2024年05月29日

税理士補助ってきつい?未経験でも大丈夫?向いている人や求人例など

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「税理士になりたい」と考えている方は、まず税理士補助にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。税理士補助は、文字通り“税理士のサポート”を担います。
税理士補助として働きながら税理士試験合格を目指すキャリアプランは一般的な選択肢です。
しかし、会計業界はハードワークのイメージがあるため、「税理士補助もきついのでは?」と考える方もいるかもしれません。また、補助とはいえ複雑な税務業務に携わるため、「未経験では難しそう」と不安を感じる方もいるでしょう。

そこで、今回は税理士補助に焦点を当て、仕事内容やメリット・デメリット、向いている人の特徴などを詳しく解説します。
税理士補助の仕事に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

税理士補助の仕事内容とは

税理士補助の仕事内容は、多岐にわたりますが、原則として税理士の監督下で税理士の独占業務の補助的な作業を行います。
ここでは、税理士補助の具体的な仕事内容を見ていきましょう。

記帳代行(経理事務の代行)

経理担当者・経理専門の部署を置くことが難しいクライアントや、簿記・会計の知識に詳しい人材がいないクライアントから、「経理事務の代行」を委託されることがあります。

取引の記帳を代行する「経理事務の代行」は独占業務に該当しないため、税理士補助の業務です。
クライアントから取引の詳細を聞き取り、領収書・請求書等を受け取り、仕訳・伝票入力・勘定元帳の作成などを代行します。税務申告を念頭に置いて、決算書類の作成などの年次業務にも携わります。

人事・総務の代行

経理業務だけでなく、給与計算や年末調整などの「人事・総務業務の代行」を税理士補助が担当することもあります。

ただし、社会保険手続きに関しては、社会保険労務士の独占業務(1号業務)であるため、税理士・税理士補助による社会保険手続き代行は違法です。
そのため、クライアントから社会保険手続きの相談を持ちかけられた場合は、社会保険労務士を紹介することもあります。

巡回訪問

巡回訪問では、会計資料の受け取りや試算表・帳簿の返却と説明など、対面でしかできない仕事を行います。

繁忙期は、複数のクライアントを巡回訪問することも多く、限られた時間でミッションをこなせる能力が必要です。
税理士の独占業務である「税務相談」に該当しない範囲で、取締役・経理担当者への会計・税務上のアドバイスを行うこともあります。

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税理士補助の仕事はきつい?デメリットはある?

税理士補助の仕事はやりがいが大きい半面、人によっては「きつい」と感じる場合もあります。ここでは、その主な理由を4つご紹介します。

会計事務所のカルチャーが独特

会計事務所・会計業界は、一般企業と比べるとカルチャーが独特です。
税理士は「先生」という呼称で呼ばれ、年齢ではなく資格取得時の年度で上下関係が生まれることもあります。
そのため、今までフラットな雰囲気の企業で働いてきた人にとっては、働きにくい環境と感じる可能性もあるでしょう。

覚えることが多いが、教育体制が整っていないことも

会計事務所の転職市場は、経験者有利な傾向があります。
その背景には、特に個人会計事務所は人員が少なく、新人教育に時間を割けない体制であることが多いようです。
もちろん、一からじっくり教育する体制が整っている事務所もありますが、基本的には前任者や先輩の仕事を見ながら自身でキャッチアップしていかなければなりません。

繁忙期が長くプライベート・勉強の時間が取れない

会計事務所は、12月から翌年の5月までが繁忙期にあたります。その半年間は終電で帰って始発で家を出る日も珍しくなく、休日出勤せざるを得ない場合もあるでしょう。
ライフワークバランスが崩れ、働きながら税理士試験を目指している場合は、繁忙期に勉強時間を確保しづらい点もデメリットに感じる可能性があります。

クライアントの数字を扱うため、ミスが許されない

会計処理のミスがあった場合、税務署へ修正申告を行う必要が生じ、クライアントに多大な迷惑をかける恐れがあります。
責任が重く、ミスが許されない環境で働くことが、精神的にプレッシャーとして重くのしかかる人も多いでしょう。

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税理士補助の仕事は楽しい?メリットはある?

税理士補助は、前述の「税理士補助の仕事はきつい?デメリットはある?」で解説したデメリットがありますが、やりがいや楽しさを感じられる場面も多くあります。
そのやりがい・楽しさが、繁忙期を乗り切るための精神的な支えにもなるようです。

ここでは、税理士補助のやりがい・楽しさとして4つのメリットを解説します。

様々な企業の経営陣と直接やりとりができる・感謝される

一般企業では、幹部クラスでもない限り、経営陣と直接話をする機会は得られません。
一方で、税理士事務所のクライアントは比較的小規模であることが多く、「依頼主=経営者」であるケースがほとんどです。
そのため、税理士補助は様々な企業の経営者と直接やりとりするシチュエーションが多々発生します。

