2024年05月15日

公認会計士は食えない?年収や就職先などを解説

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医師や弁護士と並んで最難関の国家資格の一つが公認会計士です。
そんな公認会計士についてインターネット検索で調べていると、「食えない」という噂もありますが、本当でしょうか?
今回は、なぜ「公認会計士は食えない」と言われるのかなど、公認会計士資格に関わる情報をご紹介します。
年収や就職先などが気になる方は、参考にしてみてください。

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なぜ「公認会計士は食えない」と言われるのか

「公認会計士は食えない」と言われていることには主に2つの理由があります。

1.試験制度変更により就職率が低下した時期がある

現行の公認会計士試験制度の創設は、昭和23年の公認会計士法の制定によります。
その後、試験制度の変更が行われており、合格率大幅に向上しました。その結果、大量の公認会計士試験合格者が出た時期がありました。

しかし、運悪く時を同じくしてリーマンショックの影響による全世界同時不況が起こり、例年、公認会会計士試験合格者の9割以上を受け入れていた監査法人の新規採用枠が中止や縮小したため、多くの就職難民を生み出しました。

また、当時は公認会計士が一般事業会社で就業するといったケースも少ない上にその他の受け入れ先も極めて少なく難関資格にも関わらず就職難にさいなまれたことから、「公認会計士は食えない」というネガティブな意見がインターネット上にあふれたようです。

2.AIに仕事が奪われると書かれた論文が発表された

また、近年では英国オックスフォード大学マイケル・オズボーン准教授らが発表した論文の中で「米国において、10~20年内に労働人口の47%が機械に代替可能でありリスクがある」と試算し、話題を集めました。

論文の中で、94%の確率で代替される可能性がある職業として「Accountants and Auditors」、つまり「会計士及び監査人」が挙げられており、公認会計士はAIに仕事を奪われるリスクが示唆されたため、「公認会計士になっても食えなくなるのでは?」という噂が発生しました。

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「公認会計士は食えない」という噂の考察

では実際に上述の2つの背景に対して、公認会計士が「食えない(食えなくなる)」のかを考察してみます。

1.試験制度変更により就職率が低下した時期がある

この件に関しては、実は既に解決しています。
リーマンショックから世界経済が回復するのと合わせて、監査法人の採用枠も回復し、むしろ慢性的な人手不足から積極採用が常態化しています。

また、試験制度変更に伴い、大量の合格者が発生してしまった公認会計士試験も難易度の調整が行われており、適切な人数の合格者が維持されています。

2.AIに仕事が奪われると書かれた論文が発表された

近年、大幅に性能が向上しているAIは、公認会計士に限らず多くの職種に対して様々な影響を及ぼすといわれています。
確かにAIによって、公認会計士の一部の仕事は代替えされる可能性はありますが、全てとは言い切れません。
そのためAIの台頭で公認会計士が食えなくなるというのは、話が飛躍しすぎていると考えて良いでしょう。

そもそも、公認会計士には監査という独占業務を完全にAIに置き換えることには不安が残るはずです。
むしろ、代替え可能な仕事はAIに任せて、人間は人間にしかできないより高度な仕事を任せられる可能性もあります。

公認会計士の業務は幅が広く、特に監査・会計・税務・コンサル等のスキルは、今後も重宝されると考えられます。但し、AIを活用できない公認会計士は、AIを活用して生産性の高い仕事をする公認会計士に仕事を奪われる可能性があります。

AIの脅威を感じるよりも、積極的に活用して、より人間ではなくてはできない仕事の経験を積むことに注力した方が得策かもしれません。

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公認会計士の平均年収とは

厚生労働省より発表された「令和5年賃金構造基本統計調査」において、企業規模10名以上の企業・事務所に勤める公認会計士・税理士の平均年収は747万円とされています。
調査区分は、公認会計士と税理士を合わせた区分のため、公認会計士単体の平均年収は747万円より高くなると推察されます。

下記は、2023年4月~2024年3月の1年間で、MS-Japanの転職エージェントサービスMS Agentを利用して転職された方のオファー年収です。

年代 オファー年収
20代 645万円
30代 711万円
40代 942万円
50代以上 1,125万円
全体 826万円

※当データは2023年4月~2024年3月に、MS Agentを利用して転職された方のオファー年収(内定時の提示年収)に基づいて算出しております。

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公認会計士の就職先は?

