2024年06月18日

4大監査法人への就職・転職はどこがいい?社風・得意領域・年収など徹底比較!

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Big4と呼ばれる4大監査法人は、国内大手の4つの監査法人を指します
4大監査法人での勤務経験は会計士のキャリアにとって魅力的であり、一度はチャレンジしたいキャリアですが、4大監査法人はそれぞれ強い個性を持っているため、どこに転職すべきか悩んでしまいがちです。
この記事では、4大監査法人の特徴、年収などについてまとめて解説していきますので、今後の転職を考える際の参考にしていただければと思います。

4大監査法人とは?

監査法人は規模によって大手監査法人、準大手監査法人、中小監査法人に大別されます。
公認会計士・監査審議会では上場会社を概ね100社以上監査し、かつ常勤の監査実施者が1,000名以上の監査法人」という要件を満たす法人を大手監査法人と定義していますが、現在の日本にこの要件を満たす監査法人は4法人しかありません。有限責任あずさ監査法人(KPMG)、EY新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ(Deloitte)、PwC Japan有限責任監査法人がその4法人であり、これらを指して4大監査法人と呼びます。

4大監査法人のクライアントはほぼ上場企業であり、企業規模が大きいので、監査業務やアドバイザリー業務などを分業しながらチームとしてクライアント対応を担います。こういった性質上、4大監査法人でのキャリアは専門性を高めるための絶好の機会ともいえます。
一方、中小監査法人ではクライアントの規模が小さく、十分な会計士の数も揃っていないことから、ひとりの会計士が広範な業務を担うのが特徴です。

中小監査法人の場合、クライアントが連結財務諸表を作成していない、仕事で英語を使う機会がないなどのケースが少なくありませんが、4大監査法人のクライアントではこれらも網羅できますので、専門知識を活かして監査業務に携わりたいときには4大監査法人を選んだほうが希望する経験を得やすくなります。

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4大監査法人の社風を比較

次に、4大監査法人における社風の違いについて、それぞれの福利厚生・人材育成制度にも注目しながら見ていきましょう。

有限責任あずさ監査法人(KPMG)の社風

有限責任あずさ監査法人では、決まった時間になると自動的にパソコンがシャットダウンして深夜残業できない仕組みになっているなど、働き方改革の推進によってワークライフバランスを実現しやすい社風です。また、以下のような手厚い福利厚生が整備されており、従業員からは「家庭と仕事を両立させやすい」「社員同士の仲間意識が芽生えやすい」などと評判を呼んでいます。

  • ・育児・介護休業制度(男性・女性問わず取得可能)
  • ・リフレッシュ休暇制度
  • ・在宅勤務制度
  • ・カフェテリアプラン(選択型福利厚生制度)
  • ・クラブ活動

さらに、ケーススタディにて業務遂行能力の向上を図る「テクニカルスキル研修」や、グローバルな人材を育てるための海外研修といった人材育成プログラムも整っており、効率的かつ着実にスキルアップを目指せることも大きな魅力です。

EY新日本有限責任監査法人

EY新日本有限責任監査法人には穏やかな雰囲気が根付いており、上司も部下も比較的フラットな関係性です。風通しの良い社風を希望する方にぴったりの勤務先といえるでしょう。

また、以下のような多彩な福利厚生制度により、私生活の充実やメンバー同士のコミュニケーションの活性化を図れる点も魅力的です。

  • ・育児・介護休業制度
  • ・配偶者出産休暇
  • ・ベビーシッター利用補助
  • ・育児コンシェルジュサービス
  • ・カフェテリアプラン(選択型福利厚生制度)
  • ・法人契約スポーツクラブ
  • ・クラブ活動

なお、EY新日本有限責任監査法人は人材育成にも尽力しており、キャリアアッププログラムや社員研修プログラムが充実。従業員ひとりひとりにカウンセラーが就いて日々の業務やキャリアパスの相談に乗ってくれるため、安心感を持って業務に臨めます。

有限責任監査法人トーマツ(Deloitte)

有限責任監査法人トーマツは、チームによっても異なるものの「体育会系」の風土が根付いており、受け身ではなく主体的に仕事に取り組むアクティブな社風です。主な福利厚生は以下の通りで、「働きやすさ」や「やりがい」をサポートする制度が整備されています。

