経理・財務スキルキャリア

2023年12月14日

未経験で経理に転職するのは難しい？簿記2級の必要性や求人情報などを紹介！

経理とはどんな仕事なのか興味を持ったことはないでしょうか。
今回の記事では、未経験から経理に転職したい方向けに、経理の仕事内容を紹介するとともに、未経験から経理職に就くために必要なスキルや資格などを紹介します。

そもそも経理とは？仕事内容や類似部門との違い

まずは実務未経験者向けに簡単に経理の仕事内容を解説します。
経理の仕事とは、会社経営において重要なお金の管理をする仕事を指します。日々のお金の流れを把握し、正確に数値化して管理します。
コツコツと積み上げていく業務が多く、派手さはないものの、会社にとって欠かせない存在です。

経理の仕事内容

具体的な仕事内容として、仕入れ管理、売上管理、給与計算、税金計算、決算書作成などが挙げられます。簿記による企業活動の記録、また年次決算としての財務諸表の作成なども担当します。

経理の仕事は、毎日の業務である日次業務・月1回行う月次業務・年に1度行う年次業務に分かれているのも特徴のひとつです。
日次業務では、現金・預金の管理、伝票処理、経理精算、在庫管理のほか、メールチェックやファイリングなどの雑務も行います。
また、月次業務には、買掛金・売掛金の管理、領収書・請求書の発行、給与計算、社会保険料の納付、棚卸、月次決算などがあります。
年次業務は、年末調整、減価償却の申告、年次決算書作成、確定申告、税金納付などです。決算月には、経理は繁忙期を迎えます。

決算月は企業によって異なりますが、3月決算の企業が多く、次に多いのが9月や12月決算の企業です。海外企業の決算月は12月が多く、海外企業と取引している企業、海外支社がある企業は12月を決算月とする傾向があります。
経営陣は、これらの業務を通して経理が記録管理した情報をもとに経営判断を行います。そのため、経理は会社経営における極めて重要な役割を担っているといっても過言ではありません。時には、数字をもとにした改善提案などを行うこともあります。

また、会社の規模によって担当する業務が異なります。
大企業であれば、分業制が採用されていることが多く、ジョブローテーション制度があれば、幅広い業務に関われる可能性もありますが、基本は担当業務に専念します。中小企業の場合は、管理部門を1人で担当することもあり、幅広い仕事に対応できる対応力や知識が求められます。
一般的に大手企業の方が年収などの待遇が良いと考えられますが、実務未経験から着実に経験を積みたいと考えている場合は、幅広い経験を積むことが出来る中小企業もおすすめです。

経理・財務・会計の違いとは？

一括りに考えている方もいるかもしれませんが、経理・財務・会計にはそれぞれ違いがあります。
経理は、毎日のお金のやり取りを記録・管理し、会計と財務の素地を作成する仕事です。
財務は、資金計画を立てて、資金調達と運用を行う仕事を担います。その際には経理によって作成されたデータをもとにします。
会計の仕事は、大きく分けると財務会計と管理会計の2つです。社外に事業活動を報告することを目的としているのが「財務会計」、自社経営陣に会計の現状を報告することを目的としているのが「管理会計」です。

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経理の転職市場は経験者が有利？

経理として働くには専門的な知識が求められます。また、パソコンスキル、コミュニケーション能力などさまざまな能力が必要です。
企業の規模によっては経理担当者が少数で、教育体制が整っていないこともあります。そのため、経理への転職は、即戦力になれる経験者が有利ではあります。
しかし、転職活動において、経理未経験者は経理の求人に応募できないわけではありません。応募者に経験者が少ない場合や社内の教育制度が整っている場合は、未経験者でも熱意があれば採用される可能性は高くなります。

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経理未経験者はまず「日商簿記2級」を取得しよう

経理未経験の場合、若手は働きながら社員教育を受けることが想定されているため、多少知識不足でも採用される可能性があります。
しかし、経理未経験で転職を希望する30代・40代の方は、基礎から社員教育を受けることはないと考え、日商簿記2級を取得し経理の知識を身に付けておくことをおすすめします。

日商簿記は日本商工会議所が実施している簿記検定で、3級～1級まであります。
日商簿記2級のレベルは、以下のように紹介されています。
経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。高度な商業簿記・工業簿記（原価計算を含む）を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。
引用元：簿記 2級 | 商工会議所の検定試験