公認会計士の就職先としては、以下が挙げられます。

監査法人

監査を行うための組織である監査法人には、公認会計士が集まっています。
大手としては、4大監査法人が挙げられます。

4大監査法人としては、トーマツ(Deloitte)、新日本(EY)、あずさ(KPMG)、あらた(PwC)の4つが挙げられます。
大手以外にも中小など様々な規模の監査法人が存在していますので、自分の希望にあった規模の監査法人を選ぶことができるでしょう。
グローバルな案件を扱う監査法人も存在します。

税理士法人

税務を専門的に行う税理士法人は、主に税理士が集まっています。
税理士法人に属す公認会計士は、監査業務ではなく税理士としてのコンサルティングなどを担当します。
専門スキルを活かして活躍できるので、公認会計士の就職先の一つと考えられています。

公認会計士事務所

経験を積み、独立開業して公認会計士事務所を設立する道もあります。
規模も様々ですし、地方で公認会計士事務所を設立するパターンもありますので、自分の希望に合わせて働く場所を選択できます。

コンサルティング会社

コンサルティング会社では、会計分野において多くの公認会計士が活躍しています。
コンサルティング会社の規模は大小様々であり、日系だけではなく外資系も存在します。
特に経験豊富な公認会計士は重宝されやすいと言えるでしょう。

上場企業の経理・財務部門や内部監査

上場企業の経理・財務部門内部監査など、一般企業に入社する道もあります。
CFO(最高財務責任者)などのポジションで求められる場合もあるでしょう。

様々な企業で需要があるため職に困ることはないと考えられます。

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公認会計士資格を活かした転職事例

公認会計士資格を活かした転職事例

将来的な独立を見据え、監査法人から会計コンサルファームへの転職を実現した会計士の事例!

将来的な独立を視野にいれていた20代のAさんは、より幅広い経験を積める可能性を考え、監査法人から会計コンサルファームへと転職を実現しました。
若くして公認会計士を持っていることに加えて監査法人での経験が評価され、コンサル未経験ながらも大幅な年収アップにも成功しています。

子育て専業主婦から監査法人に復帰したい!40代・公認会計士の成功事例

40代のGさんは、もともと大手監査法人でマネージャーをされていた経験がありました。
子どもが生まれてからは子育てに専念していましたが、ある程度落ち着いたことから仕事復帰を希望。
ただし、ワークライフバランスを考えて再就職先を検討した結果、労働関係が改善されていた古巣の監査法人に出戻り転職を成功されました。

公認会計士のキャリアパスは幅広く、食えなくなることはないと言えます。

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まとめ

公認会計士は食えないという噂もありますが、実際はまだまだ活躍できる資格であると考えられます。
AIの登場により、AIに代替え可能な業務は人の手を離れる可能性がありますが、コンサルティング業務など決まった作業ではない仕事は人が活躍できる可能性が高いと言えるでしょう。

公認会計士は、様々なキャリアパスが考えられますので、自身の希望を考慮して自らキャリアパスを設計することが望ましいと考えられます。
経験豊富な公認会計士であるほど、引くて数多になる可能性が高いので、資格を活かして様々な業務経験を積んでみることもオススメと言えます。
なお、まだ公認会計士を取得していない人は、計画的に勉強して取得するとよいでしょう。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

森澤 初美

カナダ州立大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。求人企業側の営業職を経験した後、2014年にキャリアアドバイザーへ異動。
2016年からは横浜支社にて神奈川県内の士業、管理部門全職種を担当し、現在は関東全域の士業、管理部門全職種を担当。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 外資・グローバル企業 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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