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    中途採用が上手くいかない・・・採用の質を高めるために見直すべきポイント

    人手不足に悩む企業が増える中、求職者に対する魅力的な求人情報を作り込むことができなかったり、自社が望む人材を十分に集められなかったりして、思い通りに中途採用を進められない企業が増えてきています。 新卒採用で必要な人材が1人も確保できず、やむなく中途採用を検討するも、結果が出ていない企業もあります。 この記事では、そんな「中途採用がうまくいっていない」企業向けに、現代においてなぜ中途採用が難しくなってきているのかを解説した上で、中途採用の質を高めるための課題・見直すべきポイントについてご紹介します。

    上手くいかない…年々難しくなる中途採用

    新型コロナウイルスの影響から、採用市場のトレンドが「売り手市場から買い手市場へと移行する」という声も聞かれますが、それはあくまでもごく一時的な傾向に過ぎず、中途採用含め、採用市場の動きは未だ売り手市場であることに変わりはないものと考えられます。

    特に、知名度が十分な大企業と違い、人材を集めるのにどうしても苦心しがちな中小企業は、新卒採用の段階で不利になります。 また、現代の日本ではグローバル化が進んでおり、優秀な人材は国境を超えて必要とされますから、外資系企業からのアプローチに負けないだけの魅力を求職者に発信しなければなりません。

    IT技術の進化は、新しいビジネスの発展だけでなく、ニーズのなくなったビジネスの衰退も加速させています。 変化の速さに対応できる人材を確保するためには、まず自社が変化を受け入れる必要があるものの、現在働いている社員すべてが柔軟性を持ち合わせているわけではありません。

    少子高齢化が進む中で日本の生産年齢人口も減少していき、貴重な技術を持つ中小企業・町工場などでも、跡継ぎがいないことが原因で廃業を余儀なくされています。 そこで、中小企業の多くは必死に優秀な人材を選ぼうと試みるわけですが、ノウハウ等が不十分なことから迅速に人材を確保することができず、結果的に少人数化が進むという悪循環におちいってしまうことも珍しくありません。 このように、日本における採用の難易度は、年々上昇しているのです。

    中途採用の主な課題


    続いては、中途採用を行うにあたり、多くの企業で聞かれる課題について見ていきましょう。 具体的な課題としては、主に以下の4点があげられ、いずれも放置しておくと良い人材が定着しにくくなるおそれがあります。

    母集団形成がうまくいかない

    中途採用は、新卒採用ほどの規模は必要ないものの、採用人数の10倍程度の母集団が形成できると安心できます。 採用は、応募者が集まった段階から始まるため、母集団形成がうまくいかないと、採用はスタート段階から頓挫してしまうでしょう。 中途採用は、良い人材をタイミングよく狙って獲得できるケースが少なく、採用活動を開始した段階ではまったく欲しい人材が見つからないことの方が多いものです。 それだけに、選考したいと考える年齢・経験・スキルを持つ母集団形成は、満足のいく採用を実現するためには大きな課題と言えるでしょう。

    求めるスキルの人材がこない

    母集団を集めることにはそれほど苦労しないという企業でも、実際に採用活動をする中で「求めるスキルの人材がこない」と嘆く採用担当者は少なくありません。 この点については複数の理由が考えられますが、特に問題となるのが「どういう人物を採用したいのか、人物像が明確でない」ケースです。 ターゲッティングが曖昧なまま採用活動を行ってしまうと、選考対象のイメージがブレてしまい、採用に時間がかかってしまいます。 その結果、求職者側と採用後のビジョンを共有できず、結果的に優秀な人材をみすみす逃してしまうおそれがあるのです。

    なかなか採用に至らない

    書類選考・面接の段階までは進むのに、なぜか採用にまで至らない。 内定通知を出そうと考えていた求職者が、採用を辞退してしまうことが多い。 上記のような問題を抱えている企業は多く、原因として、採用担当者に問題があるケース、選考スピードが遅いせいで求職者を逃してしまうケースなどが考えられます。

