証券会社で公認会計士が活躍できるポジションは？求められるスキルや転職成功事例など

証券会社とは

証券会社は、株式や債券、投資信託などの金融商品の売買を取り扱う企業です。
売買取引を通じて、企業が資金を調達し、個人や機関投資家が投資を行う場を提供しています。
証券会社のビジネスモデルは、主に手数料収入に依存しています。
例えば、株式を発行する際のサポートや、既に発行されている株式の売買を仲介することが主な収益源です。

証券会社は大きく分けて二つの市場で活動しています。
一つは発行市場で、企業が新たに株式を発行して資金を調達する際に、証券会社が株式の引受けを行います。
もう一つは流通市場で、既に発行された株式や債券の売買を仲介し、投資家がスムーズに取引を行える環境を整備します。

具体的な業務としては以下の4つが代表的です。

また、M&Aに関する仲介や資金調達の支援も証券会社の役割の一つです。
近年の証券会社は、単なる仲介業務にとどまらず、個人投資家への投資アドバイスや預かり資産の管理・運用にも力を入れています。
手数料競争が激化する中で、安定した収益を確保するため、信託報酬などの長期的な資産運用にもとづくビジネスモデルへの転換が進められています。

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証券会社の種類と特徴

一口に証券会社と言っても、その種類は多様で、それぞれ異なる特徴や強みがあります。
以下に、証券会社の主な種類と特徴を見てみましょう。

国内大手独立系

独自のブランド力と広範なネットワークを持ち、幅広い金融サービスを提供しています。
個人投資家を対象としたリテール業務から、企業の資金調達、M&Aのサポートまで多岐にわたる業務展開が特徴です。
国内市場に深く根ざし、日本企業との強固な関係を通じた取引に強みがあります。
独立系の特徴として出向が少ないため、転職後のキャリアパスが見通しやすいことも魅力です。

準大手・中堅系

国内大手ほどの規模ではないものの、ニッチな市場や特定の顧客層に対するきめ細かなサービスが特徴です。
例えば、中小企業向けの資金調達や、顧客基盤を活かした地域密着型のリテール業務に強みがあります。
特に、個人投資家に対しては、より親身なサポートが持ち味です。
地方銀行や信用金庫と提携しながら、地域経済の活性化に一役担う中堅系証券会社も少なくありません。

銀行系

銀行系の証券会社は、メガバンクのグループ企業として運営されているケースが一般的です。
銀行との連携を強みとしており、銀行の顧客基盤を活用した商品提案や投資アドバイスが特徴です。
預金口座と証券口座を一括管理し、資産運用を効率的に行うなど、銀行と証券会社が一体化したサービスも整っています。
銀行の信用力を背景に、大規模な案件や取引を手掛けられることがキャリアとしてのメリットです。

外資系

グローバルなネットワークと最新の金融技術を活用し、国際的な視点からの投資アドバイスが特徴的です。
日本国内においても、大企業や機関投資家に対してグローバルな投資提案を行うなど、大口取引を含めて多様な選択肢を提供しています。
海外案件に携わる機会が豊富で、若手でも実力次第で高年収が得られやすい点が魅力です。

ネット証券

インターネットを通じて証券取引を行っている証券会社です。
店舗を持たないため、低コストでの運営が可能で、手数料も安い点が特徴です。
スマートフォンやパソコンを使った取引が主流であることから、IT関連の知識が豊富な人が求められています。

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公認会計士が証券会社で活躍できるポジション

証券会社は金融業界の中でも特に専門性が高く、公認会計士の資格を活かせるチャンスが広がっています。
ここでは、証券会社で公認会計士が活躍できる4つの代表的なポジションについて解説します。

経理

証券会社の経理担当は、通常の会計業務に加えて、国際的な財務報告基準（IFRS）に対応した財務諸表の作成が求められます。
特に大手証券会社では、海外に子会社や関連会社を持つケースが多く、国際基準に準拠した会計処理が必須です。
それに対応できる人材として、公認会計士は経理ポジションでのニーズに当てはまっています。
決算期以外の時期は比較的残業が少なく、ワークライフバランスが取りやすい職場環境も魅力の一つです。

プライベートバンカー

プライベートバンカーは、高額資産を持つ富裕層に対して、資産運用や事業承継のコンサルティングを行う専門職です。
証券会社においてもプライベートバンキングの需要は高く、財務に関する深い知識を持つ公認会計士に適したポジションと言えます。
転職にあたっては、富裕層との信頼関係を構築するためのリレーションシップ・マネジメントを学ぶことが、質の高いソリューション提供に役立つでしょう。

