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経理は専門的な業務が多い仕事です。面接の場で求職者が自社の求めている人材かどうか判断したい時には、どのような質問をしたら良いのか困ることがありますよね。そこで今回は、採用面接で見るべき6つのポイントや、経理スキルを確認する方法などをご紹介します。経理の仕事に関しても大まかに解説している他、経理人材の転職市場や未経験者やポテンシャルを持つ人材を採用した場合の育成方法にも焦点を当て、強力な経理部を作るための戦略や取り組みにも触れています。経理人材の採用に携わっている方は参考にしてみてください。
経理人材を採用するのが難しい5つの理由
経理職採用の難易度は増す一方で、募集開始からあっという間に時間が経過している企業も多いです。経理採用が難しいと言われる5つの主要な理由をまとめてみました。
1、専門的な知識とスキルが必要
経理職は、正確な財務データを扱うため高度な専門知識とスキルが必要です。経理担当者は複雑な帳簿管理や税務申告、財務分析などの業務を行います。
2、企業や業界によって求められるスキルが異なる
経理業務は企業や業界、上場・IPO・非上場などの市場区分によって異なるため、求められるスキルや経験も多様です。採用担当者は、自社のニーズに合った適切な経理人材を見極める必要があります。
3、経理業務の複雑化
現代の経理業務は複雑化しており、国内は勿論、IFRSなどの国際的な会計基準やインボイス制度を始めとする度重なる税法の変更にも対応しなければなりません。これにより、経理人材のスキル要件も高まっています。
4、経理人材の需要が増えている
経理の重要性が認識されるにつれ、優秀な経理人材の需要が増えています。多くの企業が簿記資格取得者や3年以上経験がある経理担当者を求めており、経験豊富な即戦力層は年々競争が激化しています。
5、スキルの見極めが難しい
いざ、履歴書や面接だけでは経理人材のスキルを完全に判断するのは難しい場合もあります。実務経験や対応力など、面接の場で最大限イメージがわくような質問をしていく必要があります。
これらの理由により、経理人材の採用は他の事務職と比べると、慎重な対応と適切な判断が必要となります。経理担当者や人事担当者は、求職者の専門知識や経験だけでなく、柔軟性やコミュニケーション能力なども含めて総合的に判断することが重要なため、経理人材採用は難しく、長期化するケースなども多くあります。
経理人材の転職市場とは
一方で経理人材の転職市場はどうでしょうか。現在の経理職市場では、求職者が有利な「売り手市場」が続いています。 専門性の高い経理人材に対する需要の増加と、適切な即戦力人材が不足していることに起因します。 特に、決算経験や税務・連結決算・開示資料作成などの高度なスキルを持つ求職者は、多くの選択肢を持ち、より良い条件での就業が可能となっています。20代後半~40代の経験者に対する求人倍率はいずれも高く、 この傾向は今後も続くと考えられ、経理職市場は求職者主導の状態が強まるでしょう。
経理人材が不足している中、採用するためには
売り手市場の中、経理人材を確実に採用していくためには、転職市場を把握した上で年収、必須条件などの要件設定をすることは勿論のこと、面接で確実に求職者のスキルを見極め、且つ自社への志望度を高く持ってもらう必要があります。
高度なスキルを持つ求職者は、転職先でどのような経験を積めるのか、社内での経理のプレゼンスを重視する傾向があります。採用担当者の経験業務・志望業務への理解が、結果的に求職者の安心につながり、志望度が高まるケースもあります。
そのため採用プロセスでは、求めるスキルと経験に焦点を当てることが不可欠となり、ポイントをおさえた面接設計が求められます。
経理人材の採用面接で見るべき6つのポイント
スキル、経験内容
一番に確認するポイントはスキルや経験の内容です。履歴書や職務経歴書の短い文面だけでは肝心の内容を把握しきれない場合があります。これまで行ってきた仕事、得意とする仕事、苦労した仕事などに関して質問をしましょう。自分の言葉で端的に説明できるかどうかチェックすることが大切です。また、専門的なスキルが必要だからこそ、テクニカルクエスチョンを行いましょう。答えを受けて、スキルレベルを判断します。
資格
資格も見るべきポイントの一つです。簿記であれは日商簿記2級以上、その他に、税理士や公認会計士などの資格がある人は、即戦力となる人材である可能性が高いです。ただし、資格を持っているだけで実務経験が乏しい人は、実務に関する教育をする必要があります。資格は必ずしも必要というわけではありませんが、あれば実力の証明に役立ちますので、未経験やポテンシャル採用などの場合は募集要件に加える求人が多いです。売り手市場の背景から、ここ数年では簿記3級を所持してれば応募可能な求人も増えています。
英語力
外資系やグローバル企業であれば、英語力は業務に欠かせません。海外での就労経験の有無、TOEICやTOEFLの点数を確認しましょう。英語で質問を行い、受け答えのレベルを判断することも有効な方法です。
人柄、価値観
経理の業務は他部所と関わることが多く、コミュニケーションスキルが求められます。一緒に働く人材として申し分ない人柄かどうか、面接で確認することが大事です。また、その人の価値観を知ることで自社に適した人材か判断しやすくなります。例えば大切にしている価値観とその理由や根拠を聞くなど、価値観に関する質問を面接に盛り込むことは効果的です。
マネジメント経験
マネージャークラスであれば、自分で業務が行えるだけではなく、業務の監督ができるマネジメントスキルが求められます。マネージャークラスの採用は、マネジメント経験の有無を確認しましょう。携わってきた業務において、どこまで責任を負っていたか、人事考課まで行っていたかなどを説明してもらうと、スキルを見極める判断材料となります。
今後経験したい業務
過去の経験だけではなく、これからの希望・展望に関しても聞いておくことが大切です。経理の中でも今後どのスキルを伸ばしていきたいか、他の管理部門業務などにも興味があるのか、マネジメント職を目指したいかなど、求職者もビジョンを持って転職活動に挑んでいることが多いですので、しっかりと求職者の真意を確認しておきましょう。
経理のスキルを面接で確認する方法
テクニカルクエスチョンに役立つスキルの確認方法をご紹介します。
決算を一人で締められるか(締められない場合、どこまでやっていたか?)
