2025年09月17日

法務求人の想定年収調査 2025|年収から考えるキャリア戦略

法務職の平均年収は、令和6年賃金構造基本統計調査において「481万円」※と公表されています。
しかし、法務としての転職を検討する際は、この平均額だけでは判断材料としては不十分です。

というのも、法務の年収は、担当業務の範囲や経験年数、役職の有無、企業の規模や上場状況などによって大きく異なるため、全体の平均値では、自身のキャリアスキルに見合った適正な年収水準を把握しづらいのが現実でしょう。

そこで当社では、法務職に特化した求人情報をもとに、年齢層・職位・企業規模・市場区分別に想定される年収水準を独自に分析しました。

※法務を含む「その他の一般事務従事者」の年収を算出

企業規模で異なる法務の役割

法務の年収は、単に年齢や役職によって上下するのではなく、「企業規模」によっても大きく左右されます。
なぜなら、企業の規模が大きくなるほど法務部門が整備され、役割の専門性や役職の幅が広がるからです。

企業規模 特徴 役職範囲
50名
未満
企業に法務担当はおらず、外部に委託しているケースが多い 人事総務担当
50名
以上
法務専任のポジションは稀で、”総務法務”など兼任していることが多い 総務法務担当
100名
以上
「1人法務」として専任者が配置され、1人で法務領域を幅広く見る 1人法務
500名
以上
「法務課」として、法務課長を筆頭にチーム体制で分業化される 一般~
法務課長
1,000名
以上
「法務部」が独立し、高い専門性と戦略的な役割を持ちはじめる 一般~
法務部長

このように、企業規模が小さいうちは法務の役割が明確に存在せず、他部門と兼務されるケースが多いため、役職の上限も低く、年収の上振れは限定的です。

一方で、規模が大きくなるにつれて法務部門の体制が整い、キャリアパスが明確になるため、課長・部長・役員候補といった高位職に就くチャンスが増え、年収も大幅に上昇します。

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20代法務の想定年収

20代×非管理職(スタッフ・リーダークラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 554万円 600万円
上場子会社
未上場 538万円

20代の非管理職では、上場/未上場、企業規模の違いによって年収の差はあるものの、他の職種に比べると全体としてそこまで大きな開きはありません。

20代×管理職(課長・次長クラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 631万円 669万円 863万円
上場子会社 621万円
未上場 586万円

20代での管理職は稀なケースですが、従業員1,000名以上の上場企業で860万円台の年収が提示されるなど、突出した水準が見られます。

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30代法務の想定年収

30代×非管理職(スタッフ・リーダークラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 626万円 688万円
上場子会社
未上場 547万円 663万円

30代の非管理職では、年収は20代より50〜80万円程度上昇しており、特に上場企業では700万円に迫る水準となっています。
あくまで中央値ですので日本を代表する大手企業では900万円を超えるオファーも多数見受けられます。

30代×管理職(課長・次長クラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 738万円 835万円
上場子会社
未上場 694万円

30代の管理職では、中小企業でも30代で年収700万円を超える水準となっており、役職の有無が年収に与える影響が顕著になってきます。
こちらもあくまで中央値ですので日本を代表する大手企業では1,000万円を超えるオファーも珍しくありません。

30代×上級管理職(部長・将来の役員候補)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 807万円 829万円 898万円
上場子会社
未上場

30代上級管理職では、規模によって800万円から900万円が中央値となっていますが、大手企業では1,200万円から2,500万円といったオファーも散見されます。

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40代法務の想定年収

40代×非管理職(スタッフ・リーダークラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 692万円 803万円
上場子会社
未上場 615万円 758万円

非管理職でも、40代では30代に比べて年収がさらに上昇する傾向にあります。

40代で年収アップを目指す場合、多くは管理職への昇進が一般的な道とされていますが、非管理職のままでも年収を上げることは可能です。
特に大手上場企業などでは、特定分野の高度な知識や経験を持つスペシャリストとしての活躍が期待されており、その実績に応じた年収が支払われるケースも少なくありません。

40代×管理職(課長・次長クラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 814万円 911万円
上場子会社 725万円
未上場

40代の管理職は、同年代の非管理職と比較して、各セグメントにおいて年収が概ね100万円程度高い傾向があります。

これは、40代になると企業側が求めるマネジメント経験や部門運営のスキルがより重視されるためであり、30代に比べて経験や実績を積み重ねていることが評価されている結果といえます。
また、こちらもあくまで中央値ですので日本を代表するような大手企業では1,200万円を超えるオファーも珍しくありません。

40代×上級管理職(部長・将来の役員候補)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 967万円
上場子会社
未上場 925万円

40代の上級管理職の年収については、未上場企業で約925万円、上場企業で約967万円と、企業の市場区分による大きな差は見られませんでした。
これは、上級管理職が担う役割が、単なる専門知識やマネジメントスキルにとどまらず、経営そのものに直結するポジションであるためです。

企業規模や市場区分ももちろん重要な要素ではありますが、それ以上に「経営に対するスキルや才能」が重視されるため、今回のようなセグメントの分類では年収に大きな違いは現れにくい傾向が確認されました。
また、中央値ではなく日本を代表する大手企業にフォーカスを当てると、1,500万円から3,000万円といったオファーも散見されました。

