MBAを取得するメリットとは?MBA取得者は転職で有利になる?
ビジネスや経営に関する知識やスキルを身に付けることが出来るMBAは、グローバル化が進んでいる日本市場においてますます注目されています。
特に、MBA取得者は経営戦略コンサルや企業の経営企画でのニーズが高まっており、MBAを活かして転職しようと考えている方も増えているのではないでしょうか。
この記事では、改めてMBA取得のメリットを紹介するとともに、MBAを活かした転職についても解説します。
そもそもMBAとは?
MBAとは、Master of Business Administration の略称で、「経営学修士」を指します。
試験を通じて取得する「資格」ではなく、認可された大学院の修士課程を修了した証として授与される「学位」です。
この学位は、ビジネスや経営における高度な知識とスキルを修得し、キャリアの発展に活かせることを目的としています。わかりやすく言うと、経営に関するさまざまな側面が学べる大学院です。
MBAプログラムでは、経営戦略、マーケティング、組織行動学、ファイナンス、マネジメントなどの科目があり、ビジネスに必要な経営資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」に焦点が当てられています。
経営学全般にわたる理解を深めるだけでなく、ビジネスでの実践的スキルやリーダーシップを身につける機会があることも特徴的です。
MBAを取得すると、履歴書の「学歴」でアピール度が増し、採用や昇進における評価が得られやすいとされています。
MBAを取得するメリット
MBAという学位は、資格取得とは異なる価値があります。
ここでは、MBAを取得するメリットについて触れてみます。
論理的思考力がつく
MBAプログラムでは、ビジネスに関する幅広い知識やスキルだけでなく、論理的思考力(ロジカルシンキング)を養うことにも力を入れています。
論理的思考とは、物事を体系的に整理し、矛盾のない筋道から結論を導く考え方です。
ビジネスの問題解決や意思決定においては、この論理的思考が欠かせません。
MBAのカリキュラムには、現実のビジネス状況を論理的に分析し、解決策を導き出すケーススタディやビジネスシミュレーションがあります。
このような経験は、実際のビジネスの現場において大いに役立つものです。
社会人経験を積んだ人にとっても、経営における論理的思考力を養える重要なステップとなるでしょう。
人脈が広がり、コミュニケーション力も磨ける
MBAを取得する大学院は、異なるバックグラウンドや経験を持つ多様な学生が集まる場でもあります。
学びの環境でありながら、貴重な人脈を築き、個人的なつながりを広げていくことが可能です。
卒業後も同窓生や教員とのネットワークを通じて、実際のビジネスに有益な情報を得る機会にも期待できるでしょう。
また、多くの大学院では、ビジネスに必要な「コミュニケーション」に焦点を当てたプログラムも取り入れています。
チームワークやリーダーシップを養うためのグループディスカッションがその一例です。
MBAを取得する過程でコミュニケーション能力が磨かれ、他者と協力して目標を達成する「人間力」が培われます。
MBA取得者は、経営の知識・スキルを身につけた人材というだけでなく、論理的思考力と人間力を兼ね備えたリーダーシップの象徴として評価されるでしょう。
MBA取得者は転職で有利になる?