経理に欠かせない業務が、経済取引を数値化する決算です。決算を1人で締めることができるかを確認しましょう。決算では年に一度だけしか行う機会がない処理もあります。その為、1回程度の経験では実力が証明できません。一つの目安として、期末決算を同じ会社で3年以上経験している人であれば、ある程度の実力があると判断できます。
経理を経験した企業の上場区分、業種、年商
経理経験があると言っても、勤めていた企業の規模などによって必要とされる経理業務は異なります。経験者であるなら、経理を経験した企業の上場区分、業種、年商などを確認しましょう。自社が必要とする経理スキルの有無を判断する手立てとなります。企業によって、経理の仕事の中でもどのジャンルの仕事が多いかは異なります。以前の会社が似たような業種であれば、即戦力となる可能性が高いです。
社内で担当していた業務と外注(税理士に依頼)していた業務
中小企業で働いた人の場合、仕訳は外部の税理士に依頼している可能性があるので注意が必要です。実際に社内で担当していた業務と、外注をしていた業務を正確に聞き、経理スキルの判断に役立てましょう。具体的なエピソードや実績を話してもらうことがおすすめです。
前職経理部門の組織構成と分担
経理部門の中にも組織が形成されている場合が多いです。履歴書には記載しきれない細かな組織構成と分担に関しては、面接内で確認をすると良いでしょう。経理の経験があると言っても、どのような企業でどのような立場にいたのかによってもスキルには差が生じます。例えば、経理の部門責任者が上にいたとしても、実際の業務は経験のあるスタッフを全て取り仕切っている、などといった場合もあるでしょう。自社が求めている人材とマッチングしているかどうか選考段階で見極めることで、後々のミスマッチを防ぐことが可能です。
決算以外の業務経験
経理には決算以外にも様々な業務があります。即戦力として活躍してもらう為にも、業務経験を詳しく聞いておくことが効果的です。
▼建前とホンネの転職理由から学ぶ「経理人材採用と定着強化のポイント」
経理の仕事内容とスキルを大まかに知っておこう
経理の業務は多岐に渡ります。こちらでは主な仕事内容とスキルを解説します。
決算業務
経理は1年間の取引データを集計し決算書を作成します。決算に関わる業務としては、経理事務、記帳、買掛売掛管理、決算補助、月次決算、四半期決算、年次決算、連結決算、上場経理、有価証券報告書、税務申告書作成、USGAAP、IFRSなどが挙げられます。
財務
財務も非常に大切な仕事です。簡単に言うと、決算業務によって作成された決算書などをもとに、資金計画を立て行動を起こす業務にあたります。具体的には資金繰り、資産運用、金融機関折衝、資金調達などが主な業務です。経営に深く関わってくる極めて重要な業務であり、企業の命運を担っているといっても過言ではありません。
管理会計
管理会計は、簡単に言うと、経営者が意思判断をする為の材料を用意する業務です。社内向けの会計と言えます。事業計画書や中期経営計画資料、取締役会資料などを作成します。経営企画と同様の役割を持ち、担当しているケースもありますので、どこまでの範囲を担当していたのかなどを聞けるとよいでしょう。
国際業務
外資系企業であれば国際業務も行う必要があります。英文会計への対応、英文レポーティング、海外事業所管理、移転価格、国際税務などを行うことが必要です。国際業務の場合、英文対応以外にも、多言語に対応する必要がある場合もあります。
株式公開準備(IPO準備)
株式公開を目指すベンチャー企業などで必要とされる業務です。経営管理体制を整備します。資本政策、一の部作成、二の部作成などが挙げられます。株式公開準備を担当することは責任の重い業務です。その分、期待値が高く、株式公開を実現させれば高い評価を得られます。この業務を担当する為には、経理・財務・会計のスキルはもちろんのこと、マネジメント能力なども必要です。IPO準備には様々な役割があるため、併せて組織構成と役割分担も聞けるとよいでしょう。
特殊業務
特殊業務としては、与信管理、税務調査対応、自計化、経理システム導入、原価計算、内部監査対応、内部監査、IR、M&A、医療会計・福祉会計などが挙げられます。
その他管理部門業務
経理と言っても、少数精鋭の企業においては経理の仕事だけをしていれば良いわけではありません。人事・総務・法務などその他の管理部門の業務を行うこともあります。