  • ・各種休暇(配偶者出産休暇や育児休暇、育児参加奨励休暇、介護・看護休暇、更年期不調による休暇、生理休暇など)
  • ・生殖医療サポート(不妊治療・卵子凍結等)
  • ・ベビーシッター利用補助制度
  • ・育児コンシェルジュサービス
  • ・カフェテリア方式による育児・介護補助クーポン
  • ・スポーツクラブ・各種宿泊施設の割引

人材育成としては、会計監査・税務知識のアップデートやコミュニケーション・リーダーシップスキル向上など、さまざまなジャンルのスキルアップ研修が豊富です。若手からシニア層まですべての従業員が対象となっており、一生涯にわたって自己啓発を行える魅力的な環境が整っています。

PwC Japan有限責任監査法人

PwC Japan有限責任監査法人は、海外のクライアントを多く有していることから国際色が強く、実力主義の社風が根付いている印象です。福利厚生としては以下のような内容で、従業員の健康で豊かな暮らしをサポートしてくれます。

  • ・短時間勤務
  • ・各種休暇(リフレッシュ休暇・結婚特別休暇・育児特別休暇など)
  • ・ヘルスケア支援
  • ・ベビーシッター支援
  • ・保活コンシェルジュ
  • ・提携保育園

さらに注目したいのが、各種研修制度による人材育成が活発に行われていること。会計監査関連のスキルアップ研修はもちろん、リーダーシップ研修やビジネススキル研修、語学研修など、バリエーション豊かな研修制度によって継続的な成長を目指せます。

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4大監査法人の得意領域を比較

4大監査法人のそれぞれの得意とする業務範囲についてご紹介します

有限責任あずさ監査法人(KPMG)

売上が1兆円を超えるような企業、JR東日本をはじめとする電鉄会社の監査に強く、住友グループ・三井グループのクライアントを多く持っています。
監査業務、非監査業務ともにバランスよく展開しています。

EY新日本有限責任監査法人

長年にわたり監査報酬が日本一となっていることから、「監査と言いえばEY新日本有限責任監査法人」というイメージも確立されています。
クライアントの業種はメーカー、銀行、電力、不動産・建設が多く、学校法人のクライアント数が多いのも特徴です。

有限責任監査法人トーマツ(Deloitte)

非監査業務に強く、4大監査法人の中でも特にIPOに強みを持っているのが特徴的です。

三菱商事・三井物産・伊藤忠商事といった大手商社をクライアントに持っていることから商社の監査に強い一方、メーカーのクライアントはあまり多くありません。

PwC Japan有限責任監査法人

非監査業務に強みを持っており、非監査報酬の金額は4大監査法人のなかで有限責任監査法人トーマツ(Deloitte)に次いで第2位となっています。
海外のクライアントの案件を多く担っているのが特徴的です。

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4大監査法人の年収を比較

続いては、4大監査法人の初任給や年収を比較するとともに、年収を上げる方法についても解説します。

4大監査法人の初任給

各4大監査法人の初任給について、それぞれの公式サイトに記載されている情報をまとめました。

企業名 月給 賞与
有限責任あずさ監査法人 320,000円
(首都圏手当10,000円含む)
賞与年2回
EY新日本有限責任監査法人 320,000円(首都圏)
317,000円(地区)
賞与年2回
有限責任監査法人トーマツ 320,000円 賞与年3回
PwC Japan有限責任監査法人 412,090円
(みなし時間外勤務手当の月30時間分含む)
業績賞与年1回

上記の通り、4大監査法人においては初任給でも月給30万円以上の高い水準となっています。年収に換算すると500万円前後、時間外手当などを含めると600万円近くなるケースが多いです。

4大監査法人で年収を上げる方法

年収は社風によっても違いが出てきます。
年功序列を大切にしているEY新日本有限責任監査法人では社歴が長くなるほど昇進しやすく、それに伴って年収も上がっていきます。
しかし、外資系の色合いが濃いPwC Japan有限責任監査法人の場合には年収にパフォーマンスがそのまま反映されやすいことから、年収を高められるかどうかは自分次第となります。
4大監査法人のうちもっとも規模の小さなPwC Japan有限責任監査法人の報酬給与が他三社に比べて高くなっているのも、上記のような社風の違いが影響していると考えられます

