法務マネージャーへ転職・昇格するためのポイント
法務職の仕事は、会社全体の問題に直結するシビアな内容も少なくないため、他部門とのスピーディーな連携と専門職的立場での対応が求められます。
その中で、他部門との「橋渡し」をする役割が、法務マネージャーに求められる大きな役割です。
法務職の業務とは思えないものに関わる場面も多く、法務部の社員の一人として働いていた頃に比べて幅広い分野に関与するため、そのギャップに驚く人も少なくありません。
この記事では、法務マネージャーとして転職・昇格するためのポイントについてご紹介します。
法務マネージャーとは?どのような仕事をしているのか
法務職の仕事は、「会社が法的利益を最大限得られるようにする」ことです。
そして、法務マネージャーは「会社が法的利益を最大限得られるよう、法務職の仕事にチェックを入れる」役職のため、法務部の矢面に立つポジションです。
会社によっては部長職・課長職と混同されますが、求められる「マネージャー」の意味を求人情報から読み解かなければなりません。
具体的には、法務部として一枚岩となるべくコミュニケーションを図る機会が増え、会社全体を見通す目が求められます。
また、マネージャーになると決裁する立場になるため、部下の仕事を確認・判断してフィードバックする時間も確保しなければなりません。
実際の業務の流れとしては、各担当が行っている仕事につき、不備や問題がないかどうかをチェックして、自分の案件も進めるといったニュアンスになるでしょう。
法務マネージャーに求められる資質やスキル
マネジメントを行う立場のため、法務職として一部の仕事に長年携わっていただけでは、スキルを満たしているとは言えません。
会社・グループを成長させる法的なサポートを行うため、法務部のすべての業務に精通しなければなりません。
法務フローを見直したり、M&A・知的財産の活用に関する戦略法務に携わったり、より大きな視点で仕事に取り組むようになるでしょう。
法務マネージャー等の役職に就いてからは、顧問弁護士とやり取りをする場面も次第に増えていきます。
弁護士の立場で考えたアドバイスを実際の企業活動に活かさなければならず、法的知識に加え柔軟な思考力も問われます。
海外進出を想定している、または海外に事業所がある会社の場合、現地の言語に精通していることも必要スキルとなるので、転職の際はしっかりと求人を確認しましょう。
法務マネージャーに転職・昇格するためには
法務マネージャーの役職に就くためには、自分が取り組んでいる法務の仕事以外で「横に目線を広げる」ことが大切です。
決裁を行う立場になれば、自然とメンバーを評価する場面に遭遇するため、他のメンバーが何をしているのか把握できるよう、業務内容を深く理解する必要があります。
一つひとつのスキルを可視化して、それを評価できるような仕組みを作るためには、法務の全体像が見えていなければなりません。
各種実務を学ばなければ、全体像はなかなかイメージできないため、最低でも5年以上の実務経験を求める会社も少なくありません。
よって、法務マネージャーとして転職・昇格を決めるためには、法務職を業務ベースではなくフレームとして理解できるだけの経験を積む必要があります。
一つの会社で、法務に関わる複数の業務を経験した方が評価につながりやすいと言えるでしょう。
法務マネージャー職後のキャリアプランとは
法務マネージャーという役職は、会社によって立ち位置が変わってきます。
主任・係長レベルの業務にとどまる場合もあれば、課長職以上の業務を求められることもあります。
特定のクライアントについて業務をこなすケースもあり、そのような場合、極めて専門的なスキルが求められると考えてよいでしょう。
法務マネージャーを経験後、さらにキャリアアップを目指す場合、経営層を目指すのも選択肢の一つでしょう。
ただし、これは他部門のマネージャーとの競争にも勝つ必要があり、かなり狭き門といえるでしょう。
また、転職時点から法務マネージャーとして役職に就ける求人もあるので、より条件の良い企業に転職するのも一手です。
まとめ
法務マネージャーとして転職・昇格を果たすには、法務職の各業務に従事するだけでなく、会社の法務全体を枠組みとして考える能力が求められます。
他の社員を評価する立場になることから、決裁を回せるだけの知識・経験・判断力も必要です。
一つの会社で実務経験を積み、法務とは何なのかを様々な視点で答えられなければ、新たなステージへの扉をこじ開けることはできません。
弁護士とのやり取り・戦略法務など、会社にとって必要な知識・考え方をカスタマイズする想像力が求められる場面も増えるでしょう。
職務をやり遂げキャリアを積めば、その先にはよりハイレベルな環境が待っています。
法務マネージャーの立場をゴールとせず、より上に行くためのスタートラインと考える姿勢が、法務マネージャーへの転職・昇格への道標となるはずです。
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