未経験やポテンシャル採用した場合の人材育成方法
即戦力の経験者を採用できるに越したことはありませんが、売り手市場の為採用に長期間要してしまうケースもあります。人的資源がさけるようであれば、未経験者やポテンシャル重視の採用もおすすめです。長期的な視点で、経理人材の確保と育成に取り組むことが、人材不足問題の解決に繋がります。この場合、経理人材の育成は特に重要です。採用担当者は、以下のような戦略を取ることが効果的です。
経理基礎教育の強化
未経験者には経理の基礎知識を理解させることが不可欠です。基礎から応用まで、段階的な研修プログラムを設計し、会計原則や財務報告の基本を教育します。実務と密接に関連するケーススタディを用いた教育も効果的です。
実務経験の積極的な提供
知識だけでなく、実務経験を積む機会も重要です。最初は簡単な業務から始め、徐々に複雑な業務へと移行させます。メンターシステムを導入し、経験豊富な先輩社員が指導、育成にあたることも有効です。任せてもらえる業務が少なすぎると、モチベーションダウンにつながり、早期離職につながる可能性もあるため適切な業務量の調整が必要です。
継続的なサポートと評価
未経験者の育成は一過性のものではありません。継続的なサポートと定期的な評価を行い、成長の過程を見守ります。特に1か月の流れ、1年の流れをつかむ最初の本決算が終わるまでは、慣れるまで一苦労です。目標設定とフィードバックのサイクルを確立し、経理業務のやりがいを伝え、モチベーションを維持させることが不可欠です。
強い経理部を作るには
経理部門の強化は、企業財務の安定と成長に不可欠です。特にIPO準備企業や売上増加などの成長フェーズの企業では強い経理部構築が不可欠となります。
経理部は、正確な財務管理と効率的な運営が求められる部署です。定例業務の他に、業務改善で効率化を図る必要があります。採用する際には、候補者の専門知識はもちろん、分析力、問題解決能力、そして新しい技術やシステムへの適応力を見極める必要があります。またインボイス制度など、新たな制度をキャッチアップできる能動性も重要です。
さらに、チームワークを重視し、協調性やコミュニケーション能力も評価します。これにより、個々の強みを活かし、チーム全体の成果を高めることができます。最終的に、経理部門の強化は、適切な人材の採用に加え、メンバーが互いに協力し合い、共に成長できる環境の提供によって実現していきます。経理人材採用は組織強化の根源となるため、事業戦略に併せて確実に採用し、強い経理部をつくりましょう。
まとめ
即戦力となる経理人材を採用するためには、選考の段階で、自社が求めているスキルがある人材かどうか見極めることが重要と言えます。一口に経理業務の経験があると言っても、勤めていた企業によって求められる業務内容やスキルなどの比重に違いや、行う必要がある業務が限られている場合があります。選考の段階で、求職者のスキルや経験を正確に把握して、自社に必要な人材かどうか判断することが大切です。経理の仕事は専門知識が必要ですので、面接などの場には現役の経理職員に同席してもらうこともおすすめします。業務に関わる具体的な質問をすることで、求職者のレベルがわかりやすくなるでしょう。
経理の転職市場ですが、近年は売り手市場となり、どの企業でも人材不足が深刻化しています。欠員や組織強化に伴う経理人材の増員を行いたくても、思うように母集団が集まらないケースや、内定後辞退など採用の難易度が増しています。経理人材採用に難しさを感じている方も多いのではないでしょうか。求職者の経験業務に対する理解を深め、自社での業務内容を詳しく伝えるだけでも信頼度がアップし、志望度が上がるケースは多くあります。ポイントを押さえて、経理人材を確実に採用し、強い経理部を作りましょう。
弊社MS-Japanでは、経験豊富な経理人材を貴社のご要望に応じてご紹介することが可能です。 毎年、数多くの転職希望がご登録いただき、約80%以上が実務経験を有する即戦力人材になります。近年は、簿記資格をお持ちの20・30代ポテンシャル~未経験人材も豊富にご登録がございます。 ご興味ある採用担当者様は、下記ボタンよりお気軽にお問い合わせください。
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