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中途採用と聞けば、即戦力としての活躍を期待できるスキルや経験を持った人材をピンポイントで採用するものとイメージする方が多いと思いますが、求人情報誌や求人サイトで“大募集”という文言が見られるよう、中途採用でも大量募集しているケースも多々見られます。
この記事では中途採用で大量募集する際のメリット、デメリットについて整理するとともに、人材不足の今日でも大量採用に成功しやすい方法についてご紹介していきますので、今後の参考にしてみてください。
大量採用する背景
大量採用を行う理由としてまず考えられるのは、人手不足や業務拡大に伴う人材確保です。これらは主に中小企業によって行われるものと思いがちですが、実は大企業でも大量採用を行っています。大企業の場合には新たな拠点を設けるために各部署より人材を引き抜いた結果、組織全体として人手不足に陥ってしまうため、その欠員補充のために大量採用を行います。
もちろん、新たな拠点で業務に従事する人材をまとめて採用するケースもあります。この場合、教育・研修を一律で終わらせることができるため、とても効率に優れています。
また、先々を見越して、人手不足とならないように採用枠を増やすケースもあります。採用人数が多ければ内定辞退者や早期離職者が出た場合にもスムーズに対応しやすくなるためです。
中途採用を大量募集するメリット
大量採用すれば、そこには必ず多様性が生まれます。様々なスキルや経験を持つ人材が必要となる新規事業を展開する際、大量採用はとても合理的な採用方法であるといえます。それぞれ持っているスキルや経験を活かして、人材を配属しやすくなるためです。即戦力として期待できない人材であっても、他に多数の人材を採用しているので、十分に教育研修する時間を設けられます。そのため、将来的な戦力確保としても大量採用は効果を期待できます。
一人あたりの採用コストを引き下げることができるのも大量募集のメリットです。
求人誌や求人サイトに求人情報を掲載したり、企業説明会を開いたりすれば、そのたびに採用コストが生じてしまいます。しかし、一度の採用活動で大量採用することができれば、求人媒体の利用回数、説明会の実施回数を減らすことができるので、一人の採用にかかるコストを引き下げることができます。採用コストには採用までにかかるコストだけでなく、入社してから戦力として活躍できるようになるまでのコストも含まれていますので、教育研修を一括して行うことができるのも大量採用時のコストメリットといえます。
また、利用する人材サービス会社によって異なりますが、転職エージェントをはじめとする人材サービスを利用する場合にも、大量採用であれば紹介手数料の割引を受けられるケースも考えられます。
中途採用の大量募集するデメリット
大量採用する場合、ひとりひとりの選考にかけられる時はどうしても限られてしまいます。求職者が面接や内定後のフォローの状況を伺いつつ、“自分のことをあまり見てくれていないのでは”との思いを抱きやすくなるので、内定を辞退されてしまう可能性が生じやすいのが大量採用のデメリットです。中途採用の場合、これまでの就業経験やかつての就職活動時の様子と照らし合わせながら、求職者は企業の対応を注意深く観察していますので、新卒採用以上にデリケートな反応を示すこともあります。
できるだけ多くの人数を採用したいという目的が第一となる以上、本来の選考基準の引き下げを要求される場面もあるため、人材の質については妥協せざるを得ないケースも少なくありません。そのため入社後にミスマッチが生じやすく、早期離職につながりやすいというデメリットが考えられます。
こういった事態も見越して採用枠に余裕を持たせておき、採用した人材をふるいにかけながら自社の戦力となっていける人材を確保する方法もありますが、この場合、離職率の高い会社というイメージを持たれてしまいかねません。SNSを多くの人が利用しており、企業の口コミサイトも多々ある状況下、企業のマイナスイメージが広がりやすいのを考えても、大量採用に伴う多数の早期離職者の発生は避けたいところです。採用におけるネガティブな企業イメージは、それ以降の求人への応募数に大きく影響を及ぼします。
大量採用でおすすめの方法
大量採用を成功させるには、リストラ社員と主婦をターゲットにするのがコツです。リストラ社員は新たな就業場所を探さなくてはならず、支出ばかりが募ってしまうので就業までの時間的余裕もないことから、希望する就業条件にすべて合致していなくても入社しやすいためです。どのような理由で前職をリストラされたのかチェックしなければなりませんが、社会人として一定の経験を持っているからこそ、スキルを活かせる職場であれば即戦力としての活躍を期待できます。また、生活がかかっているので、入社してから簡単に辞めることなく長続きしやすい点も魅力です。
主婦も長続きしやすいため、安定した労働力として期待できます。子どもがいる場合、時間が経てば経つほどお金がいるようになるので、より仕事に熱心に取り組んでくれることも期待できます。結婚や出産を機に主婦となった人も多いだけに、即戦力として期待できるスキルや経験を持った人材である場合も少なくありません。
大量採用を行うためには、24時間いつでも求人情報をチェックすることのできるWEB媒体を利用するのがおススメです。求人広告誌をはじめとする紙媒体では掲載できる情報量に限りがありますが、WEB媒体であれば豊富な情報量を求職者に提示できますので、応募のしやすさ、入社後のミスマッチの回避の両面に効果を期待できます。
大量採用に成功した企業事例
大量採用に成功した企業の例としてまず挙げられるのが、アイリスオーヤマ株式会社です。同社が採用の対象としたのは他の家電メーカーをリストラされた社員でした。東芝やシャープといった一流メーカーをリストラされたベテラン技術者を多数採用した結果、アイリスオーヤマ株式会社の製品はより一層魅力あるラインナップとなり、多くのユーザーから高評価を受け、売上が急増することとなりました。トップダウンで製品開発の細部を手伝わせたのではなく、採用したベテラン技術者に新製品の開発アイデアを求めたことで、それぞれのモチベーションを向上させるなど独自のマネジメントによって大量採用に成功しています。
日本マクドナルド株式会社も大量採用を成功させている企業のひとつです。同社の場合にはアルバイト採用についてですが、正社員採用時の行われるインターンシップをより身近なものとしたクルー体験会を実施することで求人への応募を促し、離職後のミスマッチの抑制を図っています。特徴的なのは、主婦の採用に力を入れている点です。同社の調査によって、卒業のタイミングで辞めてしまう学生アルバイトに比べると、主婦は2倍以上の平均勤続期間となっているため、安定した労働力確保につながると判明したからです。アルバイト募集専用のLINE公式アカウントを開設するなどWEBを介した求人にも力を入れており、それ以前より30%以上も応募者数を増やすことに成功しています。
まとめ
中途採用で大量募集を行い、大量採用に成功すれば、一人あたりの採用コストを軽減できるなど多くのメリットがあります。しかし、必然的に選考基準が低下してしまいがちであり、人材の質の面で不安があるほか、ひとりひとりにかけられる時間や労力が限られてしまうので求職者に不安を抱かせやすいといったデメリットもあります。
これらのデメリットを抑え、できるだけメリットのみを享受できるようにするには、リストラ社員や主婦にターゲットを絞るなど工夫が必要でしょう。
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