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はじめに:採用担当者の役割と人事(採用教育担当)の価値
採用担当者は企業の人材戦略の中心であり、特に新卒および中途採用を通じて企業の未来を築いています。適切な人材の確保は、企業の持続的成長に必須であり、採用プロセスは組織の文化や戦略目標と密接に連携しています。さらに、採用した人材の即戦力化とキャリア成長を促進するためには、教育研修および人材開発が重要です。
この記事では人事の中でも採用・教育担当者を採用する際のプロセスや適切な年収設定、採用成功事例などを詳しく解説しています。
採用プロセスの計画
採用教育担当者を採用する際、まずは組織ニーズに合わせたペルソナの設定が重要です。企業によって採用方法は異なり、特に新卒と中途採用でターゲットとする人材の属性や必要とするスキルが異なります。
新卒採用では、採用人数、母集団形成の手法(学校訪問、インターンシップ、合同説明会、広告媒体など)、採用ターゲットとしている学歴や分野を明確にします。
中途採用の場合は、採用人数や母集団形成の手法(広告媒体、エージェント利用、ダイレクトリクルーティング利用、SNSを通じた広報など)、ターゲットとする職種(営業、管理部門、研究職、ITエンジニア、販売員等)を具体化します。
教育・研修の場合は、自社の教育研修制度はどうなっているのかを明確にし、教育研修の企画から対応して欲しいのか、講師経験は必要か、などを検討します。
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募集要項は、上記を包括的に反映させ、候補者が業務内容や企業文化との親和性を理解できるように詳細に作成します。採用教育担当者としては、採用経験だけでなく、教育プロセスにおける実務的な能力も重視するため、面接では具体的な教育手法や過去の成功事例について深掘りすることが求められます。
面接での重要ポイントと質問例
人事担当者を面接する際に有効な質問の一例を紹介します。候補者の回答からスキルや適性を確かめ、判断しましょう。
採用
・「採用プロセスの中でのあなたの役割を教えてください」
採用経験があるといっても企画から携わっていたのか、選考の段階から携わっていたのかでは経験値が全く異なるため注意しましょう。また、選考においても面接・書類通過の決定権を持っていたのか確認が必要です。
・「採用の際に用いていたツール、採用手法を教えてください」
近年、様々な採用手法や役立つツールが増加しています。使用経験の有無だけではなく、効果的に活用できているかを確認しましょう。定量的な数値や具体的なエピソードを交えてどれだけの成果が上がったのか聞き出すことができると尚良いです。
教育
・「どのような研修を誰に対して行っていたか教えてください。また、研修の結果改善できたことがあれば教えてください」
既存の研修を定期で運営しているのか、新規で研修を企画したのかでは業務難易度が大きく変わってきます。また、オンライン研修ツールやアウトソーサーを活用していた場合はその際に気を付けていたことの確認も必要です。また、研修を行った結果、従業員からどのようなフィードバックがあったのかも合わせて確認しましょう。
人柄・適性
・「他部門や経営層と関わる際、どのようなことに気を付けていたか教えてください」
社内での人事のプレゼンスや風土によっては、いわゆる御用聞きのような採用になっている可能性があります。様々なステークホルダーとどのように関わって業務に取り組んでいたかを確認しましょう。
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採用担当者に求められるスキルと年収の関係
人事(採用教育)の採用成功にはスキルや経験に合わせた適正年収の設定が必要不可欠です。エリアごとに詳しくご紹介します。
関東における人事(採用教育担当)の適正年収
経験年数~職位別でみた年収相場は下記となります。
経験年数 | 未経験・人材紹介出身者・ポテンシャル(採用代行・採用アシスタント経験者など) | 経験2年~3年 | 経験5年以上・リクルーター | マネージャークラス | 採用責任者 |
---|---|---|---|---|---|
年収 | 350万円~450万円 | 450万円~600万円 | 600万円~700万円 | 700万円~850万円台 | 850万円~1000万円台 |
※上記年収は月額給与及び定期的に支給される賞与の合計額であり、別途支給される時間外手当や決算賞与等の変動要素がある金額に関しては含まない想定で算出しています。
