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近年、バックオフィスという言葉を見聞きする機会は多くなり、バックオフィスサービスという名称を用いた広告宣伝もよく目にするようになりました。バックオフィスとは管理部門のことであり、近年になって企業が新たに備えるようになった機能ではありません。しかし、その重要性は年々、増しているといえるでしょう。以下では、バックオフィスについて再確認するとともに、バックオフィスを担当する人材の採用する際のポイントについてもご紹介していきます。
1.バックオフィスとは
1-1. 経理・人事・法務などの管理部門を指す
バックオフィスとは、顧客と顔を合わせることのない職務を指す言葉であり、一日中、オフィス内で勤務している人々のほとんどがバックオフィスに従事しているといえます。簡単に挙げてみれば、経理、人事、法務などがあります。代表取締役をはじめとする会社役員クラスは経営陣という取り扱いとなりますので、バックオフィスには該当しません。
1-2.同義語は管理部門・間接部門・コーポレート機能など
バックオフィスという機能を昨今の企業が突然備えるようになったわけではなく、これまでは他の呼ばれ方をしていました。例えば、管理部門、間接部門、コーポレート機能、本社機能、裏方などがあります。これらの呼称が、ボーダレス化の進展に伴って、1つの呼称に統一されつつあり、欧米では従来から使用されているバックオフィスという呼称が用いられるようになっています。
1-3.対義語はフロントオフィス
バックオフィスの対義語となるのがフロントオフィスです。フロントオフィスとは、会社の顔として主に顧客と対峙する職務を指します。もっともわかりやすいのが営業職です。会社の外へ出て、自社の商品やサービスの売り込みを行い、契約を取ってくるには顧客との直接的なコンタクトが欠かせません。また、保守管理も同様です。顧客に提供するシステムや設備の定期的なチェックやメンテナンスを行うには、現地への訪問や担当者とコミュニケーションを取るなど顧客と対峙します。一日中、オフィス内にいる場合でも、フロントオフィスとされる職務もあります。その代表的な例が、コールセンター業務です。一言でコールセンター業務といっても、営業を行う場合、ユーザーからのクレーム対応を行う場合もありますが、いずれも通信手段を用いて顧客と直接対峙しています。
1-4.バックオフィスの役割
上記をまとめれば、管理する部署がバックオフィス、稼ぐ部署がフロントオフィスであり、これらが両輪となって会社組織を支えているといえます。バックオフィスが機能していなければ、フロントオフィスが管理業務に時間を取られ、その結果として生産性が低下してしまいます。反面、フロントオフィスが機能不全となっていれば、バックオフィスを維持できるだけのコストが割けず、その規模を縮小させるのに伴い、バックオフィスの機能性が損なわれてしまうと考えられるためです。2.バックオフィス(管理部門)の職種
バックオフィスに該当する経理、財務、人事、総務、法務、情報システムなどの部門で従事する個々のスタッフは、何かを管理しています。
2-1.経理・財務
経理であれば、会社に出入りするお金の流れを管理します。それぞれの取引について伝票を作成して帳簿に記載し、その内容を取りまとめて経営判断に必要な各種の資料の作成も行います。そして、この資料をもとに財務が資金調達を行います。資金は会社組織の血液のようなものであり、供給がストップしてしまえば事業が継続できなくなります。
2-2.人事
人事であれば、人員の採用や管理を行います。ヒトは重要な経営資源のひとつであり、人事の仕事は会社の生産性に大きく関わるものであるのは言うまでもありません。
2-3.法務
法務は契約書の作成およびチェックや、トラブルが生じた際の紛争対応に加え、より重要視されているコンプライアンスへの対応などの業務について法的知識を以て行います。
2-4.情報システム
情報システムはシステムが正常に稼働しているかどうかチェックするとともにエラー発生時などには修正対応を行います。
2-5.総務
総務は他の部署が行わない仕事を一括して担当するため、従業員の健康管理や株主総会の運営などを担います。上場企業においては、株主総会運営などの商事法務を担うこともあります。
