2023年06月01日

五大法律事務所の出身大学 学歴は有利なのか?

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日本国内の法律事務所には、いわゆる「五大法律事務所」と呼ばれる、以下の大手事務所があります。

○西村あさひ法律事務所
○長島・大野・常松法律事務所
○アンダーソン・毛利・友常法律事務所
○森・濱田松本法律事務所
○TMI総合法律事務所

これらのうち、TMI総合法律事務所を除く事務所は、もともと四大法律事務所として知られており、東大卒弁護士の割合が多いという特徴があります。
五大法律事務所で働く場合、やはり出身大学・学歴が有利に働く点は否めないのでしょうか。
この記事では、五大法律事務所で勤める際の、出身大学・学歴の優位性について解説します。

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五大法律事務所の出身大学

五大法律事務所において、東大出身者の割合は全体の中でも突出して多く、次いで慶応義塾大学・中央大学などが多くの割合を占めます。
例外的に、TMI総合法律事務所では東大出身者の数はそれほど多くなく、海外の大学を卒業した弁護士もいて、キャリアも様々です。

法科大学院に関しては、こちらも東京大学法科大学院の卒業生が多数派で、次いで慶応・早稲田・京都と続きます。
しかし一方で、予備試験合格者も一定数存在していることから、必ずしも法科大学院の卒業が評価されるとは限らないと言えます。

全体を通して見ると、やはり五大法律事務所の出身大学・法科大学院を見る限り、高学歴の人材が多数派である点は否めません。
ただ、勤務弁護士それぞれに特色があるのもまた事実で、それだけが採用を決定する要因とも言い切れず、予備試験のような「当人の実力を図る」試験が重視されている傾向も見られます。

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学歴よりも予備試験合格が大事

司法試験という試験の仕組みから考えると、単純に最終学歴だけで採用を判断するのは難しい部分があります。
というのも、司法試験合格者の割合を多数占めているのは、東京大学法科大学院を差し置いて「予備試験合格者」であるという、厳然とした事実があるからです。

法務省の統計「令和4年司法試験法科大学院等別合格者数等」によると、数ある法科大学院の出身者よりも、司法予備試験合格者の合格率が圧倒的に高く、出願者410人に対して合格者は395人、割合にしておよそ96.3%が司法試験に合格しています。
以下の通り、最終合格者数を100人以上出している法科大学院に絞って割合を比較すると、総じて予備試験合格者よりも低い結果となっています。

出願者数 合格者 割合
司法予備試験合格者 410人 395人 96.3%
京都大学法科大学院 189人 152人 63.0%
東京大学法科大学院 212人 174人 55.2%
慶應義塾大学法科大学院 197人 167人 52.8%
早稲田大学法科大学院 251人 167人 41.4%

このような結果が生まれる一因として、予備試験で問われる内容が非常に幅広く、しかも司法試験と似通った分野も少なくないことが挙げられます。
予備試験は古くから司法試験合格の登竜門となっていることもあり、予備試験を突破した人材は高く評価されます。

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司法試験の成績は足切り要因になる

司法試験の成績は足切り要因になる

五大法律事務所への就職に関しては、学歴・キャリア以外にも重要視されている点があり、特に司法試験の成績は書類選考時の足切り要因となります。
逆に言えば、成績の如何を問わず面接まで話が進めば、その後は面接の結果が重要視されます。

言い換えれば、どんなに良い大学を出ていても、どんなにレベルの高い法科大学院の出身であっても、成績が悪ければ採用されない、ということです。
司法試験の成績と法律面での実力は必ずしもマッチせず、教養や思慮深さも含めた人間性も面接では評価されますが、それ以前の段階で足切りされる可能性があることは頭に入れておく必要があります。
さらに言えば、採用の基準というのは弁護士事務所で様々です。
五大法律事務所では、確かに東大卒が多いという特徴はあるものの、予備試験合格者の割合も多く、法科大学院卒業前の段階で司法試験に合格した人材も採用されています。

予備試験合格者のみを対象としたインターン・プログラムも行われており、学歴以上に実力が問われている傾向が強く、法律事務所側から「採用後にきちんと働ける人材かどうか」を総合的にチェックされていると考えた方がよいでしょう。
卒業大学・法科大学院は就職の決定打にはなりませんから、どのようなキャリアからでも「司法試験に良い成績で合格する」実力を身に着けることが、就職を決める近道と考えた方が賢明です。

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出身大学よりも面接での印象が大切

法律事務所の人材採用において、結果だけを見ると学歴が少なからず関係しているように見えます。 しかし、最終的に人が人を採用する評価軸は、求職者の人間性にあります。
例えば、司法試験の成績が足切りに影響していることは避けられないとしても、何回目で合格したかはそこまで重要視されない傾向にあります。
弁護士は、総じて頭が切れる人材ばかりが採用されるイメージですが、同じ人間を相手にする以上、メンタリティや価値観に何らかの問題があれば、当然不採用となります。

人間関係の構築方法・問題解決まで何度でも立ち向かおうとするガッツ・社交性の高さ・法律系以外の特殊な能力など、実務で役立つ能力はたくさんあります。
そして、そのような長所を、採用する側は興味を持つものです。
また、いわゆる営業職のように、雄弁かつ元気のよい人材が法律事務所で必要とされているわけではありません。
口数少なくも的を射た回答ができる人材が、総じて評価される傾向にあります。
法律事務所が望む人材像に、面接の場で少しでも近づけた求職者のみが、最終的に採用を勝ち取るものと理解することが大切です。

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