経営者とのコミュニケーションが良い刺激になるだけでなく、自身が行った節税対策が成功した際などに経営者から直接感謝されることもあり、税理士補助を行ううえで大きなやりがいになるでしょう。

様々な企業規模・業種の会計業務に携わることができる

会計事務所が担当する業務内容は、個人事業主・零細企業・中小企業などの幅広い企業規模や、様々な業種の会計業務に携わります。
例えば、記帳代行の場合、個人事業主が使う「事業主借/貸」といった独特の勘定科目、社内で決まっている摘要の書き方など、企業によって記帳のルールが異なります。
多種多様な会計業務の経験を積み重ねることで、今後の転職で自己アピールの材料になるでしょう。 過去に経験した業種については、一般企業への転職でもそのまま活かせるはずです。

税理士を目指している方は実務経験を積みながら勉強できる

税理士試験合格者が、税理士登録するためには、2年以上の実務経験が必要です。
試験合格前の経験も算入できるため、税理士補助として実務経験を積み重ねることで、合格後スムーズに税理士登録を進められます。

税理士補助の業務を通して、具体的な事例をもとに学習できるため、試験勉強の理解が深まるでしょう。
すでに税理士試験に合格している人が、同じ事務所で勤務していることも多いため、勉強・仕事の両面でアドバイスを受けられるのもメリットです。

科目合格による資格手当で給与が上がることも

税理士事務所によっては、税理士試験の科目合格によって資格手当がつき、税理士補助の給料がアップする場合もあります。
税理士になるためには5科目すべてに合格する必要がありますが、働きながら5科目をクリアするまでは数年かかるといわれているため、科目合格の資格手当は非常に大きなモチベーションになるでしょう。

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税理士補助に必要な資格・スキルは?

税理士補助として勤務するためには、どのような資格・スキルが求められるのでしょうか。

必要な資格は?

税理士補助は、税理士試験の合格が必須条件ではありません。求人の応募要件を満たしていれば、選考に応募は可能です。

ただし、簿記2級以上の合格者税理士試験の科目合格者などは、有利になる傾向があります。
特に未経験者の場合は、アピールできる実務経験がないため、経理・会計分野の資格を取得しておきましょう。

必要なスキルは?

税理士補助に求められるスキルの中で、もっとも重要度が高いのは、経理・簿記に関するスキルです。
クライアントの多くは中小企業で、記帳代行も含めた税務申告を税理士に依頼するため、税理士補助は「中小企業クラスの経理業務」のスキルが求められていると言えるでしょう。

また、巡回訪問では、クライアントから税法に関する質問を受けることも少なくありません。
税法の最新情報を押さえつつ、的確に回答できるコミュニケーションスキルがある人材は重宝されるでしょう。

パソコンスキルに関しては、Word・Excel・PowerPointなどをビジネス用途で使いこなせることが重要です。
特に、会計事務所は税務書類・資料等の作成に関してExcelを多用する職場なので、数式はもちろんマクロ・VBAも使えると評価が高まります。
さらに、巡回時は滞在時間に限りがあるため、マウスに頼らずキーコマンドやファンクションキーを使いこなした入力作業ができると業務効率化につながるでしょう。

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税理士補助は未経験でも働ける?

税理士補助の求人は、税務経験者や税理士試験合格者、科目合格者が有利になるケースが多いですが、未経験であっても就職・転職できる可能性は大いにあると言えるでしょう。
近年の税理士業界における人手不足により、未経験者への募集を行っている事務所が増えています。
不安な場合はパートやアルバイトからチャレンジするなど、未経験でも積極的に税理士補助を目指してみるとよいでしょう。

POINT

税理士補助の転職に資格は必須ではありませんが、簿記2級程度の経理・簿記スキルがあると有利です!
未経験で税理士補助になるためのポイントは下の記事をご確認ください。

税理士を目指していない人でも働ける?

パートやアルバイトの中には、税理士補助として働いているものの「税理士を目指していない人」も存在します。
特に子育てや育児が一段落した女性の復職先として人気があり、実際に主婦の方が未経験で採用されて活躍している事例も少なくありません。

なお、税理士を目指しながら税理士補助として働く人は、合格後に独立開業するケースが多いため、長期的に働ける人材が欲しい事務所では、あえて税理士を目指していない人を歓迎することもあります。

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税理士補助に向いている人は?

