知識を認定する資格であり、一般社団法人全国農業経営コンサルタント協会によって監修されています。
農業経営の効率化や合理化に寄与することを目的として、税務・会計・経営の専門家により設けられた農業簿記検定には1級から3級までのレベルがあり、農業経営における会計の基本から応用まで幅広い知識が問われます。

農業簿記検定のメリット

農業簿記検定は、農業系の経理を担う人におすすめされていますが、農業に興味があるすべての人がその知識を活かすことのできる資格です。
農業簿記に関する学習は、農業経営の現実を正確に把握し、効果的な経営判断をするための基盤となるためです。
棚卸しの科目や生物に関する減価償却など、農業特有の会計処理を学ぶことで、農業経営における資源の効率的な管理や投資の最適化が可能になります。

単に会計技能を認定するだけでなく、農業経営の質を高め、持続可能な農業を支える専門家を育成することも農業簿記検定が設けられた理由のひとつです。
農業に携わる人々がこの検定を受け、得られる知識を実践に活かすことで、農業の新たな発展が期待されるでしょう。

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農業簿記と日商簿記の違い

冒頭でも述べたように、簿記というと多くの方が日商簿記を連想されると思います。
この章では、農業簿記と日商簿記の違いについて解説します。

農業に特化した勘定項目がある

農業簿記には農業独自の勘定科目があり、日商簿記と比較して特有の取引や経費を記録・管理するための専門知識が必要です。
例えば、「種苗費」、「素畜費」、「農薬衛生費」などは、農業活動に直接関わる経費を正確に計上するために設けられています。

確定申告方法が異なる

農業所得に対する確定申告を行う場合、農業共済掛金や確定申告の際に使用する専用の書類様式など、農業の特性を反映した独自の会計処理が存在しています。
日商簿記で学べる通常の会計処理とは異なるため、農業に関する確定申告を行う際必要な知識となります。

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農業簿記検定の試験概要

農業簿記検定は、農業経営に特化した簿記能力を認定する資格であり、学歴、年齢、国籍に関わらず誰でも受験可能です。
検定レベルは1級から3級まであり、受験料は1級が5,280円、2級が2,750円、そして3級が1,980円となっています。(これらの料金は2024年度からの新料金です。)

検定は年に2回実施され、第1回目の試験日は7月の第1日曜日、第2回目は11月の第4日曜日に設定されています。
2024年度では、第21回試験が7月7日に、第22回試験が11月24日に予定されており、それぞれの申込期間は第21回が4月1日から6月3日まで、第22回が8月19日から10月21日までとなっています。

試験会場は全国各地に設けられており、北海道から沖縄までの広範囲で受験できるため、受験のための移動の負担はさほど気になりません。
具体的には札幌市、仙台市、東京都千代田区、名古屋市、大阪市、広島市、福岡市、那覇市など、主要都市を含む多くの地域で試験が行われていますので、受験者はそれぞれ最寄りの会場で試験を受けることができます。

合格の基準は、各級共に問題の総得点の70%以上を得ることです。
この基準を満たすことで、農業経営の分析や管理に必要な簿記の知識と技術を有していると認定され、検定合格となります。

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農業簿記検定の試験内容

農業簿記検定の試験内容

農業簿記検定の試験内容を1級~3級までそれぞれの階級別にまとめます。

3級

3級試験は、農業簿記検定の中で最も基本的な知識を問うレベルとなっており、試験範囲は財務会計の分野のみに絞られます。
出題される問題数は25問で、記述式と計算問題の組み合わせ、解答形式は他の級と同じく多肢選択式のマークシートです。
農業簿記の初歩的な知識を問われ、農業経営の基本的な財務管理の理解が試されます。

2級

2級試験の範囲は財務会計と原価計算の2分野です。
試験では25問が出題され、問題形式は1級同様、記述式と計算問題の組み合わせです。
解答方法はマークシートを使用した多肢選択式となっており、基本的な財務会計の知識と原価計算の理解が求められます。
農業経営の基礎を固めるための知識と技術が問われるレベルです。

1級

1級試験では、農業簿記の中でも最も高度な知識が求められ、試験範囲は財務会計、原価計算、管理会計の3分野から出題されます。
問題数は合計で50問となっており、これらの問題は記述式と計算問題の組み合わせた構成となっています。
解答する際は、多肢選択式のマークシートを利用します。
農業経営の深い理解と、複雑な計算を要する高度な問題が特徴です。

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農業簿記検定の合格率・難易度

農業簿記検定の直近3年間の合格率を表にまとめました。

3級

実施年 受験者数 合格者数 合格率
2023年 1,689 990 58.6%
2022年 1,819 1,149 63.2%
2021年 2,005 1,317 65.7%

2級

実施年 受験者数 合格者数 合格率
2023年 674 251 38.5%
2022年 725 315 43.4%
2021年 763 371 48.6%

1級

実施年 受験者数 合格者数 合格率
2023年 169 65 38.5%
2022年 216 37 17.1%
2021年 172 43 25.0%

3級の合格率は60%ほど、2級の合格率は40%ほど、となっています。
1級の合格率は年度によってバラつきがありますが、受験者数が少ないためにバラつきが生じやすいと考えられるので、おおよその合格率は25%~30%といえます。決して難しい試験ではありません。
それぞれの階級における合格率から考えれば、農業簿記検定はそれほど難しい試験ではないといえるでしょう。

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まとめ

農業簿記検定は、農業経営に必要な会計知識を認定する資格であり、農業の特性を踏まえた独自の勘定科目や経理処理に関する深い理解が求められます。
農業経営ならではの会計処理を習得できるため、検定合格に向けた学習で得られた知識をそのまま専門知識として活かしやすいのも魅力です。

1級から3級までのレベルがあり、財務会計から管理会計に至る幅広い知識が求められますが、学歴・年齢・国籍に関わらず誰でも挑戦でき、独学での合格も目指せる資格なので、これから農業に携わっていきたいとのお考えがあれば、これを機に農業簿記検定取得を目指してみてはいかがでしょうか。

テキストや問題集を主とした学習に、隙間時間の動画学習を加えるなどして効率的に学習すれば、農業簿記検定合格までの道のりもグッと縮まります。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

出口 翔真

横浜国立大学卒業後、電気系の総合商社に新卒で入社し法人営業に従事。
その後、キャリアアドバイザーとしてMS-Japanへ入社。現在は人事総務・経理領域担当として転職支援に従事しております。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 社会保険労務士事務所 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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