2024年05月07日

簿記2級があれば未経験でも転職できる!経理・会計事務所に転職する際のポイントも紹介

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未経験でも経理職や会計事務所に転職したいという方は多くいらっしゃいますが、知識や経験がない場合の転職は、簡単にはいかないものです。
ただし、未経験から経理や会計事務所での就業を希望する場合、突破口となってくるのが日商簿記2級の取得です。
この記事では、簿記2級を取得することで本当に転職に有利に働くのかどうかや、未経験から経理・会計事務所に転職するために知っておくべきその他の情報についてご紹介していきます。

簿記2級の合格率は?

日本商工会議所のHPで、簿記2級は「高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。」と定義されています。
簿記2級合格に必要な勉強時間は、一般的に250〜350時間ほどと言われており、入念に対策しないと簡単には合格できない検定試験と言えます。

以下は、2022年~2024年の日商簿記2級試験の合格率の表です。

試験日 合格率
166 2024.2.25 15.5%
165 2023.11.19 11.9%
164 2023.6.11 21.1%
163 2023.2.26 24.8%
162 2022.11.20 20.9%
161 2022.6.12 26.9%
160 2022.2.27 17.5%

【出典】日本商工会議所 2級受験者データ(統一試験)

グラフに記載している第160回~第166回までの簿記2級の平均合格率は19.8%です。
回によって変動はあるものの、合格率は減少傾向となっており、第166回の合格率は平均よりも低い15.5%という結果でした。

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簿記2級を取れば未経験でも経理・会計事務所に転職できる!

会計系の職種に限らず一般的には資格の有無よりも、実務経験の年数や内容が中途採用の採否をわけます。
なぜなら、資格とは実務をこなすための一般的な知識やルールを学ぶものですが、実務では一般的な知識を踏まえながら個別具体的な判断や例外的な処理が求められるからです。

しかし、昨今の転職市場は人手不足で求職者優位の売り手市場が続いています。
採用する側にとって、経理の実務経験の豊富な人材の採用は、容易ではありません。

そのため、スタッフクラスの求人を募集する場合、未経験者を選考するというケースが増えてきています。
その際に、未経験でも育成コストが低く、より早く戦力化する可能性がある人材を見極めるために資格が重要になってきます。
会計系職種においては、簿記2級を持っている人材は他の未経験者よりも資質を備えていると判断されやすいため、非常に有利となります。

簿記2級を取得していると未経験でも評価される理由は?

簿記2級は、各社が実施している“企業が応募者に求める資格ランキング”で上位の常連であるなど、企業が求める資格、就職に役立つ資格であると広く認知されています。

簿記2級を取得していれば、“簿記・財務諸表についての知識がある”と判断されます。
ルーティンをこなせるだけの経理担当者より、簿記の知識を活用して幅広い業務に対応できる経理担当者の方が評価されます。
財務諸表について理解できる経理担当者であれば、経営分析に役立つ各種資料の作成なども任せられるため、簿記2級は幅広い活躍を期待できる人材であるといえます。

また、しっかりと知識の積み重ねに努めていける人物である、目標に向かって努力できる人物であるとの評価も受けやすくなるでしょう。
簿記3級も需要は高いですが、エントリー資格として認知されているため、簿記2級とでは少し評価が異なります。

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年代別:簿記2級を取得する重要性は?

20代であれば、簿記2級を持っていなくてもポテンシャル採用の可能性があるとされています。
ただ、簿記2級を持っていることで周りと差別化ができるため、経理や会計事務所への転職においてより有利になるでしょう。

一方で30代、40代と年齢が上がるにつれて、簿記2級の取得は転職において非常に重要な要素となるため、30代以降で未経験から経理や会計事務所を目指す場合、簿記2級は必須と言っても過言ではないでしょう。
また、売り手市場ではあるものの、年齢によってはスキルや経験も求められることが考えられるため、簿記2級だけに頼らず、幅広いスキルや経験を積むことも重要です。

経理や会計事務所での経験をどうしても積みたい方は正社員だけでなく、契約社員など他の雇用形態を検討するのも手段の一つです。
まずは少しでも実務経験を積むことで、次の転職の選択肢が広がります。

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簿記2級取得者が未経験から転職した場合の年収は?

未経験から一般企業の経理職として転職した場合、簿記2級程度以上のスキルを持っていたならば、年収目安は300万円ほどとなります。
1~2年ほどの実務経験を積んだ場合には300~450万円ほど、3年以上の実務経験を積めば350~600万円ほどが目安となっていますので、いかに実務経験が重視されているかがわかります。
未経験時には簿記2級相当のスキルに対するポテンシャルが評価されており、実務経験は貢献度の評価として上乗せされているとイメージすれば、より分かりやすいのではないでしょうか。

未経験から会計事務所へと転職した場合には、20代で300万円ほど、30代で350万円ほどが入社年度の年収目安となります。
会計事務所の場合、1年勤務するごとに1万円昇給することが多いため、勤務年数に応じて月給が増えるほか、上位資格の取得によって大きく年収がアップします。

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未経験から経理・会計事務所に転職する際の自己PRは?