・ここ最近では、採用代行出身者や採用アシスタントとして2年未満の経験を持つ、経験者と未経験者の中間に位置するポテンシャル人材が増えています。
・採用教育を主な業務とするポジションは、ほとんどがマネージャー以下で、20代から30代の実務経験者を対象とした求人が大半です。40代以降の求人は少なく、発生する場合は実務よりも採用企画に近いポジションでの募集が稀に見られます。
・ベンチャー企業や成長中の企業では、採用責任者を求めるケースもあります。
・人事部長の求人では、採用教育だけでなく、労務や制度など人事全般の経験が重視される傾向があります。
・新卒採用もしくは中途採用業務による年収の差は見られません。それよりも、経験年数、年間の採用実績、職種領域、および採用業務の範囲(企画から入社後のフォローまで)によって決まることが多いです。
・教育研修のポジションに専門的に従事してきた候補者は少なく、この業務だけを希望する人材も多くありません。そのため、採用業務の経験を主に持つ方が評価されやすく、そこに教育研修の経験が加わるとさらに高い評価を受ける傾向にあります。また、採用手法(ダイレクトリクルーティング、SNSの利用)やDX(採用ツールの選定から効率的な利用まで)も企業側から重視される要素です。
・大手企業を中心に近年は英語力を求められるケースが増えており、TOEIC700点以上の基礎があればビジネス会話までの経験がなくとも、ポテンシャルを評価される事が多いです。
関西における人事(採用教育担当)の適正年収
経験年数~職位別でみた年収相場は下記となります。
経験年数 | 未経験・人材紹介出身者・ポテンシャル (採用代行・採用アシスタント経験者など) |
経験2・3年~5年 | 経験5年以上・ リクルーター |
---|---|---|---|
年収 | 350万円~450万円 | 400万円~600万円 | 500万円~700万円 |
※上記年収は月額給与及び定期的に支給される賞与の合計額であり、別途支給される時間外手当や決算賞与等の変動要素がある金額に関しては含まない想定で算出しています。
・関西・東海圏の場合は特に、20代から30代の方が採用教育業務からスタートし、その後労務や制度などの広範囲な人事業務にキャリアを広げることが一般的です。採用教育の経験だけでは昇進が難しく、年齢が上がるにつれて、労務・制度などの経験を含めた求人が増え、それに伴い年収も上昇します。最近は、関東以外のエリアでも人事企画、タレントマネジメント、HRBP、戦略人事などの求人が増加しております。労務や制度の経験を積む機会が少ないために転職を考える候補者も多いため、求人を出す際にはキャリアパスを明確に示すことが効果的です。
・採用責任者の求人は稀であり、主に実務担当者の求人が多い傾向です。
・人材紹介業界出身者の場合、現年収が約500万円から600万円程度が相場です。そのため、年収の面で合意に至らないケースが多く、条件面でのマッチングが重要です。
・関東エリア同様、教育研修のみの求人は候補者も少なく、求人も出にくい状況です。
・採用教育に加えて総務も一緒に対応して欲しいという求人も多く発生します。労務は別の担当者が、人事制度は役員と部長が主導することが一般的ですが、採用、教育、総務を一手に担うポジションに対する需要は高いです。
MS-Japan 大阪支社
リクルーティングアドバイザー
山川 直哉
人事(採用教育系)を採用したい企業へアドバイス(関西・東海エリア)
前提として、採用教育系の担当者は会社のことを既によく知っている人が担当した方が良いと思います。企業様とのお打ち合わせの中でも、営業で成果をあげられている方等、既存の社員の中から適任者がいないかをお伺いしています。その上で、外部からあえて中途採用したいケースの場合、求める要件を全て満たした経験を持つ若手層はほぼいないので、「経験で探すよりも人柄で探しましょう」と提案をしています。直近は採用だけではなく、何かしらの課題やプロジェクトが採用背景にある場合が多いです。人事経験がなくても、考え方や価値観が重要です。特に、同業界など親和性のある若手でポテンシャルやバイタリティーを持つ候補者は、組織に新しい風をもたらしてくれるでしょう。
採用後の即戦力化とフォローアップ
採用後のオンボーディングは、新たに加わった人事担当者が迅速に組織に適応し、効果を発揮できるようにするために極めて重要です。このプロセスには、職務の詳細説明、チームメンバーとの交流促進、および必要な業務ツールへの情報共有や使い方を教える、などが含まれます。また、新しい人事担当者が早期に力効果を発揮できるよう、専門的なトレーニングやメンター制度を通じて支援体制を整えることが必要です。
