2024年06月17日

公認会計士がメーカーに転職するには?メーカーでの仕事内容や求人を紹介!

監査法人に勤める公認会計士が、メーカー(製造業)への転職を検討する場合、仕事内容にどのような違いがあるのか不安に感じる方も少なくないはずです。

この記事では、監査法人から一般企業へ転職する公認会計士が増えている背景を解説するとともに、メーカーで公認会計士が担う仕事内容求められるスキルについて解説します。

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公認会計士の求人情報

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監査法人から企業へ転職する会計士が増えている

近年、監査法人から一般企業へと転職する公認会計士が増加傾向です。その背景には、以下のような理由があると考えられています。

ワークライフバランスを整えたい会計士が増えている

会計業務の高度化と会計士の人材不足により、監査法人に勤める会計士の負担が増え続けています。そのため、ワークライフバランスの改善を求め、一般企業に転職を考える公認会計士が増えているのです。
また、子育てや介護といった事情を抱える年代では、仕事の負担を減らしてプライベートとの両立を目指す必要があり、転職活動を始める人が増えているようです。

監査法人よりも企業の方が高収入を見込める

一般企業における公認会計士の需要は年々高まり、高い報酬を提示する企業が増えています。
特に若手会計士の場合は、監査法人では下積み時代であるのに対し、一般企業では監査・会計のスペシャリストとして扱われるため、監査法人よりも良い待遇となる可能性もあります。

転職に関する情報を得やすくなった

昨今は、これまで一般的とされてきた終身雇用制度が崩壊し、自分のキャリアプランに合わせて転職をする流れが一般的となりました。
そのため、転職やキャリアに関する情報が、以前よりも簡単に収集できるようになり、転職を考える人が増えていると考えられます。

メーカー勤務の会計士の仕事内容

公認会計士がメーカーへ転職した場合、主に任される業務は「経理・財務」「経営企画」「監査役」が挙げられます。

経理・財務

一般企業における経理業務は、伝票作成や現金出納業務などの日次業務、給与計算や月次決算などの月次業務、年次決算や確定申告、納税などの年次業務で構成されます。
その中で公認会計士が任される業務は、税効果会計連結決算IFRSの導入有価証券報告書の作成などの専門性が高い業務が一般的です。

メーカーの経理では、一般的な商業簿記以外に工業簿記の知識が求められます。工業簿記では「材料」「仕掛品」「製品」の項目が含まれ、メーカーならではの専門的な知識が必要です。
また、製品の製造にかかるコストを算出する「原価計算」や、決算書のひとつである「製造原価報告書」の作成もメーカー経理特有の業務です。
財務業務では、事業に必要な資金を調達・管理するほか、資金活用の検討などの業務も担う可能性が高いでしょう。

経営企画

経営企画とは、自社が置かれている市場の動向を調査・分析し、競合他社との差別化を図るための戦略として、新規事業やM&Aなどを検討する業務のことです。
経営企画部門に配属された会計士は、経営を見据えた財務計画の立案財務データのモニタリングなどを担います。
自社のみならず社会全体の動向を見る必要があるため、経営企画としてのキャリアを積み重ねることで、将来的にCFO(最高財務責任者)を目指すことも可能です。

監査役

一般企業に勤める会計士は、企業の会計上で不正が起きていないかどうかを調べる監査役を担うこともあります。コンプライアンス違反があれば、社会的な信用を失いかねないため、監査役は非常に重要なポジションです。
監査役が担う業務は、監査計画の立案以外に監査手続書による監査の実施完了後の監査調書の作成などが挙げられます。公認会計士が監査法人でクライアントの監査を行っていた経験は、監査役として重宝されるでしょう。

また、メーカーならではの監査として「工場監査」が挙げられます。
工場監査には「内部監査」と「外部監査」があり、ISOを取得したメーカーであれば、社内の人間で監査を行う「内部監査」が可能です。そのため、監査や内部統制の経験がある公認会計士は、内部監査として高いニーズがあります。
工場監査では、原材料の保管環境や品質、製造機器の状態などの品質管理、従業員の服装や工場内の環境、廃棄物の処理方法などの法令順守、排水・廃棄・騒音・臭いなどの環境への配慮などについてチェックします。

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メーカーが会計士に求めることとは

メーカーが会計士に求めることとは

では、メーカーは会計士に対し、どのような知識スキルを求めているのでしょうか。メーカーへの転職を検討する際は、評価されるポイントを把握することが重要です。

会計に関する高度な知識

難関の国家資格として知られる公認会計士は、会計のプロフェッショナルとして位置付けられています。そのため、メーカーが公認会計士を募集する際は、会計に関する専門知識が豊富な人材を採用したいと考えているケースが大半です。
また、監査法人対応を任せる目的で公認会計士を採用するケースも多く見受けられます。

メーカーの経理業務で必要な「原価計算」は、公認会計士試験の管理会計論の出題範囲に含まれます。他の業種とは異なる特殊な知識が求められるため、転職を検討している方は、復習をしておきましょう。

経営目線で事業を見る能力

公認会計士には、経営的な視点を持つことも求められます。例えば、製造における一連の工程を把握したうえでムダを省き、利益率向上を図るなどの考え方が必要です。
また、企業が勝ち残るために競合他社の市場状況を正しく把握し、経営者に伝えるなど、経営をサポートする能力も求められます。