未経験で経理や会計事務所に転職しようと思えば、簿記2級の資格は必須ともいえます。
経理の基本的な知識、財務諸表への理解が伴っているのですから、自社の実務にフィットするまでにそう時間がかからないだろうと判断されるためです。

加えて、企業が経理職への応募者に最も求める資格として周知されているため、基礎知識があることを証明できます。

そして、キャリアの棚卸とともに自己PRをブラッシュアップしていくことも忘れてはなりません。
経理担当者として活躍できるかどうか資質を問われるのですから、未経験であることをできるだけカバーできる自己PRを構築できれば、より採用へと近づけるでしょう。

自分で上手くアピール内容を組み立てられない場合には、是非転職エージェントに相談してみてください。
客観的視点で、業界に詳しいキャリアアドバイザーからのアドバイスをもらうことで、より自分自身の強みを把握し、転職成功につながるポイントを理解できるでしょう。

未経験から経理・会計事務所に転職する際の志望動機は?

転職の際は志望動機の対策も必要です。未経験の場合、志望動機を記載する際のポイントを紹介いたします。

転職理由・転職しようと思った経緯を明確にする

転職の際、転職理由や経緯は必須で問われます。転職理由はポジティブに伝えたほうが良いので、人間関係などのネガティブな転職理由であったとしても、キャリアアップなどのポジティブな理由に変換して用意しておきましょう。

転職先でどのように活躍していきたいかビジョンを定める

転職理由・転職しようと思った経緯を明確にできたら、今後どう活躍していきたいかビジョンを定めることが必要です。
採用担当者が、入社後どのポジションでどのような活躍ができるのか見えてこないとなると採用には至りません。採用担当者に活躍する姿を想像してもらえるよう、キャリアビジョンを持っておきましょう。

これまでの経験との共通点を見つける

業界未経験でも、これまでのスキルやノウハウは今後の業務でも活かすことができます。
業務で直接的な共通点はなくても、ビジネスマナーや顧客対応、事務作業などは多くの企業・職種に共通するので、何かしら共通点を見出し中途採用としての強みを発揮しましょう。

業界研究を行い、志望する企業・事務所に感じた魅力を理解する

志望理由を考える上で、応募する企業や事務所の業界研究は欠かせません。事業内容・社風や価値観など、その企業ならではの魅力を具体的に提示できると好印象につながるでしょう。

今までの実績は定量的に記載する

採用担当者は、これまで何を学び、どのような実績を残してきたのかを気にします。
数値を用いてこれまでの実績を述べることで、説得力が増し伝わりやすくなります。

経理・会計事務所の転職の際の志望動機については、下記記事に詳しく記載をしておりますので、志望動機に悩んでいる方は是非ご覧ください。

簿記2級以上×未経験OKの求人例

【未経験歓迎】設立50年以上のエネルギー・インフラ系の企業での経理の求人です

仕事内容
・記帳代行
・月次、年次決算業務
・巡回監査(3か月ごとが標準/来所と訪問)
・申告書作成業務
・年末調整、法定調書、償却資産対応
必要な経験・能力
・日商簿記2級以上、または同等の知識をお持ちの方
※経理経験なし・異業種経験・第二新卒者歓迎します。
想定年収
350万円 ~ 700万円

【プライム上場企業から経理求人です!※未経験歓迎】

仕事内容
・月次、年次決算関連
・会計監査、税務関連
・日常の経理財務関連(国内事務所及び海外事務所)
・銀行対応
必要な経験・能力
※下記いずれかに当てはまる方
・事業会社にて経理業務のご経験をお持ちの方
・簿記2級以上の資格をお持ちの方で経理にキャリアチェンジしたい方
想定年収
350万円 ~ 500万円

未経験可/若手活躍/資格取得支援/NPO法人に強みを持つ税理士法人で税務スタッフを募集

仕事内容
・日常経理~年次決算、連結決算
・子会社の管理(現在国内外11社)
・開示資料作成
・事業計画の予算策定
・資金繰り、銀行との折衝 等
必要な経験・能力
※下記いずれかに当てはまる方
・簿記2級以上の資格をお持ちの方
・公認会計士試験短答式合格者
・USCPA取得者
・税理士科目2科目以上合格者
想定年収
350万円 ~ 650万円

簿記2級取得後に転職した方の事例

日商簿記2級の取得後に転職した方の事例

日商簿記2級で未経験から経理へのキャリアチェンジ&年収アップに成功!

