お役立ち資料・コラムUSEFUL DATA/COLUMN


目次


    スクラム採用は近年注目を集めている新しい採用方法です。社員が一丸となって採用活動に取り組むことが特徴であり、人事はプロジェクトマネージャーの役割に徹するなど、これまでにはない採用方法として知られています。今回はスクラム採用に関して情報をまとめました。各企業の事例も紹介していますので、採用活動に携わっている人などは参考にしてみてください。

    1.スクラム採用とは?


    スクラム採用とは、社員主導型の採用活動であり、株式会社HERPによって名付けられました。コミュニケーションを重視し、チーム内で協力して1つのプロジェクトを達成させるスクラム開発のように、社員同士が協力して、全社員一丸となり採用におけるゴール(目標)の達成を目指します。

    株式会社HERPが提唱するスクラム採用では、「権限移譲」「成果の可視化」「採用担当のPM化」という3つが、具体的な要素として定義されていることが特徴です。従来の経営者や採用担当者が主導する採用方法ではなく、現場の社員が主導する点が大きな違いと言えます。

    同じく注目を集めている新しい採用方法にリファラル採用がありますが、リファル採用は社員に人材を紹介してもらう採用方法です。全社員が協力して一丸となってゴールの達成を目指すスクラム採用とは異なります。

    スクラム採用が評価される背景には、採用方法などが多角化したことなどが関係しているのです。採用媒体も増え、優秀な社員を採用する為の方法が多様化しました。これまでのように採用担当者が主導となる形ではなく、より多くの社員が協力して採用活動を行うことで、自社が求める優秀な人材の発掘を促進することができると考えられています。また、一番仕事をわかっている現場の社員が主導することで、人材のミスマッチの発生が防げる可能性が高くなることも、評価されるポイントの一つです。これまでとは違う採用方法を探している方にとっても、チェックしておいて損はない手法の一つと言えます。

    2.スクラム採用を取り入れるメリット・デメリット


    主なメリット・デメリットをそれぞれ3つご紹介します。

    メリット1:優秀な人材を発掘できる

    スクラム採用を実施することで、人事が主導することでは出会えない優秀な人材を発掘できる可能性が高くなり、採用力の向上に繋がります。スクラム採用の採用チャネルは多様です。様々な媒体を駆使できるので、効率よく採用活動を展開することができます。また、人事担当者の負担を軽減できることも、大きなメリットです。採用活動は心理的な負担が大きい業務と言えます。スクラム採用では全社員が協力して採用活動を展開するので、人事担当者に責任が集中してしまう自体を避けることができ、負担が軽減することが特徴です。

    メリット2:ミスマッチを防ぐ

    現場の社員が主導となっているので、自社にマッチした人材を採用できる可能性が高いです。その為、ミスマッチを防ぐことに繋がります。また、社員自身が「誰と一緒に働くか」を意識して採用活動に取り組むので、自社に合う人材について、社員一人ひとりが考えるようになり、採用活動が活発化します。

    メリット3:エンゲージメントの向上

    エンゲージメントとは、社員の会社に対する思い入れ、愛着心を表す言葉です。社員自身が採用活動に主体的に関わることによって、会社の魅力を再認識し、エンゲージメントが向上します。

    デメリット1:役割分担の難しさ

    スクラム採用においては、社員それぞれに明確な役割を割り当てます。役割の割り当てが上手くいかないと、疎外感を感じる社員が出るまたは、採用活動がスムーズに進まないなどのデメリットが生じるのです。すべての社員に役割を与えることの難しさが、スクラム採用のデメリットの一つです。

    デメリット2:ゴールの共有不足は失敗を招く

    スクラム採用では、社員が一丸となって、採用活動における目標達成(ゴール達成)を目指します。ゴールの共有が不十分ですと、採用活動が失敗するリスクが生じるので注意が必要です。社員全員が参加するミーティングを開いて情報を共有するなど、対策を講じる必要があります。

