2022年04月11日

公認会計士がコンサルティング業界に転身するための方法と転職後のキャリアパス

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公認会計士試験合格された方の大半は監査法人へ就職し、監査業務に携わりキャリアを積んでいかれます。
監査以外にもアドバイザリー部門へ異動して、アドバイザリー業務(IFRS支援、決算早期化、管理会計導入支援など)の経験を積む方もおられれば、クライアント先へ経理スタッフとして出向経験を積まれる方もおられます。

上記のように監査法人で長くキャリア形成をされる方もおられますが、一定程度監査法人での業務経験(修了考査合格後や主査経験など)を経て、一般企業へキャリアチェンジ転職をされる方や、税理士業界や会計ファームなどにキャリアアップ転職をされる方が少なくありません。

先述のとおりいくつか転職の選択肢がある中で、近年FAS系コンサルティングファームが公認会計士の転職先として人気があります。
監査法人での監査経験や会計士の知識を活かしながらキャリア構築をしていくことが可能です。

この記事では公認会計士のコンサルタントとしてのキャリアの選択肢と、コンサルタントになった後のキャリアについてお伝えしていきます。

公認会計士がコンサルタントに転職する場合の選択肢

FAS(Financial Advisory Service)

ファイナンシャル・アドバイザリー・サービスの略語で財務に関する専門的なアドバイスを行う業務や、業務を提供するコンサルティング ファームのことを言い、公認会計士がコンサルティング業界を目指す場合に最もポピュラーな選択肢といえるでしょう。

近年、企業のM&Aや組織再編、事業承継などが活性化するなか、より人気が高まっています。
大手監査法人ではFAS業務を専門に扱う別ファームがあり、知名度も顧客数も多く抱えていますが、それ以外にも準大手・中堅クラスの監査法人や独立系の税務・コンサル事務所や特化型のアドバイザリーファームも存在します。

税理士法人

会計事務所・税理士事務所を含め、法人個人の顧問先企業に対して会計や税務に関するアドバイスを行います。
公認会計士は税理士登録もできる国家資格ですので、会計事務所で独立を考える方は多い傾向にあります。

中堅以上の税理士法人や公認会計士が開業した事務所においては、一般的な税務顧問業務以外にも中小企業のM&Aや事業再生、組織再編、IPO支援など財務会計分野のアドバイザリー案件なども扱うこともあります。

「オールラウンドプレーヤーのように、顧問税務~コンサル業務まで幅広い案件を何でもこなせる公認会計士になりたい」という方や、将来独立開業を目指している方におすすめです。


戦略系コンサルティングファーム

近年、戦略コンサルティングファームでは、公認会計士を採用しようとする傾向が続いています。
新規事業の立ち上げや海外進出などのほかM&Aが増加の一途をたどっていますが、M&Aは公認会計士の強みを発揮していくうえで適した領域だといえるでしょう。

経営陣を説得させるための論理的な思考力も実務を通じて磨かれていくため、高度なコンサルティング能力を身につけたいと考える方にはおすすめです。


その他

その他に投資銀行、PEファンドなどの金融機関も選択肢に挙げられます。
投資銀行は、会計・ファイナンスの専門家として力を発揮でき、高い報酬を得ることができるため魅力のある転職先です。証券業務やM&Aの仲介が主な仕事内容です。

PEファンドの「ファンド」とは投資家から集めた資金を企業に投資し、リターンを投資家へ還元する仕組みのことを指します。
投資銀行や大手証券会社でM&Aに携わっていた人や、同業からの転職をする方が多い傾向にあります。
監査法人のルーティン業務とは違い、自分自身で業務を決定し、実行する必要がありますので、行動力やスピード感が非常に大切になってきます。 

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公認会計士がコンサルタントになるための方法


初めての転職であれば転職エージェントなどを活用するのがおすすめです。
複数のカテゴライズされた選択肢に中に、各ファームや事務所において事業内容や専門分野にかなり違いがありますので、すべてを自身で情報収集・判断するのは至難の業と言えるでしょう。

ファーム毎の特徴やそこで担当出来る顧客や案件、習得出来るスキルについて、事前に情報を得ておくことが重要です。

それを踏まえ、自身の興味度合いと照らし合わせながら大枠の方向性が決定出来れば、あとは対象となる案件に対して出来れば複数社アプローチを掛けていくのが良いでしょう。
相対比較することも重要ですので、面接で確認出来たファクトを元に、優先順位をつけていければ尚可です。