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50代法務の想定年収

50代については、年収傾向が40代と大きく変わらないため、本記事ではデータのみを掲載いたします。

50代×非管理職(スタッフ・リーダークラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 716万円 907万円
上場子会社
未上場 593万円 791万円

50代×管理職(課長・次長クラス)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 878万円 963万円
上場子会社 739万円 772万円
未上場 900万円

50代×上級管理職(部長・将来の役員候補)

市場区分
/企業規模
100名未満
小規模
100~
1,000名未満
中規模
1,000名以上
大規模
上場 962万円 991万円
上場子会社
未上場 888万円
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データから見る法務の想定年収の傾向

法務の年収は年齢や役職だけで決まらない

法務職の年収は、単に年齢や役職によって自動的に上がるものではありません。
実際には、担当する業務の専門性や責任の大きさによって、大きく差が生まれます。

また、企業規模によって同じ役職でも担う業務範囲が異なる点にも注意が必要です。

たとえば「課長」という肩書きひとつをとっても、
中小企業では法務に加え、人事・総務など複数部門を兼任
大手企業では、より専門性の高い法務課のマネジメント
というケースが多いです。

こうした背景により、同じ「課長」でも年収水準には大きな開きが出ることがあります。

非管理職でも専門性があれば高年収が可能

一般的には、法務職においても役職が上がるにつれて年収水準は上昇します。
実際、非管理職から管理職、上級管理職へ昇進することで、同じ年代、企業規模であっても年収が段階的に引き上げられています。

一方で、非管理職のスタッフ層であっても、特定分野の専門性があればスペシャリストとして採用され、高い年収が提示されるケースもあります。
特に従業員1,000名以上の大手企業では、700~800万円台の年収レンジでの募集も見られ、その多くは、以下のような高度な法務領域に携わっている人材です。

ガバナンス
コンプライアンス
M&A
知的財産
グローバル法務 など

このような専門知識を有する人材は、マネジメント経験がなくても「法務のプロフェッショナル」として高く評価され、相応の待遇が用意される傾向があります。

上級管理職では、企業属性よりも「経営関与の深さ」が影響

部長職や役員候補といった上級管理職層では、企業の上場区分や従業員規模にかかわらず、900万円前後の水準に集中する傾向が見られます。
これは、年収が市場属性よりも経営レベルでの意思決定や法的リスクマネジメントへの貢献度によって決まるためです。

実際の提示年収にも大きなバラつきはなく、「どの企業に所属しているか」よりも「どのような役割を果たしているか」が収入に直結するフェーズと言えるでしょう。

法務求人選びのポイント

年収アップには「専門性 × 組織内ポジション」の意識が不可欠

法務職で年収を上げていくには、担当してきた業務の専門性と、企業内での役割の重さが大きなカギとなります。
契約法務や株主総会対応などの基本業務にとどまらず、事業戦略に関わるような業務(M&A、海外法務、内部統制など)を経験してきたかが問われます。

また、ポジションとして「経営企画・経営層との近さ」があるかどうかも、評価と処遇の大きな分かれ目となります。

将来的にマネジメントを目指すなら、30代のうちに実績を積む

管理職層の年収レンジを見ると、40代以降で大きく水準が上がっています。
一方で、そのポジションを得るためには、30代のうちにマネジメント経験を積んでおくことが必須です。

部下の指導だけでなく、部門運営や経営判断への参画経験があれば、キャリアアップ時の評価材料として非常に有利に働きます。

スペシャリスト型のキャリアも選択肢に

法務人材が全員マネジメントを目指す必要はありません。
特定領域に精通したスペシャリストとしての道も、企業規模や風土によっては高く評価される傾向にあります。

特に大手企業では、役職の有無にかかわらず、高度な専門性を持つ法務担当者を処遇する評価制度が整備されている場合もあります。
また、英語力を身につけることで、国際法務やクロスボーダー案件などの業務に関わる機会が広がり、結果として選択肢や年収水準の向上につながります。
実際、外資系企業やグローバル展開を進める企業では、語学力を評価基準の一つとして重視しており、同じ職務内容でも英語対応が可能な人材は高待遇で迎えられるケースが少なくありません。

そのため、自分が目指すキャリア像に合わせて、求人の評価基準や評価軸にも注目することが大切です。

\今の年収に満足していますか?/ 転職市場価値を診断してもらう

調査概要

調査対象:2024年4月~2025年3月に「MS Agent」に掲載されていた法務職の求人(未経験歓迎、IPO、年収下限と上限の差が600万円以上の求人を除く)
想定年収の算出方法:セグメントごとに求人の年収下限中央値、年収上限中央値を算出し、その平均値をそのセグメントの想定年収として適用
調査テーマ:「法務求人の法務年収調査 2025」
調査主体:株式会社MS-Japan

■■本リリースの転載・利用に関するお願い■■
本調査結果を掲載・利用される場合は、
出典「MS-Japan調べ(https://www.jmsc.co.jp/knowhow/topics/12611.html)」と明記をお願いいたします。

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まとめ

管理部門・士業特化型転職エージェント「MS-Japan」では、法務職の求人データに基づく市場価値の把握や、志向に合ったキャリア戦略のご提案が可能です。
ご自身の強みを活かした転職をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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  • #平均年収
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