2017年11月07日

太陽監査法人と優成監査法人が合併

太陽有限責任監査法人と優成監査法人が合併する方向で動いているようだ。日本経済新聞によると、両社は2018年7月1日を目途合併する見通しとのこと。準大手監査法人としてトップファームの太陽と中堅監査法人で存在感がある優成監査法人、このトップファーム同士の合併は会計業界において久しぶりのビッグニュースとなりそうだ。
近年、相次いでいる監査法人の合併。今回はこの合併から見える監査業界とその動向に注目してみた。

近年活発化している監査法人の合併

今回は準大手監査法人と中堅監査法人の大型合併だったからこそ注目度が高いが、その他にも合併案件はある。例えば2015年には至誠監査法人と清新監査法人が合併し至誠清新監査法人となっている。また2016年には明治監査法人とアーク監査法人とが合併、明治アーク監査法人として新たな一歩を踏み出している。(同年に聖橋監査法人も上記監査法人に参画)
近年、金融庁から監査法人の監査品質に対する要求が厳しくなっていることもあり、各監査法人も監査の品質向上に向けた取り組みに余念がない状態。そのため、今までの業務+アルファの成果物を求められる現場への負担感は大きいようだ。加えて、各社とも業績アップに向けた顧客獲得も積極的に行っているため、業務量は増える一方だ。

先日、監査法人のローテーション制度導入も視野に入れていると金融庁が発表したが、これは新規クライアントの獲得に追い風要素となるはずだ。改めて、現在の監査法人を取り巻く状況を整理すると、監査法人の経営側は売り上げを伸ばしたい、現場は人材不足、そして対外的にも品質の向上を示していかなければならない、という複数の壁に当たっている。そのジレンマから早期に脱出したいというのが今の監査法人の実態と言えそうだ。このような背景を考慮すると、合併による規模拡大で、より多くの監査ナレッジを共有できるようにすること、組織課題に対して共同で取り組むことには、メリットは大きいのかもしれない。

合併すると上場クライアント数は国内4位に

太陽有限責任監査法人の上場クライアント数は146社、実は現時点でもPwC Japan有限責任監査法人の122社を抜き、業界4番手となっている。この状態に優成監査法人の上場クライアント52社が加われば、PwC Japan以下の監査法人と圧倒的な差をつけることが可能になる。

現在、大手監査法人を中心に会計監査を主たるサービスとする動きが加速しているようだが、新たに誕生する太陽と優成のハイブリットはどのような営業戦略を取っていくのだろうか。今後の展開に注目したいところだ。

監査法人業界、今後の展望は?

監査法人業界は2013年頃から積極的に人材獲得を進めてきた。また、当時採用をされたスタッフ層が徐々に戦力になってきているため、今後は徐々に人材の定着が進んでいくのではないかと思われる。また、人材が定着していけば監査法人としても、新しい案件の獲得を強化し収益拡大をしたいところだ。一方、金融庁からは「監査法人の主たる業務は会計監査、その品質を高めよ」というメッセージが出ている以上、安易に監査以外の仕事を増やせないという実情もあるようだ。
また、監査法人側としても四半期決算やJ-Sox、IFRS等の特需が過ぎてしまった以上、今後は堅実に監査で収益を上げなくてはならない、という思考に向かうのではないか。

そのように考えると、監査法人は新規監査クライアント獲得に向けて余剰人員を確保しておきたいところだ。監査法人での人材採用ニーズは当面底堅い状況が続くと思われる。

会計士TOPに戻る

この記事を監修したキャリアアドバイザー

を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

あなたへのおすすめ求人

Manegyニュースランキング

マネジーでポイントを貯めて、
豪華商品に交換しよう!

詳しくはこちら

powered by Manegy

MS Agentの転職サービスとは

MS Agentは、公認会計士やUSCPAなどの有資格者や企業の管理部門に特化した転職エージェントです。
大手上場企業や監査法人、会計事務所(税理士法人)など、公認会計士の幅広いキャリアフィールドをカバーする求人をもとに、公認会計士専門のキャリアアドバイザーがあなたの転職をサポートします。
キャリアカウンセリングや応募書類の添削・作成サポート、面接対策など各種サービスを無料で受けることができるため、転職に不安がある公認会計士の方でも、スムーズに転職活動を進めることができます。

サービス紹介を見る

MS-Japanを利用した会計士の
転職成功事例

転職成功事例一覧を見る

会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

転職FAQ一覧を見る

転職やキャリアの悩みを相談できる!

簡単まずは会員登録