また、キャリアアップ転職の観点から、年齢軸も無視は出来ません。
監査法人経験から転職するのであれば、比較的早いタイミングでコンサルティング業界にキャリアを移すことが賢明です。

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公認会計士がコンサルタントになった後のキャリアパス

ここでは監査法人経験にコンサルティング業界での実務経験が付加された後のキャリアパスについてご案内します。
転職先によって強弱あれど、会計税務の実務処理や、M&A・再生・再編スキームの理解、税務知識など監査法人では得られなかった幅広い知識やスキルが身に付くため、それらを活かして以下のような選択肢が想定されます。


一般事業会社内での経営管理職・企画職

「インハウス会計士」といわれるポジションです。
経理部門での実務業務はさることながら、経理部門と直結する経営企画部門や内部監査部門などでもご経験が活かせます。

会計のスペシャリストとして頼りにされる存在であると共に、外部機関(金融機関や顧問税理士、監査法人など)との対応交渉においてもご経験を発揮いただける事でしょう。

キャリアの最終目標としてCFOを目指される方もおられます。


外資系企業での上位職

語学力に自信のある方は外資系企業で活躍できる選択肢もあります。
日本の公認会計士資格であっても、会計・監査のスキルは国境を越えて通用すると言われていますので、会計を通じて本国本体とのパイプ役という重要なポジションで活躍が期待され、アカウンタント担当に留まらず、管理会計・FP&Aを担っていただける存在も想定されます。


PEファンド

監査法人のルーティン業務とは違い、自分自身で業務を決定し、実行する必要があります。
そのため、行動力やスピード感が非常に大切になってきます。

戦略コンサルタントや投資銀行のM&Aアドバイザリー業務の経験などがあると良いでしょう。


ベンチャーキャピタル

一部のベンチャー企業やM&Aを行っている上場企業ではM&Aの専門部署がある場合があります。
そのためM&Aの経験がある人材は非常に重宝されます。

経理部門の分野だけではなく、人事やITを含めたバックオフィスの総責任者となるチャンスもあります


投資銀行

投資銀行では財務諸表を読み解く力は必要不可欠です。またファイナンスに関する専門的な知識も必要になります。公認会計士としての知識やスキルに加え、コミュニケーション能力、思考力、語学力など、あらゆるスキルが求められますので、スキルアップに繋がるでしょう。


独立開業

監査経験のみでも独立開業は可能ではあるものの、監査法人との監査契約一本足では、契約終了となった際のリスクは避けられません。

よって、中小企業や個人事業主のクライアントに対して提供出来る税務サービスやアドバイザリーサービスの経験を経てから独立される方が多くおられます。
定型定量的な顧問税務業務を手掛けつつ、スポットのM&A案件などを同じく独立した会計士の人脈を駆使して、チームを組んで取り組むといったスタイルも可能でしょう。

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まとめ

以上、公認会計士がコンサルティング業界に転職するための方法やキャリアパスについてお伝えしてきました。

監査法人から一般事業会社の管理部門へ大きくキャリアチェンジ転職をされる方と同じく、コンサルティング業界へのキャリアップ転職は公認会計士の転職先として非常に人気があります。
M&A業務、IPO支援、事業再生など企業の財務に関わるあらゆる業務に携わりますので、監査法人での経験やスキルも活用しながら、キャリア構築をすることができます。

会計のプロフェッショナルである公認会計士という強い国家資格を持っているからこそ、様々なキャリアの可能性・選択肢が想定出来る事がご理解いただけたものと思います。

この記事がコンサルティング業界に転職をお考えの公認会計士の方のお力になれば幸いです。

管理部門・士業の転職

この記事を監修したキャリアアドバイザー

河本 俊範

大学卒業後、食品メーカー営業を経て2005年MS-Japan入社。企業側営業担当を1年半経験し、以降はカウンセラー業務を担当。若手中堅スタッフの方から、40~50代のマネージャー・シニア層の方まで、年齢層問わず年間500名以上をカウンセリングさせていただいています。
企業管理部門全般~会計事務所など士業界、会計士・税理士・弁護士資格者まで弊社の特化領域全般を担当しています。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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