2023年04月01日

【ブランクからの経理復帰】履歴書・職務経歴書の書き方は?志望動機はどうする?

経理職の仕事は専門的な知識と経験が必要で、中途採用においては実務経験者の採用が多い職種の一つです。
出産や育児、または別職種への異動などの理由で経理の仕事から離れてしまうと、時間経過にともないブランクを取り戻すのは難しくなると考えられています。
しかし、実務経験を積んでいれば、仮にブランクがあったとしても経理職として復帰できるチャンスは十分あります。

この記事では、ブランクを経て経理に復帰する人向けに、履歴書・職務経歴書の書き方志望動機のまとめ方について解説します。

ブランクがあっても経理に復帰できる?

大前提として、最後に経理として働いてからのブランクが長いと、現在進行形で実務経験を積んでいる人材に比べて転職活動の難易度は高くなります。
理由にもよりますが、一般的には3か月以上のブランクがある人に対して、採用担当者は「ブランクにより働くモチベーションが下がっていないかどうか」「ブランク前と変わらず働けるか」を気にする傾向があるからです。

しかし、3か月という期間はあくまでも目安であり、2か月より短いブランクでも採用を見送る企業もあれば、6か月以上のブランクがあっても特段気にしないスタンスの企業も見られます。

よって、ブランクがあることだけを理由に、経理職への復帰をあきらめる必要はないといえます。

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経理に復帰するためには

ブランクがある中で経理に復帰するためには、過去の仕事の復習知識のアップデートに力を入れるほか、転職における幅広い選択肢に目を向けることが大切です。
以下、詳細を解説します。

経験の洗い出しと知識のアップデートをする

過去の業務内容について自分なりに復習しておくと、面接時の質問にも的確に答えられるでしょう。
スペシャリストとして狭い業務分野を担当していた場合は専門知識を、ゼネラリストとして幅広い業務に従事していた場合は対応力をアピールできるよう、これまでの経験を振り返る時間を設けることをおすすめします。

また、経理業務と深い関係がある税法等の法律に関しては、改定状況を確認しつつ、実務書などに目を通して知識をアップデートすることが大切です。
より基本的な内容が不安な場合は、簿記検定試験の問題を解いてみて、知識の欠損や計算のスピード感を取り戻しましょう。

雇用形態や業務内容の範囲を広げる

転職先を検討する際は、多くの人が「過去に自分が経験した業種・業務内容」での求人を探すと思いますが、必ずしもそれが最適解とは限りません。
以前大企業で働いていた場合であっても、求人情報に記載されている業務レベルに自分が到達していない場合、転職を成功させるのは難しいでしょう。

転職活動において、スキル・経験不足とブランクの長さから苦戦が予想される場合は、例えば次のような求人を狙うのも一手です。

  • ・パート・派遣社員
  • ・他業務との兼任(経理総務など)

ブランクがあっても、パート職や派遣社員として働く中で仕事の感覚を取り戻せれば、次の転職時にその経験を活かせるはずです。
正社員登用の途を用意している求人があれば、そちらに応募するのもよいでしょう。
中には「紹介予定派遣」という派遣先企業への直接雇用を前提とした働き方もあります。
はじめは派遣社員として最長6か月勤務し、企業側と本人双方の合意した場合は正社員やパート職として直接雇用される仕組みです。

ただし、通常の派遣社員の求人よりも件数は少ないため、「紹介予定派遣」だけに絞って転職先を探すのは控えた方が良いでしょう。
また、派遣社員の時と直接雇用後の条件が違う場合もあるため、注意が必要です。

経理に限らず、バックオフィスの幅広い業務にも対応できる自信がある人は、いわゆる経理総務のような他業務との兼任が前提の求人も応募リストに含めると、内定獲得の可能性が広がります。

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ブランクがある場合の履歴書・職務経歴書はどう書く?

ブランクがある場合の履歴書・職務経歴書はどう書く?