日商簿記2級では、法人税、連結精算表・連結財務諸表の作成などを学び、経理の実務に必要な知識が得られるため、企業での経理事務に活かせます。
また、日商簿記3級では商業簿記しか学びませんが、2級では工業簿記も学ぶため、2級を取得すれば工場の経理事務にも応募できるようになります。
「日商簿記2級は難しい」というイメージを持っている人は多いかもしれません。たしかに、日商簿記2級の2020年から2023年の合格率は8.6％～30.6％と全体的に低めです。
ただ、2020年から日商簿記3級と2級はネット試験が導入され、試験が受けやすくなりました。ネット試験は、日本商工会議所が主催する統一試験（筆記試験）とは違い、各試験会場が独自に試験日を決め開催しています。
統一試験よりも受検できる回数が多く、不合格でも短い期間で次のネット試験に挑めます。そのため、合格率が統一試験より高くなっています。

ネット試験の合格率は以下の通りです。

試験期間	合格率
2020年12月～2021年3月	46.6％
2021年4月～2022年3月	38.1％
2022年4月～2023年3月	37.1％
2023年4月～2023年6月	39.5％

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簿記2級以外の未経験者が取得するべき経理関連資格

簿記2級以外にも経理業務に役立つ資格をいくつか紹介します。

MOS

経理業務でも日常的に使うオフィスソフトの利用スキルを証明する国際資格です。
勉強することで作業効率の向上も期待できます。また、パソコンスキルを客観的に証明することにも役立ちます。

FASS検定

日本CFO協会が実施するFASS検定は、実務スキルをＡ～Ｅの5段階で評価します。
合否はありませんが、自分の実務スキルレベルを客観的に把握し、スキルアップすることにも役立ちます。

TOEIC

TOEICとは、英語によるコミュニケーションとビジネス能力を検定するための試験です。
外資系企業や海外に子会社を持つ企業の場合は、経理でも英語のスキルは必要とされます。必要なTOEICの点数は応募したい企業によって異なりますが、外資系企業などに転職したい場合は最低でも600点以上は取っておくと良いでしょう。

簿記2級は経理未経験でも採用されるためには重要な資格です。しかし、取得者が多いため、簿記2級を取得しただけで採用されるとは限りません。
希望するキャリアプランに沿って経理の関連資格を取得し、他の応募者と差別化しましょう。

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未経験者が応募書類を作成するポイント

経理は未経験者でも転職可能ですが、熱意や資格があればよいわけではありません。応募書類の書き方に力を入れることで、未経験での応募に説得力を持たせられます。

履歴書の書き方

自己PRでは、経理に求められる以下のような能力や経験をアピールしましょう。

・数字を扱う実務経験
・コミュニケーション能力
・パソコンスキル

履歴書には経理と関連する経歴を簡単に紹介し、職務経歴書で詳しいエピソードを述べましょう。
経理未経験の場合、志望動機についても未経験だからこそ書くべき内容があります。転職での志望動機では、自分が企業の求める社員像に合った人材だとアピールすることが必要です。
優秀な人材であっても、企業が必要とする社員像と合っていなければ採用されません。企業のHPなどで求める社員像や理念などを調べ、企業が求める社員像と自分の強みを結びつけて述べましょう。
また、未経験者は「採用してもすぐ辞めるのではないか」と面接官を不安にさせないよう、経理職への熱意を伝えることもポイントです。
この企業で働きたい理由や、経理職を志望したきっかけ、経理に役立つ自分の強みなどを盛り込み「この企業で働きたい」との思いをしっかり伝えましょう。

職務経歴書の書き方

職務経歴書では、履歴書に書いた経理に関連する経験を詳しく書きましょう。ポイントは、数字で表現できる情報は数字を用いて伝えることです。
例えば営業職の場合は、新規顧客開拓数・成約率・売上額などをアピールすると、普段から仕事で数字を扱うのに慣れていることが伝わります。
また、自分の経歴を経理のどの業務で活かせるのか具体的に書くと、適性をアピールできます
資格欄では、取得した資格のほか、勉強中の経理関連資格をアピールするのが効果的です。例えば「FASS検定を2024年5月受検予定」のように書きましょう。