コミュニケーション能力

メーカーには多くの部署が存在し、多様な従業員が働いています。公認会計士といった特殊な立場であっても、社内で良好な関係性を築くためのコミュニケーション能力は欠かせません。
また、新規事業などを進めるための資金を調達する際は、社外の投資家や銀行などの金融機関とのやりとりも発生します。会計に関する専門的な知識だけでなく、社内外の多様なシーンで、円滑にコミュニケーションを取れる人材は高く評価されるでしょう。

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会計士×メーカーの求人事例

弊社MS-Japanは、公認会計士をはじめとする士業と管理部門に特化した転職エージェント「MS Agent」を提供しています。
ここでは、「MS Agent」で取り扱うメーカーの会計士求人の一部をご紹介します。

国内大手メーカーグループの経理求人

仕事内容
・グループ連結決算業務・制度開示業務
・IFRS・日本基準改定に対する新たな会計処理検討
・会計課題の抽出・アドバイスを提供する社内コンサルティング業務
・グローバル全社経理部門への会計教育
・買収会計に関連する企業価値評価業務
必要な経験・能力
・公認会計士としての一定期間(5年程度)以上の監査等の実務経験
・上場会社での連結決算・法定開示の実務経験
想定年収
600万円 ~ 900万円

清涼飲料メーカーでの経営企画求人

仕事内容
・統合報告書をはじめとするIR資料の作成
・投資家対応(問い合わせ対応や日程調整、社⾧面談時の同席)
・各種PJ(サスティナビリティや新規事業、M&Aなど適性により配置)
・各部署との連携(特に財務経理部門)
必要な経験・能力
・公認会計士資格
・監査法人出身の方
想定年収
800万円 ~ 1,250万

医療品メーカーでの内部監査求人

仕事内容
・内部監査プログラムの計画・実施とマネジメントへの結果報告
・年間内部監査計画策定のための監査インテリジェンス活動
・マネジメントへのコンサルテーションと改善提案
・品質のアシュアランスと改善のプログラム(QAIP)の強化
必要な経験・能力
・内部監査実務経験
・監査法人経験
想定年収
600万円 ~ 1,200万円

まとめ

近年では、ワークライフバランスの実現を目指し、監査法人から一般企業へ転職する公認会計士が増えています。監査法人に勤め、メーカーをクライアントに持っている場合、転職市場で高く評価されるでしょう。
ただし、メーカーの経理業務では、工業簿記を基にした原価計算などの特殊なスキルが求められます。メーカーがどのような公認会計士を求めているか、しっかりとリサーチを行ったうえで、転職活動を有利に進めていきましょう。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

圓鍔 忍

大学卒業後、旅行代理店にて法人営業を約3年。20代でMS‐Japanへ入社。
企業の採用支援(リクルーティングアドバイザー)を約8年、求職者の転職支援(キャリアアドバイザー)を約5年経験。
両ポジションでチームマネジメントを経験し、キャリアアドバイザーとしては複数回にわたり支援実績数NO1を獲得。リクルーティングアドバイザーにおいても入社1年半後にチームマネジメントを経験させていただきました。現在は子育てと両立しながら、常に社内でトップ10以内の採用支援実績を維持。

経理・財務 ・ 法務 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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公認会計士が外資系企業に転職するメリットは何ですか?

公認会計士が外資系企業に転職するメリットは、「自分のペースで仕事ができる」「日系企業に比べて年収が高い」の2つです。 外資系企業は良くも悪くも実力主義のため、成果を出すことができていればプライベートの時間も確保しながら仕事をすることができます。 また、日系企業に比べて年収が高い傾向がありますが、福利厚生は日系企業の方が充実しているため、年収と福利厚生のどちらを重視するかを検討する必要があります。

公認会計士は外資系企業でワークライフバランスを重視した働き方が出来ますか?

外資系企業は日系企業に比べて実力主義な傾向が強いため、自分で労働時間を管理することができます。 また、今では日系企業でもリモートワークを採用している企業が多いですが、外資系企業は日系企業よりもリモートワークが普及しているため、働き方という意味でも外資系企業ではワークライフバランスよく働くことが可能です。

公認会計士は外資系企業でどのような部門に配属されることが多いですか?

公認会計士が外資系企業に転職する場合、「アカウンティング部門」もしくは「ファイナンス部門」のいずれかが有力な選択肢となります。 アカウンティング部門は、日系企業でいう経理部に当たり、ファイナンス部門は日系企業でいうと予算管理部門と経営企画部門のちょうど間ぐらいの立ち位置になります。

公認会計士が外資系企業で働くにはどのようなスキルが求められますか?

公認会計士が外資系企業で働くには、本国の経営陣や従業員とビジネス的な会話ができるレベルの語学力が必要です。 また、本国の所在地にもよりますが、US-GAAP、IFRS/IASといった海外の会計基準と日本の会計基準の違いをしっかりと理解しておく必要があります。 日本の公認会計士だけでなく、USCPAなどを取得しておくと外資系企業への転職には有利になります。

公認会計士が外資系企業に就職・転職するハードルは高いですか?

公認会計士が外資系企業に就職・転職するハードルは決して低くはありませんが、IFRS(国際財務報告基準)に関する知識と経験がある方には転職のチャンスがあります。 また、一定の英語スキルも必要にはなりますが、入社時に極端に高い語学力が求められるわけではありません。 尚、管理職を目指す場合は本国や他国の拠点とやり取りをするためにも、英語力は必須となります。

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