2023年02月08日

【2022年~2023年】弁護士転職市場レポート

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弊社での求職者・転職決定者データに基づき、2022年の弁護士の転職市場について調べました。 この記事では、2022年の転職市場について求職者と転職決定者の視点から解析し、2023年の弁護士転職市場の予測を解説いたします。

2024年最新の弁護士の転職市場は【2024年最新版】弁護士の転職市場動向を徹底解説!をご確認ください。

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弁護士資格所有者の求職者が増える時期について

弁護士資格所有者の求職者が増える時期について

弁護士資格所有者の求職者が増えた時期は、1月と4月でした。
弁護士資格所有者には、法律事務所に所属している弁護士と企業法務に所属している弁護士の2種類あります。それぞれ分けて時期を確認すると、法律事務所に所属している弁護士は、1月と8月、企業法務に勤務する弁護士は4月と6月に求職者が増える傾向にありました。
法律事務所に所属している弁護士の求職者が1月と8月に増加した背景として、1月は4月入社希望の求職者が増える為、8月は裁判官が夏季休暇を取る関係で裁判が入りづらく弁護士が時間を確保しやすい為と考えられます。また、法務に所属している弁護士の求職者が4月と6月に増加している背景は、3月の決算業務を終えて、業務が落ち着いた時期であることが考えられます。実際に、弁護士資格の有無関係なく、2022年の法務の求職者は4月から6月に増加する傾向にありました。

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弁護士資格所有者の経験職種について

弁護士資格所有者の経験職種について

弁護士資格所有者の経験職種は、法律事務所が62.8%、法務が35.9%、その他が9.0%という結果となりました。昨今、弁護士の就職、転職先として、企業法務という選択肢が主流になってきていますが、求職者の経験職種においては、法律事務所が最も多いということが分かりました。

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弁護士が希望する職種とは

弁護士が希望する職種とは

弁護士資格所有者が希望する職種は、企業法務が最も多く、次に法律事務所という結果となりました。 従来、弁護士は法律事務所に所属することが一般的でしたが、昨今、企業法務で勤務する企業内弁護士の需要が高まったことから、法律事務所より法務を希望する求職者が増えました。
経験職種ごとに確認したところ、法律事務所に所属している弁護士は、希望職種に法務、法律事務所を入れている割合が同等でしたが、企業法務に勤務している弁護士は、法務を希望する割合が法律事務所を希望する割合の約2.5倍となりました。弁護士は、他の職種と比較して年収も高く、弁護士資格を所有している方にとって憧れの職種ではありましたが、昨今ではワークライフバランスの重視や企業内弁護士の待遇の見直しなどにより、企業内弁護士を希望する弁護士が増加したと考えられます。

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弁護士希望求職者の年収状況について

弁護士希望求職者の年収状況について

弁護士資格所有者の平均年収は923万円と、厚生労働省が2020年に公表している全世帯の年収平均が552万円より大幅に上回る年収となりました。
経験職種ごとに比較したところ、法律事務所勤務の弁護士の平均年収が890万円、企業法務勤務の平均年収は1085万円と法律事務所に所属している弁護士よりも企業法務に勤務する弁護士の方が高年収という結果となりました。法律事務所に所属している弁護士の中でも、所属している事務所の規模やクライアントの数、個人成績によって年収は大きく異なる為、企業内弁護士の方が高年収となったと考えられます。実際に、5大法律事務所と呼ばれる多くの弁護士が所属している法律事務所の平均年収は初任給で1000万円を超えるとも言われており、法律事務所に所属している弁護士でも年収に大きな差がある事が分かります。

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弁護士希望求職者の英語経験と年収の関係について

弁護士希望求職者の英語経験と年収の関係について

弁護士資格を所有している求職者のうち、約64%が英語経験ありと回答しましたが、英語経験の有無によって年収に大きな差はありませんでした。弁護士にとって英語力は、業務の幅を広げるという意味合いで大切なスキルです。海外の事業者取引が発生する渉外弁護士だけでなく、企業法務系の法律事務所でも英語案件がある為、高い英語力が求められます。しかし、英語力が年収に大きな影響を及ぼすわけではないため、所属している事務所や企業で英語力が求められる場合に英語力を磨くことが重要と言えます。