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未経験者向け経理求人の探し方

応募要件に「未経験歓迎」「未経験可」の記載があるかチェックするのはもちろんですが、ほかにも注意すべきポイントがあります。

教育・サポート体制の有無を確認する

中小企業の中には、管理部門の社員が少数で、1人ですべての経理業務を行う「1人経理」状態の企業もあります。「1人経理」の欠員により経理職を募集している場合は、一般的に教育・サポート体制は整っていません。
「1人経理」の職場では、ほかの社員は経理の知識があまりなく、教育・サポートができない環境にあります。そのため「1人経理」に未経験者が採用されると、初めての業務でわからないことがあっても質問できる人がおらず、業務量も多いため、負担が大きく大変な思いをします。
経理未経験者は、希望する求人に入社後の教育・サポート体制があるかチェックしましょう。

前職と関連する業界を選ぶ

経理は、業界の専門知識や事情にも精通している必要があります。そのため、前職と同じ業界や関連する業界に転職すれば、経理の仕事が未経験でも前職で得た経験や知識を活かして働けます。
経理未経験で転職を希望する場合は、前職の同業界や関連業界の求人を選び、面接で業界の知識があることを自分の強みとしてアピールしましょう。

経理に特化した転職サイト・転職エージェントを利用する

転職サイト・転職エージェントには総合型と特化型があります。
経理特化型の転職サイト・転職エージェントは、経理の転職市場に詳しいキャリアアドバイザーが多く在籍しており、カウンセリングが受けられ、希望する条件に合った求人紹介をしてくれます。
また、履歴書・職務経歴書の書き方や面接のアドバイスも受けられます。経理職未経験でも転職するためのサポートが揃っているため、経理特化型の転職サイト・転職エージェントの利用をおすすめします。

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MS-Japanで扱う未経験可の経理求人事例

弊社MS-Japanは、経理をはじめとする管理部門と士業に特化した転職エージェント「MS Agent」を運営しています。ここでは、「MS Agent」で取り扱っている経理求人の内、未経験者向けの求人をご紹介します。

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想定年収

360万円～ 480万円

仕事内容

経理マネージャーのもと、経理スタッフと協力・分担して月次決算および以下の業務を推進していただきます。
振込・納税管理、給与計算、年末調整、四半期、年次決算・内部統制構築・内部監査のサポートなど
※スキルや適性に応じて、業務領域の担当は決めていきます。

必要な経験・能力

<必須要件>
※経理未経験可
・日商簿記3級以上
<歓迎要件>
・事業会社・会計事務所での実務経験
・月次、四半期、年次決算の経験など

営業支援をしている企業より【未経験可】経理総務担当者求人です/東証一部上場企業グループ会社

想定年収

350万円～ 450万円

仕事内容

・請求書等の会計システム入力
・月次決算
・備品やオフィス環境/契約書等の管理など

必要な経験・能力

<必須要件>（以下のいずれか）
・商業系の学部学科などで簿記や会計士・税理士などの勉強経験者
・経理部または総務部など、管理部門での2年以上勤務経験者
・銀行、信用金庫など金融機関で2年以上勤務経験者（営業でも可）

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まとめ

経理への転職を考えた場合、まずは経理の仕事への業務理解を深めることが大切です。
未経験から目指す場合、採用される可能性が全くないとは言い切れませんが、経験者の方が有利とされているので注意しましょう。
経理の仕事に役立つ資格などを取得しておくと、スキルを客観的に証明することに役立ちます。経理は今後も不可欠な業務なので、望むキャリアパスを明らかにして、コツコツと実務経験を積みスキルを高めていくことが推奨されます。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

椿大樹

大学卒業後、外資系小売り業に就職、セールスマネジメントや採用、教育研修を経験。
人がいかに業績を左右するかについて認識し、現職のMS-Japanに転職する事を決断。
入社以来、東海エリアのキャリアアドバイザーとして、キャリアチェンジやスキルアップを目的とした若年層の支援を中心に担当しております。

プロフィールはこちら監修したトピックス一覧

経理・財務・人事・総務・法務・経営企画・内部監査・会計事務所・監査法人・役員・その他・公認会計士・税理士・弁護士を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です！本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい！