監査法人から経理に転職して年収アップにワークライフバランスも改善!

最近、「ワークライフバランスを改善したい」といった理由で、監査法人から経理への転職を考える公認会計士が増えています。
監査法人の仕事は残業が多い傾向があり、企業経理への転職で仕事とプライベートを両立しやすくなるケースもあります。
そこで今回は、公認会計士に特化した転職エージェント「MS Agent」が、監査法人から経理へ転職する上での注意点や気になる年収の変化、転職後のキャリアについて解説します。


監査法人から経理に転職は出来る?
結論、公認会計士であれば監査法人から企業の経理への転職は可能です。
特に、公認会計士として監査業務を行ってきた経験は、上場企業やIPO準備中企業などで高く評価されます。
転職は年齢は若いほうが有利?
一般的に転職は、年齢が若いほど有利とされています。
年齢が高くなるほど、企業から求められるスキルや経験のハードルが上がる傾向にあるためです。
ただし、企業内会計士としての転職の場合、企業は監査法人で十分な経験を積み、転職後すぐに活躍できる人材を求めていることから、若ければ良いというわけではありません。
そのため、企業内会計士の転職市場では、監査法人で一定の経験を積んでいる30代、40代が最も活発となっています。
一方で、50代や60代になると、正社員としての採用が控えられるケースもあるため、転職を検討している場合は、早めの行動をおすすめします。
英語力が必要とされるケースもある
外資系企業や大手上場企業など、海外で事業展開を行う企業では英語力が求められることが多くなります。
TOEIC700点程度を取得しておくと有利で、800点以上であればさらに強いアピールポイントとなります。
監査法人から経理へのよくある転職理由
冒頭、「ワークライフバランスを理由に企業経理に転職を考えている公認会計士が増えている」と紹介しましたが、実は公認会計士が企業経理に転職している理由は他にもあります。
監査法人から企業経理への主な転職理由は以下の3つです。
- ・ワークライフバランスを整えたい
- ・監査業務以外をやりたい
- ・クライアントとの人間関係に疲れた
具体的にどのようなことが関係しているのか、以下で詳しく見ていきましょう。
ワークライフバランスを整えたい
監査法人での仕事は激務になりやすいことから、残業が続く日々に耐えられずに転職を検討するケースは多く存在します。
特にクライアントの決算期直後は業務量が増えてハードスケジュールになりやすく、深夜残業や週末勤務が続いてストレスを感じることも少なくありません。
監査業務以外をやりたい
監査法人での業務は、マニュアルに基づいた作業や形式的な手続きが大半を占めています。
さらに例年同じような業務を行うことから監査の仕事に飽きてしまい、「監査業務以外の仕事に就きたい」と考える方も多い印象です。
クライアントとの人間関係に疲れた
監査法人はクライアントである企業を「監査」する立場にあるため、時には双方の認識に差異が生じたり、意見が衝突したりするシチュエーションは比較的頻繁に起こります。
そういった状況によってストレスを抱えてしまい、「クライアントとの人間関係に疲れたから転職したい」と考える会計士の方も多々みられます。
監査法人から企業経理へ転職するポイントや注意点
転職は、人生において大きな節目となることです。
監査法人から企業経理へ転職する際に留意すべきポイントや注意点を見てみましょう。
なぜ転職したいのかを確認しよう
転職を考える際には、「なぜ転職したいのか」を十分に確認することが重要です。
一般に、監査法人は年収などの待遇面や将来のキャリアという面で恵まれた職場です。
漠然とした不満などを理由として転職した場合には、転職先でもおなじ不満を感じて転職をくり返すことになりかねません。
なぜ転職したいのかを考える際には、自分が好きなことや得意なこと、苦手なこと、やりたくないことなどを紙に書き出してみることがおすすめです。
また、転職したい理由がはっきりとしてきたら、それは今の職場で実現することができないのかを改めてよく考えましょう。
自分のこれまでの経験を棚卸ししよう
なぜ転職したいのかが明確になり、転職を決心したら、次に、監査法人での自分のこれまでの経験を徹底的に棚卸ししましょう。
転職活動での面接では、「あなたのこれまでの経験を聞かせてください」との質問が必ずされることとなります。
その質問に対する明確な答えを用意しておくことが大切です。
経験の棚卸しをする際には、
- ・ビジネスマナーやPCスキル、資格など社会人として身に付けたこと
- ・どのようなクライアントを担当したかなどスタッフとしての監査経験
- ・担当科目など経験した監査業務の詳細
- ・インチャージを経験したことがあるのならその詳細
- ・監査業務以外に監査法人で経験したこと
などについて、表にして書き出していくことがおすすめです。
監査法人はスマートに退職しよう
転職の際には監査法人をスマートに退職し、退職後にも連絡が取れるようにしておきましょう。
監査法人との関係は、退職後にどんな形で役立ってくるかわかりません。
退職は、上司やパートナーに早めに相談し、関わっている業務に迷惑がかからないようにしましょう。
また、退職前に「どうせ辞めるのだから」と消極的になったり、よそよそしい態度をとったりすることは避けましょう。
加えて、お世話になったクライアントに対しても、きちんと挨拶しておくことは大切です。
元クライアントとの関係をしっかりと継続しておけば、陰に陽に応援してもらえるようになるでしょう。
監査法人から経理へ転職すると年収は?
続いては、監査法人から企業経理に転職した際の年収の変化について見てみましょう。
一般的に公認会計士の年収は、企業よりも監査法人の方が高いため、監査法人から企業に転職すると年収が下がるを言われています。
下は、監査法人に勤務する公認会計士の平均年収と一般企業に転職した公認会計士の平均決定年収の比較の表です。
監査法人勤務の 公認会計士の 平均年収 |
一般企業に転職した 公認会計士の 平均決定年収 |
差 |
---|---|---|
985万円 | 823万円 | 162万円 |
※2023年1月1日~2023年12月31日に「MS Agent」にご登録いただいた公認会計士及び、「MS Agent」を通してご転職先が決定された公認会計士の年収データ
上記の表からは、監査法人から一般企業に転職した際に、年収が約160万円減少していることが分かります。
また、監査法人勤務の公認会計士の中には20代の若手会計士が多く含まれていることを踏まえると、一般企業への転職ボリュームゾーンである30代、40代の年収はさらに高いことが予想されるため、実際は160万円以上の年収ダウンの可能性が高いと考えられます。
ただし、一般企業における公認会計士の需要は年々高まっているため、在籍していた監査法人でのポジションや経験によっては、転職時に年収が落ちないケースもあります。
特に、外資系企業や金融機関の経理に転職する場合は、年収が高くなる可能性もあります。
その分、人気も高いために競争が激しくなり、採用のハードルも上がると認識しておきましょう。
経理へ転職した会計士のキャリアステップとは
監査法人経験者が経理へ転職した場合、公認会計士としての知識や経験を見込まれ、連結決算や開示関連の部門へ配属される可能性が高いでしょう。
グローバル企業の場合であれば、海外子会社の経理担当責任者候補として海外勤務となる可能性もあります。
大手企業の場合なら、経理部長となるのは40代中盤以降となるのが一般的です。
また、CFOなどのポジションを目指すためには、経理だけでなく財務関連部門の経験が必要とされることもあります。
株式公開を目指すスタートアップ・ベンチャー企業の場合なら、20代後半~30代前半でCFOや経理部長のポジションに就けることもあります。
企業経理に転職したい会計士必見の転職相談会
もし監査法人から経理への転職に関してお悩みの場合は、弊社MS-Japanが開催している「個別転職相談会」に参加されてはいかがでしょうか。
MS-Japanは経理をはじめとする管理部門や士業の転職に特化した転職エージェント「MS Agent」を運営しており、30年以上培ってきた転職ノウハウを活かして転職・キャリア形成のサポートをさせていただいております。
資格・職種に特化した個別転職相談会もそのひとつで、Web会議システムやお電話にて常時開催中です。
なお、相談会は以下のような流れで行われます。
- ・ご経歴のヒアリング(履歴書・職務経歴書をもとにヒアリング)
- ・キャリアプランのすり合わせ(実現したい目標や今後の志向について確認)
- ・転職活動におけるアドバイス(転職市況や転職活動のスケジュールなどについてアドバイス)
- ・求人のご紹介(希望者には具体的な求人を紹介)
- ・質疑応答
個別転職相談会の参加費は無料で、「MS Agent」に登録されていない方でもお気軽にご参加いただけます。
一般企業での会計士のキャリアパスに興味をお持ちの方や、監査法人から一般企業に転職するメリット・デメリットを知りたい方、ご自身の市場価値や転職市況について知りたい方は、ぜひ相談会にて疑問や不安を解消するとよいでしょう。
監査法人から経理への転職成功事例
ここでは、「MS Agent」を活用して監査法人から経理への転職を成功された方の事例をいくつかご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
※画像をクリックいただくと、それぞれの詳細な転職事例をご確認いただけます。
残業&休日出勤の多い環境を改善したい40代会計士の成功事例!

Hさん(41歳・男性)資格:公認会計士
Big4監査法人


上場企業の経理
年収±0円
Hさんは長年Big4監査法人に勤めていましたが、繁忙期になると慢性的な残業と休日出勤が発生する環境に疲れを感じるようになり、ワークライフバランスの改善を理由に転職を決意。経理実務の経験が乏しい点に不安があったため、MS Agentにて監査法人での経験が最大限評価される求人に絞ってご提案しました。
すると経理部に公認会計士がいないプライム市場から内定を勝ち取り、年収ダウンのない満足の転職を実現。企業の内情を把握し、自身の強みを上手に売り込んだことが勝因となった事例です。
結婚を機に多忙な日々を見直したい30代会計士の成功事例!

Bさん(35歳・男性)資格:公認会計士
中堅監査法人


大手上場企業の経理
年収50万円アップ
結婚を機に、「時間と収入のバランスがとれる働き方がしたい」と転職活動を始めたBさん。監査法人で専門的な会計経験を積んできたことから転職の選択肢が非常に多く、大手企業からの内定もスムーズに獲得されました。しかし、「仕事についての相談がしやすく、助け合えるような風通しの良い企業で働きたい」といった希望から知名度ではなく「企業風土が合うかどうか」を重視し、最終的に落ち着いた社風の老舗メーカーへの転職を遂げました。
東証プライム上場企業への転職で年収アップした成功事例!

Hさん(27歳・女性)資格:公認会計士
Big4監査法人


東証プライム上場企業の経理
年収200万円アップ
HさんはBig4監査法人にて順調に出世してきましたが、ワークライフバランスの改善を理由に事業会社の経理職への転職を決意されました。MS Agentにて監査法人ならではの苦労に理解のある企業を中心にご提案したところ、同じ境遇の女性公認会計士が在籍する企業に出会い、スムーズに内定を獲得。経理部の雰囲気の良さも決め手のひとつとなり、安心して転職を決断されました。
監査法人の経験が活かせる経理の求人事例
MS-Japanでは、監査法人の経験や公認会計士の資格を活かせる経理の求人を多数掲載しています。
その一部をご紹介します。
創立100年以上の大手海運企業の連結決算担当の求人!
仕事内容 |
・内部取引消去 ・資本連結(投資と資本消去、新規連結・連結除外) ・連結キャッシュフロー計算書作成 ・連結範囲に関する関係会社管理 ・開示関連業務 など |
必要な経験・能力 |
・事業会社、監査法人、税理士法人等での連結決算業務経験3年以上 ・海外子会社と英語でコミュニケーションするのに妨げにならない英語力 |
想定年収 |
600万円 ~ 1000万円 |
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仕事内容 |
・決算業務(月次決算、四半期決算、連結決算) ・開示資料作成 ・M&Aに関する業務(DD、PMI等) ・予算編成に関する業務 |
必要な経験・能力 |
・公認会計士資格 ・公認会計士試験合格者 ・監査法人経験 |
想定年収 |
600万円 ~ 950万円 |
まとめ
監査法人から経理への転職は、特に「ワークライフバランスを実現したい」とお考えの場合におすすめです。
近年では企業経理における公認会計士のニーズが高まっているため、求人の選択肢が多く、場合によっては監査経験が優遇されて高年収での採用に至る可能性もあるでしょう。
ただし、どのような転職を遂げられるのかは勤めている監査法人の規模やポジションのほか、志望先企業によっても大きく異なります。
まずは「なぜ転職したいのか」「転職の際に何を重視したいのか」を慎重に検討したうえで、企業経理へ転職すること自体や志望先企業がご自身に合っているのかを見極めることが大切です。
ぜひ今回ご紹介したMS-Japanの「個別転職相談会」も活用しながら、公認会計士として満足のいくキャリアパスの実現を目指してみてください。