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弁護士希望求職者の年齢について

弁護士希望求職者の年齢について

弁護士資格を所有している求職者の平均年齢は36.4歳、また割合も30代が最も多いという結果となりました。
弁護士は、転職に当たって年齢の壁が低いと言われています。その理由は、年齢が高い弁護士でも専門分野でキャリアや実績を積んでいれば需要があるからです。また、法律事務所であれば、「ボス弁」と呼ばれる弁護士事務所の経営者や共同経営者との相性が重視される為、年齢を理由の転職が難しい可能性は低いと言われています。しかし、今回30代の転職希望者が増加した理由としては、弁護士のキャリアの中で転職を考える年齢は30代が多かったと考えられます。

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弁護士希望求職者の経験年数について

弁護士希望求職者の経験年数について

弁護士資格を所有している求職者の法務、法律事務所の経験年数は、平均が4.2年、また経験年数1年未満から4年と10年以上が多いことが分かりました。また、一般的に転職は入社から3年後と言われていますが、3年未満の求職者が全体の34%と多く、入社1年未満の求職者のうち88%が法律事務所所属であることから、法律事務所に所属している弁護士は激務などの理由により早い段階で転職活動を開始していることが考えられます。

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弁護士希望求職者の転職回数について

弁護士希望求職者の転職回数について

弁護士資格を所有している求職者の転職回数は、0回と1回が多く、経験転職回数が多くなるほど人数が少なくなることが分かります。弁護士の転職において年齢は大きく影響しないと先述しましたが、転職回数に関しては不利になる傾向はあり、特に日系の法律事務所や企業で強く影響します。20代であれば3回以上、40代であれば5回以上の転職経験があると多いと判断される可能性が高くなります。

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弁護士希望の求職者の特徴とは?

弁護士資格を所有している求職者には2種類おり、法律事務所に所属している弁護士が62.8%、企業法務に所属している弁護士が35.9%の割合となりました。しかし、転職で希望する職種は法律事務所よりも法務が多く、弁護士資格所有者の主要の転職先が、法律事務所から企業法務に変わってきていることが考えられます。その背景として、昨今、企業にとって法務の重要性が高まっており、法律に関してより専門的な人材を法務に置きたいという企業が増えていることが挙げられます。大手法律事務所を除くと法律事務所よりも法務の企業内弁護士の方が平均年収も高い傾向がある為、弁護士資格所有者も一般企業を選択する風潮となっていると考えられます。
また、弁護士の年収は他職種と比較して高い傾向にありましたが、英語経験の有無は弁護士に年収に大きな影響を及ぼさない可能性があります。弁護士の中でも、海外のクライアントを持つ法律事務所や海外との取引がある企業の法務では英語力が必要とされますが、弁護士の年収は個人実績などによって変動する為、英語以外でも専門分野に特化し実績があれば年収は上げられると考えられます。

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弁護士への転職が決定した方の職種について

弁護士への転職が決定した方の職種について

弁護士資格所有者の決定職種は、法律事務所が20%、法務が68.8%、役員・その他が11.2%という結果となりました。弁護士資格を所有している求職者の経験職種については、法務よりも法律事務所が多かったのですが、転職決定者の職種については、法律事務所ではなく企業法務に決定した割合が圧倒的に高いことが分かりました。また、求職者の転職回数の結果より、転職回数が少ない層には法律事務所経験者が多く、転職回数が多い層には法務経験者が多いと確認が出来ていることから、転職を機に法律事務所から法務へ職種を変更する方が多いと考えられます。企業法務の重要性が高まったことに加えて、ワークライフバランスを整える為に、激務と言われている法律事務所から比較的働き方が安定している企業法務へ職種転換をしていると予想されます。

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弁護士への転職が決定した方の平均活動日数について

弁護士への転職が決定した方の平均活動日数について

転職決定した弁護士資格所有者の活動日数は、平均が132.5日、中央値が77.5日という結果となりました。決定した職種で比較したところ、法律事務所への決定している転職者の平均活動日数は228.8日、法務へ決定している転職者の平均活動日数が103.0日と、弁護士資格所有者の活動日数は、法律事務所への転職の方が長期間かかる傾向であることが分かりました。法律事務所では、通常の業務に加えて採用を行っており、また人事の最終的な決定権が採用担当以外にある場合が多く、転職活動日数が長くなると考えられます。