これらバックオフィスの業務に共通しているのは、専門知識が要求される点、ミスが許されない点です。AIを用いたバックオフィス向けツールや、専門家がアウトソーシングを請け負っているよう、効率化を図りやすいのもバックオフィス業務の特徴といえるでしょう。
3.バックオフィス(管理部門)の重要性
3-1.大企業にとってのバックオフィス
バックオフィスは企業規模によって、いくらか重要性が異なってきます。まず、大企業にとってのバックオフィスとは、フロントオフィスをより活性化されるものとして重要です。フロントオフィスとバックオフィスが上手くかみ合い、より企業成長していくためには、十分なコスト負担に耐え得る、ある程度の規模の売上と利益があることが前提となります。大企業であればこの点はクリアできるとともに、人材も中小企業に比べて確保しやすいため、バックオフィスの充実も比較的容易です。
3-2.中小・ベンチャー企業にとってのバックオフィス
中小・ベンチャー企業の場合には、コスト削減も兼ねて社長が自らバックオフィス業務を担当しているなどのケースも珍しくありません。この場合、その場でのコスト削減効果はあるものの、売上を伸ばすなど事業拡大させるための機会損失と表裏一体なので、より一層の企業成長を図るためにバックオフィスを充実させることが重要であるといえます。加えて、顧客や従業員などの各利害関係者との調整を行うバックオフィスを備えておけば、コンプライアンス対応や信用構築のためのリスクヘッジにもつながっていきます。
3-3.IPO準備企業にとってのバックオフィス
IPO準備企業となれば、尚更でしょう。IPOを達成するには内部体制等を整え、厳しい審査を通過しなければなりません。審査においては企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性が問われるとともに、ヒアリングや実地調査も行われますので、社内で対応できない部分について外注を繰り返すだけでは対応できません。
4.バックオフィス(管理部門)の採用のポイント
4-1.バックオフィスの採用はスキルマッチが重要
バックオフィス業務は専門的な知識が問われるとともに、ミスの許されない仕事であるため、その業務を担う人材を採用するにあたってはスキルマッチングがとても重要なポイントとなります。人材を教育して戦力としていくのか、すぐに稼働できる即戦力を採用したいのか明確にしつつ、求める人材像をできるだけ鮮明に描くようにしましょう。この際、求人ニーズのある部署をしっかりと見直し、業務を効率化できる部分があるかどうかチェックするのも大切です。その部署の管理者と事前に協議を重ねながら、採用した人材をどこへ配置するのか、以降の部署のビジョンを共有しておけば、採用する人材の持つスキルのマッチングの度合いをより高められます。
4-2.有資格者を社内で採用するのがトレンド
雇用リスクを避けるため、正確でミスのない仕事を期待できるからと、バックオフィス業務の一部を専門家アウトソーシングする方法もありますが、中長期的な視線で考えた場合、社内でその業務を消化できる体制を整えておくに越したことはありません。昨今では、弁護士、公認会計士、税理士、社労士などの資格を持つ専門家を自社で採用する方法がトレンドとなっています。専門家を自社の従業員とすれば、コスト上のメリットもあるでしょうが、それ以上に自社の業務を専属的に担当してもらえるため、よりタイムリーに業務をこなしてもらえるようになるのが最大のメリットといえます。資格を持っている専門家だからこそ、業務の質についても安定した水準を期待できます。
5.まとめ
バックオフィス業務を担当する人材はスキルマッチングがとても大切であり、人材のスキルだけでなく、自社のどの業務を担当させるのかについても見直さなくてはなりません。そのようなときにおススメなのが、転職エージェントに相談する方法です。転職エージェントと交わすヒアリングを通じて、自社がどのような人材を求めているのかが明確になりやすく、そこにマッチする人材を紹介してもらえ、よりスピーディーにバックオフィスの体制づくりが実現するでしょう。人材不足が慢性化している今日だからこそ、採用の窓口を広く構えておくためにも、日頃から数多くの転職希望者と接している転職エージェントと付き合うようにしてみてはいかがでしょうか。
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