長期的なフォローとしては継続的な評価とフィードバックが不可欠です。定期的に個別面談を行い、進捗状況や目標達成状況を確認し、改善点を明確にするとよいでしょう。体系的なフォローアップは、新しい人事担当者が持続的に成長し、企業に貢献し続けるための基盤となります。
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採用成功事例の紹介
売り手市場の中、人事(採用教育系人材)の採用に成功した企業の具体的な事例を紹介します。
MS-Japan 東京本社
リクルーティングアドバイザー
湯上 貴子
【採用成功事例】30代の人材紹介出身者を新興上場企業でポテンシャル採用
新興上場の企業様が中途採用担当者を募集されることになりました。当初は30代前後という引き合いの強いターゲットで、即戦力を紹介してほしいというご依頼内容。売り手市場の中、なかなか候補者が見つからず、人材紹介出身者もターゲットに含めてもらうことになりました。結果、30代前半で3社経験、人材業界での営業を3年程度経験されていた方を採用していただくことに。これまでの経験との親和性が高く、求職者と企業の本質的なニーズを捉え、成果を出されていたことが高く評価されました。30代の人材紹介出身者はコミュニケーション能力が高い方も多いため、おすすめです。
MS-Japan 大阪支社
リクルーティングアドバイザー
山川 直哉
【採用成功事例】プライム上場商社で経験2年程度の30代をタイプマッチング採用
プライム企業の商社にて、3年以上の経験者を対象とした採用教育ポジションで依頼を頂きました。組織改編による増員によるもので、入社後に期待される役割やプロジェクトが明確な求人内容でした。元々、同社がスキルマッチングではなく、社風や人柄・価値観が合うかどうかを大切するタイプマッチングを重要視している企業様だったため、プロジェクト推進ができる方を中心にご紹介。結果、人事の経験値としては2年程度ながらも、起業や店舗開発など幅広い経験を積まれている30代中盤の方を採用いただきました。当初の募集要件となった経験年数を満たさないものの、アグレッシブなお人柄や志向性が重視された結果となりました。
まとめ:効果的な採用戦略を構築するために
本記事では、採用教育経験者の採用に関する戦略的アプローチを詳細に説明しました。採用教育担当者はただの実務者でなく、企業文化や成長に大きく影響を与えるキーパーソンです。採用成功の鍵は、経験だけでなく、候補者の人柄やポテンシャルにも注目し、募集の背景に沿った具体的なニーズに合致する人材を広く検討し、見極めることです。採用後のオンボーディングとフォローアップは、即戦力化及び長期的な貢献を確実にするため不可欠となります。採用教育担当者が自信をもって自社を候補者にお勧めできるよう、入社後の定着まで見据え、設計しましょう。
人事を採用される際は、管理部門採用のMS-Japanにも是非お声がけください。
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湯上 貴子
大学卒業後、2018年に新卒でMS-Japanに入社。東京本社にて一貫してリクルーティングアドバイザーとして法人営業に従事。
主に上場企業や大手グループ企業等のエンタープライズ企業を中心に担当し、営業数字にとらわれすぎない、顧客に寄り添った丁寧な仕事を心がけている。
山川 直哉
大学卒業後、生命保険会社にて支社営業やバックオフィスを経験後、本社に異動し管理部門として一部労務管理を経験。
2016年にMS-Japanへ中途入社し、大阪支社にてリクルーティングアドバイザーとして法人営業に従事。当初は会計事務所も含め幅広く担当し、直近は中小企業やIPO企業を中心に、多くの支援実績がある。
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お電話での
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MS-Japan 東京本社
リクルーティングアドバイザー 湯上 貴子
人事(採用教育系)を採用したい企業へアドバイス(関東エリア)
20代~30代を対象とした求人依頼を多くもらいますが、経験豊富な30代は企業からの引き合いも強いです。未経験者やポテンシャル層を対象とする場合は、30代まで求人対象を広げることで、より多くの候補者を集めることが可能です。また、組織構成上のバランスから若手スタッフを採用したい場合は、経験社数や学歴等の要件を広く検討しましょう。現在、20代でも既に3社から4社程度の職歴を持つ方も増えています。また、30代となると子育て中の候補者も多く、働き方を重視している方も増加します。リモートや時短勤務・フレックスなど、柔軟な働き方が可能な企業は求人票に落とし込み、詳細に記載をしましょう。