法学博士と法務博士の違いとは?

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2021/09/21

法学博士と法務博士の違いとは?


法律分野の最高学歴には法学博士と法務博士の2種類があります。これから法を学びたい方、あるいは法曹を目指す方が大学院を目指す場合、両者の違いを理解した上で、自分の進路・将来像に合わせた選択をすることが大切です。

そこで今回は、法学博士と法務博士の違いは何かという点について詳しく解説します。

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法学博士と法務博士の違い

 

同じ博士号ではありますが、法学博士は大学や専門機関の研究者養成を目的とした学位であり、一方、法務博士は専門職大学院で取得できる実務家養成を目的とした学位です。学校教育法第104条第3項では、両者は次のように区分されています。

大学院を置く大学は、文部科学大臣の定めるところにより、大学院(専門職大学院を除く。)の課程を修了した者に対し修士又は博士の学位を、専門職大学院の課程を修了した者に対し文部科学大臣の定める学位を授与するものとする。

【引用元】
e-Gov学校教育法

ここでいう専門職大学院とは、法学分野では法科大学院のことを指します。つまり、法科大学院以外の法学系の大学院で博士号を取得した場合は法学博士、法科大学院課程を修了した場合は法務博士になるわけです。

法学博士とは

法学博士課程に進学する学生の目的は大きく分けて二つあります。

一つは博士論文の執筆を目指して研究を重ねること、もう一つは大学や研究機関への就職です。

博士論文は高度な学術的な意義を求められ、学会で発表し、査読論文として学会誌に掲載されるレベルの学術成果を集約した内容にする必要があります。執筆して提出した後は大学側によって厳しく審査され、水準に達していないと判断されれば学位は取得できません。

しかし法学分野の場合、博士号を取得する前に大学や研究機関に就職するというケースも珍しくなく、その場合は「単位取得退学」などの肩書が用いられています。

なお、通常の法学博士課程は最短で3年、最長で6年ですが、その前に2~3年間をかけて修士号の取得が必要です。そのため、法学博士号を取得するには最低でも5年間の在学が求められます。

法務博士とは

法務博士は専門職学位であり、法科大学院の修了者に対して与えられる学位です。法科大学院では法曹実務を想定したカリキュラムが組まれ、卒業者には司法試験の受験資格が与えられます。法務博士の学位を取得しないで司法試験を受験するには難関試験である「予備試験」の合格が必要です。この司法試験の受験資格を得られるという点が、法務博士号の最大の特徴であり、存在意義といえます。

法務博士号を得るには法科大学院入学後に所定の単位数を取得すればよく、博士論文の執筆は必要ありません。学位取得までにかかる年数は3年ですが、入学試験において各法科大学院で法学既修者の水準にあると認められた場合は2年になることもあります。

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そもそも法科大学院とは

法務博士号を取得できる法科大学院の制度は、2004年から本格的に始まりました。制度導入の背景にあったのが、90年代から2000年代初頭にかけて議論が重ねられた司法制度改革です。

それまで日本の司法試験は試験での点数のみで合否が決まるというもので、法律実務家としての総合的な資質を測る内容とはいえないものでした。そこで、欧米各国のロースクールをモデルに、法科大学院で法曹実務を学んだ人に司法試験の受験資格を与えるという制度を新たに導入したのです。法科大学院の履修課程では模擬法廷の授業も盛り込まれるなど、法曹の現場を学べるカリキュラムが構成されています。

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法学博士、法務博士のキャリア


法学博士または法務博士を取得した場合、その後どのようなキャリアが考えられるのかをご紹介しましょう。なお、法学博士については、大学や専門機関での研究職以外の進路を選択した場合を想定しています。

法曹(裁判官・検察官・弁護士)になる

大学院で学んだことを法曹実務の現場で活かすのであれば、やはり法曹(裁判官・検察官・弁護士)としてキャリアを積んでいくケースが多いです。

ただし、法学博士号取得者の場合は、予備試験に合格して司法試験の受験資格を得る必要があります。また、法務博士号を取得して司法試験の受験資格を得た場合でも、司法試験に必ず合格するとは限りません。例えば2020年の司法試験の場合、法科大学院修了者の中で最も合格率が高かった東京大学の法科大学院でも、合格率は59.43%。約4割の受験者が不合格でした。法務博士は予備試験の受験がないので法学博士よりも法曹を目指しやすいとはいえますが、確実に合格できるわけではないので注意しましょう。一方で、予備試験合格者については合格率が89.36%であり、予備試験自体の難易度が高いことが読み取れます。

一般企業等へ就職する

法学博士または法務博士の進路としては、一般企業等への就職も考えられます。一定の規模以上の企業であれば法務部を設置しているので、法律知識を活かすのであれば法務部志望で就職を目指し、キャリアを重ねていくのが望ましいです。語学力に自信があるなら、将来的に国際法務のエキスパートを目指すこともできます。

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法学博士、法務博士を活かして就職・転職するためには

一般企業の採用面接では、法学博士号や法務博士号の保持者としてアカデミックな知識を持つことを強調しても高評価は受けにくいでしょう。「模擬法廷を通して培ったプレゼンテーション能力」や例えば「商法や金融取引法、知的財産法などの法律知識」など、企業利益に直結するスキル・知識を持つことを明確に強調すると、就職・転職につながりやすくなります。

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まとめ

一般的に法学博士は大学・研究機関での研究者を志望する人、法務博士は法曹を目指す人が取得する学位です。そのため両者は法律上の位置づけや学習内容が大きく違います。法学博士は研究者養成コースとして古くからありますが、法務博士は法科大学院制度の導入によって誕生した新しい学位です。

法学博士号・法務博士号取得者は、研究者以外の道として、法曹界や一般企業等への就職の道もあります。法律の専門家として目指せるキャリアは多様です。

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【参考文献】
e-Gov学校教育法 学校教育法第104条第3項 

「2020年度司法試験合格率(法科大学院別)」ReseMom

令和2年司法試験法科大学院等別合格者数等 

「法科大学院募集停止の背景には予備試験があった・・・?!」資格スクエアMEDIA 

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