    すぐに辞めてしまう

    せっかく採用が決まっても、その後すぐに新入社員が退職してしまうと、それまで採用にかけた費用が無駄になります。 内定がもらえても、十分に不安要素を解消できないまま時間が過ぎて、内定者が辞退してしまうケースもあります。 内定者の辞退・早期離職に悩む企業は、内定者が採用前に得ている情報と、採用後の現実とのギャップが大きいことから、その分気持ちが離れやすくなっているものと推察されます。

    中途採用がうまくいかない場合に見直すポイント


    様々な原因から、どうしても中途採用がうまくいかないと感じている場合、以下のポイントを見直してみましょう。 自社の問題点がどこにあるのかを知る意味でも、まずは一通り見直しをかけることをおすすめします。

    ターゲット設定

    中途採用は、新卒以上に細かいターゲット設定が必要です。 まず、自社が求職者側に求めるものを洗い出した上で、求職者は自社に何を求めてやって来るのかを想定して、求人情報を構成します。 例えば、自社が老舗の不動産会社で世代交代を考えていて、ベテラン・専門家が在籍していてフォローアップ体制が整っているなら、希望する求職者像につき「柔軟性・傾聴力のある若手社員で、不動産業は未経験者」といったイメージが生まれるかもしれません。 他に、世代間のギャップを埋めるコミュニケーション能力・学習能力の高さなどが必要と判断したら、そちらも設定の中に組み込んでいきます。

    採用方法

    現代における採用方法は、雑誌の紙面に広告を打つだけの一昔前とは大きく異なり、求職者が能動的に会社の情報を集めることを想定したものが増えてきています。 求人サイトはバックオフィス向けサイトなど専門化・細分化が進んでいますし、自社サイト・SNS上で発信した情報に求職者が反応するケースも珍しくありません。 それぞれの採用方法にはメリット・デメリットがあり、自社が欲しいと思っている人材を探し出すためには、設定したターゲットの特徴と採用方法とのマッチングを、掘り下げて考える必要があります。

    求人内容

    求人情報を構成するにあたり、文章・画像の内容は求職者にとって第一印象を決めるものになるため、とても重要です。 求職者がその会社で働いている状況をイメージできない求人情報だと、魅力が伝わりにくく、興味を引くのも難しいでしょう。 なぜ新しいスタッフを募集しているのか・明るい社風なのか落ち着いた社風なのか・業務内容は具体的にどのようなものなのか、といった情報を一つひとつまとめていき、ターゲットに訴える文章を作成しましょう。

    選考フロー

    中途採用の選考フローは、スピーディーに進める必要があります。 じっくりと優秀な人材を見極めたい気持ちも分かりますが、応募から採用に至るまで時間がかかってしまうと、求職者側が不安を覚えてしまいます。 「連絡が来ない=不採用だった」と判断し、別の会社にアプローチする求職者も多いことから、迅速に採用を決定できるフローの構築が求められます。

    入社後フォロー

    内定者が無事入社してくれたとしても、そこで安心することはできません。 本当に自分が選んだ会社がマッチしているのか、内定者は常に様子をうかがっているため、何か問題があると判断した段階で退職を検討する可能性があります。 採用担当者は、内定者の気持ちをしっかり受け止めて、不安や焦りを払拭するためのフォロー体制を構築する必要があります。 また、同時期に採用となった内定者同士を集めた交流会を行い、同期の絆を深めてもらうことも大切です。

    まとめ

    中途採用で優秀な人材を確保するのは、年々難しくなってきています。 そのような中、自社にマッチした人材を必要に応じて確保するためには、昔ながらの採用方法以外のアプローチが必要です。 具体的には、SNS・自社サイトの活用など入口の段階から改善を進めた上で、選考フローのスピードを上げ、内定者には丁寧なフォローをすることが基本となります。

    母集団形成に苦戦している・なかなか自社が欲しいと思う人材を集めることができない・せっかく内定を出してもすぐに辞めてしまうなど、特定の課題について苦戦しているなら、それぞれの課題を解決するための方法を用いなければなりません。 求職者は自由に仕事を選べる立場だということを再認識して、自社が求めている求職者の動向を探りつつ、求職者に自社の魅力をあらゆる方向性からアピールすることが大切です。