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弁護士への転職が決定した方の年齢ついて

弁護士への転職が決定した方の年齢ついて

転職決定した弁護士資格所有者の年齢は平均が35.3歳という結果になりました。決定職種で比較すると、法務に転職決定した方の平均年齢は34.3歳、法律事務所に転職決定した方の平均年齢が33.4歳と職種による年齢の差は確認できませんでした。また年齢の推移に関して、弁護士資格を所有している求職者の年齢と同じ傾向がある為、弁護士資格所有者の転職において年齢は大きな影響を及ぼさないということが考えられます。弁護士資格自体が、難関な国家資格な為、弁護士資格所有者に転職市場は売り手市場であると予想されます。

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弁護士への転職が決定した方の決定年収について

弁護士への転職が決定した方の決定年収について

転職決定した弁護士資格所有者の決定年収は、平均が697.1万円、中央値が630万円と、全国の平均世帯年収552万円より100万円以上高いという結果になりました。これは弁護士資格が、日本で難関な国家資格であり、年収に影響を及ぼしていると考えられます。しかし、求職者データと比較すると年収700万円以上の層の割合が減少しており、求職者の年収よりも低い平均年収となっていることが確認されます。転職前の年収が高い求職者ほど、高年収の求人を狙う為、転職者、企業どちらも慎重になっていると考えられます。

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弁護士への転職が決定した方の資格について

弁護士への転職が決定した方の資格について

転職決定した弁護士資格所有者の他の資格に関しては、93.7%が弁護士資格以外の資格を持っていないことが分かりました。弁護士資格は、法律事務所、法務どちらにおいても最も相性の良い資格であり、法律に関する資格の中で最も難易度の高い資格である為、他の資格をあえて取得する必要がなく、弁護士資格以外の資格なしの転職決定者が多かったと考えられます。

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弁護士への転職が決定した方の英語力と決定年収について

弁護士への転職が決定した方の英語力と決定年収について

転職を決定している弁護士資格所有者の78.1%が英語経験ありという結果になりました。弁護士資格所有者の求職者では、英語経験ありが約64%であったため、英語経験がある求職者の方が転職に決定しやすいと考えられます。また、決定職種によって、転職決定者内の英語経験有無の割合に大きなさがなかったことから、法務、法律事務所の両方の職種で英語経験が転職の決定率に影響を及ぼしていると考えられます。

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転職決定している経験者とは

転職決定している弁護士資格所有者は、法律事務所より企業法務に転職する割合の方が多いことが分かりました。弁護士資格所有者の転職先の傾向が企業法務に変わっていること、また企業側も弁護士資格を所有している法務担当者や企業内弁護士を求めていると考えられます。
また、転職決定している転職者の特徴として、弁護士資格以外の資格は必要ありませんが、英語経験がある30代前後という傾向が確認されました。特に英語経験に関して、一般的に企業法務や企業法務系の法律事務所において英語スキルが重要視される傾向にある為、高い英語スキルが転職に有利になると考えられます。

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2022年の転職傾向を踏まえた、今後の傾向は?

2023年、弁護士資格所有者の需要は高く、転職先として考えられる法律事務所、企業法務ともに求人数は増加すると予想されます。法律事務所に関しては、大手法律事務所だけでなく、準大手や中堅の法律事務所でも弁護士数を増やしている傾向にあります。実際に、2023年1月1日時点で日本弁護士連合会に登録している弁護士の人数は45,005人と、2013年の33,624人と比較すると約1.3倍に増加しています。また、企業法務に関しては、コンプライアンス管理などの守りの役割と新規サービスの拡大に合わせて法環境を整える攻めの役割、両方でニーズが高まっています。法律に関して専門的な知識を有する企業内弁護士を雇うことで、企業としてより迅速な対応が出来るようになるため、企業法務での弁護士求人も増加すると考えられます。しかし、企業法務での需要が高まる分、英語力が弁護士に求められる傾向にある為、転職を検討している弁護士の方は、英語のスキルアップが重要です。

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参照: 日本弁護士連合会

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