法務・知財人材として転職する際の基礎知識!重要な資格やキャリアパスなどを解説!
法知識を駆使して企業利益の最大化を図る法務部・知財部で働くには豊富な専門知識を身に付けている必要があるため、 転職を希望する人材には高いスキルが求められますが、 いざ転職活動に取り組んでみようと思っても具体的にどういったスキルが必要であるのか見えづらいものです。
この記事では法務・知財職での転職を希望する方のために、転職の際に役立つスキル、 転職後のキャリアプランなどをご紹介していきますので、今後の参考にしてみてください。
法務・知財での転職の際に有利な資格は?
転職活動の際には採用担当者に向けて自分がどのような知識・経験を持っているのかを如何にアピールするかがポイントになります。
その際、今までの業務経験等をお話頂く事になるかと思いますが、 客観的に知識を有することの証明となる資格も有力なアピール材料となります。
どのような法務知識を習得しているのかわかりやすく、その知識を確かに持っていると判断できるため、 採用担当者は自社の求めている人材にマッチするかどうか参考にしやすくなるからです。
企業によって求められる法務の知識やスキルが異なりますので、以下に高い評価受けやすい資格7つピックアップしてご紹介します。
弁護士資格(日本)
ご存じの通りの法曹国家資格です。
弁護士資格をお持ちであれば、ご経験を問わず企業からは高く評価されます。 採用決定に至る可能性が他の資格と比べ圧倒的に高く、 法律分野の資格では最大の武器と言える高度な資格です。
弁護士資格(海外)
どの国の資格をお持ちかにより異なりますが、一般的にその国の資格取得をできるだけの語学力と、 国は違えど法律に関しての高い知識をお持ちの方という評価になります。 特に、米国弁護士資格は英語力、中国律師は中国語での点で評価の裏付けにもなり、 また、各国とビジネス展開と進めている企業にとっては現地国の法律知識をお持ちであることが大きな評価対象となってきます。
ビジネス法務検定
ビジネス法務検定では、企業間取引に関する法律知識を得る必要がある資格です。
2級以上になると、国際紛争に関する知識など、実務の枠を超えた民法や商法などアカデミックな知識が問われ、 3級は、ビジネス現場で頻出する法律の基礎知識や対応について体系的に学ぶための入門的なもの資格です。 3級に関しては実務上でよく直面する取引上の知識を得る必要があるため、資格を取得しておくと、 法律に関する知識の裏付けとして企業がプラス評価にする場合も多いです。
弁理士
知的財産に関して国内で最も難易度の高い資格です。
弁理士は特許権や実用新案、著作権をはじめとする知的財産に関する専権業務事項を持つ専門家です。
特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの知的財産権を取得するために特許庁に手続きを行ったり、 自社の知的財産権が侵害されたときの対応を行ったり、 自社が他者の知的財産権を侵害していないかどうかチェックするなどの業務に従事します。
独立開業できるほどの専門的な知識を有していることから、弁理士を取得している人材を高く評価する企業は多々あります。
知的財産管理技能検定(R)
知的財産管理技能検定(R)は知的財産を管理する技能の習得レベルを測定・評価するための資格であり、 同資格を取得していれば、技術やブランド、デザイン、 コンテンツなどの知的財産をマネジメントするための業務に従事するための知識を有していることの証となります。
3級から1級まで分かれており、もっとも難易度の高い1級は特許専門業務・コンテンツ専門業務・ブランド専門業務の3つに分かれています。
ビジネス著作権検定(R)
ビジネス著作権検定(R)は著作権に関する知識を問う検定試験であり、BASIC・初級・上級に分かれています。
BASIC・初級はそれほど難しくなく、得られる知識も基礎的な内容なので上級を取得すると法務部への転職に活かしやすくなります。
上級に合格するには著作権の利用における問題点を発見し、解決するための知識も必要となり、実務に直結する学習内容となっています。
個人情報保護士
個人情報保護士は個人情報の保護に関する専門家です。
個人情報の流出は企業イメージを大きく損ないますので、多くの企業が個人情報保護に力を入れており、 個人情報保護法やマイナンバー法の知識、 個人情報も含めた情報セキュリティ対策について実務に活かせる専門的な知識を持つ個人情報保護士の資格を取得していると 高い評価を受けるケースも少なくありません。