この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、不動産会社にて個人向けの営業を経験。その後MS-Japanへ入社。会計事務所・コンサルティングファーム・監査法人・法律事務所・社会保険労務士事務所等の法人側担当として採用支援に従事。現在はキャリアアドバイザーも兼務し一気通貫で担当しております。
会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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キャリアカウンセリングや応募書類の添削・作成サポート、面接対策など各種サービスを無料で受けることができるため、転職に不安がある公認会計士の方でも、スムーズに転職活動を進めることができます。

会計士が活躍する7つのキャリア
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公認会計士が外資系企業に転職するメリットは何ですか?
公認会計士が外資系企業に転職するメリットは、「自分のペースで仕事ができる」「日系企業に比べて年収が高い」の2つです。 外資系企業は良くも悪くも実力主義のため、成果を出すことができていればプライベートの時間も確保しながら仕事をすることができます。 また、日系企業に比べて年収が高い傾向がありますが、福利厚生は日系企業の方が充実しているため、年収と福利厚生のどちらを重視するかを検討する必要があります。
公認会計士は外資系企業でワークライフバランスを重視した働き方が出来ますか?
外資系企業は日系企業に比べて実力主義な傾向が強いため、自分で労働時間を管理することができます。 また、今では日系企業でもリモートワークを採用している企業が多いですが、外資系企業は日系企業よりもリモートワークが普及しているため、働き方という意味でも外資系企業ではワークライフバランスよく働くことが可能です。
公認会計士は外資系企業でどのような部門に配属されることが多いですか?
公認会計士が外資系企業に転職する場合、「アカウンティング部門」もしくは「ファイナンス部門」のいずれかが有力な選択肢となります。 アカウンティング部門は、日系企業でいう経理部に当たり、ファイナンス部門は日系企業でいうと予算管理部門と経営企画部門のちょうど間ぐらいの立ち位置になります。
公認会計士が外資系企業で働くにはどのようなスキルが求められますか?
公認会計士が外資系企業で働くには、本国の経営陣や従業員とビジネス的な会話ができるレベルの語学力が必要です。 また、本国の所在地にもよりますが、US-GAAP、IFRS/IASといった海外の会計基準と日本の会計基準の違いをしっかりと理解しておく必要があります。 日本の公認会計士だけでなく、USCPAなどを取得しておくと外資系企業への転職には有利になります。
公認会計士が外資系企業に就職・転職するハードルは高いですか?
公認会計士が外資系企業に就職・転職するハードルは決して低くはありませんが、IFRS(国際財務報告基準)に関する知識と経験がある方には転職のチャンスがあります。 また、一定の英語スキルも必要にはなりますが、入社時に極端に高い語学力が求められるわけではありません。 尚、管理職を目指す場合は本国や他国の拠点とやり取りをするためにも、英語力は必須となります。
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