MBAを取得すると転職において経験+知識を加えることで有利になる可能性はあります。その為、取得しただけで有利・評価されるものではありません。
以下にそれぞれの事例を挙げてみます。
有利になるケース
20代で取得する場合
20代でMBAを取得すると、高いポテンシャルの側面への期待・評価から選択肢が広がります。
コンサルティング会社をはじめ、経営トップがMBAホルダーの場合、若くしてMBAを取得した人材を積極的に採用する傾向があるためです。
例えば、営業からコンサルティング業界に転職するなど、異なる業界や職種へのキャリアチェンジが容易になるでしょう。
外資系企業に転職する場合
外資系企業では、MBA取得者に対する評価が高い傾向にあります。
特に米国を含む海外では、MBAは高い知識と経験を象徴するものとして認識されています。
海外のトップクラスのMBAを取得した場合、外資系企業においてその価値はさらに高まり、給与やキャリアパスでの優遇に期待できます。
有利になるとは限らないケース
日系企業に転職する場合
一方で、多くの日系企業ではMBA取得者に対する評価が限定的です。
日本の企業文化は、学歴や資格よりも実務経験と職務遂行能力を重視する傾向があります。
そのため、MBA取得者であっても必ずしも転職で有利になるとは限りません。
特に、MBAを取得した学校やプログラムが日本での知名度が低い場合、その価値はさらに下がる可能性があります。
志向するキャリアとMBAのニーズがマッチしない場合
自身が目指すキャリアの分野と、その分野でのMBA評価との不一致も考えられます。
MBAプログラムは幅広いキャリアの機会を提供しますが、志向する業界や分野でMBA取得者の評価が低い場合、転職ではあまり役立たないかもしれません。
企業文化や業種の専門性なども含めて、MBA取得が活かせるキャリアを選択することが肝要です。
MBAを活かせる求人事例
Big4系会計コンサルティングファームのTransaction Services部門
仕事内容 |
・財務DD ・株式売買契約書等、ストラクチャーに関するアドバイス ・セルサイド・サービス ・ポストディールサポートサービス など |
必要な経験・能力 |
・公認会計士、会計士全科目合格者 ・USCPA ・MBA(但し会計のバックグラウンドが必要) |
想定年収 |
500万円 ~ 1,000万円 |
監査とコンサル(アドバイザリー)の両立
仕事内容 |
特定専門領域に対して監査およびアドバイザリー(コンサル)業務 スキーム提案~施策の立案・企画・実行まで、一連のコンサルティング業務 |
必要な経験・能力 |
・公認会計士有資格者 ・医療系MBA取得者 |
想定年収 |
500万円 ~ 900万円 |
MBAの取得方法
MBAの学位を取得するためには、大学院(ビジネススクール)でプログラムを受講し、所定の単位を修得する必要があります。
取得する方法は、通学制のフルタイムMBAやパートタイムMBA、オンラインMBA、エグゼクティブMBAなどを選択できます。
以下にそれぞれの特徴を見ていきましょう。
フルタイムMBA
平日の昼間に通う全日制スタイルのプログラムです。
入学者のほとんどが、学生同士のグループワークやディスカッション、インターンシップなどの活動に専念します。
履修期間は1〜2年となっており、早期にキャリアを始めたい学生や、仕事を抱えていない人に適しています。
パートタイムMBA
抱えている仕事や他の活動と並行して受講することができます。
夜間や週末にクラスが設けられているので、通学でも自分のペースで学べることが利点です。
既存のキャリアを続けながら学位取得を目指す人に向いています。
オンラインMBA
近年、オンラインでMBAが学べるプログラムの人気が高まっています。
動画講義やオンラインディスカッション、実践的なプロジェクトなど、さまざまな教育手法を組み合わせていることが特徴です。
海外のMBAもオンラインで受講できるため、地理的な負担をかけずに学位を取得したい人にとっては魅力的でしょう。
エグゼクティブMBA
このプログラムの特徴は、豊富な実務経験を持つビジネスリーダー向けに設計されていることです。
パートタイムMBAと同様、週末や集中セッション形式で実施されており、仕事との調和が取れるようになっています。
管理職に向けた講義も含まれており、対象年齢は30代半ば~50代のミドル層が中心です。
これらのMBAプログラムは、異なる形態やスケジュールで提供されていますが、ビジネスと経営に向けた視座は共通しています。
MBAを取得する際には、自身のキャリア目標やライフスタイルに適したプログラムを選択することがポイントです。
まとめ
MBA取得者が転職で有利になるケースは、20代で取得する場合や転職候補先の経営トップがMBAホルダーの場合、そして外資系企業などが該当します。
MBAを取得するメリットは、論理的思考力やコミュニケーション能力など、ビジネスのさまざまな局面で重要なスキルが身につくことです。
なによりも、ビジネスや経営に関する幅広い知識とスキルを修得できることは、今後のキャリアを見通す上でも有益です。
自身のキャリア目標とMBA取得の利点をマッチさせて、MBAという学位をうまく転職に活かしていきましょう。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、大手出版系企業を経て現職へ入社。
主に大手・新興上場企業を対象とする法人営業職を4年、キャリアアドバイザーとして10年以上に及ぶ。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ コンサルティング ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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