履歴書・職務経歴書では、学歴・職歴の記載時に年月を記載しなければならないため、基本的にブランクを隠すような書き方はできません。
それを踏まえた上で、ブランクがマイナスにならないよう、書き方を工夫することが大切です。

履歴書の書き方

ブランクを履歴書に反映させる場合、単に年、月、学歴・職歴を記載するだけでは、履歴書を読んだ担当者がその通りの情報として受け取ってしまいます。
当然、ブランクの理由を面接で確認しようとしますが、企業によってはその段階で選考が終了してしまうおそれもあります。

よって、なぜブランクが生じたのか、その理由を履歴書に書き加えることが大切です。
以下、主な理由別に書き方をご紹介します。

病気・ケガが原因のブランク

学歴・職歴
平成
30年
4月 株式会社○○商事 入社
令和
2年
6月 病気療養のため 退職
※現在は完治し、業務にも支障がないと医師からも診断がありました。

なお、療養中に資格等を取得した場合は、その旨も学歴・職歴欄に記載しておくと評価される場合があります。

家族の事情によるブランク

学歴・職歴
平成
30年
4月 株式会社○○商事 入社
令和
3年
8月 家族の介護のため 退職
※父の介護をしていましたが、入所先が決まったため、業務に支障ありません。

家族の体調や介護の内容まで書き加える必要はなく、仕事に影響がなくなった理由を端的に説明すれば問題ありません。

その他の理由によるブランク

専業主婦をしていた期間が長いなど上記以外の理由がある人は、特筆すべき事項がない限り、離職理由に「一身上の都合により 退職」と記載するだけにとどめましょう。
ブランクの期間中に転職活動をしていたことも書き足しておくと、採用担当者から好印象を得られる可能性があります。

職務経歴書の書き方

職務経歴書にブランクのことを記載する場合、3か月以内のブランクに関しては記載の必要はありません。
これは、一般的に転職活動を終えるまでにかかる期間が3か月程度であることが理由です。

ただし、半年以上のブランクがある場合は、その旨を職務経歴書に記載した方がよいでしょう。
その際は、ただ「休んでいました」などと状況を説明するのではなく、その中で得られた経験を記載しておくと、採用担当者・面接官に興味を持ってもらいやすくなります。

以下、職務経歴書でブランクについて説明する際のポイントを、理由別にいくつかご紹介します。

転職活動に時間がかかっている(目安:半年以上)

・先に休息をはさんでから転職活動をしている旨を記載する
・キャリアプランの再構築や企業分析、スキルアップ目的の勉強などに時間をかけていたことを説明する

アルバイトをしていた

・あくまでも「つなぎ」であることを説明する
・アルバイト勤務の中で学んだこと、意識したことを書き加える

病気療養中だった

・現在は完治しており、業務に支障がないと医師から診断された旨を記載する
・資格取得等に向けて勉強した時間がある場合は、その点にも触れる

育児・介護中などの理由があった

・現在は勤務可能な旨を伝える
・病状等の詳細は記載不要

何等かの事情で働いていなかった

・なぜ働くに至らなかったのか、働くことを再度考えるようになったのか、具体的に記載する
・過去に経験した業務内容にチャレンジする場合は、その旨も記載する

いずれの場合も、端的に理由を述べるのではなく、その間に就労に向けて取り組んできたことを記載すると、採用担当者から一定の評価を得ることにつながります。

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ブランクがある場合の志望動機・自己PRはどうする?

ブランクを志望動機・自己PRに反映させる際は、そのブランク期間が「自分にとってマイナスのものではなかった」ことを、文章で明確に伝えることが大切です。
加えて、なぜ応募先を選んだのかについても触れ、勤務開始からすぐに貢献できる点については、必ず盛り込むようにしましょう。

以下、主なブランクの理由ごとに、志望動機・自己PRの例文をご紹介します。

家庭の事情でブランクができた場合

前職では経理職として、主に売掛金・買掛金管理に従事し、部分的ではありますが決算業務の経験もございます。
退職後は育児に専念しておりましたが、子供が幼稚園に入園したこと、日商簿記1級に合格したことをきっかけに、再び経理職としてキャリアを積みたいと考え、貴社を志望いたしました。