カバレッジバンカー

大手企業を含めた法人顧客に向けて、資本調達やM&Aに関するアドバイスを行う役割が、カバレッジバンカーです。
このポジションで企業の経営課題を解決するためには、コーポレートファイナンスや財務会計の知識が欠かせません。
財務状況を分析し、最適な資本調達方法を提案できる公認会計士は、その知識を活かすことで企業の成長をサポートすることが可能です。
特に、FASでのキャリア経験を持つ公認会計士であれば、より広範なコンサルティング能力を発揮できるでしょう。

引受審査

引受審査は、証券会社が企業の株式や債券を引き受ける際に、その企業の財務状況と経営体制を詳細に審査する業務です。
発行される有価証券の適正性や財務の健全性を確認するため、非常に重要な役割と言えます。
公認会計士としての監査経験や財務分析能力は、引受審査との親和性があることが特徴です。
このポジションは責任が重い反面、やりがいも大きく、キャリアアップを目指す公認会計士にとって魅力的な選択肢になります。

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証券会社で求められるスキル

証券会社で働くためには、どのようなスキルが求められるのでしょうか。
転職を視野に、重要視される3つのスキルに着目します。

金融関連の知識

証券会社での業務において、幅広い金融知識は不可欠です。
公認会計士としての会計知識に加え、株式や債券、デリバティブなど、さまざまな金融商品の特性を理解することが求められます。
市場動向や経済指標を把握し、適切な投資判断を行うためには、ファイナンスに関する深い知識も必要です。
転職準備の一環として、業界知識も含めてしっかりと身につけておくことが重要です。

分析力

証券会社で働く場合、日々変動する市場を読み解くための分析力が欠かせません。
それは、経済状況や企業の財務状況を正確に分析し、適切な投資判断を下す能力とも言えます。
特にディーリング業務の場合、迅速な意思決定が求められ、市場の変動に対して的確な対応を取ることが肝要です。
証券業界では、数字やデータにもとづいた合理的な判断ができるかどうかが、今後のキャリアを大きく左右します。

コミュニケーション能力

証券会社での業務は、顧客との関係構築を基盤としています。
顧客のニーズを正確に理解し、その期待に応えるためには、優れたコミュニケーション能力が求められます。
顧客の投資目標やリスク許容度を的確に把握し、最適な金融商品を提案するためには、対話を通じて信頼関係を築くことが重要です。
社内においても、チームとして連携するために、情報共有や意見交換を円滑に行える対人スキルが必要となります。

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公認会計士×証券会社の求人例

証券会社へ転職した公認会計士の事例

大手監査法人から証券会社の富裕層向けサービス部門に転職した公認会計士の事例

多忙な大手監査法人で経験を積んでいたTさんは、40代を迎える年齢を機に転職活動を始めました。
転職先のイメージが具体的に固まっていなかったため、求人には広く応募してみるものの、どこか決め手に欠けてしまう状態でした。

そんな中、他の公認会計士とは一味違った仕事をしたいと思うようになり、特徴がある求人を求めるようになったのです。
結果、大手証券会社での富裕層向けサービスに携わるポジションと巡り合い、採用内定を得るに至りました。
転職活動を始める際は方向性を定めることが通例ですが、悩み続けるより、まずは活動を始めてみて貴重な出会いを得るのも一つの方法です。

IFRS対応経験を高く評価する企業を見極め、転職を成功させた公認会計士の事例

IFRSの見識があるKさんは、大手監査法人で仕事ぶりを評価され、監査の仕事にやりがいを感じていました。
総合商社に出向した際、IFRS導入プロジェクトや連結決算業務を経験したことを機に、組織内公認会計士を目指したいと思うようになりました。

一方で希望年収が高いKさんは、事業会社の平均的な水準と折り合いがつかず、年収水準が高い総合商社や金融機関を中心に検討します。
特にIFRS対応に課題がある企業を積極的に検討した結果、大手証券会社での転職につながりました。
有力な競争相手が多い中、企業側の細かなニーズを見極め、自身の強みであるIFRS対応経験を最大限に活かしたことが、転職成功のポイントと言えます。

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まとめ

証券会社でのキャリアは、公認会計士にとって新たな可能性を広げる選択肢でもあります。
金融知識、分析力、コミュニケーション能力を駆使することで、重要なポジションで活躍の機会を得ることができるでしょう。
これまでの経験も活かしつつ、新たなチャレンジとして証券会社でのキャリアをぜひ検討してみてください。

その際、公認会計士の転職支援に強い転職エージェント「MS Agent」の利用がおすすめです。
経験豊富なキャリアアドバイザーから具体的なサポートを受けることで、証券会社へのキャリアチェンジが実現しやすくなるでしょう。