    デメリット3:情報管理を徹底する必要がある

    採用活動では、応募者の個人情報など、重要な情報がやり取りされます。人事であれば、情報管理の意識が高いですが、スクラム採用の場合、全社員の情報管理意識を高めることが必要です。情報漏えいを回避するために、ルール制定や教育を行う必要があることは、デメリットでしょう。ただし、情報管理意識が高くなれば、会社にとってはプラスになります。

    3.各企業が行う「スクラム採用」の具体事例


    株式会社PR Table

    株式会社PR Tableは、いち早くスクラム採用を取り入れたことで知られています。専任の採用担当者を置かずに、採用管理ツールである「HERP」を導入し全社で採用を行っている会社です。HERPでのコミュニケーションを全社員に公開し採用プロセスを明らかにしたことで、組織のエンゲージメントスコアが20%向上。採用をよりスムーズに行えるようになりました。

    ヘイ株式会社

    会社を創業した2018年からスクラム採用を取り入れている会社です。実に社員の9割が会社説明会に参加するなど、手動となって動いています。約10カ月という短期間で社員が90名増加するなど、スクラム採用の効果が現れていることを公表している会社です。

    Fringe81株式会社

    一口にスクラム採用と言っても、複数の種類があります。Fringe81株式会社は、採用を全社的なプロジェクトと位置づけて進めるプロジェクト型のスクラム採用を取り入れている会社です。現場主導であり、人事はプロジェクトマネージャーの役割を担っています。採用以外にも、教育研修など全社で20以上のサイドプロジェクトを進めていることが特徴です。社内評価の軸に組織貢献を取り入れており、約8割の社員がプロジェクトに関わっています。

    FREEPLUS

    FREEPLUSは、大阪にあるティール組織です。スクラム採用を取り入れています。100名を超える正社員メンバー全員が採用権限を持っていることが特徴です。また、採用を希望しているメンバーに対しては財務情報等を参考にしています。採用権限があることで、社員自身が経営を自分ごととして考えるようになり、より自発的に動くことが多くなるなど、変化が生まれたことを公表しています。

    4.スクラム採用を成功させるためのツール


    HERP ATS

    スクラム採用を実現する採用管理ツールが「HERP ATS」です。「HERP ATS」は、スクラム採用の名付け親である株式会社HERPが運営している採用情報管理プラットフォームです。株式会社PR Tableが「HERP」を取り入れていることでも有名です。複数の媒体からの応募情報の一元化できる上に、採用の進捗をリアルタイムにフィードバックするなどができます。Slackと連携、各種通知機能、求人票作成機能、社員紹介の受付が簡単にできる機能など、便利な機能が複数あり、使いやすいです。利用開始がスムーズにできる上に、利用後もコンサルタントがつくなど、嬉しいサポートがあることも特徴と言えます。転職エージェントとのメッセージのやり取りもスムーズに進めることができます。スクラム採用を検討しているなら、チェックしておくと良いでしょう。

    ツールに関しては、自社に合ったものを選ぶことがポイントです。スクラム採用を導入する場合は、自社に効果があるのかを冷静に考えてからツールを検討することをオススメします。

    5.まとめ


    新しい採用方法として注目されているスクラム採用。全社員が採用活動に取り組むことが特徴です。現場の社員が主体的に採用に関わることで、人材の発掘につながる、エンゲージメントが向上するなど、様々なメリットを期待することができます。導入を検討している場合は、スクラム採用を取り入れている他企業の事例を参考にすることがオススメです。

    スクラム採用を導入するためには、組織づくりが必要となります。デメリットを考慮し、段階を踏んでスクラム採用ができる体制を整えることが重要なポイントです。変化の激しい現代の採用に役立つスクラム採用。導入を検討してみると良いでしょう。スクラム採用を取り入れることで、採用だけではなく社内の組織づくりも役立てることができます。

    【この記事を読んだ方におすすめ】
    >人材採用戦略のポイントまとめ。立案から実行まで
    >採用マーケティングとは?今後の採用戦略に組み込もう!

    【SNSをフォローして最新のトピックスをもれなくチェック!】
    >MS-Japan公式Twitter
    >MS-Japan公式Facebook