育児など、家庭の事情でブランクがある場合は、前職との関連性も含め育児の中で感じたこと・学んだことを志望動機に書き含めましょう。
可能であれば、自己PRとしてブランク中に取り組んだことや、その結果についても書き足したいところです。

体調不良でブランクができた場合

体調を崩し療養しておりましたが、現在は回復し、通常の生活を送っております。
前職では、ホテルチェーンの経理マネージャーとしてチームを率いておりましたが、業務に邁進する中で、心身の健康の大切さを痛感いたしました。
貴社の健康経営に関する取り組みを拝見し、従業員の健康を第一に考える貴社の姿勢に深く感銘を受けました。
特に、定時退社デーではなく「定時退社ウィーク」を設けている点など、ユニークな取り組みに魅力を感じております。
前職で培った経理・マネジメント経験を活かし、貴社の管理職候補として、組織の活性化と目標達成実現に貢献してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。


病名等は詳しく説明する必要はありませんが、面接で聞かれた際に答えられるよう、事前に準備しておいた方が安心できるでしょう。

正社員として働けずブランクができた場合

前職では、中古車販売店で総務経理として3年間勤務し、現在はスキルマーケットサイトにてフルリモートで経理業務に従事しております。
貴社と同業種のクライアント様の記帳代行を多数経験し、業務のDX化にも間接的に貢献した経験がございます。
貴社のダブルワーク・副業を推奨される柔軟な働き方に魅力を感じ、これまでの経験を活かし、多方面で即戦力として貢献したいと考えております。


現代では、経理として働くための選択肢は数多く存在しており、スキルマーケット・クラウドソーシングを通して自分のスキルを活かす道もあります。
正社員として働けないことをネガティブにとらえず、むしろその間にできることにチャレンジするスタンスは、企業も高く評価するはずです。

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ブランクがある場合の面接はどう答える?

面接の場面で、自身のブランクについてスムーズに回答するためには、次の3点を意識して回答するとよいでしょう。

ブランクの事情は簡潔に伝える

ブランクの理由について聞かれた際は、弁解しようとして話が長くならないよう注意しましょう。
介護なら「家族の介護」と、病気なら「体調不良」などと簡潔に伝え、現在は業務に支障がない旨を伝えれば問題ありません。

ブランク中に取り組んだことは積極的に伝える

ブランクの理由ではなく、ブランク中の自己研鑽について聞かれた場合は、履歴書・職務経歴書に記載した内容を補足するイメージで、積極的に説明しましょう。
キャリア形成のために努力してきたことを伝えられれば、マイナスイメージを払拭することにつながります。

嘘は言わない

ネガティブに解釈されやすい理由を伝えなければならない場合でも、決して嘘は言わないようにしましょう。
採用担当者・面接官は、応募者の嘘に敏感ですから、あくまでも事実をベースに今後の努力・貢献を誓うことが大切です。

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まとめ

ブランクのある応募者に対して、企業がマイナスイメージを持ちやすい部分は否めませんが、経理職への復帰は決して非現実的な選択肢ではありません。
すぐに正社員として転職を成功させるのは難しいとしても、雇用形態・業務内容の範囲を広げれば、応募できる求人が見つかるチャンスは多いでしょう。

履歴書・職務経歴書にブランクを記載する際は、理由を丁寧に説明した上で、現在は働く上で支障がないことを明確に伝えましょう。
また、ブランク中に努力してきたことは、嘘にならない範囲で面接でも積極的にアピールすることが大切です。

  • #経理の転職
  • #経理ブランク
  • #仕事復帰

この記事を監修したキャリアアドバイザー

長谷川 栞

大学卒業後、化粧品会社へ入社し美容部員として店舗販売業務に従事。
その後キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社し、
主に経理財務や会計事務所などの会計転職希望の方を中心に担当。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 税理士科目合格 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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