2023年11月17日

公認会計士のスキルを活かしてアセットマネジメントに転職するには

現在公認会計士として監査法人等で働いている人の中には、さらなるキャリアアップを目指してアセットマネジメントへの転職を考えている人もいるかもしれません。関連分野での経験がない場合、転職が難しいとされるアセットマネジメント業界ですが、公認会計士の有資格者である場合には非常に有利な状態で転職活動に挑めます

今回の記事では、アセットマネジメントの仕事内容をはじめ、公認会計士の資格が活かせる部門についてまとめてみました

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1.アセットマネジメントの仕事内容

アセットマネジメントとは、個人や機関投資家から預かった資金をさまざまな資産に投資し、それらに係る管理・運用を代行する業務のことを指します。

もともとは国債や社債をはじめとした債権や株式への投資が多かったものの、昨今では金融商品の多様化に伴ってREITや各種デリヴァティブ商品など、投資先が多様化しています。

そして、アセットマネジメントの仕事は、主に以下の3つに分けられます。

・運用業務(ファンドマネージャー・エコノミスト・アナリストなど)
・営業業務(商品企画業務)
・ミドルバック業務

それぞれの業務について、詳しく見ていきましょう。

運用業務

運用業務では長期的な運用収益を実現することを目標とし、ファンド全体の運用を管理するファンドマネージャーと、ファンドマネージャーが運用の意思決定をするために必要な判断材料を提供するアナリストから成り立ちます。

株式ファンドであれば、ファンドマネージャーはあらかじめアナリストが調査・分析した該当企業のレポート内容をもとに投資の可否を判断し、債券ファンドであれば各企業における信用リスクはもちろん、場合によってはエコノミストの経済全体に対する分析も判断材料とするでしょう。

また、業務の形態として「トップダウンアプローチ」と「ボトムアップアプローチ」の2つが挙げられます。

トップダウンアプローチ

エコノミストによる経済環境、金利環境などのマクロ的な分析をもとに資産クラスごとの配分比率を決定したのち、その中から実際に投資する銘柄を決めていく

ボトムアップアプローチ

アナリストなどが個別企業を細かく調査・分析した結果をもとに投資価値のある投資先を見つけ、その積み上げによってポートフォリオを構築する

運用業務における一般的なキャリアパスとして、まずアナリストとしてスタートを切ったのち、特定の部署にて数年の分析経験を積んだ後、実力が認められればファンドマネージャーとして運用の管理を任されるケースが目立ちます。

営業業務(商品企画業務)

アセットマネジメント業界における営業業務はクライアントサービスとも呼ばれ、個人はもちろん金融機関や事業会社、そして海外の機関投資家に至るまで幅広いターゲット層を対象にサービスを展開しています。

また、その中でも個人投資家向けの投資信託と機関投資家向けのファンドでは仕事の進め方が大きく異なります

個人投資家向けの投資信託においては、証券会社等の金融機関を通じて個人投資家に向けた資産運用サービスを行います。具体的には対証券会社や銀行向けにファンドの特徴をアピールすることに加え、相手の要望に見合った商品開発や企画の提案などが挙げられるでしょう。

一方、機関投資家向けのファンドでは証券会社の機関投資家向けにサービスを展開します。各機関投資家に向けてセールスポジションをとるような形となり、顧客に対して運用報告書の作成やそれに伴う説明を行うことはもちろん、自身のファンドの特性やリスクなどを機関投資家の運用方針やニーズを踏まえたうえで説明する姿勢が求められます。

ミドル・バック業務

ミドルバック業務ではファンドマネージャーの判断に基づき、実際に売買手続きや資金決済をすることに加え、ファンドの管理をすることがメインとなります。

その場に合わせた柔軟な判断が求められる運用ポジションと比べると、比較的マニュアル化された業務をミスなく迅速にこなしていく業務姿勢が求められるでしょう。

また、内外規制対応や運用ガイドラインの遵守状況のチェックなども業務内容に含まれることから、業務知識もそれ相応のレベルが求められます。

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2.会計士資格を活かせる業務について

アセットマネジメントにおける主な業務を3つ挙げましたが、その中で公認会計士の資格がもっとも活かせるのは「ミドル・バック業務」です

先述したように内外規制対応や運用ガイドラインの遵守状況のチェックをはじめ、リスク管理やパフォーマンス評価など、運用業務の結果を左右する事務業務を担うことはもちろん、各種報告書の作成も行います。

各種報告書としては月次報告書をはじめ、有価証券報告書や目論見書の作成などが該当し、いずれも会社法や会計に関する専門知識が求められることは言うまでもありません。そのため、公認会計士の資格は大きなプラスポイントになるでしょう。

なお、ミドル・バック業務を主とした管理部門に限らず、運用業務に携わりたい場合でも会計士資格はアピール材料となります。運用業務においては、財務分析の知識が必要不可欠であり、前職の経験によってはそれらに関して一通りの知識が身についていることもあるでしょう。

そのため、まずは自身の職歴と今後の働き方に関する希望をすり合わせたうえで、転職希望業務を決めることをおすすめします。

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3.アセットマネジメント業界の働きやすさ

気になるアセットマネジメント業界の働きやすさですが、金融機関と似ている労働環境であることから、比較的働きやすい部類に入るとされています

とはいえ、繁忙期はそれ相応の忙しさになることと、金融系独特の堅苦しさがある点は頭の片隅に置いておくことをおすすめします。

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4.まとめ

アセットマネジメント業界はそもそもの求人数が少なく、個人で転職活動をしようと思おうとなかなかうまくいかないケースがほとんどです。また、専門性が高い業務が多いこともあって、基本的には転職エージェントを活用して転職活動をすすめることをおすすめします

MS Agentでも、アセットマネジメントの求人を保有しています。履歴書をはじめとした応募書類の書き方に関する指導や面接対策なども対応していますので、お気軽にご相談下さい。

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会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

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