FASS検定でAランクを取得するための勉強方法

FASS検定を受験してキャリアアップをしたいと考えている経理パーソンは多いでしょう。
FASS検定は、大手企業約50社の経理・財務幹部が開発協力しているため、大手企業の経理・財務では認知度が高いです。
BまたはAランクを取得していれば、経理の転職には有利になります。
この記事では、FASS検定でAランクを取得するための勉強方法をご紹介します。
FASS検定とは
FASS検定とは、経済産業省が2004年に開発した「経理・財務サービス・スキルスタンダード」に基づき、経理・財務の実務スキルを客観的かつ信頼性をもって測定するための検定試験です。
経理・財務人材の多くが取得する日商簿記検定と比較して、簿記の知識だけでなく実務スキルが測定できることが特徴です。
検定試験は年に2回、5月1日~7月31日と11月1日~1月31日の2つの期間で実施されます。
出題範囲は、
・資産分野 …売掛債権管理、買掛債権管理、在庫管理、固定資産管理、ソフトウェア管理
・決算分野 …月次業績管理、単体決算管理、連結決算管理、外部開示業務
・税務分野 …税効果計算業務、消費税申告業務、法人税申告業務、連結納税申告業務、税調査対応
・資金分野 …現金出納管理、手形管理、有価証券管理、債務保証管理、貸付金管理、借入金管理、社債管理、デリバティブ取引管理、外貨建取引管理、資金管理
となっています。
出典:経済産業省 経理・財務人材育成事業 公式サイト『検定の概要』
FASS検定のランクについて
FASS検定の結果は合否で決まるのではなく、800点満点で何点のスコアを取ったかにより5段階のレベルで以下の通り評価されます。
レベル | スコア | 評価 |
---|---|---|
A | 689点~ | 経理・財務分野について、業務全体を正確に理解し、自信をもって経理・財務部門の業務を遂行できるスキルをもっている。 |
B | 641点~688点 | 経理・財務分野のほとんどの業務を理解し、業務を遂行できるスキルをもっている。分野によって、知識の正確さに個人差があるものの、業務を妨げるようなことはなく、適切に対応できるスキルをもっている。 |
C | 561点~640点 | 経理・財務分野について、日常の業務を行うための基本的なスキルが身についているが、自己の経験以外の業務への対応力について差が見られる。日常の業務であれば、業務を理解して、支障なく対応できるスキルをもっている。 |
D | 441点~560点 | 分野によって、知識の正確性に差があり、不十分な部分が多いが、支援を受けながら、最低限の業務を行うスキルをもっている。 |
E | ~440点 | 経理・財務分野について、部分的にしか理解できていない。今後の努力を期待する。 |
出典:経済産業省 経理・財務人材育成事業 公式サイト『結果通知について』
FASS検定でAランクを取るための勉強方法
それでは、FASS検定でAランクを取るための勉強方法を見ていきましょう
「公式学習ガイド」の利用が基本
FASSでAランクを取るための勉強方法の基本は、検定主催団体の日本CFO協会が発行する「経理・財務スキル検定 公式学習ガイド」を利用することです。
公式学習ガイドは年度ごとに発行されています。
見開きの各ページが、左ページに問題文と選択肢、右ページに解答と解説が載っています。
FASS検定の毎年度の試験問題は、この公式学習ガイドから半数以上が出題されるといわれています。
したがって、経理・財務の知識がある程度ある人なら、この公式学習ガイドをみっちり勉強するだけで、Aランクを取ることができるでしょう。
全問を、答えを見ないで正解できるようにして、さらに正解以外の選択肢それぞれがなぜ間違っているのかまで理解しておけば確実です。
ただし、公式学習ガイドは毎年度違うものが発行されています。
試験年度と同じ年度のものを購入するようにしましょう。
参照:経済産業省 経理・財務人材育成事業公式サイト『FASS教材一覧』
必要に応じてテキストや問題集も
公式学習ガイド以外にも手を広げたい場合には、さまざまな会社からテキストも発行されています。
多くのテキストは、公式学習ガイドの単元構成と同じ構成になっています。
したがって、公式学習ガイドで問題を解いたら、テキストの同じ単元のところを勉強する、という形で学習を進められます。
また、問題集も発行されています。
もっとたくさん問題を解いてみたいという場合には利用してみるのもよいでしょう。
eラーニング教材もある
日本CFO協会からは、eラーニングの教材も提供されています。
資産・決算・税務・資金の4つのコースからなり、それぞれのコースで研修動画、演習問題、確認問題、および修了試験があります。
より本格的に勉強してみたい人にはおすすめです。
経理のキャリアアップにFASSは活かせる
FASS検定は、大手企業約50社の経理・財務部門マネージャーが協力して開発しています。
そのために、大手企業経理部の認知度は高く、日商簿記に加えてFASS検定の取得を社内で必須とする、あるいは奨励する企業は多くあります。
したがってFASS検定は、経理のキャリアアップに大きく活かすことが可能です。
BランクまたはAランクを取得していれば、経理の転職には有利になります。
まとめ
FASS検定は経理のキャリアアップに大きく活かせる検定です。
経理・財務の経験者なら、Aランクを取ることは不可能ではありません。
ぜひAランクを取得して、転職を有利に進めましょう。
他にも経理のキャリアアップに活かせる資格を知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。


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