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4大監査法人に就職・転職するには

ここでは、4大監査法人への就職・転職を成功させるポイントを4つご紹介します。

なるべく若いうちに就職・転職する

4大監査法人への就職・転職は、公認会計士になってからのファーストキャリアとして、あるいは監査法人で3年ほどの実務経験を積んだタイミングなど、できるだけ若いうちにチャレンジすることをおすすめします。年齢が若いほど将来的なポテンシャルを大きく評価され、優位に転職活動を進めやすくなるためです。

年齢が高くなるほどマネジメント経験といった公認会計士資格取得以外のスキルも要求されるため、就職・転職へのハードルが高くなりやすい点に注意しましょう。

キャリアプランを明確に

面接時にキャリアプランをわかりやすく伝えることで、面接担当者への応答の説得力が増します。監査法人でどのようなキャリア形成をしていきたいのか、入社後~数年後にどうなっていたいのか、資格や経験を活かしどのようにクライアントと関わっていきたいのか等、事前の整理が必要です

就職の場合は早めに事前準備を進める

4大監査法人への就職を希望する場合、できるだけ早めに書類や面接に向けた準備を行っておくとよいでしょう。

というのも、公認会計士試験の合格発表は11月中旬であり、そこから就職活動をスタートして約2週間後の12月初旬には内定が出るケースが一般的です。つまり、他の業種に比べて圧倒的に少ない就活期間の中でご自身の魅力を最大限にアピールする必要があるため、自己分析や志望動機の作成などを早めに行っておく必要があります。

転職の場合は閑散期を狙う

クライアントが続々と決算を迎えた後の4~5月、何かと慌ただしい12月の繁忙期は、4大監査法人も採用に消極的です。これらの動きが落ち着き、次の繁忙期に向けて体勢を整えていく6~11月頃に採用活動が活発化する傾向があるため、そのタイミングを狙って転職活動を行うとよいでしょう。

4大監査法人への就職・転職でよくある質問

4大監査法人への就職・転職でよくある質問

Q.4大監査法人って激務なの?

A.繁忙期においては深夜残業が発生することも多いですが、その分高い報酬を得られます。一方で閑散期には定時で退社できる日も比較的多くあり、ワークライフバランスを実現しやすいでしょう。

つまり、「4大監査法人=激務」といった固定概念で就職・転職を断念するのではなく、さまざまな要素を総合的に考慮したうえで応募するかどうかを判断することが大切です。

Q.4大監査法人は学歴が重要?

A.4大監査法人において、有名大学卒の従業員が多いことは事実です。しかし、学歴は決して最重要事項ではなく、学歴よりも公認会計士の資格の有無や、中途採用の場合は公認会計士としての実務経験が重視される傾向があります。

また、コミュニケーション能力や英語力といったプラスαのスキルがあると、就職・転職時に優遇される可能性が高いでしょう。

Q.4大監査法人では英語力が必要?

A.4大監査法人の就職・転職時に、高い英語力が求められるケースはあまりみられません。ただし、英語力があるほうが有利になる場合もあるため、まずは各求人における英語力の必要性について転職エージェントに確認してみるとよいでしょう。

もし英語力を強化して他の応募者との差別化を図りたい、あるいは英語力を活かしたキャリアパスを狙いたい場合には、目安としてTOEIC800点以上を目指すことをおすすめします。

他にも監査法人や公認会計士に関するよくある質問はこちらをご確認ください。
会計士の転職FAQ

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まとめ

4大監査法人とは「有限責任あずさ監査法人(KPMG)」「EY新日本有限責任監査法人」「有限責任監査法人トーマツ(Deloitte)」「PwC Japan有限責任監査法人」のことで、それぞれ社風や得意領域、年収等が異なります。もし4大監査法人への就職・転職を目指すなら、まずは業界研究・企業研究をしっかりと行い、ご自身の描くキャリアパスにマッチするところを見極めることが大切です。

また、就職時には「なるべく早めに事前準備を行う」、転職時には「閑散期を狙う」といった点に注意することで成功の可能性が高まります。まずはぜひ今回ご紹介した内容を参考に、4大監査法人への就職・転職についてじっくりと検討してみてください。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

齊藤 仁美

大学卒業後、幸せに働く人を増やしたいという想いから新卒でMS-Japanに入社。
上場企業を中心とした求人開拓から管理部門全般のマッチングを行い、2021年1月より専門性の高いJ事業部に異動。
主に会計事務所、監査法人、社労士事務所の担当を持ちながら士業領域での転職を検討している方のカウンセリングから案件紹介を両面で行う。

会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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