採用担当者が求める法務・知財の人物像とは
法務で活躍する人物像の条件としてまず挙げられるのが現状に満足しない成長意欲を兼ね備えているかという点です。
法務は専門的な法知識を身に付ける必要があり、かつ、時代と共に変わりゆくものになりますので、 常に自発的に勉強して知識を積み重ねていかなければなりません。
そして、知識をアウトプットする際には細かな箇所までケアするための注意深さも要求されます。
たとえば契約書をチェックする場合、先々のトラブルの種となり得る箇所がないかどうか隅まで確認しなければなりませんし、 その判断においては“なぜそのままではいけないのか”、“どのようにすべきなのか”といった論理的な判断も要求されます。
法務担当者は法律面から企業活動における利益の最大化をサポートするのが仕事ですが、 常に高い倫理観を持って自社の主張が通るように講じる必要もあります。
コンプライアンスに社会が厳しい目線を向ける昨今の状況下でも、企業活動がスムーズに進められるよう、 時代の変化への対応力も重要な要素となっています。
想定される法務・知財のキャリアとは?
法務・知財担当者としてのキャリアパスは大きく2つの道に分けられます。
法務スペシャリストとしての道
特定の領域に絞ってキャリアを積み重ねていくことによって高い専門性を得られるため、 そのスキルを活かせる環境であれば高い評価を受けやすくなります。
たとえば、契約法務のスペシャリストであれば、 法務担当者にとって馴染みのある業務についてスキルを高めていくので決して難しいキャリアパスではありません。
しかし、汎用性があるからこそ自分の人材価値をより高めるために、 ある業界やビジネスに特化したスキルを身に付けておくのが理想的です。
また、知財法務のスペシャリストであれば、 法務部とは別に知財部を設けている企業もあるほど専門性の高い分野に特化したキャリアを積み重ねていくことができるので、 より有利なキャリア形成を図れます。
その他では法律関連の資格を取得し、その専門領域の範囲内でスペシャリストを目指す方法もあります。
法務ジェネラリストを目指す道
ジェネラリストは広範囲の業務を担うことで、幅広い知識を身に付けていくことができますので、 最高法務責任者やジェネラルカウンセルといったポジションに就いたり、 マネジメント職として経営陣に加わったりといったキャリアもプランニングできます。
幅広く活かせる専門性を持っている人材と評価されるので、異なる業界や業種への転職にも優位性を持ちやすくなります。
担当業務が細分化されている大企業ではスペシャリストが、 広範な業務を担当する中小企業ではジェネラリストが育ちやすい傾向があるため、 自分のキャリアパスをイメージしながら、そのゴールに向かっていくことができる先であるかどうか熟慮して転職先を選ぶ必要があります。
単独で法務部を構えていない中小企業の場合には、法務以外にどのような業務を担当するのか把握しておくと、 後々のミスマッチを避けやすくなります。
まとめ
法務担当者としてキャリアを積んでいくためには転職活動の時点で相応の法知識を身に付けておかなくてはなりませんし、 転職後も日々自己研鑽に努めていかなくてはなりませんが、それらの日々を通じて得られる専門性は人材価値を確実に高めてくれます。
しかし、専門性の高さはキャリアパスの変更を難しくしてしまう点に注意が必要です。
法務ジェネラリストを目指したかったのに、大企業のように狭い範囲を専門的に取り扱う法務部に入ってしまえば ミスマッチを覚えてしまいますので、事前に入念な情報収集が必須です。
外から業務内容の見えづらい法務部に関する情報収集を行うには転職エージェントの利用がおススメです。
転職エージェントは豊富な情報を持っており、就業した後のイメージをしっかり持てるため、 より精度の高い転職活動ができるようになります。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、製薬会社へ勤務。主に病院、クリニックのお医者様へ新薬の情報提供に従事。MS-Japanに転職後は、キャリアアドバイザーとして転職活動を支援。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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