税理士補助として仕事をこなせている人材には、いくつかの特徴が見られます。
以下、税理士補助に向いている人の特徴をご紹介します。

経営に興味がある

経営に興味がある人は、経営者とのやりとりによって好奇心を刺激されるでしょう。
巡回訪問の場合では、会計以外のジャンルの相談を受けることもありますが、経営について勉強している人は有益なアドバイスを提供できるため、クライアントからの信頼を勝ち取ることにつながります。

数字に抵抗がない

会計事務所は、毎日数字を扱っているため、細かい数字の扱いや計算が抵抗なくできる人が向いています。
実際に行う計算の多くは加算乗除ですが、算出した数値の意味を正しく理解してクライアントに報告する必要があるため、分析力がある人も高い評価をされるでしょう。

細かい作業が得意

複数のクライアントの帳簿を正確に作成する必要がある税理士補助は、ミスがなく、細やかな部分にも気を配った仕事が求められます。
どんなにたくさんの仕事があっても、ポイントを押さえて正確に処理できる几帳面さが、税理士補助の必須スキルです。

コミュニケーション能力がある

複数人で大量の仕事をこなす会計事務所では、しっかりと連携がとれていることが、スムーズな業務遂行につながります。
特に未経験者の場合、協調性がある人材だと、先輩からも仕事を教えてもらいやすいでしょう。

学習意欲が高い

税務・会計の法令は年々アップデートされていくため、最新の知識を速やかに頭に入れる努力が必要です。
会計事務所では、最新の知識をキャッチアップできるよう、自分で時間を見つけて学べる人が重宝されます。

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税理士補助に向いていない人は?

税理士補助に向いていない人は?

反対に、税理士補助に向いていない人はどういった特徴があるのでしょうか。
以下、具体的な特徴をご紹介します。

地味な仕事が苦手

税理士補助の仕事は、あまり華やかとは言いにくく、むしろ「縁の下の力持ち」的な役割を要求されます。
そのため、コツコツと仕事を一つずつ積み上げていくような働き方が苦手な人は、避けるべき職種と言えるでしょう。

数字が苦手・物事の大枠をとらえる

細かい数字を追うのが苦手で、物事の大枠をとらえる人も、税理士補助には向いていないでしょう。
記帳代行や決算書作成などでは、数字の扱いが必要不可欠です。さらにその数字から分析する能力も求められます。

多くの人とコミュニケーションをとることが苦手

少数精鋭で仕事をする環境である会計事務所は、コミュニケーションも密になります。さらに巡回訪問では経営者層とのコミュニケーションが必要です。
誰かと話をすること、複数人と良好な人間関係を築くことが苦手な人は、別の職種を検討するのがよいでしょう。

学習意欲が低い

税理士補助は、税法について常に最新情報をキャッチし、勉強し続ける姿勢が求められます。
会計事務所によっては、事務所内で研修やセミナーなどを実施していることもありますが、自主学習は必要不可欠です。

飽き性

法改正など新しい情報はキャッチアップしていかなければならない会計業界ですが、基本的にはルーティンワークが要求されます。特に巡回訪問のない内勤者は、飽き性だとつらいと感じるでしょう。
税理士補助としてのやりがいを感じるためには、毎日のルーティンワークの中に、新しさや喜びを見出せる感性を育てる必要があります。

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税理士補助の求人例

弊社MS-Japanは税理士をはじめとする士業と管理部門に特化した転職エージェント「MS Agent」を提供しています。
ここでは「MS Agent」で取り扱っている税理士補助求人の一部をご紹介します。

横浜の中堅~大手税理士法人より、税理士補助/法人監査担当者募集

仕事内容
・顧問先巡回監査(一人あたり20社~30社を担当)
・会計データ入力、確認、修正
・税務申告書等作成
・その他税理士補助業務
必要な経験・能力
<必須>
・簿記2級程度の知識をお持ちで、会計事務所でのキャリア構築を希望されている方
<歓迎>
・会計事務所での実務経験者
・税理士科目合格者、有資格者
・金融機関出身者
想定年収
330万円 ~ 600万円

個人事務所より税理士補助スタッフ募集※残業時間なし、業務委託・パート可

仕事内容
法人税・消費税の申告書の作成
必要な経験・能力
法人税・消費税申告書が作成できること(企業規模・申告ソフト不問)
想定年収
400万円 ~ 700万円

この他にも、目指しているキャリア・働き方に合わせて様々な求人をご紹介可能です。

まとめ

税理士をサポートする税理士補助の仕事は、将来的に税理士を目指す方の大きな糧になります。

繁忙期のハードワークやミスが許されない環境下において、「きつい」と感じる場合もあるかもしれません。
しかし、様々な企業の経営陣と直接やりとりできたり、現場で税務の実務経験を積みながら資格取得を目指せたりといった魅力的なメリットもたくさんあります。
ぜひポジティブな面をモチベーションとして、税理士補助への就職・転職にチャレンジしてみてください。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

小島 亜里紗

大学卒業後、ウェディングプランナー、業界大手で求人広告の企画提案営業を経て、MS-Japanへ入社。
企業担当のリクルーティングアドバイザーを経験した後、現在は転職を考えられている方のキャリアアドバイザーとして、若手ポテンシャル層~シニアベテラン層まで多くの方の転職活動のサポートをしています。
人材業界での経験も長くなり、いつまでも誰かの記憶に残る仕事をしていたいと思っています。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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