採用成功ガイドRECRUIT GUIDE
会計事務所の人手不足は未だ深刻です。税理士試験受験者が年々減っていることに加え、会計事務所から一般事業会社へ転職をする人材が増えているとも言われていますが、それは本当なのでしょうか?そこで今回は、MS-Japanの登録者3398名を対象に、会計事務所経験者の転職希望先について調査を行いました。繁忙期も差し掛かった今、冬の採用においての参考にしていただければ幸いです。
1.会計事務所経験者の転職希望先、やはり経理に流れていた
会計事務所経験者の転職希望先として、会計事務所よりも経理・財務を希望されている方の方が多いことが分かります。一方で、会計事務所と経理・財務を併願する方も多数おり、「会計事務所から経理・財務へ転職する」という選択肢が、会計事務所経験者の中では一般的になってきているようです。
会計事務所経験者が経理・財務を希望する理由としては、下記のような点が挙げられました。
- 残業時間を減らしたい
- パートナーから安定性がある企業の方を勧められた
- 給与や労働条件を良くしたい
- 長期的に働きたい
2. 特に20代・40代の会計事務所経験者の心は経理に
次に、年代別の転職希望先を見てみましょう。30代の会計事務所経験者は、比較的会計事務所への転職を希望している方が多いものの、20代や40代の方々は、経理・財務への転職を希望されている方が多い状況です。
①会計事務所への転職
② 経理・財務への転職
③ 会計事務所と経理・財務の併願
会計事務所経験者の転職希望先としては、主に上記3つの選択肢が多いのですが、中にはそれ以外の職種の併願を希望されている方もいます。年代別にその人気の選択肢を見てみましょう。
20代の会計事務所経験者は、経理・財務と「人事・総務」を併願する方が最も多いです。恐らく、20代の方はまだキャリアが浅いこともあり、経理・財務という業務を目指しているというよりも、管理部門全般を選択肢として一般事業会社への転職を希望されているのではないでしょうか。
一方で、30代の会計事務所経験者は、経理・財務と併せて「経営企画」を希望される方が増えてきます。30代になるとこれまでの経験を活かしたうえで、コアキャリアとなる強みや、専門性を付けたいといった気持ちが出てくるようです。
さらに40代以降の会計事務所経験者においては、20代と同じく経理・財務と人事・総務の併願を希望される方が多いです。ただ、20代の動機とは異なり、40代以降となると管理職やマネジメント経験といった点も意識し、幅広い経験を求めているようです。
3. しかし、税理士や科目合格者は会計事務所に残りたがっている!
これまで会計事務所経験者の全体を見てきましたが、資格取得者のみに絞ると、結果が変わってきます。
税理士・全科目合格者と科目合格者は、経理・財務よりも、会計事務所を希望されている方が多いことが分かります。特に、税理士・全科目合格者はその傾向が強いです。やはり資格取得をした後は、専門性をより活かせる会計事務所でキャリアアップしていきたいといった気持ちが強いようです。
資格取得者の転職動機としては、下記のような点が挙げられました。
- よりレベルの高い資産税業務を経験したい
- コンサルティング業務を経験したい
- より規模の大きいクライアントを担当したい
- 独立に向けてプラスとなる経験を積みたい
4. 「選ばれる」事務所のポイントは、高度な業務と働き方
4-1. 税理士や科目合格者は会計事務所でのスキルアップを望んでいる
前述のように、税理士・全科目合格者や科目合格者は、比較的会計事務所への転職希望が強いことが分かりました。ただし、現在は求人が多く、売り手市場であり、そもそもの資格者の母数が少ない中で優秀な人材を採用することは、簡単ではありません。
それでは、会計事務所経験のある資格者は、どのような事務所を希望しており、どのような事務所が「選ばれる」事務所なのでしょうか。
上記のグラフを見ると、税理士・全科目合格者は、会計事務所と併せて「コンサルティングファーム」を希望している方が最も多いです。また、科目合格者については、経理・財務と「経営企画」を併願して希望している方が多い状況です。
やはり資格を取得された方は、より高いレベルの業務を望んでおり、会計事務所の中でも大手税理士法人や、資産税に強みを持つ事務所など、プラスアルファのキャリアを身に付けられるという点が、「選ばれる」事務所のポイントのようです。
4-2.働き方が希望に合えば、会計事務所に居続けたい人も
一方で、会計事務所と経理・財務を併願している方からは、こんな声もありました。
- 家庭と両立できる会計事務所であれば希望したい
- 残業時間が多すぎない会計事務所が良い
- 経理でも会計事務所でも、勤務地が近いところが良い
高度な業務と働き方、この2点が「選ばれる」会計事務所には必要な要素のようです。
5.まとめ
- 会計事務所経験者が一般事業会社に流れているのは事実。
- 一方で、資格者は会計事務所で働いていきたいという方が多い。
- 「選ばれる」会計事務所であるためには、高度な業務と働き方がポイント。
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