Zさん

Zさん(20代後半/男性)資格:日商簿記2級

フィールドエンジニア
年収:400万円

矢印 矢印

上場子会社経理
年収:420万円

Zさんは、飲食店のクライアント向けのフィールドエンジニアとして働いていましたが、コロナ禍での企業の経済的困難を目の当たりにし、経理への転職を決意しました。

活動を始めた際、書類通過率の相場は1~2割程度でした。
その中でZさんは、誤字脱字がないことはもちろん、文字の大きさ・全角半角の統一などを徹底することで文章作成能力をアピールしました。
また、自己PRにて他職種の人が見てもイメージできる文章を意識しつつ、事務業務の処理スピードや正確性と業務改善を主体的に行った経験を記載しました。
その結果、書類選考率が2割以上という結果となりました。

最終的に上場子会社の経理スタッフとして内定を得ましたが、面接での評価ポイントは「素直さ」や「チームとの相性」でした。
資格や経歴だけではなく上記のような部分も戦略的にアピールできるよう、事前準備をしっかり行う事で、キャリアチェンジの実現に近づくことができるでしょう。

未経験者にチャンス!SEから会計事務所に転職成功!20代・女性の事例

Yさん

Yさん(25歳/女性)資格:日商簿記2級

IT系企業
企業規模:100名程度
年収:300万円

矢印 矢印

個人会計事務所
企業規模:10名程度
年収:350万円

SEの経験を持つYさんは、財務会計システムの設計・開発を通じて会計業界に興味を持ち、会計事務所への転職を考えました。
しかし会計事務所の内情は一般にわかりにくく、業界未経験のYさんも事務所の比較が難しい状況でした。

そこで弊社のアドバイザーは、事務所の所長先生や所員の人柄や風土、クライアントの傾向、教育体制などの情報を提供し、Yさんは未経験者の育成実績がある小規模の会計事務所に転職を決意しました。

最近は未経験者の採用を考慮する会計事務所が増えているものの、その情報は公開されているものだけではなかなか分かりません。
ミスマッチを避けるため、内情に詳しい業界専門の転職エージェントの利用をおすすめします。

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経理・会計事務所への転職でよくある質問

Q.経理の忙しい時期は?

A.多くの日系企業は3月に年次決算を行うため、経理職はこの時期が1年で最も忙しいと言われています。
その結果、翌4月や5月は特に多忙となることが一般的です。

一方、外資系企業の多くは1月からの新しい期が始まり、12月に決算を行います。
ただし、決算期は企業ごとに異なるため、注意が必要です。

Q.上場企業と未上場企業の経理の違いは?

A.上場企業は株主のものであり、透明性の高い内容での公開報告義務があるため、開示資料を作成する必要があります。
業務を分担していることが多いため、専門性を高めることが可能です。

一方、非上場企業は開示の義務がなく、規模が小さめで経理が少人数のため、一人ひとりが多岐にわたる業務を担当し、幅広い経験を積むことができます。

Q.会計事務所に転職しやすいタイミングは?

会計事務所の求人数は、2~3月の確定申告繁忙期に向けての10~12月や、税理士試験直後の8月に増加する傾向があります。
しかし、求人数が増える時期は競合する求職者も多く、経験が少ない方は転職が難しくなる可能性があるので注意が必要です。

また、最近は人手不足のため通年で求人を出す事務所が増えているので、転職を考えた際には求人情報をチェックし、キャリアアドバイザーに相談することをおすすめします。

Q.残業時間の少ない会計事務所を選ぶポイントは?

残業が少ない会計事務所を選ぶ際のポイントは、低単価戦略を取らない事務所、定着性が高い事務所、そして担当件数が平均的またはそれ以下の事務所を選ぶことです。

低単価戦略の事務所は多くの顧問先を持つため、残業が増える可能性があります。定着性が低いと、職員の回転が高く、引き継ぎ業務などで忙しくなることが考えられます。
これらの点は面接時にも確認できますが、繊細な内容も含んでいますので、質問の仕方は工夫する必要があります。

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まとめ

簿記2級以上の取得は、特に実務未経験で経理や会計事務所への転職をする際はスキルとして求められることが多いです。
実際に求人を見ても、簿記2級以上が必須・歓迎条件になっている企業・事務所が多いため、取得していると応募できる求人幅がぐっと広がります。

実務未経験である場合は、自分のスキルで応募できる求人はあるのか、簿記以外にどのような点をアピールすべきか、志望動機はどのように記載すれば良いのか、ポイントがわからず不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろんご自身で向き合うことも大事なことですが、タイミングを逃さず効率的にポイントを抑えることも重要です。

MS-Japanは、経理をはじめとする管理部門や士業、事務所系の転職に強く、業界特化のノウハウ・業界最大級の求人数を活かし、転職決定までサポートをいたします。
経理や会計事務所など、職種ごとに精通したキャリアアドバイザーが応募書類の添削や面接対策をすることで、より精度の高いアピールができるようになり、書類・面接突破率の上昇が期待できます。

無料会員登録いただくことで、キャリアアドバイザーからのサポートや非公開求人の閲覧などのサービスを受けることができますので、転職にお悩みの方は是非会員登録の上、エージェントをご活用ください。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

佐藤 颯馬

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。

会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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